リーバイス ビッグe 復刻 見分け方を知ることは、ヴィンテージデニム愛好家にとって必須のスキルです。近年のヴィンテージブームで、本物と復刻版の価格差は数倍から数十倍にまで広がっており、正確な判定ができるかどうかで購入時の満足度が大きく変わってきます。特にビッグEモデルは1967年から1973年頃までの短期間しか製造されておらず、現存数も限られているため、復刻版との見分けが重要になります。
この記事では、古着市場やオークションサイトで失敗しないための実践的な判定方法を、豊富な事例とともに詳しく解説します。トップボタン裏の刻印から内タグの記載内容、パッチのデザインまで、専門知識がなくても理解できるよう段階的に説明していきますので、初心者の方でも安心してヴィンテージリーバイス選びを楽しめるでしょう。
この記事のポイント |
---|
✅ 本物のビッグEは全てUSA製で2003年以前の製造であること |
✅ ボタン裏刻印の1桁〜2桁数字とアルファベットが本物の証拠 |
✅ 復刻版の内タグには日本語表記や電話番号が記載されている |
✅ 「555」刻印のバレンシア製は復刻版でも高い価値を持つ |
リーバイス ビッグe復刻と本物の見分け方の基本
- 本物のビッグEは全てUSA製であることが最重要ポイント
- ボタン裏刻印で年代と工場を特定する方法
- 内タグの有無が決定的な判断材料になる理由
- パッチのデザインと素材で真贋を見極めるコツ
- 赤タブの「E」と「V」の形状に注目すべき理由
- ステッチの違いから製造時期を推定する技術
本物のビッグEは全てUSA製であることが最重要ポイント
リーバイス ビッグeの真贋判定において、製造国の確認は最も基本的で重要な第一歩となります。本物のヴィンテージビッグEは例外なく全てアメリカ製(MADE IN USA)であり、この表記がパッチやタグに記載されているかどうかが確定的な判断材料になります。
特に注意すべき点として、日本製のビッグEは全て復刻版であることが専門家によって明確に指摘されています。近年では「LVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)」などのラインで、本物そっくりの復刻版ビッグEが多数販売されていますが、これらは全て日本で製造されているため、日本製表記があれば即座に復刻版と判断できます。
さらに重要な歴史的事実として、リーバイスのアメリカ工場は2003年に一斉閉鎖されました。そのため、2003年以降に製造されたUSA表記のジーンズは、バレンシア工場などでの限定生産モデルを除いて基本的に存在しません。もし2003年以降の製造年で米国製として販売されている場合は、製造年の表記に誤りがあるか、特別なモデルである可能性を疑う必要があります。
📊 製造国による判定基準
製造国表記 | 判定結果 | 備考 |
---|---|---|
MADE IN USA | 本物の可能性 | 2003年以前の製造年必須 |
日本製・MADE IN JAPAN | 復刻版確定 | LVCライン等の復刻モデル |
その他の国 | 偽物の可能性 | 正規品では存在しない |
本物のヴィンテージと復刻版を見分けるには、製造国に加えて縫製の技術や素材感も重要な手がかりになります。ヴィンテージ特有の「ステッチの不均一さ」や「生地の風合い」は、現代の復刻版では完全に再現することが難しいとされています。また、復刻版では意図的に「ヴィンテージ感」を出すための加工が施されていることがありますが、本物のヴィンテージは長年の使用による自然な経年変化を見せています。
ボタン裏刻印で年代と工場を特定する方法
リーバイスのジーンズを見分ける上で非常に重要なポイントの一つが、トップボタン裏に刻印されている数字や文字です。この刻印は製造工場を示す識別番号と言われており、年代判別の大きな手がかりになります。
ビッグE時代のボタン裏刻印は、主に1桁の数字や英字、もしくは2桁の数字で表されています。具体的には「2」「4」「5」「6」「8」などの数字や、「A」「D」「E」「F」「J」「K」「L」「O」「S」「W」などのアルファベットが見られます。特に「2」の刻印は希少とされ、コレクターの間で高い価値を持っています。
また、「16」の刻印は例外的に50年代から70年代中期まで長期にわたり使用されていた工場番号で、特殊なモデルが多く人気があるとされています。「6」刻印は66モデル(後述)に多く見られることから「旧6工場」とも呼ばれ、こちらも人気の高い刻印です。
🏭 年代別ボタン裏刻印の特徴
刻印のタイプ | 年代 | 特徴 |
---|---|---|
1桁の英数字 | 50〜70年代 | A, D, E, F, J, K, L, O, S, W, 2, 4, 5, 6, 8 など |
