リーバイス ジージャンの偽物を見分ける方法を知ることは、古着やヴィンテージアイテムを購入する際に非常に重要です。特にリーバイスのデニムジャケット(通称Gジャン)は、その高い人気ゆえに精巧な偽物が市場に出回っており、一般的な知識では見分けることが困難な場合も少なくありません。
本記事では、徹底的な調査を基に、どこよりもわかりやすくリーバイス ジージャンの偽物を見分けるポイントをまとめました。赤タブの特徴からボタン裏の刻印、パッチの質感、リベットの詳細まで、真贋判定に必要な知識を独自の考察も交えて解説しています。フリマアプリやネットオークションでの購入を検討している方、古着店での買い物で失敗したくない方にとって、この情報は必見の内容となっています。
この記事のポイント |
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✅ 赤タブの「ビッグE」表記と文字の形状で年代と真贋を判別する方法 |
✅ ボタン裏刻印の工場番号から本物のリーバイスを見分けるテクニック |
✅ パッチの素材と印字内容で偽物を見抜く具体的なチェックポイント |
✅ モデル別(506XX・507XX・557XX・70505)の偽物判別法 |
リーバイス ジージャンの偽物を見分ける基本ポイント
- 赤タブの特徴で偽物を見抜くことが最重要
- ボタン裏の刻印番号が真贋判定の決め手
- パッチの質感と表記内容で本物を判別する方法
- リベットの刻印と細部縫製の違い
- 内タグの表記で年代と真贋を確認する手順
- デニムジャケット品番から年代を特定する技術
赤タブの特徴で偽物を見抜くことが最重要
リーバイスのジージャンにおいて、赤タブは最も重要な真贋判定ポイントです。1936年に初めて導入されたこのアイコニックなタブには、年代によって異なる特徴があり、これらの違いを理解することで偽物を効果的に見分けることができます。
本物の赤タブには「LEVI’S」のロゴが刺繍されており、その品質や文字の形状が偽物との大きな違いとなります。まず注目すべきは赤タブのサイズです。偽物の場合、本物と比較してサイズが微妙に異なることが多く、古着専門店の情報によると、偽物の赤タブは本物より大きさが違うことが指摘されています。
📊 年代別赤タブの特徴一覧
年代 | 特徴 | 判別ポイント |
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1936年~1950年代中頃 | 片面タブ(前面のみに文字) | 裏は無地、「ビッグE」表記 |
1953年~1966年頃 | 両面タブ、均等V | Vが左右対称、「ビッグE」表記 |
1966年~1973年 | 両面タブ、不均等V | Vの右側が細い、「ビッグE」表記 |
1974年以降 | スモールeタブ | 小文字「e」を使用 |
特に重要なのは**「ビッグE」の有無**です。1971年より前のモデルのジーンズのみ、Levi’s表記に大文字のE(「ビッグE」)を使用しています。もし購入したジーンズが1971年以降のモデルで「ビッグE」表記があるものは、一般的には偽物の可能性が高いでしょう。
さらに、本物の赤タブには横に番号が入っていることがありますが、偽物にはこの番号がないケースも報告されています。古着屋の専門家によれば、本物と偽物の赤タブを比較した際、本物には番号が入っているのに対し、偽物にはない例が確認されています。
フォントや縫製の品質も重要なチェックポイントです。本物の場合、フォントや縫い目の質が非常に高いのが特徴で、偽物ではフォントが微妙に異なったり、縫製が雑だったりすることが多いとされています。特に「R」マークが正確に表示されているかどうかも重要な確認項目となります。
ボタン裏の刻印番号が真贋判定の決め手
ボタン裏の刻印番号は、リーバイス ジージャンの真贋判定において最も信頼性の高いポイントの一つです。この刻印には工場番号や製造年を示す情報が含まれており、本物と偽物を見分けるための決定的な手がかりとなります。
全てのリーバイス製品は一番上のボタンが銅か銀で作られており、年月を経てもすり減ったり色あせることはありません。長い年月の間にボタンのデザインは何度か変わりましたが、本物のボタンには必ず表側に「LEVI STRAUSS & CO」と刻まれています。
🔍 年代別ボタン裏刻印の特徴
刻印種類 | 年代 | 詳細 |
---|---|---|
