リーバイス デニムジャケット年代を正確に判別したいと思っていませんか?ヴィンテージデニムの世界では、年代によって価値が大きく変わるため、正しい知識が不可欠です。
この記事では、リーバイスのデニムジャケットを4世代に分けて、それぞれの特徴や見分け方を詳しく解説します。タグの変遷、ボタンの刻印、ステッチの違いなど、年代判別に必要な要素を網羅的にまとめました。さらに、偽物の見分け方や各モデルの市場価値についても触れているので、古着選びやコレクションの参考にしていただけます。
この記事のポイント |
---|
✅ リーバイス デニムジャケット4世代(ファースト〜フォース)の特徴が分かる |
✅ 年代判別に重要なタグとパッチの見分け方をマスターできる |
✅ ボタン裏刻印による年代特定の方法を理解できる |
✅ 偽物を見抜くチェックポイントが身につく |
リーバイス デニムジャケットの年代別基本知識
- ファースト世代(506XX)の特徴と年代判別法
- セカンド世代(507XX)の見分け方と変更点
- サード世代(557XX)のデザイン進化
- フォース世代(70505)以降のモダン化
- 年代判別で最重要なパッチとタグの変遷
- ボタン裏刻印による年代特定の具体的方法
ファースト世代(506XX)の特徴と年代判別法
リーバイスのデニムジャケット史上最初のモデル「506XX」は、現代まで続くスタイルの基礎となった記念すべき存在です。一般的に「ファースト」と呼ばれるこのモデルは、1937年以前から1953年まで製造されていました。
ファースト世代の最大の特徴は、胸ポケットが左側のみに1つ配置されていることです。このポケットはパッチ&フラップタイプで、当時のワークウェアとしての機能性を重視した設計になっています。また、フロント部分には立体感を生み出すためのプリーツが施されており、これが「プリーテッドブラウス」と呼ばれる所以でもあります。
年代をさらに細かく判別する際は、以下の4つの時期に分けることができます。まず、1937年以前のモデルは赤タブが付いておらず、シンチ・バックル(デニムのベルト)が丸みを帯びているのが特徴です。プリーツのボックスステッチも、ボタンの真横ではなく、少し下に位置しています。
次に、1937年~1942年頃のモデルでは赤タブが初めて登場し、ボックスステッチが大きい長方形になります。さらに、シンチ・バックルに滑り止めが付いているのも特徴的です。1942年頃~1945年頃は「大戦モデル」と呼ばれ、戦時中の物資統制により、フロントボタンが5つから4つに減らされているものが多く見られます。最後に、1946年から1953年の時期では、車を傷つけるという苦情により、シンチ・バックルの針無し仕様に変更されました。
🔍 ファースト世代(506XX)の年代別特徴一覧
年代 | 赤タブ | ボックスステッチ | シンチバックル | ボタン数 | その他の特徴 |
---|---|---|---|---|---|
~1937年 | なし | ボタン下に位置 | 丸み帯び | 5つ | 初期型の特徴 |
1937-1942年 | あり | 大きな長方形 | 滑り止め付き | 5つ | 赤タブ初採用 |
1942-1945年 | あり | 大きな長方形 | 滑り止め付き | 4つ | 大戦モデル |
1946-1953年 | あり | 大きな長方形 | 針なし | 5つ | モデルチェンジ前 |
セカンド世代(507XX)の見分け方と変更点
1952年~1953年にかけて行われたモデルチェンジにより誕生したのが、「507XX」通称セカンド世代です。このモデルチェンジは、戦後復興期のアメリカにおける好景気を背景に、より機能的なワークジャケットへの進化を目指したものでした。
セカンド世代の最も大きな変更点は、胸ポケットが1つから2つに増えたことです。これにより、左右対称のシンメトリーなデザインが実現され、より実用的になりました。また、ファースト世代で課題となっていたシンチバックシステムを廃止し、ウェストバンド(裾)の両脇にアジャスターベルトを採用しました。この仕様は現在のGジャンにおいても見られる設計で、着用したままでもウエストのフィット感を調整できる画期的な機能でした。
ショート&ワイドのボックスシルエットや、胸まわりに立体的なゆとりを確保するフロントプリーツなど、ファースト世代の基本設計は踏襲されています。これらの特徴により、太めで股上の深いジーンズとの相性が良く、当時のワーカーたちに愛用されました。
