古着屋でリーバイスのデニムを見つけたとき、その価値を正確に判断できますか?リーバイスデニム 年代判別は、ヴィンテージ愛好家にとって必須のスキルです。しかし、数多くの判別ポイントが存在するため、初心者には非常に複雑に感じられるかもしれません。
本記事では、徹底的な調査を基に、リーバイスデニムの年代を確実に見分けるための全ての手法を解説します。ボタン裏の刻印から内タグの読み方、パッチの変遷まで、プロの古着商が実践する判別テクニックを網羅的にお伝えします。また、実際の年代ごとの特徴的なディテールについても、独自の考察を交えて詳しく説明していきます。
この記事のポイント |
---|
✓ ボタン裏刻印による年代判別の完全解説 |
✓ 内タグで製造年月を特定する方法 |
✓ パッチとタブによる年代の見分け方 |
✓ 工場番号から読み解く製造背景 |
リーバイスデニム 年代判別の基本テクニック
- ボタン裏刻印が年代判別の最重要ポイントである理由
- 内タグで製造年月を正確に特定する方法
- 赤タブのデザイン変化から読み解く年代
- パッチ素材の変遷が示す製造時期
- ジッパーメーカーで判別する60〜80年代モデル
- リベットの材質変化が物語る歴史的背景
ボタン裏刻印が年代判別の最重要ポイントである理由
リーバイスデニムの年代を判別する上で、トップボタン裏の刻印は最も信頼性の高い手がかりです。一般的には、この刻印は製造工場の識別番号を示しており、特定の時代と工場を結び付ける重要な情報源となっています。
50年代から60年代の初期モデルには、「A」「D」「E」「F」「J」「K」「L」「O」「S」「W」などのアルファベット刻印が見られます。これらの刻印は非常に希少で、特にアルファベット全般と「2」の刻印は、コレクターの間で高い価値を持っています。例外的に「16」という数字も存在し、この工場は50年代から70年代中期まで長期間稼働していたため、様々な変わったモデルが製造されています。
70年代になると、2桁の数字が主流となります。「10」「12」「14」「16」「17」「20」などが確認されており、特に「16」工場は長期間稼働していた工場として知られています。80年代から2000年代初頭にかけては3桁の数字が使用され、「501」「513」「515」「522」「524」「527」「529」「532」「544」「552」「553」「558」「575」「624」「650」「653」などが確認されています。
📊 年代別ボタン裏刻印の特徴
年代 | 刻印タイプ | 特徴 | 希少度 |
---|---|---|---|
50~70s | 1桁・アルファベット | A、D、E、F、J、K、L、O、S、W、2、4、5、6、8 | 非常に高い |
60~80s | 2桁 | 10、12、14、16、17、20 | 高い |
80~2000s初期 | 3桁 | 501、513、515、522、524、527、529など | 中程度 |
復刻版 | アルファベット+数字 | 日本企画モデルには「J」が先頭 | 低い |
現行 | 4桁 | 文字が詰まった印象 | 非常に低い |
興味深いことに、3桁番号の工場は、5から始まるものがリーバイス社の工場、6から始まるものは社外工場という分類になっています。特に「555」工場はバレンシア工場として知られ、96年から03年まで最後のアメリカ製を製造していたため、現在でも高い人気を誇っています。
内タグで製造年月を正確に特定する方法
内タグによる年代判別は、おそらく最も正確な製造年月を特定できる方法と言えるでしょう。1974年頃から内タグが本格的に導入され、2000年代まで様々な形式で製造情報が記載されています。
1974年から1980年代前半までの初期内タグでは、工場番号の記載されている行を探すことが重要です。例えば、トップボタン裏の刻印が「8」の場合、内タグで「8」が記載されている行を確認します。その行には左から「製造月」「製造年」「工場番号」の順で数字が記載されています。ただし、70年代の製品では年代が1桁で表示される場合があるため、例えば「6」と表記されていれば「1976年」を意味します。
1980年代後半になると、内タグのフォーマットが変更されます。この時期の内タグでは、6行目左側に「工場番号」、7行目右側に「月・年」が記載される形式になっています。特徴的なのは、年代表記が1桁になっていることで、80年代の製品であることを前提として解釈する必要があります。
📋 内タグパターンの変遷
時期 | タグタイプ | 年代表記 | 特徴 |
---|---|---|---|
