リーバイス505の年代判別について悩んでいませんか?古着屋でリーバイス505を見つけても、いつの時代のものなのかわからずに困った経験がある方も多いでしょう。リーバイス505は1967年に登場したジッパーフライのストレートジーンズで、時代によって様々なディテールが異なるため、年代判別は一見複雑に思えます。
しかし、実際にはボタン裏の刻印、内タグの形式、ジッパーのメーカー、赤タブのデザインなどの特徴を知ることで、比較的簡単に年代を特定できるのです。特に60年代のビッグEモデルや希少な赤耳付きモデルなど、コレクター価値の高いアイテムを見つけるためには、正確な年代判別技術が必要不可欠です。この記事では、古着初心者の方でも迷わず判別できるよう、具体的な識別ポイントを詳しく解説していきます。
この記事のポイント |
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✓ リーバイス505の基本的な年代判別方法が身につく |
✓ ボタン裏刻印から製造工場と時代を特定する技術を習得 |
✓ 内タグの種類別読み方で正確な製造年月がわかる |
✓ 希少価値の高いヴィンテージモデルの見分け方を理解 |
リーバイス505の年代判別における基本的な識別ポイント
- ボタン裏刻印で製造工場と年代を推定する方法
- 内タグの形式から正確な製造年月を読み取る技術
- ジッパーメーカーによる時代区分の見極め方
- 赤タブデザインで大まかな年代を判定するコツ
- バックポケットステッチから66前期・後期を識別する方法
- パッチデザインによる年代特定のポイント
ボタン裏刻印で製造工場と年代を推定する方法
リーバイス505の年代判別で最も重要なのが、トップボタンの裏側に刻印された番号です。この番号は製造工場を示しており、工場の稼働時期から大まかな年代を推測できます。
📊 主要な工場番号と稼働時期一覧
刻印の桁数 | 年代 | 主な番号例 | 備考 |
---|---|---|---|
1桁 | 1950~1970年代 | A、D、E、F、J、K、L、O、S、W、2、4、5、6、8、16 | アルファベットは特に希少 |
2桁 | 1960~1980年代 | 10、12、14、16、17、20 | 16工場は長期稼働で人気 |
3桁 | 1980~2000年初期 | 501、513、515、522、524、527、529、532、544、552、553、558、575、624、650、653 | 555工場は最後のUSA製として人気 |
4桁 | 現行モデル | – | 文字が詰まって見える |
特に注目すべきは16番工場で、1950年代初期から70年代中期まで長期間稼働していたため、「16ボタン」モデルとして人気があります。また、555工場は最後のアメリカ製を製造したバレンシア工場(1996~2003年)として、コレクターから高い評価を受けています。
ボタン裏の刻印を確認する際は、錆びや摩耗で文字が見えにくい場合があります。そんな時は角度を変えて光を当てると、刻印が浮かび上がることがあります。また、同じ工場番号でも時代によって細かな特徴が異なるため、他の判別ポイントと合わせて総合的に判断することが重要です。
505特有の特徴として、501のように66前期モデルでトップボタン裏が「6」になるとは限りません。505の場合は「16」や「5」などの数字が見られることが多く、この点も年代判別の際の重要なポイントとなります。
製造工場の所在地も興味深く、5から始まる番号の多くがUSA製を示しています。例えば「575」はジョージア州の工場、「524」はエルパソ工場(旧6工場)を表すなど、番号から製造地域も推測できるのです。
内タグの形式から正確な製造年月を読み取る技術
1974年以降のリーバイス505には内タグが付属し、このタグから正確な製造年月を読み取ることができます。内タグのデザインは年代によって大きく異なるため、まずタグの種類を見極めることが重要です。
📋 内タグの年代別特徴一覧
期間 | タグの特徴 | 製造年月の記載場所 | 読み取り方法 |
---|---|---|---|
1974~1985年 | 数字が3行に分かれて記載 | 一番下の行 | 左から月・年(下2桁または1桁)・工場番号 |
1985~1988年 | 7行構成、染み込みプリント | 右下の連続した数字 | 月・年(下1桁)の順 |
1988~1994年 | ペラペラで薄い生地 | 下から2行目 | 左から工場番号・月・年 |