パッチに関しては、1955年以前に製造されたセカンドモデルは革パッチ仕様ですが、以降は紙パッチへと変更されます。同じ507XXモデルでも製造年代によって差異があるのは、ヴィンテージデニムの醍醐味といえるでしょう。
セカンド世代は、アメリカの黄金期を支えたワークジャケットとして、現在でも高い人気を誇っています。特に革パッチ仕様のモデルは希少性が高く、コレクターの間でも重宝されています。
📊 セカンド世代の主要変更点
変更点 | ファースト世代 | セカンド世代 | 変更理由 |
---|---|---|---|
胸ポケット | 左のみ1つ | 左右2つ | 実用性向上 |
ウエスト調整 | シンチバック | サイドアジャスター | 機能性改善 |
パッチ | 革(1955年まで) | 革→紙 | コスト削減 |
全体デザイン | プリーツ中心 | シンメトリー | 美観向上 |
サード世代(557XX)のデザイン進化
1962年頃に登場した**「557XX」通称サード世代**は、リーバイスのGジャンがワークウェアからファッションアイテムへと転換する重要な節目となったモデルです。1950年代後半から1960年代前半にかけて、ジーンズの存在意義が変化していく中で、Gジャンもファッションとして楽しまれるようになりました。
サード世代の最大の特徴は、プリーツを廃止しV字状の切り替えによって立体感を生み出すデザインです。胸ポケット部からウェストバンドに向かったV字型のステッチが非常に印象的で、これが現代のGジャンデザインの基準となりました。また、ポケットも外側から別布を縫い付ける方式から、埋め込み型のものに変化しています。
着丈については短いまま維持されましたが、アームホールが大きくなり、より動きやすい設計に改良されました。この変更により、ファッションアイテムとしての着こなしやすさが格段に向上したのです。
557XXには特別なバリエーションが存在します。うなじ部分のパッチに**「Every Garment Guaranteed」と表記されているものは「ギャラ入り」**と呼ばれ、コレクターの間で特に珍重されています。557は「557」「557XX」「557XX ギャラ入り」の3つに分類でき、パッチの表記以外に大きな違いはありませんが、希少性の観点から価値が異なります。
⚡ サード世代の革新的変更点
- ❌ プリーツの廃止
- ⭐ V字型ステッチの採用
- 📦 埋め込み型ポケットへの変更
- 🎯 アームホールの拡大
- 💎 「ギャラ入り」バリエーション
🔥 サード世代のデザイン要素詳細
デザイン要素 | セカンド世代 | サード世代 | 効果・意図 |
---|---|---|---|
立体感演出 | プリーツ | V字ステッチ | モダン化 |
ポケット構造 | 外付け | 埋め込み型 | スッキリとした見た目 |
アームホール | 小さめ | 大型化 | 動きやすさ向上 |
ターゲット | ワーカー | ファッション志向 | 用途の多様化 |
フォース世代(70505)以降のモダン化
1967年に誕生した**「70505」通称フォース世代は、アメリカのカウンターカルチャーが台頭した激動の時代背景を反映したモデルです。見た目的にはサード世代とほぼ変わりませんが、ロットナンバーの変更と共に、よりファッション性を重視した設計**に進化しました。
フォース世代の最も大きな変化はシルエットの変更です。これまでのショート&ワイドからミドル&スリムなシルエットへと刷新され、着丈が長くなったことで、現代的なファッションアイテムとしての完成度が高まりました。この変更により、様々なボトムスとの相性が良くなり、コーディネートの幅が大きく広がりました。
細部の変更点として、紙パッチがひと回り小さくなり、胸ポケットからのVステッチの傾斜が緩くなっています。さらに、末端部が閉じていないのも特徴的で、より洗練されたデザインになりました。ステッチに関しては、主要な部分がすべてオレンジ色の糸に統一されているのも見分けるポイントの一つです。
フォース世代以降は、品番システムも現代的になり、70505を基準として様々なバリエーションが展開されました。70506(ハンドウォーマー付き)、71205(70505のロングバージョン)、71506(70506のロングバージョン)、70507(70506の身幅ワイド)など、多様なニーズに対応したラインナップが登場しています。
