デニムの王様とも呼ばれるリーバイス501。古着屋やオークションで目にする機会も多いこのアイテムですが、**「リーバイス 年代 見分け方 501」**で検索されている方の多くは、手に取った501がいつ頃製造されたものなのか、どのような価値があるのかを知りたいと考えているのではないでしょうか。1873年の誕生から150年以上の歴史を持つリーバイス501は、時代とともに様々なディテールが変化しており、これらの違いを理解することで正確な年代判別が可能になります。
本記事では、膨大な資料を調査し、リーバイス501の年代を見分けるための決定的な方法を網羅的にまとめました。ボタン裏の刻印から赤タブの変化、パッチの種類、内タグの読み方、リベットやステッチの変遷まで、年代判別に必要なすべての情報を初心者にもわかりやすく解説しています。さらに、各時代の特徴的なモデルの見分け方や、価値の高いヴィンテージ品を見極めるコツも詳しく紹介しています。
この記事のポイント |
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✅ リーバイス501の年代を正確に判別するための基本的な見方と手順 |
✅ 各時代の501に見られる特徴的なディテールとその変遷 |
✅ ヴィンテージ品と復刻版の見分け方と価値の違い |
✅ 買取価格や査定に影響する要素と高額査定を得るためのポイント |
リーバイス501の年代見分け方と基本チェックポイント
- ボタン裏刻印で製造工場と年代を特定する方法
- 赤タブの変化から時代を読み解く技術
- パッチの種類と表記内容による年代判別
- 内タグから製造年月を正確に読み取るコツ
- リベットとステッチの変化による年代特定
- セルビッジ(赤耳)の有無と特徴の見方
ボタン裏刻印で製造工場と年代を特定する方法
リーバイス501の年代判別で最も基本となるのが、トップボタン裏の刻印確認です。この小さな刻印には、製造工場や年代を示す重要な情報が刻まれており、慣れれば一目で大まかな年代を推測することができます。
50~70年代のリーバイスには、主にアルファベットや1~2桁の数字が刻印されています。例えば「A」「D」「E」「F」「J」「K」「L」「O」「S」「W」などのアルファベットや、「2」「4」「5」「6」「8」「11」「12」「14」「16」「17」「20」などの数字が確認できます。
特に注目すべきは**「16」の刻印**で、これは50年代初期から70年代中期まで長期間使用された工場番号です。16番工場で製造された501は「16ボタンモデル」と呼ばれ、コレクターの間でも高い人気を誇っています。一般的には、この時代の501は希少価値が高く、状態が良ければ数十万円から数百万円の価値がつくこともあります。
🏭 年代別ボタン裏刻印の特徴
年代 | 刻印の特徴 | 代表例 |
---|---|---|
50~70年代 | アルファベット・1~2桁数字 | A, D, E, F, 2, 4, 6, 16 |
80~2003年 | 3桁数字 | 501, 522, 555, 524 |
2003年以降 | 4桁数字・英数字組合せ | 文字が詰まった刻印 |
80年代から2003年の米国工場閉鎖までの期間には、主に3桁の数字が刻印されています。「501」「522」「555」「524」などがよく見られ、特に「555」は1996年から2003年まで稼働していたバレンシア工場の証で、高品質な復刻モデルを製造していたことで知られています。
2003年以降は4桁の数字や英数字の組み合わせが多く見られ、文字が詰まって刻印されているのが特徴です。ボタン裏を確認する際は、明るい場所で行うことをおすすめします。古いモデルでは刻印が薄くなっていることもあるため、角度を変えながら慎重に確認しましょう。
赤タブの変化から時代を読み解く技術
リーバイス501の象徴とも言える赤タブは、1936年に初めて採用されました。他社ブランドとの差別化を図るために導入されたこの小さなタブには、時代ごとに異なる特徴があり、年代判別の重要な手がかりとなります。
最も古い**「片面ビッグE」**(1936年~1952年頃)は、タブの表面のみに「LEVI’S」と表記され、裏面は無地という特徴があります。この時代の501は現存数が極めて少なく、状態の良いものは数百万円の価値がつくこともある超希少品です。
1953年から1964年頃には**「均等Vの両面ビッグE」**タブに変化します。両面に「LEVI’S」の文字が入り、®マークが付くようになります。また、「V」の左右の線の太さが均等になっているのが特徴で、この時代から両面表記が標準となりました。
📅 赤タブの変遷と見分け方
期間 | タブの特徴 | 見分けポイント |
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1936~1952年 | 片面ビッグE | 表のみLEVI’S表記、裏は無地 |