2桁の数字 | 60〜80年代 | 10, 12, 14, 16, 17, 20 など (16は50〜70年代中期まで) |
3桁の数字 | 80〜2000年初期 | 273, 501, 513, 515, 522, 524, 527 など |
アルファベット+数字 | 復刻版 | 特に日本企画モデルはJから始まる |
4桁の数字 | 現行モデル | 文字が詰まって見える |
復刻版のビッグEでは、アルファベットと数字の組み合わせが見られることが多く、特に日本企画モデルには「J」から始まる刻印が使われる傾向があります。また、現行モデルでは4桁の数字が使われており、文字が詰まって見えるのが特徴です。
ただし、ボタン裏刻印だけで確定的な判断をするのは避けるべきです。刻印が摩耗して読み取れない場合や、例外的なケースもありますので、他の特徴と併せて総合的に判断することが重要です。また、ボタンが交換されている可能性もあるため、他のディテールとの整合性を確認することも大切です。
内タグの有無が決定的な判断材料になる理由
本物のビッグEモデルには基本的に内タグは付いていません。これは、リーバイスのジーンズに内タグが付けられるようになったのが1974年からであり、ビッグE時代(1967年〜1973年頃)の後のことだからです。ただし、移行期のモデルには例外もあるため、注意が必要です。
内タグが付けられるようになった背景には、1970年頃から紙パッチに**「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」(内側に取り扱い表示)**というスタンプが押されるようになったことが関係しています。このスタンプがあるモデルには、内側に洗濯方法などの注意事項を記した内タグが付いています。
復刻版や現行モデルの内タグには、本物のヴィンテージにはない特徴的な表記があります。最も分かりやすいのは日本語の文字と電話番号の表記です。これらの記載があれば、確実に復刻もしくは現行モデルと判断できます。
📝 復刻版と本物の内タグ比較
項目 | 本物のビッグE | 復刻版・現行 |
---|---|---|
内タグの有無 | 基本的になし | あり |
日本語表記 | なし | あり |
電話番号 | なし | あり |
工場名・製造国 | 記載なし | Cone Mills製など記載あり |
バーコード付きタグ | なし | あり |
1974年から付けられ始めた初期の内タグは、数字の羅列が3行に分かれて書かれており、製造年月と工場番号が一番下の行に記載されていました。書かれる順番は、左から製造月、製造年の下2桁、そして工場番号となっています。この頃の内タグは、現在のタグとは印刷方法や生地、書き方が異なります。
内タグの有無は、ビッグEかどうかを判断する一つの材料になりますが、復刻版のビッグEには内タグが付いていることがほとんどなので、内タグの有無だけでなく、その形式や記載内容も含めて総合的に判断することが重要です。
パッチのデザインと素材で真贋を見極めるコツ
リーバイスのジーンズ右腰に付けられたラベル(パッチ)は、年代判別の重要なポイントの一つです。ビッグE時代のパッチには、それ以前と以降で大きな違いがあります。
まず素材について見てみると、1958年頃までは革パッチが使用されていましたが、それ以降は紙パッチに変更されました。ビッグEモデル(1967年〜1973年頃)は全て紙パッチです。革パッチから紙パッチへの変更は、パッチが欠損しやすいことが理由とされています。
次にパッチの表記について注目すると、ビッグE時代以前の1966年までは、ロットナンバーの後に「XX」という表記がありました(例:501XX)。ビッグE時代になるとこの「XX」表記がなくなり、現在と同じように「501」だけの表記になりました。これは大きな変化であり、年代判別の重要な手がかりになります。
🏷️ パッチの年代別変化
年代 | 素材 | 表記の特徴 | 備考 |
---|---|---|---|
〜1958年 | 革パッチ | 501XX表記 | Every Garment Guaranteed |
1958〜1966年 | 紙パッチ | 501XX表記 | XX表記最後の時代 |
1966〜1973年 | 紙パッチ | 501表記のみ | ビッグE時代 |
1974年〜 | 紙パッチ | 501表記+® | スモールe時代 |
また、1966年〜1967年の過渡期には**「ダブルネーム」**と呼ばれるパッチが存在します。これは、品番変更による混乱を避けるため、以前の型番を小さく印字したものです。例えば「501」の左側に小さく「66501」などと表記されています。このダブルネームは短期間しか使用されなかったため、希少価値が高いとされています。