1974~1980年代前半 | 初期タグ | 2桁または1桁 | 工場番号行で判別 |
1980年代後半 | 横長タグ | 1桁 | 6行目・7行目で判別 |
1991~1994年 | ペラペラタグ | 2桁 | 下から2行目で判別 |
1995~2003年 | しっかりタグ | 2桁 | 最下段で判別 |
1991年頃からは、ペラペラとした薄い内タグが使用されるようになります。このタグでは、下から2行目に左から「工場番号」「月」「年」の順で情報が記載されています。例えば「522 03 94」と記載されていれば、522工場で1994年3月製造ということになります。
1995年から2003年まで使用される最終期の内タグは、比較的しっかりとした材質で作られており、最下段に製造情報が記載されています。この時期のタグは、アメリカでの最後の製造期間に対応しており、特に貴重な情報源となっています。
赤タブのデザイン変化から読み解く年代
リーバイスの象徴とも言える赤タブは、1936年に初めて導入されて以来、数多くの変遷を経てきました。この赤タブの変化を理解することで、大まかな年代を特定することが可能です。
1936年から1952年までは片面タブの時代でした。この時期の赤タブは、表面にのみ「LEVI’S」の文字が刺繍されており、裏面は無地という特徴があります。また、この時期にはレジスターマーク(®)も付いていません。片面タブは、大戦モデルを含む初期のヴィンテージモデルでのみ確認できる貴重なディテールです。
1953年から両面タブが導入されます。この時期の特徴は、「V」の文字が左右均等な「均等V」になっていることです。同時に、レジスターマーク(®)も追加されるようになります。1966年頃からは「V」の形状が変化し、右側が細い「不均等V」のデザインに変更されました。
🏷️ 赤タブの変遷パターン
期間 | タブタイプ | 特徴 | 希少性 |
---|---|---|---|
1936~1952年 | 片面タブ | 表面のみ刺繍、®なし | 非常に高い |
1953~1966年 | 両面均等V | V字が左右均等、®あり | 高い |
1966~1974年 | 両面不均等V | V字の右側が細い、ビッグE | 高い |
1974~1982年 | スモールeタブ | 「E」が「e」に変更 | 中程度 |
1982年~ | プリントタブ | 刺繍からプリントに変更 | 低い |
1974年頃になると、最も重要な変化が起こります。それまで「LEVI’S」と表記されていた文字が「Levi’s」に変更され、大文字の「E」から小文字の「e」になりました。この変更により、それ以前のモデルは「ビッグE」、以降のモデルは「スモールe」と呼ばれるようになります。
特に注目すべきは、赤タブにはレジスターマーク(®)のみが記載された特殊なバージョンも存在することです。これは、リーバイスがタブ自体の商標権を持っていることを示すため、10本に1本程度の割合で混入されているとされています。このRのみのタブは、どの年代でも比較的珍しいものとして扱われています。
パッチ素材の変遷が示す製造時期
腰部分に取り付けられるパッチは、リーバイスの年代判別において最も視覚的にわかりやすい要素の一つです。パッチの素材や印字内容の変化は、時代の流れと共に製造工程の変化を反映しています。
1886年から1957年頃までは革パッチが使用されていました。初期の革パッチには、あの有名な「ツーホースマーク」が描かれており、2頭の馬が引っ張り合ってもジーンズが破れないという強度をアピールしていました。革パッチは時間の経過と共に縮んでしまうことが多く、その見た目から「ビーフジャーキー」と愛称で呼ばれることもあります。
1955年頃から紙パッチへの移行が始まります。1955年から1962年までの紙パッチには「Every Garment Guaranteed」の文字が記載されており、これらは通称「ギャラ入り」と呼ばれています。この文言は、リーバイスが商品の品質を保証し、破損した場合には新品と交換するサービスを行っていたことを示しています。
📝 パッチの変遷詳細
年代 | パッチ素材 | 特徴的な表記 | 通称 |
---|---|---|---|
~1886年 | 革 | 文章のみ | 初期パッチ |
1886~1957年 | 革 | ツーホースマーク | レザーパッチ |
1955~1962年 | 紙 | Every Garment Guaranteed | ギャラ入り |
1962~1969年 | 紙 | ギャラ文言削除 | ギャラ無し |
1970年代~ | 紙 | CARE INSTRUCTIONS表記 | 現代パッチ |