一桁(A,D,E,F,J,K,L,O,S,W,2,4,5,6,8,16) | 1950年代~1970年代 | 特にアルファベットと「2」の刻印は希少 |
二桁(10,12,14,16,17,20) | 1960年代~1980年代 | 「17」は507XXの代表的な刻印 |
三桁(522,524,544,555など) | 1980年代~2000年代初期 | 524はエルパソ工場(旧6工場) |
四桁 | 現行品 | 文字が詰まった印象 |
トップボタンの裏側には3桁または4桁の番号(コード)が刻印されており、この番号はジーンズの内側にある白い取扱い表示タグに記された番号と合致している必要があります。コードが見当たらない場合は模造品の可能性があります。
特に重要なのは**「501」刻印の扱い**です。偽物の501では、ボタン裏の「501」の刻印があることが多いという報告がありますが、1980年~90年代の一部のレギュラーに限り501刻印が存在するため、年代やモデルによる違いも把握しておく必要があります。ただし、それ以外の時代で「501」刻印がある場合は、偽物の可能性が高いと考えられます。
復刻品と現行品の見分け方も重要です。復刻品には「J22」のようなアルファベットと数字の組み合わせ、現行品には4桁の番号が刻印されています。これらは本物のヴィンテージには存在しないため、年代の特定に役立ちます。
近年のリーバイス製品のコードはたいてい3桁または4桁ですが、ビンテージジーンズは桁数が異なる場合もあります。この刻印は偽物を見分ける重要な手がかりですが、年代やモデルによる違いも理解しておくことが大切です。
パッチの質感と表記内容で本物を判別する方法
パッチ(腰ラベル)の質感と表記内容は、リーバイス ジージャンの真贋判定において非常に重要な要素です。本物のリーバイスはどれもレザーパッチがほぼ同じデザインで、高品質の素材を使用しています。
パッチの質感チェックが最初のステップです。本物のパッチには若干きめの粗さがあり、柔らかく擦り切れている特徴があります。偽物の多くは安価な革や代替品を使っているため、何かに覆われているような、またはプラスチックのような触り心地があるかもしれません。本物のパッチの素材はなめらか過ぎず、硬すぎないのが特徴です。
📋 年代別パッチの特徴
年代 | 素材 | 特徴 | 判別ポイント |
---|---|---|---|
1886年~1957年頃 | 革パッチ | 鹿革使用、型番にXX表記 | Every Garment Guaranteed記載 |
1958年~現行 | 紙パッチ | デザインは革パッチと同様 | 年代により表記内容が変化 |
ギャラ入り(~1962年頃) | 紙パッチ | Every Garment Guaranteed記載 | 初期の紙パッチモデル |
ギャラなし(1962年以降) | 紙パッチ | 保証表記なし | より現代的なデザイン |
パッチのデザイン確認も重要です。本物のリーバイスジーンズには、モデル・スタイルそしてウェスト、股下のサイズが黒色で表示されています。これは先にラベル部分を製造し、その後ジーンズにつけてから記載するためです。パッチが中心からずれていたり、スペルに誤りのあるものは偽物の可能性が高いでしょう。
色の確認も見逃せません。本物のレザーパッチの色はどのジーンズも同じで、薄すぎず、また濃すぎない色であり、洗っても色あせることはありません。この一貫性は、偽物では再現が困難な特徴の一つです。
偽物の中には、パッチにある型やウエストサイズ等が刻印ではなく、マジックで書いたようになっているケースもあるという報告があります。このような特徴も偽物を見分ける手がかりになります。
パッチのデザインは年代によって変わるので、同じ年代のもの同士を比べることも大切です。専門の古着ブログでは、90年代レギュラーモデルと偽物のパッチの違いが写真付きで解説されており、本物と偽物の決定的な違いがよく分かるとされています。
リベットの刻印と細部縫製の違い
リベット(鋲)の刻印と縫製の品質は、リーバイス ジージャンの真贋判定において見逃せないポイントです。本物のリーバイスには厳格な品質基準があり、これらのディテールに偽物との明確な違いが現れます。
本物のリーバイスのリベットには表裏両側に「LS & CO. S.F.」と刻まれており、これはリーバイ・ストラウスと本社所在地のサンフランシスコを略したものです。刻印が簡素であったり本来のものと異なっているジーンズは偽物の可能性があります。