🎨 フォース世代の主要特徴
✨ シルエットの変更:ショート&ワイド → ミドル&スリム ✨ 着丈の延長:よりファッション性を重視 ✨ パッチの小型化:より洗練されたルックス ✨ オレンジステッチ:統一感のあるデザイン ✨ 多様なバリエーション:ニーズに応じた展開
📏 フォース世代のシルエット比較
要素 | サード世代 | フォース世代 | 効果 |
---|---|---|---|
着丈 | 短め | 長め | モダンな印象 |
身幅 | ワイド | スリム | スタイリッシュ |
Vステッチ傾斜 | 急 | 緩やか | 洗練された印象 |
ステッチ末端 | 閉じている | 開いている | 現代的デザイン |
年代判別で最重要なパッチとタグの変遷
リーバイス デニムジャケットの年代を正確に判別する上で、パッチとタグの変遷を理解することは絶対に欠かせません。これらの要素は製造年代を特定する最も確実な手がかりとなるため、古着選びやコレクション査定において重要な知識となります。
パッチの変遷は、大きく革パッチから紙パッチへの移行が重要なポイントです。1955年以前のモデルはすべて革パッチが使用されており、これがヴィンテージリーバイスの証となります。革パッチは使用により縮んでしまう問題があったため、1955年頃から紙パッチへと変更されました。この変更により、より丈夫で実用的なパッチが実現されたのです。
赤タブの表記も重要な判別要素です。**1973年頃までは「LEVI’S」とすべて大文字で表記された「ビッグE」**が使用されていました。それ以降は「Levi’s」と小文字のeを含む「スモールe」に変更されています。この変更は全てのリーバイス製品に適用されているため、年代特定の確実な指標となります。
フォース世代以降になると、ケアタグと呼ばれる布製タグの位置や形状も年代判別の重要な要素となります。70年代のモデルには紙パッチの下にケアタグが付いているものが多く、80年代に入ると紙のタグが採用されるようになりました。
📋 パッチとタグの年代別変遷表
年代 | パッチ素材 | 赤タブ表記 | ケアタグ | その他特徴 |
---|---|---|---|---|
~1955年 | 革 | ビッグE | なし | 初期ヴィンテージ |
1955-1973年 | 紙 | ビッグE | なし | クラシック期 |
1973年~ | 紙 | スモールe | 布・紙 | モダン期 |
🔍 年代判別チェックポイント
- 🏷️ パッチ素材:革(~1955年)→ 紙(1955年~)
- 📝 赤タブ:ビッグE(~1973年)→ スモールe(1973年~)
- 📄 ケアタグ:位置と形状で詳細年代を判別
- 🎯 パッチサイズ:フォース世代で小型化
ボタン裏刻印による年代特定の具体的方法
リーバイス デニムジャケットの年代判別において、ボタン裏の刻印は非常に重要で確実な手がかりとなります。多くのコレクターや古着愛好家が見落としがちな部分ですが、実は製造年代を正確に特定できる貴重な情報源なのです。
初期のファースト世代では、通常の「Levi’s」表記のボタンが使用されていましたが、大戦モデル(1942年頃~1945年頃)では、月桂樹が描かれているボタンも存在します。これは戦時中の特殊な仕様であり、現在では非常に希少価値の高いものとなっています。
ジンクボタンからカッパーボタンへの変更も重要なポイントです。セカンド世代までは主にジンク(亜鉛)製のボタンが使用されていましたが、サード世代以降はカッパー(銅)製に変更されました。この素材の変更は、耐久性の向上とコスト削減を目的としたものです。
80年代以降のモデルでは、ボタン裏に製造年を示す数字やアルファベットが刻印されているものが多くなります。これらの刻印は製造年月を直接示しているため、年代特定において最も確実な方法となります。特に90年代のモデルでは、裏面を確認することで正確な製造年を知ることができます。
🎯 ボタン刻印による年代判別法
⚡ 通常Levi’s刻印:一般的なモデル ⚡ 月桂樹刻印:大戦モデル(1942-1945年) ⚡ ジンク素材:~セカンド世代 ⚡ カッパー素材:サード世代~ ⚡ 年代刻印:80年代以降
