リーバイス 製造年 見方を知りたい方にとって、年代判別は古着選びやコレクションにおいて重要なスキルです。リーバイスには製造年代を特定できる様々な「証拠」が隠されており、内タグ、ボタン裏の刻印、パッチデザイン、赤タブの仕様など、細部を確認することで正確な製造時期が判明します。
特に1974年以降のリーバイスには製造年月が記載された内タグが付けられるようになり、これが最も確実な判別方法となります。一方で、ボタン裏の刻印は時代ごとに一桁から三桁まで変化し、工場番号と年代の両方を示す重要な手がかりとなっています。本記事では、徹底的な調査に基づき、どこよりも詳しくリーバイスの製造年判別方法をまとめました。
この記事のポイント |
---|
✅ 内タグとボタン裏刻印による確実な年代判別方法 |
✅ 1974年から現在まで年代別の詳細な見分け方 |
✅ パッチデザインと赤タブ変遷による判別テクニック |
✅ 工場番号一覧とレア刻印の価値について |
リーバイス製造年の見方と判別ポイント
- リーバイス製造年の見方は内タグとボタン裏刻印の確認が基本
- 1974年以降のリーバイスには内タグで製造年月を正確に判別できる
- ボタン裏の刻印一覧から年代と工場を特定する方法
- パッチデザインで年代を見分けるコツ
- 赤タブの変遷でビッグEとスモールeを判別する
- バックポケットのステッチで1977年を境に判断する
リーバイス製造年の見方は内タグとボタン裏刻印の確認が基本
リーバイスの製造年を正確に知るための最も確実な方法は、内タグとトップボタン裏の刻印を確認することです。これらの情報を組み合わせることで、製造年月と工場まで特定することができます。
まず確認すべきはトップボタン裏の刻印です。ここには工場を示す番号が刻印されており、この番号によっておおよその年代と製造工場が判明します。刻印は時代によって変化しており、1950~60年代はアルファベットや2桁の数字、1970年代は1桁や2桁、1980年代以降は3桁の数字が一般的です。
次に重要なのが内タグの確認です。1974年以降のリーバイスには内タグが付けられるようになり、ここに製造年月や工場番号などの詳細情報が記載されています。内タグがない場合は1974年以前のモデルということが確定し、その場合はパッチやステッチなど他の要素で判別する必要があります。
年代判別の基本的な手順は以下の通りです:
🔍 年代判別チェック手順
順序 | 確認箇所 | 判別内容 |
---|---|---|
1 | トップボタン裏 | 工場番号で年代範囲を特定 |
2 | 内タグ | 製造年月を正確に読み取り |
3 | パッチデザイン | 時代別の仕様変更を確認 |
4 | 赤タブ | ビッグE/スモールeで1974年を境界 |
5 | ステッチ | シングル/チェーンで1977年を境界 |
ただし、年代判別においては一つの特徴だけで決めつけるのではなく、複数の要素を総合的に判断することが重要です。例えば、ボタン裏の刻印だけでは確定的なことは言えない場合があり、内タグの情報と照らし合わせることでより正確な判別が可能になります。
1974年以降のリーバイスには内タグで製造年月を正確に判別できる
1974年から内タグが付けられるようになったことは、リーバイスの年代判別において画期的な変化でした。この内タグには製造年月、工場番号などの詳細情報が記載されており、リーバイスの製造年を知る上で最も正確な情報源となっています。
内タグの読み方は時代によって表記方法が異なります。1974年~80年代前半の初期内タグでは、製造工場番号、製造年、製造月が一番下の行に記載されています。まずトップボタン裏の刻印で工場番号を確認し、その後内タグで同じ番号が書かれている行を探すのがコツです。
具体的な読み取り方法として、例えば工場番号が「8」の場合、内タグ内で「8」と書かれている行を見つけます。その行の数字は左から「製造月」「製造年の下2桁」「工場番号」という順番で記載されていることが多く、「6 77 8」という表記があれば「1977年6月に8番工場で製造」と読み取ることができます。
📅 年代別内タグ読み方一覧
年代 | 表記方式 | 読み方例 | 意味 |
---|---|---|---|
1974-1985 | 3つの数字 | 6 77 8 | 1977年6月、8工場製 |
1985-1988 | 連続数字 | 107 | 1987年10月製 |
1988-1994 | 4桁表記 | 0394 | 1994年3月製 |
1993-2003 | 刺繍タグ | 0197 | 1997年1月製 |
注意点として、70年代の製品では製造年が1桁のみで表記されている場合があります。例えば「12 6 6」という表記があれば、これは「1976年12月に6番工場で製造」を意味します。この場合、1966年や1986年との区別は、他の特徴(赤タブの仕様など)と照らし合わせることで判断します。