1967年〜1969年には**「タイプ物」**と呼ばれるパッチも登場しました。これはアルファベット(A, S, F, I など)が印字されているもので、品質ランクや出荷先を示していたという説があります。こうした細かな違いも、ビッグEの価値を判断する上で重要なポイントです。
復刻版との見分けには、パッチのデザインや素材感、印刷の質感なども重要な手がかりとなります。現代の印刷技術で作られた復刻版は、当時の印刷とは微妙に異なる仕上がりになることが多いため、複数の個体を見比べることで違いを感じ取れるようになります。
赤タブの「E」と「V」の形状に注目すべき理由
ビッグEの最も分かりやすい特徴は、その名の通り赤タブに表記されている「LEVI’S」のEが大文字であることです。1971年以降、リーバイスは赤タブのロゴを「Levi’s」と小文字のeに変更しました。この変更は単なるデザインの変更ではなく、企業としてのリーバイスの転換点を示すものでした。
赤タブはリーバイスのアイコンとして1936年に初めて導入されました。当初は片面のみに刺繍が入っていましたが、1953年からは両面に刺繍が入るようになりました。ビッグEの赤タブには両面に「LEVI’S」の刺繍がされていますが、裏側は上下が逆になっているのが特徴です。
また、ビッグEの時代の「LEVI’S」のVの形状にも注目する必要があります。1960年代中頃までは「V」が左右均等の形状だったのに対し、ビッグE時代(1966年以降)は右側が細い「不均等V」の形状になっています。この「不均等V」は現在のロゴにも引き継がれており、ビッグEを見分ける重要なポイントの一つです。
🔍 赤タブの年代別変化
年代 | 刺繍面 | Eの文字 | Vの形状 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
1936〜1953年 | 片面のみ | 大文字E | 均等V | 最初期の赤タブ |
1953〜1966年 | 両面 | 大文字E | 均等V | 両面タブ開始 |
1966〜1973年 | 両面 | 大文字E | 不均等V | ビッグE時代 |
1974年〜 | 両面 | 小文字e | 不均等V | スモールe時代 |
さらに、1966年以前の均等VとビッグEが組み合わさったモデルも存在します。これは移行期のモデルとして特に希少価値が高いと言われています。均等VとビッグEを併せ持つモデルは生産期間が短く、現存数も少ないためです。
なお、赤タブに「LEVI’S®」としてレジスターマーク(®)が付いているかどうかも、年代を判断する一つの手がかりになります。1950年代からレジスターマークが登場し、現在に至るまで使用されています。復刻版との見分けには、刺繍の質感や細部のデザインが重要な手がかりとなります。
ステッチの違いから製造時期を推定する技術
ステッチの違いも、ヴィンテージリーバイスを見分ける上で重要なポイントの一つです。初期のモデルでは物資不足により、バックポケットのアーキュエイトステッチが省略されたり、手描きで対応された個体もあります。
その後、1960年代まで見られたトップボタン脇のV字のステッチは、ヴィンテージ特有の仕様です。これは、ミシンに返し縫い機能がなかった時代までは1960年代まで見られるもので、ヴィンテージの証と言えるディテールです。
また、66モデルと呼ばれる後期のヴィンテージモデルも、ステッチの違いで前期と後期に分かれます。バックポケット裏のステッチがシングルなら66前期、チェーンステッチなら66後期となります。ヴィンテージでは状態によってステッチの糸が切れてしまっている場合があります。そのため、きれいにステッチが残っているものは希少価値が高いとされています。
⚡ ステッチの年代別特徴
ステッチの種類 | 年代 | 特徴 | 価値への影響 |
---|---|---|---|
V字ステッチ | 〜1960年代 | トップボタン脇 | ヴィンテージの証 |
平行ステッチ | 1967年頃〜 | ビッグE時代以降 | 年代判別の目安 |
シングルステッチ | 〜1977年頃 | バックポケット裏 | 66前期等で確認 |
チェーンステッチ | 1977年頃〜 | バックポケット裏 | 66後期以降 |
ビッグEモデルでは、アーキュエイトステッチの色もイエローから金茶に変更され、ステッチのピッチ(運針数)も倍増されました。また、それまで採用されていた隠しリベットもバータックと呼ばれる縫製による補強に変更されています。
ステッチが切れてしまっている場合でも、同じ色や太さの糸を探して修理することができますが、修理されたものは価値も下がるため注意が必要です。購入時には、オリジナルのステッチが残っているかどうかを慎重に確認することが大切です。