1953~1964年 | 均等Vの両面ビッグE | V字が左右対称、®マーク付き |
1965~1971年 | 不均等Vの両面ビッグE | V字の右側が細い |
1971年~現在 | スモールe | LeVI’S表記(eが小文字) |
1965年から1971年頃の**「不均等Vの両面ビッグE」**では、「V」の右側が細いデザインに変更され、左右非対称になったのがポイントです。この時代の赤タブを持つモデルは、通称「ビッグEモデル」と呼ばれ、ヴィンテージ市場でも特に人気の高いモデルです。
1971年以降は**「スモールe」**タブへと変更され、「LEVI’S」の「E」が小文字の「e」になった「LeVI’S」表記となり、現在まで続いています。この変化は、リーバイス社が株式公開した1971年に合わせて統一されたとされています。
パッチの種類と表記内容による年代判別
リーバイス501の右腰に付けられている**パッチ(品質保証書)**も、年代判別の重要な手がかりとなります。パッチの素材や表記内容は時代とともに変化しており、これらの違いから製造時期を推測することができます。
初期のパッチは1870年代から**革製(レザーパッチ)**が使用されていました。1886年からは有名な「ツーホースマーク」(2頭の馬が引っ張り合っても裂けないという強度を表現したデザイン)が採用されます。この革パッチは1954年頃まで使用され、その後は紙パッチへと変わっていきます。
革パッチが縮んでシワシワになった状態を、その見た目から**「ビーフジャーキー」**と呼ぶこともあります。この状態の革パッチを持つ501は、確実に1950年代以前の製造であることを示しており、コレクターにとっては垂涎のアイテムです。
🏷️ パッチの種類と年代対応表
年代 | パッチの種類 | 主な特徴 |
---|---|---|
~1958年 | 革パッチ | Every Garment Guaranteed表記、XX表記 |
1955~1962年 | ギャラ入り紙パッチ | Every Garment Guaranteed表記 |
1962~1965年 | ギャラ無し紙パッチ | Every Garment Guaranteed表記なし |
1970年代~ | CARE表記パッチ | CARE INSTRUCTIONS表記入り |
パッチの表記内容も重要な判別要素です。~1958年頃までのパッチには**「Every Garment Guaranteed」**(すべての商品を保証する)という表記があり、型番の後に「XX」(例:501XX)と表記されています。この「XX」表記は1966年頃まで続きました。
1970年代以降は**「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」**(取扱い表示は製品内側に)という表記が追加されました。70年代~80年代中期までは黒字、80年代中期以降は赤字で印字されるのが特徴です。さらに1980年代後半からは、「501」の文字が赤字で印刷されるようになり、これを「87赤文字」「赤文字モデル」と呼ぶこともあります。
内タグから製造年月を正確に読み取るコツ
1974年以降に採用された内タグは、製造年月や工場番号など年代を特定するための最も正確な情報源となります。内タグの種類や表記方法は時代によって変化しているため、その読み取り方を理解することで、正確な年代判別が可能になります。
1974年~1980年代前半の内タグでは、数字の羅列が3行に分かれて記載されています。製造年月と工場番号は一番下の行に記載されており、左から製造月、製造年の下2桁、工場番号の順で並んでいます。ただし、この時代の内タグでは年代が1桁しか記載されていないことがあるため注意が必要です。
例えば「8」という数字の場合、70年代の「8」を表し、「1978年」を意味することがあります。また、「16」という工場番号と「11 78」という表記があれば、16番工場で1978年11月に製造されたことがわかります。
📊 内タグの読み方ガイド
時代 | 内タグの特徴 | 読み取り方法 |
---|---|---|
1974~1980年代前半 | 3行の数字羅列 | 下段:製造月・製造年・工場番号 |
1980年代後半~1991年 | 7行に増加 | 6行目:工場番号、7行目:製造年月 |
1991~1994年 | 薄い生地 | 下から2行目:工場・年月・番号 |
1995~2003年 | 現代的デザイン | 最下段:工場・月・年の順 |
1980年代後半~1991年頃の内タグは、行数が7行に増え、文字量が多くなります。製造工場番号は6行目、製造年月は7行目に記載されています。この時代の特徴として、製造年が1桁しか記載されておらず、製造月と製造年の数字がつながっているという点があります。例えば「107」という数字は、10月の7年(1987年)を表します。