さらに、内タグには製品の特徴を示す追加情報も記載されています。ウエストやレングスが書かれている行の上には収縮率が記載されており、「66モデル」の前期は収縮率8%、後期は10%に変わるなど、この数値も年代判別の手がかりとなります。
ボタン裏の刻印一覧から年代と工場を特定する方法
トップボタン裏の刻印は、リーバイスの年代判別において最初に確認すべき重要な情報です。この刻印によって、おおよその製造年代と製造工場が特定でき、その後の詳細な年代判別の方向性が決まります。
1950~60年代の刻印は主にアルファベットや2桁の数字で表されています。「A」「D」「E」「F」「J」「K」「L」「O」「S」「W」「11」「12」「14」「15」「16」「17」「18」「20」などの刻印があるモデルは、古いビンテージとして非常に価値が高いとされています。
1970年代になると、主に一桁の数字や「16」「52」などの刻印が見られるようになります。この時代の代表的な「66モデル」では「6」の刻印が基本とされており、後にエルパソ工場を示す「524」に変わったことから、「旧6工場」と呼ばれることもあります。
🏭 時代別ボタン裏刻印一覧
年代 | 刻印形式 | 代表的刻印 | 特徴 |
---|---|---|---|
1950-60年代 | アルファベット・2桁数字 | A, D, E, F, 16 | 最古級ビンテージ |
1970年代 | 1-2桁数字 | 2, 4, 6, 8, 16 | 66モデル等の人気モデル |
1980-2000年代 | 3桁数字 | 501, 524, 555, 653 | アメリカ製最終期 |
2003年以降 | 4桁数字 | 4996, 4459, 5115 | 海外委託生産 |
1980~2000年代初頭は3桁の刻印が特徴的です。アメリカ製のものは「5」から始まる番号(501、502、511、513など)、社外委託工場は「6」から始まる番号(624、650、653など)が使われることが多くなりました。この時代の工場の中でも、特に「555」(バレンシア工場)は人気モデルを多数製造していたことで知られています。
海外工場の番号も多数確認されており、フランス製「275」「388」、イギリス製「211」「299」「311」、カナダ製「212」「216」「217」、メキシコ製「104」「493」「647」「989」など、国別に特定の番号が割り当てられていました。
おそらく最も希少価値が高い刻印は、「555」(米国最後のバレンシア工場)、「524」(エルパソ工場)、「16」(長期間操業した工場)などとされています。これらの工場の製品は古着市場でも高値で取引される傾向にあります。
パッチデザインで年代を見分けるコツ
リーバイスのデニムの右腰に付いているパッチ(革や紙のラベル)は、製造年代を特定する重要な手がかりとなります。パッチのデザインや素材、表記内容は時代とともに段階的に変化しており、これらの変遷を理解することで年代判別の精度が格段に向上します。
1958年頃までの初期パッチは鹿革が使用され、モデル番号の後に「XX」(例:501XX)と表記されていました。その上段には「Every Garment Guaranteed」(すべての商品を保証)という文言が記載されており、これはリーバイスが商品破損時に新品交換を行うサービスの表示でした。ただし、美品でなければパッチの印字はほとんど消えているのが現状です。
1958年~1960年代頃には、素材が革から紙に変更されましたが、デザインは革パッチ時代と基本的に変わりませんでした。この「XX紙パッチ」にも「Every Garment Guaranteed」の表記が継続されています。美品でない限りパッチが取れてしまっていることが多いのも、この時代の特徴です。
📜 年代別パッチデザイン変遷表
年代 | 素材 | 主な表記 | 特徴的文言 |
---|---|---|---|
~1958年 | 鹿革 | 501XX | Every Garment Guaranteed |
1958-1960年代 | 紙 | 501XX | Every Garment Guaranteed |
1962-1965年 | 紙 | 501 | Made in U.S.A. |
1966-1967年 | 紙 | 501+旧番号 | ダブルネーム |
1970-1990年代 | 紙 | 501 | CARE INSTRUCTIONS INSIDE |
1962年~1965年になると大きな変化があり、「Every Garment Guaranteed」の文字が消えて、代わりに小さめの文字で中央に「Made in U.S.A.」と記載されるようになりました。後期になると、同じ段に「100% CUTTON Made in U.S.A. WPL 423」と中央寄せで記載される仕様に変更されています。