1995~2003年 | しっかりした刺繍タグ | 一番下の行 | 左から工場番号・月・年 |
内タグを読み解く際の最重要ポイントは、まずボタン裏の工場番号を確認することです。なぜなら、内タグにも工場番号が記載されているため、この番号を目印にして製造年月を特定できるからです。
例えば、ボタン裏が「8」の場合、内タグで「8」が記載されている行を探し、その近くにある数字が製造年月となります。1977年6月製造の場合、「6(月)77(年)8(工場番号)」のように記載されています。
70年代の製品で注意すべき点は、年の表記が1桁の場合があることです。「6」と記載されている場合、1976年なのか1986年なのか迷いますが、内タグの形式や他のディテールと合わせて判断します。一般的に、内タグは1974年以降にしか付かないため、この情報も判断材料になります。
1980年代後半の特殊なタグでは、製造年月が他とは異なる場所に記載されています。右下に「107」と記載されている場合、「10(月)7(1987年)」を意味し、1987年10月製造と読み取ります。
ジッパーメーカーによる時代区分の見極め方
リーバイス505の最大の特徴であるジッパーフライは、使用されているジッパーメーカーによって年代を特定する重要な手がかりとなります。505は基本的にフロントジッパーを採用しているため、このディテールは必ずチェックすべきポイントです。
⚙️ ジッパーメーカー別年代判別表
ジッパーメーカー | 製造年代 | 特徴 | 希少度 |
---|---|---|---|
GRIPPER(グリッパー) | 1960年代 | 初期の505に使用 | 非常に高い |
CONMAR(コンマー) | 1960年代 | グリッパーと同時期 | 非常に高い |
TALON42(タロン) | 1960年代後半~1980年代 | 最も一般的で長期使用 | 中程度 |
SCOVILL(スコービル) | 1970年代~1980年代 | タロンと併用時期 | 中程度 |
YKK(Levi’s刻印) | 1980年代初期~中期 | 現代に向けた移行期 | 低い |
GRIPPERやCONMARのジッパーが付いている505は、1960年代の製品である可能性が高く、コレクター価値も非常に高いとされています。これらのジッパーは505の前身とも言える551ZXXなどでも使用されていました。
TALON42は最も長期間使用されたジッパーで、裏面に「USA」の刻印があることも特徴です。このジッパーは1960年代後半から1980年代まで使用され、505の象徴的なパーツとも言えるでしょう。ジッパーの開閉がスムーズで、50年以上経った現在でも機能することが多いのは、当時の技術力の高さを物語っています。
移行期の特徴として注目すべきは、1980年代初期から中期にかけて使用されたLevi’s刻印のYKKジッパーです。また、この時期には稀にLevi’s刻印のtalon製42ジップも存在するため、詳しく確認する価値があります。
ジッパーの状態も年代判別の参考になります。ヴィンテージ品でもジッパーが綺麗に保たれている場合は、使用頻度が低かった可能性や、保管状態が良好だった証拠として、より高い評価を受けることがあります。
赤タブデザインで大まかな年代を判定するコツ
リーバイスの象徴である赤タブは、デザインの変更時期が明確に記録されているため、年代判別の重要な指標となります。特に「E」の大きさの違いは、最もわかりやすい判別ポイントです。
🏷️ 赤タブデザインの変遷
期間 | デザイン名称 | 特徴 | 価値 |
---|---|---|---|
~1971年頃 | BIG-E | 「LEVI’S」の「E」が大文字で大きい | 非常に高い |
1971年頃~ | small-e | 「Levi’s」の「e」が小文字 | 中程度 |
1974年頃~ | small-e(刺繍) | 小文字のeで刺繍による立体感 | 中程度 |
1982年頃~ | small-e(プリント) | プリント印刷、光沢がない | 低い |
BIG-Eの識別方法は比較的簡単で、「LEVI’S」と表記され、特に「E」が目立って大きく見えます。このデザインは1971年頃まで使用されたとされ、60年代の505には必ずこのタブが付いています。BIG-Eの505は希少価値が高く、5万円以上で取引されることも珍しくありません。
small-eへの変更時期である1971年頃は、リーバイス全体のブランド戦略の変更時期と重なります。この時期から「Levi’s」という表記に統一され、より親しみやすいブランドイメージを目指したとされています。