1995年~2003年の内タグでは、最も読み取りやすい形式になります。例えば「324 10 02」という表記は、324工場で10月の2002年に製造されたことを示します。この時期の内タグは現在のものに近い形式となっており、比較的理解しやすくなっています。
リベットとステッチの変化による年代特定
リーバイス501の**リベット(鋲)とステッチ(縫製)**の変化も、年代判別の重要な手がかりとなります。これらのディテールは時代とともに様々な変更が加えられており、特にヴィンテージモデルでは特徴的な仕様が見られます。
最も初期の1873年~1890年のリベットには**「PAT. MAY 1873 LS&CO. SF」**という特許取得年月の刻印がありました。1890年に特許の期限が切れると、「L.S. & Co. – S.F. -」という刻印に変わります。このようなリベットを持つ501は、現存するものが極めて少なく、博物館級の価値があります。
リベットの形状も時代によって変化しています。1873年~1920年代は**「頭潰しの打ち抜きリベット」**と呼ばれる、先端が潰された形状のリベットが使用されていました。これは馬の鞍やイスを傷つけないための工夫であり、同時にリベットを外れにくくする効果もありました。
🔧 リベットの変遷と特徴
期間 | リベットの特徴 | 材質・形状 |
---|---|---|
1873~1890年 | 特許刻印入り | PAT. MAY 1873表記 |
1890~1920年代 | 頭潰し打ち抜き | 銅製、先端が潰された形状 |
1942~1947年 | 戦時仕様 | 鉄製の銅メッキ |
1962年以降 | 現代仕様 | アルミ製、被せリベット |
バックポケットのリベットに関しても重要な変化があり、1937年からは**「隠しリベット」という、表側からはリベットが見えない仕様に変更されました。これは座った際にイスや自動車のシートを傷つけないための配慮でした。1966年頃からは、隠しリベットに代わって「バータック」**というステッチによる補強方法が採用されるようになります。
ステッチに関しては、バックポケットの**「アーキュエイトステッチ」**(弓型のステッチ)が最も特徴的です。1873年~1943年頃までは1本針で縫製された「カモメステッチ」と呼ばれるタイプが使用され、1946年以降は2本針ミシンによる「ダイヤモンドステッチ」になります。中央で交差する部分がダイヤモンドの形に見えることから、この名前がつけられました。
セルビッジ(赤耳)の有無と特徴の見方
**セルビッジ(赤耳)**は、リーバイス501のヴィンテージ感を最も象徴するディテールの一つです。セルビッジとは、デニム生地の端のほつれを防ぐために施された耳の部分で、リーバイスでは他社との差別化のために赤い糸を使用していました。
旧式の織り機で制作されたデニム生地には、必ずこのセルビッジが付いています。リーバイスでは1873年の創業当初から1986年頃まで、この赤い糸を特徴とするセルビッジを使用していました。そのため、赤耳の有無は年代判別の重要な指標となります。
1980年から1986年頃まで製造された501は、特に**「赤耳モデル」**と呼ばれ、リーバイス501のヴィンテージの中でも最も入手しやすく、現代のファッションにも取り入れやすいとして人気を集めています。セルビッジの幅も年代によって異なり、一般的に古いものほど耳の幅が細い傾向があります。
🧵 セルビッジの特徴と年代
年代 | セルビッジの特徴 | 呼び名 |
---|---|---|
創業~1986年 | 赤い糸のセルビッジ | 赤耳 |
1987年以降 | 金糸でロック処理 | 脇割り |
復刻版 | 赤い糸(再現) | LVC等復刻モデル |
1983年にコーンミルズ社がセルビッジデニムの生産を中止したことで、リーバイスも赤耳仕様を終了することになりました。そのため、1986年頃を境に**「脇割り」**と呼ばれるセルビッジのない通常の生地に切り替わっていきます。
現在でもLVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)シリーズなどの復刻版では、セルビッジデニムを使用したモデルが製造されています。しかし、オリジナルのヴィンテージ赤耳と復刻版では、生地の風合いや経年変化の仕方に違いがあるため、コレクターの間では明確に区別されています。
年代別リーバイス501の見分け方とコレクション価値
- 1950年代以前501XXの超希少ディテール解説
- 1960~70年代ビッグEモデルの完全判別法
- 1970年代66前期・後期モデルの違いとは
- 1980年代赤耳モデルの特徴と魅力
- 1990年代から2003年米国最終モデルの見極め方