1966年~1967年の特殊なパッチは「ダブルネーム」と呼ばれ、リーバイスの品番変更に伴う混乱を避けるため、以前の型番を左端に小さく印字していました。この時期にはXX記載が消え、現在と同じ「501」表記になったのです。
1970年~1990年代のパッチには、型番の上や下に「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」(取扱説明は衣服の内側にあります)という表記が特徴的に現れます。これは内タグが付くようになったことを示しており、70年代~80年代中期は黒字、80年代中期以降は赤字で印字されるという細かな変化も見られます。
赤タブの変遷でビッグEとスモールeを判別する
リーバイスの象徴である赤タブの変遷は、年代判別において極めて重要な指標となります。特に「ビッグE」と「スモールe」の違いは、1974年を境界とする明確な判別ポイントとして、古着ファンの間では必須知識とされています。
赤タブは1936年に初めて登場しました。初期の赤タブは「片面タブ」と呼ばれ、片面にのみ「LEVI’S」と刺繍されており、裏面には何も書かれていませんでした。また、現在では当たり前のレジスターマーク(®)も付いていませんでした。
1953年頃からの両面タブ時代では、両面に「LEVI’S」が刺繍されるようになります。この時期の「E」は大文字で、「V」は左右対称の「均等V」でした。これが「ビッグE・均等V」と呼ばれるタイプで、1953年から1966年頃まで使用されました。
🏷️ 赤タブ変遷詳細表
年代 | 呼び方 | 特徴 | 価値 |
---|---|---|---|
1936-1953年 | 片面タブ | 片面のみ刺繍、®なし | 超希少 |
1953-1966年 | ビッグE・均等V | 大文字E、対称V | 高価値 |
1966-1974年 | ビッグE・不均等V | 大文字E、右細V | 人気 |
1974-1982年 | スモールe・刺繍 | 小文字e、刺繍 | 一般的 |
1982年以降 | スモールe・プリント | 小文字e、プリント | 現行 |
1966年頃からは「V」の形が変化し、右側だけが細くなる「不均等V」になりましたが、「E」はまだ大文字でした。これが「ビッグE・不均等V」のタイプで、1974年まで使用されています。
1974年頃の大きな変化として、「E」が大文字から小文字の「e」に変わりました。これが「スモールe」と呼ばれるタイプで、1974年以降のリーバイスはすべてこのタイプになります。さらに1982年頃からは、刺繍からプリントに変更され、文字の立体感や糸の光沢がなくなったのが見分けるポイントです。
赤タブには通常のオレンジ色以外にもバリエーションがあります。白タブ(1970-1980年代のデニム以外の製品)、黒タブ(混紡素材の製品)、オレンジタブ(1960-1970年代の廉価ライン)などが存在し、これらも年代判別の補助的な情報として活用できます。
一般的には**「ビッグE」の時代のリーバイスは1974年以前**という証明になり、古着市場では価値が高いとされています。特に「ビッグE・均等V」は最も古いタイプとして珍重されており、コレクターにとっては憧れのアイテムとなっています。
バックポケットのステッチで1977年を境に判断する
バックポケットのステッチは、1977年頃を境界とする明確な年代判別ポイントとなります。この変化は製造技術の進歩と、デニム特有の色落ち(アタリ)を重視するようになった時代背景を反映しています。
1977年頃まではシングルステッチが使用されていました。シングルステッチとは、バックポケット裏側の縫い目が一本の直線状になっている縫製方法です。この時代のリーバイスは「タテ落ち」と呼ばれる縦方向の色落ちが特徴的で、深みのある色合いの変化を楽しむことができます。
1977年頃以降はチェーンステッチに変更されました。チェーンステッチは伸縮性があり、デニム特有のアタリが出やすいことから採用されました。この変更により、バックポケット部分でも色落ちの表現が豊かになり、全体的な色落ちパターンが変化しています。
🧵 ステッチ別特徴比較表
ステッチ種類 | 使用期間 | 色落ち特性 | 見た目の特徴 |
---|---|---|---|
シングルステッチ | ~1977年 | タテ落ち中心 | 直線的な縫い目 |
チェーンステッチ | 1977年~ | 全体的色落ち | 鎖状の縫い目 |
この変化は**「66モデル」の前期と後期を分ける重要な境界**でもあります。66モデル前期(1973-1978年頃)はシングルステッチ、66モデル後期(1978-1980年頃)はチェーンステッチとなっており、同じモデルでも製造時期による違いが明確に現れています。