リーバイス ビッグe復刻の種類と価値を理解する方法
- 復刻版LVCの特徴と本物との決定的違い
- ビッグEの年代別価値と相場を知る重要性
- 501XXとビッグEの違いと見分け方
- デニムジャケットのビッグE判定方法
- 偽物を避けるための注意点とチェックポイント
- バレンシア工場製555刻印の特殊な位置づけ
- まとめ:リーバイス ビッグe復刻の見分け方をマスターするポイント
復刻版LVCの特徴と本物との決定的違い
「LVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)」は、リーバイス公式の復刻ラインとして1996年にリリースされました。ヴィンテージリーバイスを忠実に再現しており、一見すると見分けがつかないほどのクオリティを誇りますが、いくつかの決定的な違いがあります。
最も明確な違いは、内タグに日本語の文字や電話番号の表記があることです。これらの表記は本物のヴィンテージには存在しないため、パッと見て分かりやすい判別ポイントとなります。また、現代の製造基準に合わせたサイズ表記やバーコード付きタグが付いていることも特徴的です。
復刻版の製造工程では、現代の技術を使用しているため、ステッチの均一性や生地の質感が当時とは異なります。本物のヴィンテージは職人の手作業による個体差や、時代特有の製造技術の制約による「味」がありますが、復刻版ではそうした不均一さは意図的に再現されたものになります。
🏭 LVC復刻版の特徴的ポイント
項目 | 本物のビッグE | LVC復刻版 |
---|---|---|
製造国 | USA製のみ | 日本製が多い |
内タグ | 基本的になし | 日本語・電話番号記載 |
パッチ | 当時の印刷技術 | 現代的な印刷 |
ボタン裏刻印 | 1桁英数字・2桁数字 | アルファベット+数字 |
生地感 | 自然な経年変化 | 意図的なエイジング加工 |
また、LVC復刻版ではCone Mills社製などの工場名や製造国の記載があることも特徴的です。ただし、Cone Mills社は2017年に閉鎖されており、現在の復刻版では日本製(カイハラなど)のデニムが使われるケースが増えています。
価格面では、本物のビッグEが状態や希少性によって数万円から数十万円で取引される中、LVC復刻版は比較的安定した価格帯で購入できます。ただし、初期のLVC(特にバレンシア製)は復刻版でありながら高い人気を誇り、プレミアが付いているケースもあります。
ビッグEの年代別価値と相場を知る重要性
リーバイスのビッグEモデルの価値は、製造年代、状態、希少性によって大きく変動します。最も重要なのは製造年代で、例えば1960年代後半の初期モデルは特に希少価値が高いとされています。
独自調査の結果によると、オークションサイトでのビッグEの平均落札価格は約36,000円程度ですが、状態や希少性によっては数十万円で取引されるケースもあります。特に色残りが良く、ダメージの少ない希少なモデルは高値がつきやすい傾向にあります。
例えば、501 Big Eの中でも**「タイプ物」と呼ばれる1967〜69年製のモデル**は特に人気が高く、状態が良ければ30万円前後の価値があるとされています。これは赤タブのロゴとパッチの特殊なスタンプマーク(A、S、F、Iなど)が特徴で、品質ランクや出荷先を示していたと考えられています。
💰 ビッグE年代別価値目安
年代・タイプ | 価値の目安 | 特徴 |
---|---|---|
1967〜69年(タイプ物) | 15〜30万円 | A,S,F,I刻印、初期モデル |
1969〜71年(中期) | 8〜15万円 | 完成されたシルエット |
1971〜73年(後期) | 5〜10万円 | ケアタグ付きモデル |
色残り7割以上 | +30〜50% | インディゴの残存状態良好 |
デッドストック | 通常の2〜3倍 | 未使用品 |
サイズも重要な要素で、**日本人の体型に合いやすい小さめのサイズ(ウエスト28〜32インチ程度)**は需要が高く、価格も高騰しがちです。一方、大きいサイズは比較的安価で取引されることが多いため、体型に合う方にとっては狙い目となる場合があります。
また、状態の良さも価値を大きく左右します。50年近く経過したヴィンテージデニムにおいて、破れや補修がないもの、色残りが良いものは相場よりも高価になる傾向があります。特に股部分の修理や穴、素人による補修が目立つものは敬遠される傾向があります。
501XXとビッグEの違いと見分け方
501XXとビッグEは、リーバイス史上最も重要な2つのヴィンテージモデルとして位置づけられており、それぞれに明確な違いと特徴があります。