⚙️ リベットの年代別特徴
年代 | リベット種類 | 特徴 | 判別ポイント |
---|---|---|---|
1937年~1966年 | 隠しリベット | バックポケット内側に設置 | V字ステッチとセット |
戦時中(1942-1946年) | 鉄製銅メッキ | 磁石で確認可能 | 資源統制による変更 |
1963年頃~ | アルミ製 | 軽量化された | 素材変更の境目 |
1966年以降 | バータック | 縫製による補強 | リベットから変更 |
隠しリベットの存在は重要な判定ポイントです。1937年から1966年頃まで使用されていた隠しリベットは、外側から見るとバックポケットの付け根にリベットが見えないが、内側を見るとリベットがあるという特徴があります。この時期の製品には、ダイヤモンドポイント(アーキュエットの中央でステッチが交差する)も見られます。
縫製の品質チェックも欠かせません。リーバイスは大変厳しい基準に基づいて品質管理をしているため、縫い目や金属加工に欠陥があれば、偽物の疑いがあります。本物のリーバイスは縫い目がきれいで均一であるのに対し、偽物は縫製が粗かったり、糸の太さが不均一だったりすることがあります。
バックポケットのアーキュエット(弓形)ステッチは、リーバイスの伝統的なデザインの一つで、これが正確かどうかを確認するのも偽物を見分けるポイントです。インシームダブルステッチ(内側の縫い目が二重に縫われている)と裾シングルステッチ(裾が一重に縫われている)のような細部のディテールも、年代やモデルによって特徴があり、偽物を見分けるポイントになります。
古着専門店の情報によると、リベット裏に「544」の刻印があるかどうかが本物と偽物を見分けるポイントの一つとされています。偽物のリベットにはこの刻印がなく、これだけで偽物だと判断できるという報告もあります。
内タグの表記で年代と真贋を確認する手順
**内タグ(取扱い表示タグ)**は、1974年以降のリーバイス ジージャンに付けられるようになった重要な判別要素です。内タグには製造国、素材、サイズなどの情報が記載されており、これらの情報の正確さや表記のされ方で真贋を判断できます。
まず、内タグに記載されている情報の確認から始めましょう。本物のリーバイス内タグには、製造年月や工場番号、製品番号などが正確に記載されています。古着専門店の解説によると、内タグの下の数列を見れば「544 1196」とあるので、裏のリベットの刻印が「544」で、アメリカ製の1996年製11月ということがわかるとされています。
📅 年代別内タグの特徴
年代 | タグの特徴 | 記載内容 | 判別ポイント |
---|---|---|---|
1974年~1980年代前半 | 数字の羅列(3行) | 製造月・年(下2桁)・工場番号 | 最下行に重要情報 |
1980年代後半~1991年 | 7行構成 | 6行目:工場番号、7行目:製造年月 | 製造年が下1桁のみ |
1991年~1994年 | ペラペラの薄い生地 | 下から2行目に製造情報 | 生地の質感で判別 |
1995年~2003年 | 厚手のタグ | 明確な工場番号と製造年月 | 最も判別しやすい |
内タグのデザインや素材も重要なポイントです。本物の内タグは繊細な作りで、その質感も良好です。偽物の場合は内タグの印刷が粗かったり、情報が不正確であったりすることが多いという報告があります。
年代によって内タグのデザインや情報の記載方法が異なるため、特定の年代のリーバイスを購入する際には、その年代の内タグの特徴を知っておくことが重要です。古着専門ブログでは、80年代~90年代のリーバイス501の内タグについて詳しい解説がされています。
復刻版と現行品の判別も内タグで可能です。復刻や現行だけにある表記は日本語の文字、電話番号でこの記載があれば復刻もしくは現行となります。もし内タグが取れていたり意図的に切られている場合はボタン裏の刻印で判断します。
さらに、内タグの取り付け位置も注目すべき点です。一般的な情報によれば、内タグが腰のところではなく横の縫い目のポケットの真下あたりに付いているものもあるようです。こうしたディテールも偽物を見分ける手がかりになります。
デニムジャケット品番から年代を特定する技術
品番(ロットナンバー)の理解は、リーバイス ジージャンの年代特定と真贋判定において非常に重要な技術です。リーバイスのジージャンは大きく分けて4種類に分類され、それぞれに特徴的な品番が付けられています。