🔧 ボタンの素材と年代の関係
素材 | 使用年代 | 特徴 | 見分け方 |
---|---|---|---|
ジンク(亜鉛) | ~1960年代初頭 | 軽い・錆びやすい | 重量感・色味 |
カッパー(銅) | 1960年代~ | 重い・錆びにくい | 重量感・色味 |
その他合金 | 1980年代~ | 耐久性重視 | 刻印で判別 |
リーバイス デニムジャケット年代を見極める実践的判別術
- 偽物を見抜くためのチェックポイント
- 70505と70506の違いと特徴比較
- 70507など派生モデルの特徴
- ビッグEとスモールeタブの境界年代
- 収縮率表示による80年代モデルの見分け方
- カナダ製・中国製など生産国による年代判別
- まとめ:リーバイス デニムジャケット年代判別の完全ガイド
偽物を見抜くためのチェックポイント
リーバイス デニムジャケットの人気の高さと価値から、残念ながら偽物も多く市場に流通しています。特にヴィンテージモデルほど偽造品のリスクが高くなるため、正しい知識を身につけて偽物を見抜く能力を養うことが重要です。
正規品と偽物を見分ける最初のポイントは、全体的な作りの品質です。本物のリーバイスは、長年の使用に耐えうる堅牢な作りが特徴で、ステッチの均一性、生地の質感、金具の重厚感などに明確な違いが現れます。偽物は往々にして、これらの基本的な品質が劣っている場合が多いのです。
赤タブの品質と取り付け方も重要なチェックポイントです。本物の赤タブは色が鮮やかで、文字の印刷も鮮明です。また、取り付けられている位置や角度も精密で、長年培われた製造技術の高さが表れています。偽物では、タブの色が薄い、文字がぼやけている、取り付け位置がずれているなどの特徴が見られることがあります。
ボタンの品質と刻印も見逃せません。本物のリーバイスボタンは重厚感があり、刻印も深くクリアです。特に年代物のボタンには、使用による自然な経年変化が見られます。偽物のボタンは軽量で、刻印が浅い、または不鮮明な場合が多いのです。
生地の質感と色落ち具合も判別の重要な要素です。本物のリーバイスデニムは、インディゴ染料の質が高く、自然な色落ちパターンを示します。偽物は人工的な色落ち加工が施されている場合があり、不自然な fade パターンや色味を呈することがあります。
🚨 偽物判別チェックリスト
✅ 全体的な作りの品質(ステッチ・生地・金具) ✅ 赤タブの色・印刷・取り付け精度 ✅ ボタンの重量感・刻印の鮮明さ ✅ 生地の質感・自然な経年変化 ✅ パッチの材質・印刷品質
🔍 本物と偽物の特徴比較
項目 | 本物 | 偽物 | 判別ポイント |
---|---|---|---|
ステッチ | 均一・堅牢 | 不均一・弱い | 糸の質・縫製精度 |
赤タブ | 鮮明・正確 | 薄い・ずれ | 色・位置・文字 |
ボタン | 重厚・クリア | 軽い・不鮮明 | 重量・刻印の深さ |
生地 | 高品質・自然 | 粗悪・人工的 | 質感・色落ち |
70505と70506の違いと特徴比較
リーバイスのフォース世代を代表する70505と70506は、一見似ているように見えますが、実は明確な違いがあります。これらの違いを理解することで、より正確な年代判別とモデル特定が可能になります。
70505は基本的なフォース世代のスタンダードモデルで、1967年から製造が始まりました。このモデルは、サード世代557XXのデザインを踏襲しながら、着丈を長くしてよりファッション性を高めたモデルです。シルエットはミドル&スリムで、現代的な着こなしに適しています。
一方、70506はハンドウォーマー付きモデルとして開発されました。「ハンドウォーマー」とは、両サイドに設けられた保温性を重視したポケットのことです。このポケットにより、寒い季節でも手を暖かく保つことができ、実用性が大幅に向上しました。外見上は70505とほぼ同じですが、サイドポケットの有無が最大の違いとなります。
製造時期についても違いがあります。70505は1967年から長期間製造され続けましたが、70506は1980年代に集中的に製造されました。そのため、70506を見つけた場合は、比較的年代を特定しやすいというメリットがあります。
市場での希少性も異なります。70505は基本モデルとして大量に製造されたため、比較的入手しやすいモデルです。しかし、70506はハンドウォーマー付きという特殊仕様のため、製造数が限られており、現在では希少性の高いモデルとなっています。