501XXは1890年にロットナンバーが導入されてから1966年頃まで使われていた名称で、特にヴィンテージ古着の世界で”XXモデル”と呼ばれるのは、1946~1966年頃までに製造されたものを指します。この時代のリーバイスは、現在の5ポケットジーンズとほぼ変わらない姿になった一方、ワークウェアを出自とするタフな作り込みも残るなど、デニムフリークの間では”501の完成形”と称されています。
一方、ビッグEは1966年〜1973年頃までのモデルを指し、501XXの後継となるモデルです。ロットナンバーの末尾から「XX」の文字が外され、現在と同じ「501」表記になったのが大きな変化点です。
⚖️ 501XXとビッグEの比較表
項目 | 501XX | ビッグE |
---|---|---|
製造年代 | 1946〜1966年頃 | 1966〜1973年頃 |
パッチ表記 | 501XX | 501(XXなし) |
隠しリベット | あり | なし(バータック) |
ステッチ | V字ステッチ | 平行ステッチ |
アーキュエイト色 | イエロー | 金茶 |
赤タブ | 大文字E(移行期) | 大文字E |
501XXの特徴的なディテールとしては、**バックポケットのリベットが見えないように隠された「隠しリベット」や、トップボタンの脇に施された「V字のステッチ」**などがあります。また、アーキュエイトの中央でステッチが交差するダイヤモンドポイントが見られるのも501XXの特徴です。
ビッグEでは、これまでのV字ステッチに代わって2本の平行ステッチが使われ始め、アーキュエイトステッチの色もイエローから金茶に変更されました。また、ステッチのピッチ(運針数)も倍増され、隠しリベットもバータック(縫製による補強)に変更されています。
価値面では、501XXの方が一般的に高価で取引されており、特に革パッチの初期モデルは数十万円から100万円を超える価格で取引されることもあります。ビッグEは501XXより比較的手に入りやすい価格帯で、ヴィンテージ初心者にも人気があります。
デニムジャケットのビッグE判定方法
リーバイスのデニムジャケットにおけるビッグEの判定は、デニムパンツとほぼ同じ方法で行うことができますが、ジャケット特有のディテールも確認ポイントになります。
デニムジャケットの場合、最も重要なのは型番の確認です。ビッグE時代のデニムジャケットは主に「70505」という型番が使用されており、パッチに「70505E」と表記されているものがビッグEモデルとなります。その後、1974年頃からは「70505e」とスモールeに変更されています。
タブの確認では、デニムパンツと同様に赤タブの「LEVI’S」のEが大文字で、Vの形状が不均等V(右側が細い)であることを確認します。デニムジャケットの赤タブは袖部分に付いていることが多く、パンツよりも確認しやすい場合があります。
🧥 デニムジャケットのビッグE判定ポイント
確認箇所 | ビッグE特徴 | 復刻版特徴 |
---|---|---|
型番 | 70505E | 70505E(但し内タグあり) |
赤タブ | 大文字E、不均等V | 再現されている |
ボタン裏刻印 | 1桁英数字・2桁数字 | アルファベット+数字 |
内タグ | 基本的になし | 日本語・電話番号記載 |
製造国 | MADE IN USA | 日本製が多い |
ボタン裏の刻印も重要な判定要素で、**ビッグE時代の70505では「2」「4」「6」「8」「16」「524」「525」**などが確認されています。特に525工場は70505の主力製造工場として知られており、初期の貴重なモデルを多く製造していました。
デニムジャケットのビッグEは、パンツと同様に1966年〜1973年頃の短期間しか製造されていないため、現存数が限られています。特にサイズの大きなモデル(42インチ以上)は希少価値が高く、状態次第では高額で取引されています。
また、デニムジャケットの場合は袖や襟のダメージが価値に大きく影響します。特に襟部分は摩耗しやすく、きれいな状態を保っているものは評価が高くなります。購入時には、これらの部分の状態を入念にチェックすることが重要です。
偽物を避けるための注意点とチェックポイント
ヴィンテージリーバイスの中でも501は特に偽物が多いモデルとして知られており、ビッグEも例外ではありません。偽物を避けるためには、いくつかの決定的なチェックポイントを理解しておく必要があります。
最も重要な判定ポイントは、トップボタン裏刻印が「501」の場合、ほぼ偽物と考えて間違いないということです。本物のヴィンテージリーバイスでは、ボタン裏に型番が刻印されることは基本的にありません(80~90年代の一部のレギュラーモデルを除く)。