- 現行品と復刻版LVCの区別方法
- まとめ:リーバイス501の年代見分け方と価値判断のポイント
1950年代以前501XXの超希少ディテール解説
1950年代以前のリーバイス501XXは、現在のヴィンテージマーケットにおいて最も価値が高いモデルの一つです。これらの初期モデルには、現代のリーバイスとは大きく異なる特徴的なディテールが多数存在し、その希少性から数百万円の価値がつくことも珍しくありません。
最も古い1900年以前のモデルでは、**バックポケットが1つしかない「片ポケ」**と呼ばれる特徴があります。1901年頃から現在と同じ2つのバックポケットになったため、片ポケの501は確実に19世紀の製造であることがわかります。このような超初期モデルは、世界中でも数点しか確認されていない文字通りの「お宝」です。
1922年以前のフライボタン(スモールボタン)には社名が入らない格子柄のものが使用されていました。1927年以降になると、フライボタンに「LEVI STRAUSS & CO」の社名が入るようになります。このような細かいディテールの違いも、超初期モデルを見分ける重要なポイントです。
🏆 1950年代以前の超希少ディテール
特徴 | 期間 | 希少度 |
---|---|---|
片ポケット | ~1900年 | ★★★★★ |
格子柄ボタン | ~1926年 | ★★★★★ |
股リベット | ~1941年 | ★★★★☆ |
革パッチ | ~1954年 | ★★★☆☆ |
第二次世界大戦中(1942年~1945年)に製造された**「大戦モデル」**には、物資統制の影響による特徴的なディテールがあります。パッチには品番の前に「S」(Simplified=簡素化された)の表記が追加され、コインポケットのリベットが省略されたり、アーキュエットステッチがペンキに変更されたりしました。
特に興味深いのは、月桂樹ボタンやドーナツボタンという市販のボタンが使用されることもあった点です。戦時下の物資不足により、通常のリーバイス製ボタンの代わりに、一般的な市販ボタンを流用していたのです。これらの代用ボタンは、大戦モデルならではの特徴として、コレクターの間で非常に珍重されています。
さらに珍しいのは、**「ペンキステッチ」**です。アーキュエットステッチの糸でさえも物資統制の対象となったため、糸の代わりにペンキでプリントされたステッチが施されました。しかし、洗濯すると消えてしまうため、現在では未着用のデッドストックでしか確認できない「幻のディテール」となっています。
1960~70年代ビッグEモデルの完全判別法
1960年代から1970年代初頭にかけて製造されたリーバイス501は、コレクターの間で**「ビッグEモデル」**と呼ばれ、ヴィンテージ市場でも特に高い人気を誇っています。このモデルを正確に見分けるためには、複数のディテールを総合的に判断する必要があります。
最も特徴的なのは、赤タブに表記された**「LEVI’S」の「E」が大文字**であることです。この「ビッグE」表記は1971年頃まで続き、その後「LeVI’S」という小文字の「e」(スモールe)に変更されました。さらに1960年代中頃からは「V」の左右が非対称になり、右側が細くなるという特徴も加わりました。
パッチに関しては、1957年頃から革パッチから紙パッチへと変更され、1966年頃までは品番に**「XX」が付く「501XX」表記**でした。その後、1966年~1967年には「ダブルネーム」と呼ばれる、品番が二つ表記されるパッチが使用されました。これは旧品番を小さく表示しつつ新品番を導入するための過渡期の特徴です。
📋 ビッグEモデルの判別チェックリスト
チェック項目 | ビッグEの特徴 | 確認ポイント |
---|---|---|
赤タブ | LEVI’S(大文字E) | V字の右側が細い |
パッチ | 501表記のみ | 前後に文字なし |
ボタン裏刻印 | 2,4,6,8,16など | 1~2桁が基本 |
リベット | 被せリベット | 裏がアルミ製 |
トップボタン裏の刻印も重要な判断材料で、ビッグEモデルでは**「2」「4」「6」「8」「16」**などの刻印が多く見られます。特に「16」刻印は人気が高く、ビッグEモデル以外の時代にも見られる長寿の工場番号として知られています。
リベットに関しては、1962年頃から「打ち抜きリベット」から**「被せリベット」**に変わり、同時にリベット裏の材質も「鉄製の銅メッキ」から「アルミ製」へと変化しました。また、1966年頃からはバックポケットの「隠しリベット」から「バータック」へと変更されています。
ビッグEモデルは、501の歴史においてデザイン的に完成された時期のものであり、現在でも人気の高いヴィンテージモデルです。状態の良いものであれば、数万円から十数万円の価値があることも珍しくありません。特に、未使用に近いデッドストック品になると、さらに高額で取引されることもあります。