**アーキュエイトステッチ(山形の縫い目)**にも時代による変化があります。第二次世界大戦中(1942-1946年)は物資統制により省略され、代わりにペイントで描かれていました。このペイントは洗濯で消えるため、現存するビンテージの多くはステッチのない状態になっています。
トップボタン脇のステッチも年代判別の参考になります。1960年代までは「V字ステッチ」が特徴的で、これはミシンに返し縫い機能がなかった時代の名残です。1960年代後半からはV字ステッチに代わって2本の平行ステッチが使われるようになりました。
一般的にシングルステッチのモデルの方が古く、価値が高いとされています。特に「66前期」と呼ばれるシングルステッチのモデルは、色落ちの美しさと希少性から古着市場で高く評価されています。
年代別リーバイス製造年の詳細な見方
- 1974年〜1985年の内タグで製造年月を読み取る方法
- 1985年〜1994年のタグ見方と特徴
- 1990年代以降の刺繍タグの読み方
- 2000年代以降の現行リーバイスタグの判別方法
- 工場番号一覧とレアな刻印の価値
- セルビッジデニム(赤耳)で1980年代中盤を境界とする判別法
- まとめ:リーバイス製造年の見方
1974年〜1985年の内タグで製造年月を読み取る方法
1974年から1985年頃までの内タグは、リーバイスの年代判別において最も基本的で重要な期間です。この時代の内タグは独特の形式で情報が記載されており、正しい読み方をマスターすることで、正確な製造年月を特定することができます。
この時代の内タグには数字の羅列が3行に分かれて書かれています。最も重要なのは、まずトップボタン裏の工場番号を確認し、その後内タグで同じ番号が記載されている行を見つけることです。例えば、トップボタン裏に「8」という刻印があれば、内タグの中で「8」が記載されている行を探します。
基本的な読み方のパターンとして、該当する行の数字は左から「製造月」「製造年の下2桁」「工場番号」という順番で記載されていることが多いです。「4 80 8」という表記があれば、これは「1980年4月に8番工場で製造された」という意味になります。
📊 1974-1985年内タグ読み取りパターン
表記例 | 製造月 | 製造年 | 工場番号 | 意味 |
---|---|---|---|---|
6 77 8 | 6月 | 1977年 | 8工場 | 1977年6月製造 |
12 3 6 | 12月 | 1973年 | 6工場 | 1973年12月製造 |
3 81 524 | 3月 | 1981年 | 524工場 | 1981年3月製造 |
この時代で特に注意が必要なのは、70年代の製品です。製造年が1桁のみで表記されている場合があり、例えば「12 6 6」という表記があれば、「1976年12月に6番工場で製造された」を意味します。1966年、1976年、1986年の区別は、赤タブの仕様(ビッグE/スモールe)や他の特徴と照らし合わせることで判断します。
内タグの追加情報も年代判別の手がかりとなります。ウエストやレングスが書かれている行の1つ上には収縮率が記載されており、この数値も重要な判別ポイントです。「66モデル」の前期は収縮率8%、後期は10%に変わるなど、細かな仕様変更も記録されています。
初期のタグはやや厚めの生地にインクで印字されており、情報の配置も独特です。この時代の内タグが残っているジーンズは、正確な年代判別が可能で、ビンテージとしての価値も比較的高いとされています。ただし、工場によって内タグの表記方法が若干異なる場合もあるため、複数の特徴を照らし合わせた総合的な判断が重要です。
1985年〜1994年のタグ見方と特徴
1985年から1994年頃にかけての内タグは、それ以前のものとは明確に異なる特徴を持っています。この時代は大きく分けて「1980年代後半〜1991年」と「1991年〜1994年」の2つの時期に分けられ、それぞれ独特のタグデザインが採用されています。
1980年代後半(1985年〜1991年頃)の内タグは、以前のものより情報量が大幅に増え、7行構成となりました。6行目には工場番号、7行目には製造年月が記載されるという新しい配置になっています。この時代の特徴として、製造年が下1桁のみで表記され、製造月と製造年の数字が繋がって表示されています。
具体的な読み方として、右下に「107」と記載されていれば、これは「10月」「7年」を意味し、「1987年10月製造」と読み取ることができます。この時代のタグは、以前のものと比べて染み込みプリントのような印刷方法に変更されているのも大きな特徴です。
🏷️ 1985-1994年タグ変遷詳細
期間 | タグ構成 | 年代表記 | 印刷方式 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
1985-1991年 | 7行構成 | 1桁年+連続月 | 染み込みプリント | 情報量増加 |