🔥 70505 vs 70506 詳細比較
仕様 | 70505 | 70506 | 特記事項 |
---|---|---|---|
サイドポケット | なし | あり(ハンドウォーマー) | 最大の識別点 |
製造時期 | 1967年~ | 主に1980年代 | 年代特定の手がかり |
希少性 | 普通 | 高い | 価値に直結 |
実用性 | 標準 | 高い(保温性) | 機能面での違い |
70507など派生モデルの特徴
フォース世代以降、リーバイスは多様なニーズに応える様々な派生モデルを展開しました。これらの派生モデルを理解することで、リーバイス デニムジャケットの年代判別がより正確になり、コレクションの価値も適切に評価できるようになります。
70507は70506の身幅ワイドバージョンとして開発されました。基本的な仕様は70506と同じでハンドウォーマー付きですが、身幅がより広く設計されています。これは、1980年代後半から1990年代にかけてのオーバーサイズトレンドを反映した設計で、当時の若者文化に対応したモデルといえます。
71205は70505のロングバージョンで、着丈をさらに延長したモデルです。このモデルの興味深い点は、日本のリーバイス公式カタログには掲載されていないことです。これは、アメリカ本国での限定的な流通であったことを示しており、現在では非常に希少価値の高いモデルとなっています。
71506は70506のロングバージョンで、ハンドウォーマー付きの長着丈モデルです。このモデルも71205同様、日本での取り扱いがなかったため、流通量が極めて少なく貴重なモデルとして知られています。特に米国製のバージョンは、コレクターの間で高い評価を受けています。
558XXは557XXのロングバージョンとして、サード世代の時代に製造されました。このモデルは、サード世代の特徴であるV字ステッチや埋め込み型ポケットを保持しながら、着丈を長くしたもので、当時としては画期的なバリエーションでした。
⭐ 主要派生モデル一覧
🎯 70507: 70506の身幅ワイド版(ハンドウォーマー付き) 🎯 71205: 70505のロング版(日本未発売) 🎯 71506: 70506のロング版(日本未発売・希少) 🎯 558XX: 557XXのロング版(サード世代)
📊 派生モデル詳細比較表
モデル | ベースモデル | 主な特徴 | 日本発売 | 希少度 | 主要製造時期 |
---|---|---|---|---|---|
70507 | 70506 | 身幅ワイド | ◯ | 中 | 1980年代後半 |
71205 | 70505 | ロング丈 | × | 高 | 1980-90年代 |
71506 | 70506 | ロング丈+HW | × | 最高 | 1980-90年代 |
558XX | 557XX | ロング丈 | ◯ | 高 | 1970年代 |
ビッグEとスモールeタブの境界年代
リーバイス製品の年代判別において、赤タブのE表記は最も確実で重要な指標の一つです。「ビッグE」から「スモールe」への変更は、リーバイス史上の大きな転換点であり、この知識を正確に把握することで、年代特定の精度が格段に向上します。
「ビッグE」は1936年から1973年頃まで使用されました。この表記は「LEVI’S」とすべて大文字で書かれており、特に1960年代から1970年代前半のモデルに多く見られます。ビッグEタブが付いたデニムジャケットは、現在ヴィンテージ市場において高い価値を持っています。
1973年頃を境に「スモールe」表記に変更されました。これは「Levi’s」と表記され、最後のSを除いてすべて小文字になっています。この変更は、ブランドロゴのモダン化と統一化を目的としたもので、現在まで継続されています。
境界となる1973年前後のモデルは特に注意が必要です。この時期には製造時期により両方のタブが混在している場合があり、同じモデルでもタブの表記が異なることがあります。そのため、他の要素(パッチの種類、ボタンの刻印、ステッチの色など)と総合的に判断することが重要です。