刺繍からプリントへの変更は1982年頃に行われましたが、見分け方は糸の光沢と立体感です。刺繍の場合は糸に光沢があり、触ると立体感がありますが、プリントの場合は平面的で光沢がありません。
特殊な赤タブとして、10本に1本程度の割合で「®(レジスターマーク)のみ」のタブが混入されていることがあります。これは、リーバイスがタブ自体の商標権を持っていることを示すためのもので、希少価値があります。また、オレンジタブ(1960~70年代の廉価ライン)や白タブ(1970~80年代のワークライン以外)なども存在し、これらも年代判別の重要な手がかりとなります。
バックポケットステッチから66前期・後期を識別する方法
リーバイス505のバックポケット裏のステッチは、1977年頃を境に大きく変更されており、この違いを利用して「66前期」「66後期」を識別できます。この判別方法は501と共通しており、リーバイス年代判別の基本技術です。
🧵 ステッチの種類と年代区分
ステッチタイプ | 年代 | 特徴 | 通称 |
---|---|---|---|
シングルステッチ | ~1977年頃 | 1本の糸で縫製 | 66前期 |
ダブルステッチ | 1977年頃~ | 2本の糸で補強縫製 | 66後期 |
チェーンステッチ | 特定時期のみ | 鎖状の縫い目 | – |
シングルステッチの確認方法は、バックポケットの裏側を見ることです。縫い目が1本の糸でシンプルに処理されている場合、1977年以前の「66前期」モデルと判断できます。この時期の505は、より深みのある色合いと独特の風合いを持つことが多く、コレクターからの評価も高めです。
ダブルステッチは1977年頃から採用された縫製方法で、補強を目的として2本の糸で縫われています。この変更により耐久性は向上しましたが、ヴィンテージファンの間では66前期の方が人気が高い傾向にあります。
注意すべき例外として、モデルチェンジの過渡期には両方の特徴を持つハイブリッド版が存在します。例えば、トップボタン裏は60年代の特徴(1桁)なのに、ジッパーは70年代の特徴(TALON42)を持つといった個体です。これらは製造時期の移行期に作られたもので、特に興味深い存在とされています。
チェーンステッチは裏側から見ると鎖(チェーン)のような模様になる特殊な縫い方で、主に裾の処理に使用されます。この縫製方法は専用のミシンが必要で、工場出荷時のオリジナル仕様かどうかを判断する材料にもなります。
実際の判別では、バックポケット全体のデザインも確認ポイントです。66前期の時代はポケットの形状やステッチパターンにも特徴があり、これらの要素を総合的に見ることで、より正確な年代判別が可能になります。
パッチデザインによる年代特定のポイント
リーバイス505の紙パッチは、年代判別において非常に重要な情報源です。パッチには製造年月、サイズ表記、品番などが記載されており、内タグと並んで最も確実な年代特定方法の一つとされています。
📄 パッチデザインの年代別変遷
年代 | パッチの特徴 | 重要な記載内容 | 希少度 |
---|---|---|---|
1967~1969年 | ダブルネーム表記 | 旧型番と新型番が併記 | 非常に高い |
1970~1990年代 | CARE INSTRUCTIONS表記 | 黒字で印刷 | 中程度 |
1980年代中期~ | CARE INSTRUCTIONS表記 | 赤字で印刷 | 中程度 |
1990年代~ | 現代的なデザイン | より詳細な情報 | 低い |
ダブルネーム表記の505は1967~69年頃に見られる極めて希少なもので、リーバイスが品番変更の混乱を避けるため、旧型番を小さく併記したものです。このパッチが残っている505は、コレクター価値が非常に高いとされています。
「Every Garment Guaranteed」表記は1965年頃まで使用されたとされているため、1967年登場の505では基本的に見られないはずですが、一部の個体で確認されることがあります。これは505特有の事情があるのかもしれませんが、詳細は不明な部分も多いのが現状です。
「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」の表記は、1970年頃から見られるようになり、「内側の注意書きを見ろ」という意味で、この時期から内タグが重要になったことを示しています。印刷色が黒から赤に変わる時期(1980年代中期頃)も、年代判別の参考になります。