1962年から1969年までは「Every Garment Guaranteed」の記載がなくなり、これらは「ギャラ無し」と呼ばれています。この時期から、製品の品質保証に対する方針が変化したと推測されます。
1970年代以降になると、パッチに「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT(衣類の内側に取り扱い表示)」のスタンプが押されるようになります。これは、この時期から内タグに洗濯方法などの詳細な取り扱い情報が記載されるようになったことを示しています。80年代中期からは、このケアインストラクションの文字がスタンプから印刷に変更されるなど、製造工程の近代化も見て取れます。
ジッパーメーカーで判別する60〜80年代モデル
リーバイス501はボタンフライが基本ですが、502や505などのジップフライモデルでは、ジッパーのメーカーが重要な年代判別の手がかりとなります。各年代で使用されるジッパーメーカーには明確な傾向があり、これを知ることで製造時期をかなり絞り込むことができます。
60年代製のモデルでは、**グリッパー(GRIPPER)やコンマー(CONMAR)**のジッパーが使用されています。これらのメーカーのジッパーが付いているリーバイスは、間違いなく60年代の製品と判断できます。特に551ZXXなどの希少モデルでは、この時代のジッパーを確認することが真贋判定の重要な要素となります。
70年代に入ると、**タロン(TALON)やスコービル(SCOVILL)**のジッパーが主流となります。タロンジッパーは特に有名で、アメリカの老舗ジッパーメーカーとして長い歴史を持っています。この時代のタロンジッパーは、現在でもコレクターの間で非常に人気が高く、ヴィンテージデニムの価値を決める重要な要素の一つです。
⚡ 年代別ジッパーメーカー一覧
年代 | 主要メーカー | 特徴 | レア度 |
---|---|---|---|
60年代 | GRIPPER、CONMAR | 60年代の証拠 | 非常に高い |
70年代 | TALON、SCOVILL | 品質の高さで定評 | 高い |
80年代初期~中期 | Levi’s刻印YKK | リーバイス専用仕様 | 中程度 |
80年代移行期 | Levi’s刻印TALON42 | 非常に珍しい組み合わせ | 非常に高い |
80年代初期から中期にかけては、Levi’s刻印のYKKジッパーが使われ始めます。この時期は、ジッパーメーカーの変更期にあたるため、様々なパターンが混在しています。特に興味深いのは、Levi’s刻印のTALON製42ジップが存在することです。これは移行期の産物と考えられ、コレクターの間では非常に珍しいアイテムとして扱われています。
現代のリーバイスでは、主にYKKジッパーが使用されていますが、ヴィンテージモデルの復刻版では、当時と同じメーカーのジッパーを使用することもあります。ただし、復刻版の場合は新品の状態で販売されるため、ジッパーの摩耗状況なども合わせて判断する必要があるでしょう。
リベットの材質変化が物語る歴史的背景
リーバイスジーンズの補強に使用されるリベットは、時代と共にその材質や形状が変化しており、これらの変化は当時の社会情勢や技術的発展を反映しています。特に興味深いのは、戦時中の物資統制がリベットの材質に直接的な影響を与えていることです。
1873年の創業当初から1941年頃までは、銅製のリベットが使用されていました。この時期のリベットには「頭潰し」という技術が施されており、先端部分が平たく潰されています。これは、馬の鞍や椅子を傷つけないようにするためと、リベットが外れにくくするための技術的配慮でした。
1942年から1947年頃にかけては、戦時中の物資統制により鉄製の銅メッキリベットに変更されました。この時期のリベットは、磁石を近づけることで材質を確認できます。磁石が付けば鉄製、付かなければ銅製という判別方法は、現在でも古着商の間で使われている実践的なテクニックです。
🔩 リベット材質の変遷
時期 | 材質 | 特徴 | 判別方法 |
---|---|---|---|
~1941年 | 銅製 | 頭潰し技術あり | 磁石が付かない |
1942~1947年 | 鉄製の銅メッキ | 戦時物資統制 | 磁石が付く |
1947~1953年 | 銅製 | 戦後復活 | 磁石が付かない |
1953~1962年 | 鉄製の銅メッキ | 効率化のため | 磁石が付く |
1962~1992年 | 鉄製、裏アルミ | 被せリベット採用 | 形状で判別 |