1970年代66前期・後期モデルの違いとは
1970年代のリーバイス501の中でも特に人気が高いのが**「66モデル」**と呼ばれるタイプです。このモデルの名前は、右側のバックポケットに留められていたフラッシャー(紙ラベル)に記載された「©1966」の表示に由来しています。実際には1973年から1980年頃まで製造されていたモデルで、同じ66モデルの中でも「前期」と「後期」で特徴が大きく異なります。
まず、66モデルの共通特徴として、赤タブの「LEVI’S」表記が**小文字の「e」になる「スモールe」**になっていることが挙げられます。これは1971年頃にリーバイス社がCIを変更したことによるもので、ビッグEモデルとの明確な区別点となります。
また、パッチには**「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」**(取り扱い表示は製品内側にあります)というスタンプが押されている点も66モデルの特徴です。この表記により、初めて洗濯表示の白い内タグが付くようになりました。トップボタン裏の刻印は「6」が基本で、これは工場を識別する番号と考えられています。
⚖️ 66前期と後期の比較表
項目 | 66前期(1973-1976年) | 66後期(1977-1979年) |
---|---|---|
バックポケットステッチ | シングルステッチ | チェーンステッチ |
内股ステッチ | シングルステッチ | 一部ダブルステッチ |
裾ステッチ | シングルステッチ | チェーンステッチ |
色落ちの特徴 | タテ落ち、深みのある色 | やや現代的な色落ち |
66前期(1973年~1976年)と66後期(1977年~1979年)の最も大きな違いは、バックポケット上部のステッチにあります。66前期ではバックポケット入口の折り返し部分がシングルステッチになっていますが、66後期ではチェーンステッチに変更されています。
前期モデルの方がタテ落ちし、色合いにも深みがあるとされ、一般的に人気が高い傾向にあります。この色落ちの違いは、生地の質や染色方法の変化によるものと推測されますが、66前期の方がよりヴィンテージらしい経年変化を見せてくれます。
内タグに関しては、66モデルから内側に取り扱い表示のタグが付くようになりました。66前期の内タグには**収縮率が8%**と記載されていますが、後継モデルでは10%に変わります。この収縮率の違いも、前期と後期を見分ける重要なポイントです。
66モデルは、ビッグEモデルと比べて現存する数が多く、状態の良いものも比較的見つけやすいという特徴があります。特に66前期モデルは、ヴィンテージリーバイスの入門編として人気が高く、状態にもよりますが数万円から購入することができ、コストパフォーマンスに優れたモデルと言えるでしょう。
1980年代赤耳モデルの特徴と魅力
1980年から1986年頃まで製造された**「赤耳(あかみみ)」モデル**は、リーバイス501のヴィンテージの中でも最も入手しやすく、現代のファッションにも取り入れやすいとして幅広い世代から人気を集めています。このモデルが「赤耳」と呼ばれる理由と、その特徴について詳しく解説します。
「赤耳」という名称は、デニム生地の耳(セルビッジ)の部分に赤い糸が織り込まれていることに由来しています。セルビッジとは、デニムのアウトシーム(足の外側の縫い目)の内側に付いている生地の端のことで、生地のほつれを防ぐために施されています。
この赤い糸を特徴とするセルビッジは、リーバイスの伝統的なディテールであり、1873年の創業当初から1986年頃まで使用されていました。旧式の織り機で丁寧に織られた証でもあり、一点一点が技術の高い職人の手作業によって製造されていたため、セルビッジが付くデニムは一般に高価なものとして知られています。
🔴 赤耳モデルの主要特徴
特徴 | 詳細 | 意味 |
---|---|---|
赤いセルビッジ | 裾を折り返すと見える赤い耳 | 旧式織り機の証 |
黒スタンプパッチ | CARE文字が黒色 | ハチマルとも呼ばれる |
3桁ボタン刻印 | 524、522、501など | エルパソ工場等の証 |
チェーンステッチ | バックポケット、裾 | 縫製技術の進歩 |
赤耳モデルのパッチは紙パッチで、「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」の文字が黒のスタンプで押されているのが特徴です。パッチの「501」表記も黒字で、細めのフォントが使用されています。この黒スタンプの特徴から、赤耳モデルは「ハチマル(80)」とも呼ばれることがあります。