1991-1994年 | 薄手2行数字 | 4桁年月 | 薄い生地 | ペラペラ仕様 |
1991年から1994年頃の内タグは、さらに大きな変化を見せます。このタグは非常に薄い生地が使用され、「ペラペラ」という表現がぴったりの質感になりました。構造も変わり、上部に数字、その下に洗濯時の注意点、さらに下部に2行の数字列が記載されています。
製造年月と工場番号が記載されているのは下から2行目で、左から「工場番号」「製造月・製造年」「製造番号」の順に記載されています。例えば「522 0394」のような表記があれば、これは「522工場で1994年3月に製造された」という意味になります。
この時代の特徴として、タグに書かれている情報量が飛躍的に増加していることが挙げられます。製造年の表示方法も統一され、タグの素材や印刷方法も大きく変化しています。また、1988年頃から1994年頃までのリーバイスでは、工場番号の刻印も3桁になることが多く、内タグとボタン裏の刻印を照らし合わせることで、より正確な年代判別が可能になりました。
おそらくこの時代のリーバイスは、「赤文字501」と呼ばれるモデルが多く見られます。これは紙パッチの501の文字が赤で印刷されているモデルで、古着市場では一定の人気を維持しています。タグの変化と合わせて、パッチの仕様も同時に確認することで、より精度の高い年代判別が可能になります。
1990年代以降の刺繍タグの読み方
1990年代以降のリーバイス内タグは、より洗練されたデザインと明確な情報表示が特徴となります。この時代は主に「1993年〜2003年」の「米国最終モデル」と呼ばれる時期と、2003年以降の「現行モデル」に大きく分けられ、それぞれ独特の特徴を持っています。
1993年から2003年にかけての内タグは、従来の小さなタグから一枚を折り返したサイズの大きなものに変更されました。このタグは「刺繍タグ」と呼ばれることもあり、米国製の最後の時代を象徴する特徴的なデザインとなっています。タグの一番下の行に工場番号、製造年月が明確に記載されています。
読み方は非常にシンプルで、例えば「653 0197」といった表記があれば「653工場で1997年1月に製造された」という意味になります。この時代の表記は4桁で統一されており、前2桁が月、後2桁が年を表しています。
🗓️ 刺繍タグ読み取り例
表記 | 工場番号 | 製造月 | 製造年 | フル表記 |
---|---|---|---|---|
653 0197 | 653 | 01月 | 1997年 | 1997年1月製造 |
555 1201 | 555 | 12月 | 2001年 | 2001年12月製造 |
524 0599 | 524 | 05月 | 1999年 | 1999年5月製造 |
この時代は米国内の工場が次々と閉鎖されていく時期で、2003年にはすべての米国自社工場が閉鎖されました。そのため、「MADE IN USA」の表記があるものは、2003年以前のモデルか、それ以降の米国内の委託工場で製造されたものということになります。
刺繍タグの品質と耐久性は、それ以前のタグと比較して格段に向上しています。情報がしっかりと刺繍で表現されているため、長期間使用しても文字が消えにくく、年代判別において信頼性の高い情報源となっています。
この時代のUSラインとJPラインの区別も重要なポイントです。同じロット番号でも販売地域によってデザインやフィット感が異なる場合があり、内タグの詳細な表記を確認することで、どの市場向けの製品かを判別することができます。
米国製最終期の特別な価値として、この時代のリーバイスは「最後のアメリカ製」というプレミアム性を持っています。特にバレンシア工場(555)やサンベニート工場(553)など、人気の高い工場で製造されたモデルは、古着市場でも高い評価を受けています。
2000年代以降の現行リーバイスタグの判別方法
2000年代以降の現行リーバイスは、グローバル化に対応した複雑なタグシステムを採用しています。リーバイス社が2003年に米国内の自社工場をすべて閉鎖した後、世界各国の工場で製造されるようになったため、タグの読み方も大きく変化しています。
現行モデルの内タグは多くの言語で記載された複数のタグが付いています。これは世界中で販売するために各国の言語で必要な情報を表記しているためです。最も重要な情報が記載されているのは、一般的に最後に付いているタグで、ここにロット番号、製造時期、工場番号、販売ラインの詳細が記載されています。
最初のタグで製造国を確認することができます。2003年以降の「MADE IN USA」表記があるものは、米国内の委託工場で製造されたものです。具体的には「ReadyOne Industries社」「Roicom USA社」「Border Apparel Laundry社」「IGP/USA」などの工場で製造されています。
📋 現行リーバイス内タグ情報一覧