1947年頃に戦争が終わると、再び銅製リベットに戻りました。しかし、1953年頃からは製造効率化のため、再び鉄製の銅メッキに変更されています。この時期の変更は戦時中のような緊急事態ではなく、コスト削減と生産性向上を目的としたものと考えられます。
特に興味深いのは、バックポケットの「隠しリベット」の存在です。1937年から1966年頃まで採用されていたこの隠しリベットは、座った際に椅子などを傷つけないよう、リベットをデニム生地で覆った仕様です。1942年から1947年頃は丸みを帯びた形、1948年から1965年頃はフラットな形と、細かな変化も見られます。
リベット裏の材質変化も重要なポイントです。1962年頃から、リベット裏の材質が鉄製の銅メッキからアルミ製に変更されました。同時に、従来の「打ち抜きリベット」から「被せリベット」という形状にも変更されており、これらの変化は製造技術の進歩を物語っています。
リーバイスデニム 年代判別の実践的応用
- 80年代レギュラー501を確実に見分ける方法
- 90年代USA製モデルの特徴的なディテール
- 工場番号から読み解くレア度と価値
- 2000年代以降の現行モデル判別法
- 復刻版と本物の見分け方のコツ
- 偽物を避けるための注意点
- まとめ:リーバイスデニム 年代判別の完全攻略法
80年代レギュラー501を確実に見分ける方法
80年代のリーバイス501は、現在のヴィンテージ市場で最も流通量が多い年代の一つですが、その中でも複数のモデルが存在するため、正確な判別が重要です。80年代レギュラー501の判別には、いくつかの明確な基準があります。
まず最も重要なのは、パッチのLOT番号「501」にレジスターマーク(®)が付いていないことです。®マークが付いているものは全て90年代以降のモデルとなるため、80年代判別の最初のフィルターとして活用できます。次に、パッチに赤い文字で「made in USA」と表記されていることが必要です。この表記がないものは、海外製造モデルである可能性が高いです。
80年代レギュラー501の特徴として、セルビッジデニム(赤耳仕様)でないことが挙げられます。一般的に「赤耳」と呼ばれる80年代初期の501は、厳密にはレギュラー501とは区別されることが多いです。レギュラー501は、セルビッジを持たない現代的な製法で作られたデニムを使用しています。
📊 80年代レギュラー501の判別基準
チェックポイント | 80年代の特徴 | NGパターン |
---|---|---|
パッチのLOT表記 | 501(®なし) | 501® |
生産国表記 | made in USA(赤文字) | 他国製造 |
デニム仕様 | セルビッジなし | 赤耳あり |
ボタン裏刻印 | 3桁数字 | 2桁以下 |
内タグによる判別も重要です。80年代のレギュラー501では、ティアオフタグの有無が時期を特定する手がかりとなります。80年代前半(~84年頃)はティアオフタグありの初期タイプ、84年以降はティアオフタグなしの正方形タグが使用されています。
さらに細かい特徴として、80年代前半は内股シングルステッチ・裾チェーンステッチの組み合わせが見られます。一方、84年以降は内股ダブルステッチ・裾シングルステッチに変更されています。これらのディテールの変化は、製造技術の進歩と効率化を反映していると考えられます。
80年代レギュラー501のボタンは鉄製で、リベットは鉄製の銅メッキが使用されています。バータック(バックポケットのカンヌキ部分)は表から見るとオレンジ色になっており、これも80年代の特徴的なディテールの一つです。
90年代USA製モデルの特徴的なディテール
90年代のUSA製リーバイス501は、80年代モデルからの進化と、2003年のアメリカ国内工場閉鎖に向けての過渡期的な特徴を持っています。この時代のモデルを正確に判別するには、複数の要素を総合的に判断する必要があります。
90年代USA製の最も明確な特徴は、パッチの変化にあります。CARE文字が赤いプリントに変更され、LOT番号も赤い文字で印刷されるようになりました。特に注目すべきは、501の文字が時期によって細字から太字に変化していることです。90年代前半は赤い細字、後半になると赤い太字で印刷されています。
内タグも90年代には大きな変化を見せています。90年代前半(~93年頃)まではロゴタグが使用されていましたが、94年頃からは刺繍タグに変更されました。この刺繍タグの登場は、リーバイスの製造における大きな転換点の一つと言えるでしょう。
🏭 90年代USA製の主要工場番号
工場番号 | 工場名 | 稼働期間 | 特徴 |
---|---|---|---|