主要4モデルの品番体系を理解することから始めましょう。506XX(ファースト)、507XX(セカンド)、557XX(サード)、70505(フォース)という通称で呼ばれており、当時のオリジナルモデルはプレミア品としても扱われています。
🏷️ モデル別品番と年代
モデル | 品番 | 製造年代 | 特徴 | 買取参考価格 |
---|---|---|---|---|
ファースト | 506XX | 1936年~1952年頃 | プリーツ、シンチバック | 25,000~200,000円 |
セカンド | 507XX | 1952年~1962年頃 | 両胸ポケット、アジャスターベルト | 12,000~40,000円 |
サード | 557XX | 1962年~1967年頃 | V字ステッチ、大きなアームホール | 15,000~80,000円 |
フォース | 70505 | 1967年以降 | 小パッチ、着丈が長い | 9,000~30,000円 |
品番の変遷も重要な知識です。557XXは「ギャラ入り」かどうかで価値が決まります。「ギャラ入り」とは、パッチに”EVERY GARMENT GUARANTEED”と表記されているものを指し、50年代後半から62年頃までに生産されたであろう3rdの初期モデルのことです。
復刻版の品番識別も必要な技術です。リーバイスは1980年代後半からヴィンテージGジャンの復刻モデルの販売も豊富に行なっています。復刻品番の例として、70506(506XX復刻)、70507(507XX復刻)、70557(557XX復刻)、71205(70505復刻ロング丈)などがあります。
LEVI’S VINTAGE CLOTHINGの理解も欠かせません。これは過去のロットナンバーを復刻したラインで、古着屋などでパッチ表記は「506」「507」なのに相場より安価だった際は、この復刻ラインの可能性があります。もし復刻版ではなく当時のGジャンを買いたい場合には注意が必要です。
品番の後に続く4桁の数字(例:70505-0217など)は、素材や色を表す数字となっているとされています。この詳細な品番システムを理解することで、より正確な年代特定と真贋判定が可能になります。
リーバイス ジージャンの偽物を見分ける詳細テクニック
- 506XX(ファースト)の偽物を見分ける特徴
- 507XX(セカンド)の偽物判別ポイント
- 557XX(サード)の偽物を見抜く方法
- 70505(フォース)の真贋判定のコツ
- 復刻版と現行品を区別する見分け方
- 購入時に注意すべき偽物リスクと対策
- まとめ:リーバイス ジージャン 偽物 見分け方の総合チェック
506XX(ファースト)の偽物を見分ける特徴
**506XX(ファースト)**は1936年発売の初期モデルで、現在はデニムジャケットに括られていますが、当時は特徴的な前立てのプリーツから「プリーデッド・ブラウス」と呼ばれていました。このモデルの偽物を見分けるには、戦前・大戦・戦後モデルの特徴を理解することが重要です。
基本的な特徴確認から始めましょう。506XXの最も顕著な特徴は、フロントがシングルポケットのみであること、シンチバックがあること、フロントプリーツがあることです。これらの基本的な要素が欠けている場合は、そもそも506XXではない可能性があります。
🔍 506XX年代別偽物判別ポイント
年代区分 | 特徴 | 偽物の見分け方 | 注意点 |
---|---|---|---|
戦前モデル | 赤タブなし、小さなボックスステッチ | タブの有無、ステッチサイズ | 極めて希少 |
大戦モデル | フラップなし、4つボタン | 資源統制の影響再現度 | 統一性のない多様性 |
戦後モデル | 針なしシンチバック、調整されたステッチ | ディテールの精度 | 最も流通が多い |
ボタン裏の刻印確認は506XXでは特に重要です。本物の506XXのボタン裏刻印は「刻印無し」「ツメ」「アルファベット」「数字1桁」のいずれかとなります。これ以外の刻印がある場合は、偽物または他のモデルの可能性があります。
タブの確認も欠かせません。1937年から付く赤タブは全て片面仕様です。両面タブが付いている場合は、時代的に合わないため注意が必要です。また、戦前モデルには赤タブが付いていないため、この点も確認が必要です。