項目 | 表記例 | 意味 |
---|---|---|
ロット番号 | 00501-0000 | モデル番号-仕様番号 |
製造時期 | 03/20 | 2020年第3週 |
工場番号 | 4996 | メキシコ内工場 |
販売ライン | 4100 | USライン |
製造時期の読み方は「年/週」形式で表記されています。「03/20」であれば、2020年の第3週を意味します。この週単位での管理は、現行リーバイスの品質管理システムの精密さを表しています。
工場番号は4桁になり、国別に割り当てられています。「4996」はメキシコ内の工場、「4459」はベトナム内の工場、「5115」は米国テキサス州エルパソの委託工場などが確認されています。これらの番号により、製造国と具体的な工場まで特定することができます。
販売ラインの識別も重要な要素です。「4100」や「41」はUSライン、「4515」や「45」はJPラインという区別があり、同じロット番号でも販売ラインによってデザインやフィット感が異なることがあります。
White Oakシリーズなど特別なラインについては、内タグに特別な表記があることが多く、これらの情報も製品の価値を判断する上で重要な要素となっています。おそらく今後も、リーバイスの製造体制の変化に応じて、タグの仕様も進化していくものと推測されます。
工場番号一覧とレアな刻印の価値
リーバイスのボタン裏に刻印されている工場番号は、年代と製造地を示す重要な情報であり、特定の番号は古着市場で高い価値を持っています。これらの番号の変遷と希少性を理解することで、リーバイスの価値をより正確に判断することができます。
1950〜60年代のアルファベット・2桁刻印は最も希少価値が高いとされています。「A」「D」「E」「F」「J」「K」「L」「O」「S」「W」「11」「12」「14」「16」「17」「20」などの刻印があるモデルは、ビンテージコレクターにとって憧れのアイテムです。
1970年代の1〜2桁刻印では、「66モデル」の「6」刻印が特に有名です。この「6」は後にエルパソ工場の「524」に変更されたため、「旧6工場」として親しまれています。「16」刻印は50年代初期〜70年代中期まで長期間存在した工場で、「16ボタン」モデルとして高い人気を誇ります。
🏭 レア刻印価値ランキング
ランク | 刻印 | 年代 | 特徴 | 市場価値 |
---|---|---|---|---|
SSレア | A, D, E, F | 1950-60年代 | 最古級アルファベット | 極めて高価 |
Sレア | 16, 2, 555 | 各年代人気工場 | 長期稼働・人気モデル | 高価 |
Aレア | 6, 524, 553 | 66モデル・最終期 | 有名モデル・最終工場 | 高価値 |
レア | 501, 502, 511 | 1980-2000年代 | アメリカ製証明 | 価値あり |
1980〜2000年代の3桁刻印では、「555」(バレンシア工場)が最も価値が高いとされています。1996〜2003年まで稼働した米国最後のリーバイス工場で、人気モデルを数多く製造していました。この工場の製品は色落ちの良さでも知られており、「555工場製」は品質の証明でもあります。
**「524」(エルパソ工場)**も高い人気を持っています。かつて「6」刻印だった旧6工場の後継で、66モデルなど人気製品を多数製造していました。「501」(アルバカーキ工場)も米国製の証明として価値が認められています。
海外工場の中でも特別な存在として、一部の工場は国内工場に匹敵する人気を持っています。製造技術や品質管理の水準、使用されるデニムの品質などが評価され、古着市場でも高値で取引されることがあります。
工場番号による価値の違いは、単純に希少性だけでなく、その工場が製造していた製品の質、時代背景、コレクターの嗜好なども影響しています。一般的に、より古い時代の工場、有名なモデルを製造していた工場、米国製最終期の工場などが高く評価される傾向があります。
推測の域を出ませんが、将来的に価値が上昇する可能性のある工場番号として、2003年以降の委託工場製品も注目されています。「最後のアメリカ製」として位置付けられる工場や、高品質なデニムを使用している工場の製品は、将来的にプレミアム価値を持つ可能性があります。
セルビッジデニム(赤耳)で1980年代中盤を境界とする判別法
セルビッジデニム(赤耳)の有無は、1980年代中盤を境界とする明確な年代判別ポイントとなります。この変化は製造技術の進歩と生産効率の向上を背景としており、リーバイスの歴史において重要な転換点を示しています。
1980年代中頃まで使用されていたセルビッジデニムは、シャトル織機で織られた生地の特徴として、生地の端部に赤い耳(セルビッジ)が付いています。この赤耳は手間をかけて織られた証拠であり、デニム愛好家にとって品質の象徴とされています。