501 | アルバカーキ工場 | 90年代後半~ | 最終期の主力工場 |
553 | サンベニート工場 | 90年代後半~2002年 | USA製最後の工場 |
522 | テキサス工場 | 90年代前半~ | 赤文字前期に多い |
524 | エルパソ工場 | 長期稼働 | 旧6工場の後継 |
90年代のボタン仕様にも変化が見られます。90年代前半まではナイロンフットボタンが使用されていましたが、後半になると銅製ボタンに変更されました。リベットについては、90年代後半から裏面の刻印が変更され、より現代的な仕様に近づいています。
特に興味深いのは、90年代前半に見られる「WPL423」や「PXR1」といった表記です。これらは1991年のみに確認される非常に珍しい表記で、コレクターの間では高い価値を持っています。このような細かなディテールの変化は、リーバイスの製造における品質管理システムの変遷を物語っています。
バックポケット裏のステッチも重要なポイントです。90年代まではチェーンステッチが使用されており、この特徴は80年代後期から継続しています。裾のステッチも90年代を通してシングルステッチが基本となっており、これらの縫製仕様は現代のモデルとは明確に異なっています。
工場番号から読み解くレア度と価値
リーバイスのボタン裏に刻印された工場番号は、単なる製造場所の識別以上の意味を持っています。各工場の稼働期間、生産量、特殊なモデルの製造などにより、コレクターの間では工場番号によって価値が大きく変わることがあります。
最もレア度が高いとされるのは、50年代から70年代のアルファベット刻印です。「A」「D」「E」「F」「J」「K」「L」「O」「S」「W」などのアルファベット刻印は、当時の生産数が少なかったことと、現存数の少なさから、非常に高い価値を持っています。特に「2」「4」「5」「6」「8」の数字刻印と合わせて、これらは「幻の刻印」と呼ばれることもあります。
「16」工場は特別な存在です。50年代初期から70年代中期まで長期間稼働していたため、様々な年代のモデルが製造されています。この工場は色落ちが良い生地を使用していたという評判もあり、「16ボタン」モデルはファンの間で特に人気が高いです。後に「653」工場として知られるバルドウィン工場の前身とされています。
💎 レア工場番号ランキング
レア度 | 工場番号 | 特徴 | 推定価値倍率 |
---|---|---|---|
超レア | A、D、E等アルファベット | 50s~70s初期 | 5~10倍 |
非常にレア | 2、4、5、6、8 | 50s~70s | 3~8倍 |
レア | 16(653) | 長期稼働、良質生地 | 2~4倍 |
やや希少 | 555(バレンシア) | 最後のUSA製工場 | 1.5~3倍 |
一般的 | 501、522、524等 | 80s~90s大量生産 | 基準値 |
「555」工場(バレンシア工場)は、1996年から2003年まで稼働し、最後のアメリカ製を製造した工場として特別な意味を持っています。現在はLVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)復刻ラインの製造のため再開されており、初期の復刻モデルとして人気があります。
「524」工場(エルパソ工場)は、1桁時代の「6」工場の後継とされ、「旧6工場」と呼ばれることもあります。この工場で製造された66モデルの6刻印は、品質管理のための識別番号という説が一般的ですが、その詳細な経緯は現在でも謎に包まれています。
興味深いのは、工場番号によって使用された生地やフィット感に微妙な違いがあることです。これは、各工場の設備や技術者のスキル、さらには使用する原料の調達先などが異なっていたためと推測されます。そのため、同じ時代のモデルでも工場番号によって着心地や色落ちの仕方が変わることがあり、これがコレクターの収集欲を掻き立てる要因の一つとなっています。
2000年代以降の現行モデル判別法
2003年にリーバイスのアメリカ国内自社工場が閉鎖されて以降、現行モデルの判別方法は大きく変化しました。現行モデルの判別には、USA製とは全く異なるアプローチが必要です。
現行モデルの最も明確な特徴は、パッチのLOT番号にレジスターマーク(®)が付いていることです。「501®」という表記は、1990年代後半から導入され、現在まで継続して使用されています。これは、501というモデル名自体の商標権を明確にするための措置と考えられます。