プリーツとボックスステッチの精度が偽物を見分ける重要なポイントです。本物の506XXは、プリーツをとめるボックスステッチの位置や大きさが年代によって異なります。戦前モデルではボックスステッチが小さく、戦後モデルではボタンと同じ高さになります。偽物ではこの細かい違いが再現されていないことが多いでしょう。
大戦モデルの特殊性も理解が必要です。第二次大戦下の物資統制により、フラップがない、フロントボタンが4つ(通常は5つ)など、資源削減のため何パターンか簡略化して展開されました。この統一性のない多種多様なタイプが存在することが、逆に大戦モデルの特徴となっています。
袖カフスや裾テープ部分の返しのステッチ、またサイズ42以上から見られる脇部分のパネル(生地)追加は、精巧に作られた復刻モデルでもさすがに再現していないディテールとされています。これらの細部まで確認することで、より確実な真贋判定が可能になります。
507XX(セカンド)の偽物判別ポイント
**507XX(セカンド)**は1952~1953年頃から1962年頃まで製造されたモデルで、506XXから507XXへの主な変更点は、左のみだったポケットが両胸2ポケットに変更されたこと、シンチバックからアジャスターベルト仕様に変わったことです。
最重要な判別ポイントは、**ボタン裏の刻印「17」**です。この刻印があれば、オリジナルのビンテージ507XX確定とされています。刻印の無い物もたまに見掛けられますが、ボタン表を見ればビンテージか復刻モデルか判断できるはずです。
⚙️ 507XXの真贋判別チェックリスト
確認項目 | 本物の特徴 | 偽物の特徴 | 重要度 |
---|---|---|---|
ボタン裏刻印 | 「17」または刻印なし | 他の数字・文字 | ★★★ |
パッチ | レザーまたは紙(年代による) | 質感が粗悪 | ★★☆ |
タブ | 片面(初期)両面(後期) | 年代に合わない仕様 | ★★☆ |
ステッチ | 丁寧で均一 | 粗雑・不均一 | ★☆☆ |
パッチの判別には注意が必要です。一般的には片面タブや裾のステッチがシングル→「レザー」、チェーンステッチ→「紙」が確実とされていますが、片面タブやシングルステッチの時期は’52年~’54年と短く、両面タブ・チェーンステッチのレザーパッチモデルが多く見られます。
フロントポケットの構造も重要な確認点です。507XXでは左右対称にポケットが付き、初期モデルにはシンチバックがありますが、後期モデルでは省略されており、現在中古市場で流通している大部分がシンチバック無しでサイドアジャスターとなっています。
胸ポケットの仕様変更も見逃せません。胸ポケットがリベット止めからバータック変更されているのが507XXの特徴です。この変更点が正確に再現されているかどうかで、真贋の判別ができます。
オリジナルにしか無いディテールとして、刻印の「17」もそうですが、袖カフスや裾テープ部分の返しのステッチ、またサイズ42以上から見られる脇部分のパネル(生地)追加があります。これらは精巧に作られた復刻モデルでもさすがに再現していないディテールとされています。
価格との整合性も確認しましょう。507XXの買取平均価格は12,000~18,000円、最高買取価格は40,000円程度とされています。あまりに安価な場合や、逆に年代に見合わない高価格の場合は、注意深く確認する必要があります。
557XX(サード)の偽物を見抜く方法
**557XX(サード)**は1962年に507XXを大幅にモデルチェンジして発売されたモデルで、それまで大きな特徴だった前立てのプリーツを廃止し、両胸のアウトポケットは内側から縫い付ける仕様に変更されました。現代のGジャンにかなり近くなった印象のモデルです。
最も重要な判別ポイントは、**タブが「均等V」**であることと、**ボタン裏刻印が「17」「D」「O」「A」「刻印無し」**であることです。557XXのタブは基本的に全て均等Vとなっており、この点で他のモデルと区別できます。
🎯 557XXの特徴的ディテール
部位 | 特徴 | 偽物との違い | 確認方法 |
---|---|---|---|
ポケット | V字状のステッチ | 角度や長さの違い | 裾へのステッチライン確認 |
パッチ | 正四角形の紙パッチ | サイズや質感の相違 | ステッチ跡で判別可能 |
ボタン裏刻印 | 17,D,O,A,刻印無し | 他の数字・文字 | 全ボタンで確認 |
アームホール | 大きなアームホール | サイズ感の違い | 着用感で判別 |