品番表記の変化も重要なポイントです。「505-0217」の表記で、「02」は防縮加工、「17」はリジッド(未洗い)を意味しています。この品番システムの理解により、その505の特性も把握できます。
「Made in U.S.A.」表記の有無も重要で、これがあれば2003年以前の製品である可能性が高くなります。ただし、90年代末期の一部モデルでは紙パッチから「MADE〜」の表記が省略されていても、内タグには残っている場合があるため、注意が必要です。
パッチの保存状態も年代判別の参考になります。パッチが綺麗に残っているということは、使用頻度が低かった、または丁寧に扱われていた証拠として、より高い評価を受けることがあります。
リーバイス505の年代判別で知っておくべき特殊な識別方法
- 希少価値の高い赤耳(セルビッジ)モデルの見分け方
- オレンジタブ505の年代と特徴を理解する方法
- 90年代USA製505の価値と識別ポイント
- メキシコ製や他国製の年代判別技術
- 復刻版とヴィンテージを区別する方法
- 2000年代以降のタグ変化を理解するコツ
- まとめ:リーバイス505 年代判別の重要ポイント
希少価値の高い赤耳(セルビッジ)モデルの見分け方
リーバイス505において最も希少価値が高いとされるのが、「赤耳(セルビッジ)」付きのモデルです。一般的に505は赤耳が付かないモデルがほとんどで、セルビッジ付きの505は数十本に一本程度の感覚でしか出現しないとされています。
🧶 セルビッジ505の特徴と価値
項目 | 通常の505 | セルビッジ付き505 | 価値の違い |
---|---|---|---|
出現頻度 | 大部分 | 数十本に1本 | 10~20倍の希少性 |
価格相場 | 2~4万円 | 5~10万円以上 | 2~3倍の価格差 |
識別方法 | 脇割り処理 | 赤い糸で端処理 | 裾部分で確認可能 |
年代 | 全年代 | 主に60~70年代 | より古い年代に集中 |
セルビッジの確認方法は、裾をロールアップして端部分を見ることです。通常の505は「脇割り」と呼ばれる縫製処理がされていますが、セルビッジ付きの場合は赤い糸で織り端が処理されています。この赤い糸が「赤耳」と呼ばれる所以です。
セルビッジデニムはシャトル織機で織られたデニムの証であり、高品質な生地の象徴とされています。現代の高速織機では作ることができない特殊な織り方で、手間とコストがかかるため、リーバイスも1980年代中頃にセルビッジデニムの生産を中止しました(復刻版を除く)。
年代による価値の違いも重要で、60年代のBIG-Eでセルビッジ付きとなると、コンディション次第では10万円を超える価値を持つこともあります。70年代のsmall-eセルビッジも高い人気を誇り、多くのコレクターが探し求めています。
注意すべき点として、古着市場では裾上げや修理によってセルビッジ部分がカットされていることがあります。購入前には必ず裾部分を確認し、セルビッジが残っているかチェックすることが重要です。また、セルビッジが残っていても、全体的なコンディションによって価値は大きく変わります。
セルビッジ付き505の魅力の一つは、「セルビッジを見せて履く」スタイルです。裾上げをせずに、または浅めの裾上げでロールアップすることで、赤耳を見せるファッションスタイルは、デニムマニアの間で人気があります。
オレンジタブ505の年代と特徴を理解する方法
オレンジタブは1960~70年代に登場したリーバイスの廉価ラインですが、現在では逆にその希少性から高い価値を持つアイテムとなっています。オレンジタブの505は、通常の赤タブモデルとは異なる特徴を持っています。
🟠 オレンジタブ505の詳細分析
特徴 | オレンジタブ505 | 通常の505 | 備考 |
---|---|---|---|
製造時期 | 1960~70年代 | 1967年~現在 | オレンジタブは短期間のみ |
当初の位置づけ | 廉価版 | レギュラーライン | 現在は価値が逆転 |
現在の価値 | 高い(希少性) | 中~高い | コレクター人気が高い |
生地の特徴 | 特殊な染色の可能性 | 通常のインディゴ | 66前期相当の生地の場合も |
内タグ | 紙タグの場合あり | 時代により変化 | 80年代中頃の特徴 |
オレンジタブの識別方法は比較的簡単で、通常赤い色のタブがオレンジ色になっていることで判別できます。文字は縦書きで「LEVI’S」と記載されているのが一般的です。