セルビッジデニムの見分け方は比較的簡単で、裾部分を確認すると生地の端に赤い線が入っているのが確認できます。この赤耳は製造時からのオリジナルの仕様で、後から付け加えることはできないため、確実な年代判別の指標となります。
🧵 セルビッジ有無による年代区分
年代 | セルビッジ | 生地幅 | 製造方式 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
~1980年代中盤 | あり(赤耳) | 狭幅 | シャトル織機 | 高品質・手間かけ |
1980年代中盤~ | なし | 広幅 | プロジェクタイル織機 | 効率的・大量生産 |
1980年代中盤以降の変化として、より幅の広いデニム生地を使用するようになり、赤耳がなくなりました。代わりに端部はほつれ止めの処理が施されており、見た目的にはきれいに処理されていますが、セルビッジの特別感はありません。
セルビッジデニムの価値は、単純に希少性だけでなく、製造に手間がかかっていることや、シャトル織機特有の生地の質感にもあります。色落ちの表現が豊かで、経年変化による味わい深い風合いが楽しめることから、デニム愛好家の間では高く評価されています。
「赤耳」と呼ばれる80年代初期の501は、セルビッジデニムを使用した最後の時代として特別な位置を占めています。これらのモデルは、従来のビンテージリーバイスと現代的な製造技術の橋渡し的な存在として、多くのコレクターに愛されています。
判別時の注意点として、セルビッジの有無だけでなく、他の特徴との組み合わせで総合的に判断することが重要です。例えば、内タグの仕様、赤タブの種類、ボタン裏の刻印などと照らし合わせることで、より正確な年代特定が可能になります。
おそらく現在の古着市場では、セルビッジデニムの人気が再燃しており、特に状態の良いものは高値で取引される傾向があります。この傾向は今後も継続する可能性が高く、セルビッジの有無は価値判断における重要な要素となっています。
まとめ:リーバイス製造年の見方
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイス製造年の見方は内タグとボタン裏刻印の確認が最も確実である
- 1974年以降のモデルには製造年月が記載された内タグが付けられている
- ボタン裏刻印は時代により一桁から四桁まで変化し工場と年代を示す
- 1974年を境に赤タブがビッグEからスモールeに変更されている
- 1977年頃を境にバックポケットのステッチがシングルからチェーンに変化している
- 1980年代中盤までセルビッジデニム(赤耳)が使用されていた
- パッチデザインは素材と表記内容で年代別の特徴が明確に分かれる
- 1980年代後半以降の内タグは情報量が増加し読み方が複雑化している
- 1993年以降は刺繍タグが採用され米国製最終期の証明となっている
- 2003年以降の現行モデルは週単位の製造管理と多言語タグが特徴である
- 555工場(バレンシア)や524工場(エルパソ)など特定工場の製品は高い価値を持つ
- アルファベット刻印や16番など1950-60年代の刻印は極めて希少価値が高い
- 年代判別は一つの要素だけでなく複数の特徴を総合的に判断することが重要である
- 工場番号により製造国と具体的な製造工場まで特定することができる
- 現行リーバイスでもUSラインとJPラインで仕様が異なる場合がある
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://hurugiblog.com/levis-inner-tag
- https://jamtrading.jp/blogs/jam/12047433/
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://levi-fun.com/ribaisu-seizo-nen-mikata/
- https://shibaken.work/post-2413/2021/2413/
- https://de-suke.com/how-to-distinguish-levis-inner-tag
- https://dig-it.media/lightning/article/854383/
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12318390167
- https://shibaken.work/post-1925/2021/1925/
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11242104926
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