「ギャラ入り」の確認が557XXでは特に重要です。「ギャラ入り」とは、パッチに”EVERY GARMENT GUARANTEED”と表記されているものを指し、50年代後半から62年頃までに生産されたであろう3rdの初期モデルのことです。この表記があるかどうかで価値が大きく変わります。
V字状のステッチは557XXの大きな特徴です。ポケットから裾にかけて別生地を縫い付けているV字状のステッチがありますが、偽物ではこのステッチのパターンや質が本物と異なることがあります。角度や長さ、縫製の精度を確認しましょう。
パッチの形状確認も重要です。557XXの紙パッチは正四角形で、紙パッチが無くてもステッチ跡で判断が出来ます。偽物ではパッチの形状が微妙に異なったり、取り付け跡が不自然だったりすることがあります。
初期モデルの特徴も理解しておきましょう。ボタン裏の刻印が「17」の場合、カフスとウエストバンドに先代507XXの縫製仕様と同じステッチが入ります。また、1st、2ndと同じく、ポケットのフラップ裏にはライトオンスデニムを使用しています。
生産期間の短さも557XXの特徴です。1stや2ndモデルと比べて生産期間が短く希少ですが、それでも1st、2ndにくらべ購入しやすい価格帯で着丈が長く合わせやすいとされています。この希少性と実用性のバランスが、557XXの人気の理由でもあります。
70505(フォース)の真贋判定のコツ
**70505(フォース)**は1967年頃から展開されたモデルで、557XXから70505へは当初パッチの表記のみの変更でしたが、その後パッチの大きさ自体が小さくなり(通称小パッチ)、着丈が長くなるなどの変更点が加えられました。
年代による変遷の理解が70505の真贋判定では重要です。557XXは、(1)557XXギャラ入り、(2)ギャラなし、(3)557と多少内容を変更しながらパッチの表記も変化してきました。そして1967年に557/70505のダブルネームを経たのちに、70505の品番だけが残り展開されました。
📊 70505の変遷と特徴
時期 | パッチサイズ | 着丈 | その他の特徴 | 買取参考価格 |
---|---|---|---|---|
初期(1967年頃) | 通常サイズ | 短め | ダブルネーム表記 | 15,000~25,000円 |
中期(1970年代) | 小パッチ | 長め | ビッグEタブ | 10,000~20,000円 |
後期(1974年以降) | 小パッチ | 長め | スモールeタブ | 9,000~15,000円 |
「ビッグE」モデルの確認が70505では重要です。70505のビッグEモデルは1967年から1973年頃まで製造されており、赤タブに大文字の「E」が使用されています。この時期の70505は比較的価値が高いとされています。
パッチサイズの確認も欠かせません。初期の70505は通常サイズのパッチでしたが、後に小パッチに変更されました。この変更は段階的に行われたため、同じ70505でもパッチサイズに違いがあります。偽物では、この時代考証が正確でないことがあります。
着丈の変化も確認ポイントです。70505は557XXと比較して着丈が長くなっています。現代のGジャンのベースとなっているモデルで、着丈の長さが実用性を高めています。偽物では、この着丈の設定が中途半端なことがあります。
復刻版との区別も重要です。70505の復刻版として**71205(70505ロング丈)などが販売されています。また、LEVI’S VINTAGE CLOTHINGでは70505-0131(70505-0217)**として1967年モデルの復刻版が販売されています。
内タグの確認も1974年以降の70505では可能です。70505は長期間製造されたモデルのため、内タグの仕様変更を複数回経験しています。年代に応じた内タグの特徴を理解することで、より正確な真贋判定ができます。
現代への影響も理解しておきましょう。70505は現在のGジャンの原型となったモデルで、多くのブランドがこのシルエットを参考にしています。そのため、一般的なGジャンとの違いが分かりにくい場合がありますが、細部のディテールで判別が可能です。
復刻版と現行品を区別する見分け方
復刻版(リプロダクト)モデルと現行品の区別は、ヴィンテージリーバイスを購入する際に非常に重要なスキルです。これらは本物のヴィンテージではありませんが、正規のリーバイス製品であるため、完全な偽物とは異なる扱いになります。