興味深いのは、80年代中頃のオレンジタブ505には紙のインナータグが使用されているケースがあることです。これは同時期の501赤耳などでも見られる特徴で、80年代中頃製造の証拠として重要な手がかりになります。
生地の特殊性も注目すべき点で、一部のオレンジタブ505には、通常のモデルとは異なる染色や生地が使われているケースが存在します。特に80年代中頃の一部オレンジタブ505には、66前期(60年代後半モデル)と同様の色落ちをする生地が使われている可能性があるものも確認されています。
コレクター価値について、オレンジタブは当初廉価版として登場したにも関わらず、現在では高値で取引されることが多くなっています。特に状態の良いオレンジタブ505は、通常の赤タブモデルよりも高い価格で売買されることもあります。
オレンジタブのシルエットやディテールは通常の505とほぼ同じですが、タブの色の違いだけでなく、微妙な製法の違いもある場合があり、こうした細部の違いもコレクターにとっては重要な要素となっています。
90年代USA製505の価値と識別ポイント
90年代のUSA製505は、現在古着市場で「ネクスト・ヴィンテージ」として注目を集めており、その価値は年々上昇傾向にあります。2003年にアメリカ国内の工場が閉鎖されたため、USA製は限定的な存在となりました。
💰 90年代USA製505の市場価値
コンディション | 価格相場(2025年現在) | 将来予測 | 注目ポイント |
---|---|---|---|
デッドストック | 2~4万円 | 上昇傾向 | 未使用品の希少性 |
良好な古着 | 1~2万円 | 安定~上昇 | 色落ちの美しさ |
通常の古着 | 5千円~1万円 | 安定 | 実用性重視 |
色残り濃いもの | 1.5~3万円 | 大幅上昇予想 | 今後最も価値上昇の可能性 |
90年代USA製の識別方法として最も確実なのは、内タグの「MADE IN U.S.A.」表記です。ただし、90年代末期の一部モデルでは、紙パッチに「MADE〜」の表記がなくても、内タグには残っている場合があるため、両方を確認することが重要です。
ボタン裏の工場番号も重要な判別ポイントです。90年代のUSA製によく見られる番号には「575」(ジョージア州)、「522」「524」(エルパソ工場)、「555」(バレンシア工場)などがあります。特に555工場は最後のアメリカ製を製造した工場として、コレクターからの人気が高くなっています。
90年代モデルの特徴として、バックポケットは基本的にダブルステッチ(66後期)で、赤タブはsmall-eです。フロントジッパーは42 TalonやYKKなどが使用されています。また、この時期からプリシュランク加工の技術も向上し、洗濯による縮みがより少なくなっています。
独特な色落ちパターンも90年代505の魅力の一つです。当時の製法や生地の特性により、現行品では再現できない独特の風合いが生まれます。特に「縦落ち」と呼ばれる美しい色落ちパターンが出現する個体は、高い評価を受けています。
将来性について、USA製の生産終了から20年以上が経過し、市場に残る良好なコンディションの個体は徐々に減少しています。特に色の濃いままのコンディションの良いものは、今後さらに価値が上昇する可能性が高いとされています。
メキシコ製や他国製の年代判別技術
2000年代以降のリーバイス505は、生産拠点がアメリカから他国に移転したため、製造国による年代判別が重要になります。特にメキシコ製は2000年代前半から本格的に開始され、現在でも主要な生産地の一つとなっています。
🌎 生産国別の年代区分
生産国 | 開始時期 | ボタン裏刻印例 | 特徴 |
---|---|---|---|
アメリカ | ~2003年 | 501、522、524、555、575 | 高い品質評価 |
メキシコ | 2000年代前半~ | 104、493、647、989 | 現在の主力生産地 |
カナダ | 1990年代~ | 212、216、217 | 北米生産の一部 |
中米諸国 | 2000年代~ | 324(グアテマラ)、333(ドミニカ) | コスト重視の生産 |
メキシコ製の判別方法は、内タグの「MADE IN MEXICO」表記とボタン裏の刻印で確認できます。メキシコ製のボタン裏には「104」「493」「647」「989」などの番号が見られます。