トップボタン裏の刻印は3桁の数字が基本で、**「501」「522」「524」**などが多く見られます。特に「524」工場はエルパソ工場(旧6工場)として知られ、長期間にわたって高品質なリーバイス製品を製造していたため、524刻印の501は品質が高いとされています。
1983年にコーンミルズ社がセルビッジデニムの生産を中止したことで、リーバイスも赤耳仕様を終了することになりました。そのため、1986年頃を境に**「脇割り」**と呼ばれるセルビッジのない通常の生地に切り替わっていきます。
赤耳モデルは、ヴィンテージリーバイスの中では比較的新しいモデルであるため現存数も多く、状態の良いものも見つけやすいという特徴があります。価格帯も比較的手頃で、良好な状態のものであれば数万円から購入することができ、リーバイスヴィンテージ入門者にもおすすめのモデルです。
1990年代から2003年米国最終モデルの見極め方
1990年代から2003年までの米国製リーバイス501は、**「米国最終モデル」**または「93米国最終」などと呼ばれることもあります。2003年にリーバイス社がアメリカ国内の自社工場を閉鎖したため、この時期のモデルが米国自社工場で製造された最後のリーバイス501となりました。
この時期の501を見極める最も重要なポイントは、パッチの「501」表記が黒の太字印刷になっていることです。1980年代後半から紙パッチの「501」表記が赤字で印刷される「87赤文字」「赤文字モデル」の時代を経て、1990年代初頭〜中頃からは黒の太字印刷に変わり、これが米国最終モデルの特徴となっています。
また、パッチには引き続き**「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」の表記**がありますが、80年代の黒スタンプから赤字のプリントに変わっています。パッチ全体のデザインも洗練され、より現代的な印象を与えるようになりました。
🇺🇸 米国最終モデルの識別ポイント
項目 | 特徴 | 備考 |
---|---|---|
パッチ501表記 | 黒の太字印刷 | 赤文字から変更 |
ボタン裏刻印 | 555、524、513など | 3桁数字が基本 |
内タグ | 最下段に製造情報 | 324 10 02(例)形式 |
セルビッジ | 脇割りが主流 | 一部復刻で赤耳も |
トップボタン裏の刻印は3桁の数字が基本で、**「501」「513」「522」「524」「527」「555」**などが多く見られます。特に「555」工場はバレンシア工場として知られ、1996年から2003年まで稼働していました。この工場は赤耳モデルやXXモデルなどの高品質な復刻モデルを製造していたことで知られています。
内タグに関しては、1995年~2003年のものでは最も読み取りやすい形式になっています。例えば「324 10 02」という表記は、324工場で10月の2002年に製造されたことを示します。この時期の内タグは現在のものに近い形式となっており、比較的理解しやすくなっています。
この時期のリーバイス501は、セルビッジ(赤耳)を持たない**「脇割り」**と呼ばれるタイプが主流です。ただし、1990年代後半から2003年までの間には、バレンシア工場(555工場)で一部赤耳タイプの復刻モデルが製造されることもありました。
1990年代〜2003年の米国製501は、ヴィンテージとしての希少性はさほど高くないものの、品質の良さと現代的なシルエットで使いやすいという特徴があります。価格も比較的手頃で、良好な状態のものであれば数千円から購入することができ、実用性を重視する方にはおすすめのモデルです。
現行品と復刻版LVCの区別方法
2003年以降のリーバイス501は、アメリカ国内の自社工場閉鎖に伴い、世界各国の協力工場での生産に完全に移行しました。同時に、ヴィンテージモデルを復刻した**「LVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)」**シリーズも展開されています。現行品とLVCシリーズ、そしてオリジナルヴィンテージを正確に区別する方法について解説します。
まず、2003年以降の現行501(レギュラーライン)の特徴として、「Made in USA」表記がなくなり、代わりに「Made in Mexico」「Made in Bangladesh」「Made in China」など、様々な国での生産表記が見られるようになりました。トップボタン裏の刻印も4桁の数字や英数字の組み合わせが増え、文字が詰まって刻印されているのが特徴です。
一方、LVCシリーズは、歴史的な501モデルを忠実に復刻したプレミアムラインです。1890年モデル、1937年モデル、1944年モデル、1947年モデル、1954年モデル、1955年モデルなど、リーバイスの歴史的な名作を現代に再現しています。
🏷️ 現行品・LVC・オリジナルの比較