フォース世代の70505における境界は特に重要です。70505は1967年から製造が開始されましたが、初期のモデル(1967年~1973年頃)はビッグEタブ、後期のモデル(1973年頃~)はスモールeタブとなります。この違いは、同じ70505でも価値に大きな差を生む要因となっています。
💡 ビッグE/スモールe判別のポイント
📅 ビッグE期間: 1936年~1973年頃 📅 スモールe期間: 1973年頃~現在 📅 境界期: 両タブが混在(要注意) 📅 価値差: ビッグEの方が一般的に高価値
🏷️ タブ表記による年代区分
タブ表記 | 使用期間 | 価値 | 判別難易度 | 市場での人気 |
---|---|---|---|---|
LEVI’S (ビッグE) | ~1973年 | 高 | 易 | 非常に高い |
Levi’s (スモールe) | 1973年~ | 中~低 | 易 | 普通 |
混在期 | 1972-1974年 | 高~中 | 難 | 高い |
収縮率表示による80年代モデルの見分け方
1980年代のリーバイス デニムジャケットは、ケアタグの表示内容によって詳細な年代判別が可能です。特に収縮率の表示は、80年代の中でも前期と後期を区別する重要な手がかりとなります。
70年代後半から80年代前半のモデルでは、ケアタグに**「収縮率3%」という具体的な数値**が表示されています。この表示は、デニム生地の品質管理が厳格に行われていた時代の証拠であり、消費者に対する品質保証の意味合いも持っていました。収縮率3%表示があるモデルは、比較的初期の80年代モデルと判断できます。
80年代中期以降のモデルでは、収縮率の具体的な数値表示が廃止され、代わりに洗濯方法などの一般的なケア指示のみが記載されるようになりました。この変更は、製造工程の改善により収縮が最小限に抑えられるようになったことと、ケアタグのシンプル化を目的としたものです。
タグの枚数と材質も年代判別の重要な要素です。80年代初期は紙タグが1枚でしたが、中期になると2枚構成になります。さらに後期になると、1枚目がビニールのような材質に変更され、耐久性が向上しました。
タグの取り付け位置も時代と共に変化しています。70年代は紙パッチの下、80年代前期は胸ポケットの裏、80年代後期から90年代にかけては赤ラベルの登場と共に取り付け位置も変更されました。この変遷を理解することで、より正確な年代特定が可能になります。
📋 80年代ケアタグの変遷
⏰ 70年代後半-80年代前半: 収縮率3%表示あり ⏰ 80年代中期: 収縮率表示なし・紙タグ2枚 ⏰ 80年代後期: 1枚目ビニール材質・赤ラベル登場
🔍 年代別タグ仕様一覧
年代 | 収縮率表示 | タグ枚数 | タグ材質 | 取り付け位置 | その他の特徴 |
---|---|---|---|---|---|
70年代後半 | 3% | 1枚 | 布 | パッチ下 | 初期タグ |
80年代前半 | 3% | 1→2枚 | 紙 | 胸ポケット裏 | 移行期 |
80年代中期 | なし | 2枚 | 紙 | 胸ポケット裏 | 標準化 |
80年代後期 | なし | 2枚 | ビニール+紙 | フロントボタン裏 | 赤ラベル時代 |
カナダ製・中国製など生産国による年代判別
リーバイス デニムジャケットの生産国は、年代判別において非常に有効な手がかりとなります。時代の変遷と共に、生産拠点が段階的に変更されており、この情報を活用することで、より正確な年代特定が可能になります。
1980年代後半まで、リーバイスのデニムジャケットは主にアメリカで製造されていました。「Made in USA」の表示があるモデルは、この時期の製造であることを示しています。特に70505などのフォース世代初期モデルは、ほぼすべてがアメリカ製造です。アメリカ製のモデルは、現在でも品質の高さから高い評価を受けています。
1990年代に入ると、カナダでの製造が開始されました。「Made in Canada」の表示があるモデルは、主に1990年代前半の製造と推定されます。カナダ製のモデルは、アメリカ製と比較して流通量が少なく、希少性の観点から価値が高いとされています。
1990年代中期以降になると、マカオ、香港、そして中国での製造が本格化しました。特に中国製のモデルは1990年代後半から急激に増加し、現在に至るまで主要な生産拠点となっています。生産国の変更に伴い、タグの取り付け位置や表記内容も変化しているため、これらの要素を総合的に判断することが重要です。