最も確実な判別方法は、内タグの日本語表記と電話番号の確認です。ヴィンテージリーバイスの内タグには無く、復刻や現行だけにある表記は日本語の文字、電話番号でこの記載があれば復刻もしくは現行となります。
🏷️ 復刻版・現行品の識別ポイント
識別方法 | 復刻版の特徴 | 現行品の特徴 | ヴィンテージとの違い |
---|---|---|---|
ボタン裏刻印 | J22などアルファベット+数字 | 4桁数字(詰まった印象) | 1-2桁数字・アルファベット |
内タグ | 日本語表記、電話番号あり | 現代的なタグデザイン | 英語のみ、シンプル |
パッチ | 復刻年代の再現 | 現代的なデザイン | オリジナル年代の特徴 |
ボタン裏刻印による判別も重要です。もし内タグが取れていたり意図的に切られている場合は、ボタン裏の刻印で判断します。復刻版ではアルファベットと数字の組み合わせ(例:J22)、特に日本企画モデルにはJが先頭につくことが多いです。現行品では4桁の数字が刻印されており、明らかに文字が詰まっています。
**LEVI’S VINTAGE CLOTHING(LVC)**の理解も必要です。LVCは過去のロットナンバーを復刻したラインで、古着屋などでパッチ表記は「506」「507」なのに相場より安価だった際は、この復刻ラインの可能性があります。主要な復刻品番として以下があります:
- 70506-0023(506XX):1936年モデル復刻版
- 70507-0056(507):1953年モデル復刻版
- 70505-0131(70505-0217):1967年モデル復刻版
復刻の再現度の限界を理解することも重要です。復刻版は技術的制約や現代の安全基準により、完全にオリジナルを再現できない部分があります。例えば、袖カフスや裾テープ部分の返しのステッチ、サイズ42以上から見られる脇部分のパネル(生地)追加などは、精巧に作られた復刻モデルでもさすがに再現していないディテールとされています。
価格帯の違いも判別の手がかりになります。復刻版は新品として販売されるため、古着のヴィンテージとは価格体系が異なります。ただし、復刻版でも年月が経過し古着として流通しているものもあるため、価格だけでの判断は危険です。
購入目的に応じた選択も重要です。ヴィンテージの雰囲気を楽しみたいが価格を抑えたい場合は復刻版、投資価値や希少価値を求める場合はオリジナルヴィンテージという選択肢があります。復刻版も正規品であるため、偽物とは区別して考える必要があります。
購入時に注意すべき偽物リスクと対策
購入場所によるリスク評価を理解することは、偽物被害を防ぐために非常に重要です。購入先によって偽物のリスクは大きく異なり、適切な対策を講じる必要があります。
最も安全な購入先は、リーバイスの正規販売店や直営店です。リーバイスの公式ウェブサイトには正規の販売店やアウトレットストアの一覧が掲載されています。確実に100%本物のジーンズを入手するには、正規の店舗で購入するのが一番良い方法とされています。
⚠️ 購入場所別リスク評価
購入場所 | リスクレベル | 理由 | 対策 |
---|---|---|---|
正規販売店・直営店 | ★☆☆☆☆ | 偽物のリスクなし | 価格は高め |
大手百貨店・セレクトショップ | ★☆☆☆☆ | 正規取扱店が多い | 信頼性確認 |
専門古着店 | ★★☆☆☆ | 専門知識あり | 店舗の評判確認 |
フリマアプリ・ネットオークション | ★★★★★ | 偽物が非常に多い | 徹底的な確認必要 |
フリマアプリやネットオークションでの注意点は特に重要です。専門情報によれば、コピー品を入手してしまう方の多くがそのような場所で購入しており、手元に届くまでコピー品であることに気づかないケースが増えているとのことです。画像や概要文だけで真贋を判断するのはプロでも難しいため、こうしたプラットフォームでの購入はできる限り控えるのがおすすめされています。
フリマアプリ等で購入する場合の対策として、以下の点を確認しましょう:
- 出品者の評価やレビューチェック:過去に多くの取引があり、高評価を得ている出品者は比較的信頼できる可能性が高い
- 商品写真の詳細確認:本物のリーバイスの特徴(赤タブ、パッチ、ボタン裏の刻印など)がはっきりと写っているか確認
- 商品説明文の精査:本物であれば、モデル番号や製造年などの情報が正確に記載されているはず
- 価格の妥当性確認:定価より安いものは基本的に中古品かコピー品のどちらかの場合がほとんど