年代推定の方法として、内タグのデザイン変化を追うことが重要です。2000年代前半のメキシコ製は比較的シンプルなタグデザインでしたが、2010年代以降は環境配慮や品質表示の詳細化により、より複雑なデザインになっています。
品質の変化について、メキシコ製やその他の国での生産品は、USA製と比べて品質が劣るという意見もありますが、実際には生産技術の向上により、現在では高い品質を維持しています。ただし、コレクター市場では依然としてUSA製への需要が高い傾向にあります。
2010年代以降の特徴として、環境配慮の観点からリサイクル素材の使用や水使用量削減などの取り組みが表示されるようになりました。これらの表示も年代判別の手がかりとなります。
注意すべき点として、同じメキシコ製でも工場や時期によって細かな違いがあります。また、並行輸入品と正規品では若干タグデザインが異なる場合もあるため、総合的な判断が必要です。
現在のリーバイス505は主にメキシコで生産されていますが、生産技術の向上と品質管理の徹底により、実用性においてはUSA製に劣らない品質を実現しています。ただし、投資やコレクション目的では、やはりUSA製の価値が高く評価される傾向が続いています。
復刻版とヴィンテージを区別する方法
**リーバイス ヴィンテージクロージング(LVC)**シリーズでは、1967年の505を忠実に復刻した製品が販売されており、本物のヴィンテージとの見分け方を理解することが重要です。復刻版は新品価格で3~4万円程度ですが、技術的には非常に高いレベルで再現されています。
🔄 復刻版とヴィンテージの比較表
項目 | LVC復刻版 | オリジナルヴィンテージ | 見分けるポイント |
---|---|---|---|
ボタン裏刻印 | アルファベット+数字 | 時代に応じた番号 | 日本企画は「J」で始まる |
赤タブ | BIG-E復刻 | 年代に応じたデザイン | 復刻は意図的に古い仕様 |
内タグ | 現代的なデザイン | 年代別の特徴 | 明らかな違いあり |
価格 | 3~4万円(新品) | 年代・状態により変動 | 復刻の方が予測可能 |
セルビッジ | 復刻版にも存在 | 希少 | 復刻なら比較的入手容易 |
最も確実な見分け方は、ボタン裏の刻印です。復刻版の場合、アルファベット+数字の組み合わせになっており、特に日本企画のモデルには「J」が先頭につきます。例えば「J22」「J35」などの刻印が見られます。
内タグの違いも明確で、復刻版は現代の品質表示基準に従ったデザインとなっています。洗濯表示マークや素材表示が現代的で、ヴィンテージ品とは明らかに異なります。
復刻版の価値について、新品で高品質なセルビッジデニムが購入できるメリットがあります。また、自分だけの色落ちを楽しめるという点で、一部の愛好家からは高く評価されています。品番は「67505-0130」などで管理されています。
購入時の注意点として、復刻版を古着として販売している場合があります。価格が異常に高い場合は、本当にオリジナルヴィンテージなのか、復刻版ではないかを慎重に確認することが必要です。
コレクション方針による選択も重要で、歴史的価値を重視するなら間違いなくオリジナルヴィンテージですが、実用性と品質を重視するなら復刻版も優れた選択肢となります。復刻版は新品のため保証もあり、安心して長期間愛用できます。
経年変化の楽しみ方も異なり、ヴィンテージは既に独特の風合いを持っていますが、復刻版は真っ新な状態から自分だけの色落ちを育てる楽しみがあります。どちらにもそれぞれの魅力があることを理解した上で選択することが重要です。
2000年代以降のタグ変化を理解するコツ
2000年代以降のリーバイス505は、グローバル化と品質管理の厳格化により、タグデザインが大きく変化しました。この時期のタグ変化を理解することで、より正確な年代判別が可能になります。
📅 2000年代以降のタグ変化の特徴
期間 | タグの主な特徴 | 新たに追加された要素 | 時代背景 |
---|---|---|---|
2000~2005年 | USA製終了、他国製開始 | 生産国表示の重要性増加 | グローバル生産体制確立 |
2005~2010年 | 環境配慮表示開始 | 素材詳細、環境マーク | 企業の社会的責任重視 |
2010~2015年 | デジタル管理強化 | QRコード、詳細品番 | トレーサビリティ向上 |
2015年~現在 | サステナビリティ重視 | リサイクル素材表示 | 持続可能性への取組 |