日本製のモデルも存在しますが、これは主に**リーバイス・ヴィンテージ・クロージング(LVC)**シリーズなどの特別なラインで製造されたものです。日本製モデルは品質が非常に高く評価されており、コレクターの間でも人気があります。
🌍 生産国別年代区分
🇺🇸 アメリカ製: ~1980年代後半(高品質・定番) 🇨🇦 カナダ製: 1990年代前半(希少性高い) 🇲🇴 マカオ製: 1990年代中期(移行期) 🇭🇰 香港製: 1990年代中期(移行期) 🇨🇳 中国製: 1990年代後半~(現在の主流) 🇯🇵 日本製: LVCなど特別ライン(高品質)
🗺️ 生産国と年代・品質の関係
生産国 | 主要製造期間 | 品質評価 | 希少性 | 市場価値 | 特記事項 |
---|---|---|---|---|---|
アメリカ | ~1980年代後半 | 最高 | 高 | 高 | オリジナル品質 |
カナダ | 1990年代前半 | 高 | 高 | 中~高 | 限定的製造 |
マカオ | 1990年代中期 | 中 | 中 | 中 | 移行期の製品 |
香港 | 1990年代中期 | 中 | 中 | 中 | 移行期の製品 |
中国 | 1990年代後半~ | 中~低 | 低 | 低~中 | 大量生産 |
日本 | 特別ライン | 最高 | 高 | 高 | 復刻・限定品 |
まとめ:リーバイス デニムジャケット年代判別の完全ガイド
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイス デニムジャケットは4世代(ファースト・セカンド・サード・フォース)に大別される
- ファースト世代506XXは1937年以前から1953年まで製造され、胸ポケット1つが特徴
- セカンド世代507XXは1952年頃から登場し、胸ポケット2つとサイドアジャスターが特徴
- サード世代557XXは1962年頃からファッション性を重視してV字ステッチを採用
- フォース世代70505は1967年からミドル&スリムシルエットでモダン化を実現
- パッチは1955年を境に革から紙に変更され、年代判別の重要な指標となる
- 赤タブは1973年頃を境にビッグE表記からスモールe表記に変更
- ボタン裏の刻印は製造年代を特定する最も確実な方法の一つ
- 70506はハンドウォーマー付きの特殊仕様で希少性が高い
- 収縮率3%表示は80年代前半モデルの特徴的な要素
- 生産国表示により1990年代以降の詳細な年代判別が可能
- 偽物判別には作りの品質、赤タブ、ボタンの重厚感をチェック
- 派生モデル71205、71506は日本未発売で極めて希少価値が高い
- ケアタグの位置と形状は年代と共に変化し判別の手がかりとなる
- アメリカ製モデルは品質・希少性・市場価値すべてにおいて最高評価を受ける
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://jamtrading.jp/blogs/jam/1017085/
- https://vintege-collection.hatenablog.com/entry/2022/01/17/205934
- https://www.leon.jp/fashions/8351
- https://draillard.net/product/364477693
- https://bukshisha.com/detail/13541541
- https://draillard.net/product/329306796
- https://www.nakymavideo.com/shopdetail/432029320.shtml
- https://www.rice.com.ec/pcmypage?callback=/product%2Fdetail%285112411
- https://www.reddit.com/r/malefashionadvice/comments/54jm7b/tale_of_three_denim_jackets_levis_trucker_in/?tl=ja
- https://www.canrio.ca/?_g=18339586
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