製造国表記も重要な判別ポイントです。現行モデルでは「MADE IN MEXICO」「MADE IN CHINA」「MADE IN BANGLADESH」「MADE IN EGYPT」など、様々な国での製造が行われています。これらの海外製造モデルは、コスト削減と生産効率化を目的として導入されたものです。
🌍 現行リーバイスの主要製造国
製造国 | 開始時期 | 特徴 | 品質レベル |
---|---|---|---|
メキシコ | 90年代後半~ | USA製に最も近い品質 | 高 |
中国 | 2000年代~ | 大量生産対応 | 中~高 |
バングラデシュ | 2000年代後半~ | コスト重視 | 中 |
エジプト | 2010年代~ | コットン原産国 | 中~高 |
現行モデルの内タグは、より詳細な情報が記載されるようになっています。製造年月だけでなく、製造ラインや販売対象地域を示すコードも含まれています。例えば、日本向けモデルには「JP」、アメリカ向けには「US」といったコードが付加されることがあります。
ボタン裏の刻印も現行モデルでは4桁の数字が主流となっており、文字が詰まった印象を受けます。これは、より多くの情報を小さなスペースに刻印するための技術的対応と考えられます。現行モデルの工場番号は、主に受託製造会社の識別番号として機能しており、ヴィンテージ時代のような工場ごとの個性は薄れている傾向があります。
現行モデルでは、サステナビリティに配慮したオーガニックコットンの使用や、ウォータープロセスと呼ばれる環境負荷を減らした加工方法が導入されています。これらの情報は内タグやハングタグに記載されることが多く、現行モデルを判別する際の重要な手がかりとなります。
復刻版と本物の見分け方のコツ
近年、リーバイスの公式復刻ライン「LVC(Levi’s Vintage Clothing)」をはじめ、様々な復刻版が販売されているため、本物のヴィンテージと復刻版を見分けるスキルが重要になっています。
LVCの復刻版には、型番の後にアルファベット+数字の組み合わせが付加されています。例えば「70506-0028」や「501XX-1955」といった具合です。特に日本企画のモデルには「J」が先頭に付くことが多く、これは日本市場向けの特別仕様であることを示しています。
復刻版の最も明確な特徴は、新品の状態で販売されることです。本物のヴィンテージは、どれだけコンディションが良くても、数十年の時を経ていることによる微細な変化があります。復刻版は製造から間もないため、糊の効いたリジッドな状態や、全く摩耗していないボタン、鮮やかすぎるインディゴカラーなどで判別できます。
🔍 復刻版と本物の見分け方
項目 | 本物ヴィンテージ | 復刻版 |
---|---|---|
型番表記 | シンプル(例:501XX) | アルファベット+数字(例:501XX-1955) |
状態 | 経年変化あり | 新品状態 |
価格帯 | 変動大(希少性による) | 定価販売 |
入手場所 | 古着店、オークション | リーバイス直営店、正規取扱店 |
素材面でも違いがあります。復刻版では現代の技術で作られた高品質なデニム生地が使用されていますが、本物のヴィンテージとは織り方や染色方法が微妙に異なることがあります。特に、当時の織機では再現できない均一性や、現代の染色技術による発色の良さなどが、復刻版の特徴として現れます。
復刻版の縫製は、現代の技術水準で行われているため、本物のヴィンテージよりも正確で均一な仕上がりになっています。一方、本物のヴィンテージには、当時の手作業的な要素による微細なバラツキや、製造工程での個体差が見られることがあります。
価格も重要な判断材料です。復刻版は基本的に定価販売が行われており、LVCラインであれば3万円から5万円程度が相場です。一方、本物のヴィンテージは希少性や状態により価格が大きく変動し、特にレアなモデルでは数十万円に達することもあります。
偽物を避けるための注意点
リーバイスの人気と価値の高さから、残念ながら**偽物(コピー商品)**も市場に出回っています。偽物を掴まされないためには、いくつかの重要なチェックポイントを知っておく必要があります。
最も基本的なチェックポイントは縫製の品質です。本物のリーバイスは、ヴィンテージであっても現行品であっても、基本的な縫製品質は非常に高いレベルを保っています。糸の始末が雑、ステッチが曲がっている、左右のバランスが悪いなどの問題がある場合は、偽物の可能性が高いです。
タグやラベルの印刷品質も重要です。偽物では、文字がかすれていたり、色が不自然だったり、レイアウトが正規品と微妙に異なったりすることがあります。特に、赤タブの色や質感、ロゴの印刷精度などは、偽物では再現が困難な部分です。