2000年代前半の特徴として、USA製の終了が最も大きな変化です。この時期から「MADE IN MEXICO」「MADE IN CANADA」などの表示が一般的になり、生産国による品質や価値の差が意識されるようになりました。
環境配慮表示の登場(2005年頃~)により、タグにはより詳細な素材情報や環境への取り組みが記載されるようになりました。**「BETTER COTTON INITIATIVE」**などの表示が見られるようになったのもこの時期です。
デジタル化の影響(2010年代~)で、QRコードや詳細な品番管理システムが導入されました。これにより、製品の追跡可能性が大幅に向上し、偽造品対策も強化されました。
現代的な特徴(2015年~)として、「Water Conscious」(水使用量削減)や**「Better World」**(より良い世界への貢献)などの表示が追加されています。また、リサイクル素材の使用割合なども詳細に表示されるようになりました。
サイズ表示の国際化も重要な変化で、従来のUSサイズに加えて、ヨーロッパサイズやアジアサイズも併記されることが多くなりました。これは、リーバイスの国際展開拡大を反映しています。
年代判別への活用方法として、これらのタグ変化を時系列で理解することで、10年単位での大まかな年代特定が可能になります。特に環境表示の有無や種類により、2000年代前半、後半、2010年代前半、後半といった区分けができます。
注意すべき点として、地域やモデルによってタグデザインに若干の違いがある場合があります。また、在庫処理品などでは、製造時期とタグデザインが一致しない場合もあるため、他の判別方法との併用が重要です。
まとめ:リーバイス505 年代判別の重要ポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- ボタン裏刻印は年代判別の最も重要な手がかりで、1桁なら60~70年代、2桁なら70~80年代、3桁なら80~2000年代初期を示す
- 内タグは1974年以降に付属し、デザインの変化により製造年月を正確に読み取ることができる
- ジッパーメーカーで年代区分が可能で、GRIPPERやCONMARは60年代、TALONやSCOVILLは70~80年代の特徴である
- 赤タブのBIG-Eは1971年頃まで、small-eはそれ以降で、BIG-Eモデルは特に高い価値を持つ
- バックポケットのシングルステッチは66前期(~1977年)、ダブルステッチは66後期(1977年~)を示す
- セルビッジ付き505は数十本に一本程度の希少性で、価格も通常の2~3倍になる
- オレンジタブは60~70年代の廉価ラインだったが、現在では希少価値により高価で取引される
- 90年代USA製は「ネクスト・ヴィンテージ」として注目され、特に色の濃い個体の価値上昇が予想される
- 2003年以降はメキシコ製など他国製が主流となり、ボタン裏刻印も4桁や特殊番号に変化した
- 復刻版(LVC)はアルファベット+数字の刻印で識別でき、日本企画モデルは「J」で始まる
- 2000年代以降のタグには環境配慮表示やサステナビリティ情報が追加されている
- 年代判別には複数の判別ポイントを総合的に判断することが重要で、単一の特徴だけでは確定できない場合がある
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://ameblo.jp/illminate/entry-11713310926.html
- https://jumpei-blog.com/levis505-90s-oldclothes/
- https://jamtrading.jp/blogs/jam/12047433/
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://levi-fun.com/levis-505-90nendai/
- https://riverforest23.com/levis-505/
- https://www.style-eco.com/brand_colum/levi_s/12852.html
- https://levi-fun.com/505-ribaisu-vintage/
- https://de-suke.com/how-to-distinguish-levis-inner-tag
- https://hurugiblog.com/levis-inner-tag
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