購入前の質問も有効な手段です。例えば、「いつ購入したのか」「購入した店舗はどこか」「正規品の証明(レシートなど)はあるか」といった質問を通じて、出品者の信頼性を判断する材料にしましょう。
受け取り後の確認も重要です。商品が届いたら必ず真贋チェックを行いましょう。この記事で紹介した見分け方のポイントを参考に、しっかりと確認することが大切です。もし少しでも疑わしい点があれば、プラットフォームの返品・返金ポリシーに沿って対応するようにしましょう。
専門鑑定サービスの活用も一つの選択肢です。高価なヴィンテージアイテムを購入する場合は、専門家による真贋鑑定を受けることも検討に値します。鑑定費用はかかりますが、偽物を購入するリスクを考えれば、価値のある投資と言えるでしょう。
まとめ:リーバイス ジージャン 偽物 見分け方の総合チェック
最後に記事のポイントをまとめます。
- 赤タブは最重要チェックポイントで、「ビッグE」の有無と文字の形状で年代判別が可能である
- ボタン裏刻印は工場番号を示し、年代ごとに特徴的な番号があるため真贋判定の決め手となる
- パッチの素材と質感は本物と偽物で明確な差があり、触感と表記内容で判別できる
- リベットの刻印「LS & CO. S.F.」の有無と縫製品質が偽物を見分ける重要なポイントである
- 内タグは1974年以降のモデルに付き、製造年月と工場番号の記載で真贋判定が可能である
- 506XX(ファースト)はシングルポケットとプリーツが特徴で、ボタン裏刻印で年代を特定する
- 507XX(セカンド)はボタン裏刻印「17」が最重要判別ポイントで、両胸ポケットが特徴である
- 557XX(サード)は均等Vタブと「ギャラ入り」の有無で価値が決まる重要なモデルである
- 70505(フォース)はパッチサイズの変遷と着丈の長さで年代を特定できる
- 復刻版は内タグの日本語表記とボタン裏刻印のアルファベット+数字で識別可能である
- フリマアプリやネットオークションは偽物リスクが非常に高く、購入時は細心の注意が必要である
- 正規販売店や信頼できる古着専門店での購入が最も安全で確実な方法である
- 価格が相場より極端に安い場合は偽物の可能性が高いため注意が必要である
- 専門知識を身につけることで偽物被害を防ぎ、適正価格での購入が可能になる
- 疑わしい商品は専門家や信頼できる古着店での鑑定を依頼することが有効である
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://levi-fun.com/levis-nisemono-miwake-kata/
- https://www.wikihow.jp/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%81%BD%E7%89%A9%E3%82%92%E8%A6%8B%E6%8A%9C%E3%81%8F
- https://www.tiktok.com/discover/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9-%E3%83%87%E3%83%8B%E3%83%A0%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88-%E6%9C%AC%E7%89%A9-%E8%A6%8B%E5%88%86%E3%81%91%E6%96%B9
- https://lifeonline.jp/how-to-identify-levis-vintage
- https://hikakaku.com/blog/all-category/maker-brand/LEVI_S/4892/
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10156814085
- https://www.leon.jp/fashions/6526
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1163133606
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://american-casual.net/?p=488
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