項目 | 現行501 | LVC | オリジナルヴィンテージ |
---|---|---|---|
価格帯 | 数千円~1万円 | 3~5万円 | 数万円~数百万円 |
製造国 | 各国協力工場 | 主に日本・USA | アメリカ(年代による) |
セルビッジ | なし | 復刻版は有り | 年代により有り |
経年変化 | 現代的 | やや人工的 | 自然な風合い |
LVCシリーズの特徴は、本物のヴィンテージのディテールを可能な限り忠実に再現していることです。例えば、革パッチ、セルビッジデニム(赤耳)、隠しリベット、片面ビッグEタブ、Vステッチなど、当時のディテールを細部まで再現しています。また、コーンミルズ社の生地を使用するなど、素材にもこだわっています。
価格面でも現行501とLVCシリーズには大きな違いがあります。現行501が数千円から1万円程度で購入できるのに対し、LVCシリーズは3万円から5万円程度と高額です。しかし、本物のヴィンテージと比較すれば、LVCシリーズはまだ手の届きやすい価格帯と言えます。
現行501とLVCシリーズを見分けるポイントとしては、まずパッチのデザインが挙げられます。LVCシリーズは当時のデザインを忠実に再現しているため、現行501とは明らかに異なるデザインになっています。また、生地にもセルビッジ(赤耳)が付いているか、赤タブのデザイン、ボタンやリベットの細部など、様々な点で違いが見られます。
ただし、LVCシリーズも完全に本物のヴィンテージと同じというわけではありません。例えば、生地の風合いや経年変化の仕方、細部の作りこみなどには違いがあります。本物のヴィンテージが持つ歴史や物語性、希少価値などは、復刻版では完全に再現することはできないという側面もあります。
まとめ:リーバイス501の年代見分け方と価値判断のポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- ボタン裏刻印は年代判別の基本で、50~70年代はアルファベット・1~2桁数字、80年代以降は3桁数字、2003年以降は4桁・英数字組み合わせが特徴である
- 赤タブは1936年採用開始で、1971年までビッグE(LEVI’S)、以降はスモールe(LeVI’S)という明確な変化がある
- パッチは1955年頃を境に革パッチから紙パッチへ変化し、表記内容も時代によって大きく変化している
- 内タグは1974年以降採用で、時代ごとに形式が変化するため製造年月の正確な読み取りが可能である
- リベットは材質・形状・補強方法が時代とともに変化し、隠しリベット(1937-1966年)は特に重要な判別要素である
- セルビッジ(赤耳)は1873年~1986年まで使用され、その有無で大まかな年代区分ができる
- 1950年代以前の501XXは片ポケット・格子柄ボタン・股リベットなど現代にはない特徴を持つ超希少モデルである
- ビッグEモデル(1960-70年代)は赤タブ・パッチ・ボタン裏刻印・リベットなど複数要素の総合判断が必要である
- 66前期(1973-1976年)と66後期(1977-1979年)はバックポケット・内股・裾のステッチ違いで区別できる
- 赤耳モデル(1980-1986年)は黒スタンプパッチ・3桁ボタン刻印・チェーンステッチが主な特徴である
- 米国最終モデル(1990-2003年)は黒太字501表記・赤字CARE表記・脇割りセルビッジが特徴である
- 2003年以降は現行品(各国製造)とLVC復刻版(高価格・忠実再現)に大別される
- 価格は希少性・状態・需要で決まり、1950年代以前は数百万円、赤耳モデルは数万円程度が相場である
- 年代判別は単一要素ではなく、複数のディテールを総合的に判断することが重要である
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://hurugiblog.com/levis501
- https://shibaken.work/post-2413/2021/2413/
- https://www.leon.jp/fashions/6526
- https://jamtrading.jp/blogs/jam/1020444/
- https://kanteikyoku.jp/store/ichikawa/news/446581/
- https://jamtrading.jp/blogs/jam/12047433/
- https://kanteikyoku.jp/store/ichikawa/news/484437/
- https://levi-fun.com/ribaisu-nendai-miwakekata-501/
- https://levi.jp/pages/lvc
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