⚠️ 偽物の見分け方チェックリスト
チェック項目 | 本物の特徴 | 偽物の特徴 |
---|---|---|
縫製品質 | 正確で丈夫 | 雑、歪み |
タグ印刷 | 鮮明、正確 | かすれ、不自然 |
素材感 | 適切な重量感 | 軽すぎ、硬すぎ |
金具品質 | 重厚、正確な刻印 | 軽い、刻印が不鮮明 |
販売価格 | 相場相当 | 異常に安い |
ボタンやリベットなどの金具類も注意深く確認しましょう。偽物では、金具の重量感が不足していたり、刻印が不鮮明だったりすることがあります。特に、ボタン裏の刻印は偽物では正確に再現することが困難で、数字がズレていたり、深さが不足していたりします。
販売価格があまりにも安い場合も注意が必要です。本物のヴィンテージリーバイスには一定の相場があり、相場を大幅に下回る価格で販売されている場合は、何らかの問題がある可能性があります。「デッドストック」「未使用」などの表記で高価格が付けられている場合も、実物を慎重に確認することが重要です。
購入場所も重要な要素です。信頼できる古着店や正規取扱店での購入が最も安全です。ネットオークションやフリマアプリでの購入時は、販売者の評価や過去の取引実績をよく確認し、詳細な写真を要求するなど、慎重に判断しましょう。
不安がある場合は、専門家の鑑定を受けることも一つの方法です。信頼できるヴィンテージデニム専門店では、真贋鑑定サービスを提供している場合があります。高額な買い物をする際は、このようなサービスを活用することで、後々のトラブルを避けることができるでしょう。
まとめ:リーバイスデニム 年代判別の完全攻略法
最後に記事のポイントをまとめます。
- ボタン裏刻印は年代判別の最重要ポイントで、50-70年代はアルファベット、70-80年代は2桁、80年代以降は3桁が基本である
- 内タグによる製造年月の特定は1974年以降のモデルで可能で、工場番号と合わせて正確な判別ができる
- 赤タブは1936年から導入され、片面→両面→ビッグE→スモールeと変遷しており年代特定の重要な手がかりである
- パッチは革パッチ(~1957年)から紙パッチへ変化し、ギャラ入り・ギャラ無し・ケアインストラクション入りで時代を判別できる
- ジッパーはメーカー別に年代が特定でき、60年代はGRIPPER/CONMAR、70年代はTALON/SCOVILLが主流である
- リベットの材質は戦時中の物資統制で銅→鉄→銅→鉄と変化し、磁石での判別が可能である
- 80年代レギュラー501はLOT番号に®マークがなく、made in USA表記でセルビッジなしが特徴である
- 90年代USA製はCARE文字が赤プリントで刺繍タグの導入時期にあたり過渡期的特徴を持つ
- 工場番号によりレア度が大きく異なり、アルファベット刻印や16工場などは高い価値を持つ
- 現行モデルは501®表記で海外製造が基本、4桁の工場番号が特徴である
- 復刻版は型番にアルファベット+数字が付加され新品状態で販売されるため本物と区別できる
- 偽物は縫製品質や金具の仕上げ、価格の異常な安さなどで判別可能である
- 年代判別には複数の要素を総合的に判断することが重要で、一つの特徴だけでの判断は危険である
- 信頼できる販売店での購入と専門家による鑑定が偽物を避ける最良の方法である
- ヴィンテージリーバイスの価値は希少性と状態により大きく変動するため市場相場の理解が重要である
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://jamtrading.jp/blogs/jam/12047433/
- https://dig-it.media/lightning/article/854383/
- https://hurugiblog.com/levis501
- https://kanteikyoku.jp/store/ichikawa/news/484437/
- https://www.leon.jp/fashions/6526
- https://shibaken.work/post-2413/2021/2413/
- https://de-suke.com/how-to-distinguish-levis-inner-tag
- https://levi-fun.com/
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10236772975
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