偽物の特徴として、赤タブが異常に短いことが挙げられます。本物の赤タブは一定の長さと比率を保っていますが、偽物では材料費を削減するためか、明らかに短い赤タブが使用されていることがあります。
🚫 偽物の見分け方チェックリスト
チェック項目 | 偽物の特徴 | 本物の特徴 |
---|---|---|
ボタン裏刻印 | 「501」刻印 | 工場番号(数字・アルファベット) |
赤タブの長さ | 異常に短い | 適切な比率を保持 |
シンチバック | 指で簡単に曲がる | 適度な硬さと厚み |
縫製品質 | 裏の縫製が雑 | 丁寧で均一な縫製 |
価格 | 相場より安すぎる | 適正な市場価格 |
また、シンチバック(腰部分の調整ベルト)の質感も重要なポイントです。偽物では薄い素材が使用されており、指で簡単に曲がってしまうことがあります。本物のヴィンテージでは、経年変化はあるものの、適度な厚みと硬さを保っています。
縫製の品質も判定材料の一つで、裏側の縫製が雑な場合は偽物の可能性が高くなります。本物のリーバイスは、表側だけでなく裏側の縫製も丁寧に処理されており、糸の始末なども適切に行われています。
購入時の注意点として、相場より極端に安い価格で販売されているものは疑ってかかる必要があります。本物のビッグEには相応の市場価値があるため、明らかに安すぎる場合は偽物や問題のある個体である可能性があります。
バレンシア工場製555刻印の特殊な位置づけ
ボタン裏刻印「555」は、リーバイス史上特別な位置づけを持つ刻印として知られています。555=アメリカのバレンシア工場の番号で、1996年〜2003年の間に製造された復刻モデルの番号です。
バレンシア製の555は、初期の復刻モデル(LVC)であり、最後のアメリカ製という二つの意味で高い人気を集めています。2003年にアメリカの工場が閉鎖される直前まで稼働していたバレンシア工場で製造されたモデルは、復刻版でありながら「アメリカ製最後のリーバイス」として特別な価値を持っています。
通常、ボタン裏刻印が3桁の数字である場合はヴィンテージではないのですが、「555」の場合のみ例外的に高い価値を持つとされています。これは、バレンシア工場の製造品質の高さと、歴史的な意味合いが評価されているためです。
🏭 555刻印バレンシア製の特徴
項目 | 詳細 |
---|---|
製造期間 | 1996年〜2003年 |
工場 | バレンシア工場(アメリカ) |
位置づけ | 初期LVC・最後のアメリカ製 |
価値 | 復刻版ながら高評価 |
現在の状況 | 工場は復刻ライン用に再稼働 |
興味深いことに、バレンシア工場は現在、LVC復刻ラインの製造のために再開されており、現行の復刻モデルの一部もバレンシア製として製造されています。ただし、2003年以前のオリジナル・バレンシア製と現在の復刻バレンシア製では、コレクター間での価値や評価が異なります。
555刻印のモデルを購入する際は、製造年を確認することが重要です。1996年〜2003年の間に製造されたものが「オリジナル・バレンシア製」として高い価値を持ちます。内タグや他のディテールと併せて確認し、確実にこの期間内の製造であることを確認しましょう。
また、バレンシア製555は品質の高さでも評価されており、現在でも状態の良い個体は高値で取引されています。復刻版の中でも特別な位置づけにあるため、ヴィンテージ入門者にとっても魅力的な選択肢の一つとなっています。
まとめ:リーバイス ビッグe復刻の見分け方をマスターするポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- 本物のビッグEは例外なく全てUSA製で、日本製は確実に復刻版である
- ボタン裏刻印は1桁英数字または2桁数字がヴィンテージの特徴である
- 内タグの有無が重要で、本物のビッグEには基本的に内タグが付いていない
- 復刻版の内タグには日本語表記や電話番号が記載されている
- パッチは全て紙製で「XX」表記がなく「501」のみの表記になっている
- 赤タブは大文字の「E」で、Vの形状は右側が細い不均等Vが特徴である
- ステッチはV字から平行ステッチに変更され、色もイエローから金茶になっている
- 製造年代は1966年〜1973年頃の約7年間の短期間である
- 隠しリベットは廃止されバータック(縫製補強)に変更されている
- アーキュエイトステッチのピッチ(運針数)が倍増されている
- 555刻印のバレンシア製は復刻版ながら例外的に高い価値を持つ
- 偽物はボタン裏に「501」刻印があり赤タブが短いなどの特徴がある
- デニムジャケットも同様の判定方法で「70505E」表記を確認する
- サイズや状態により価値が大きく変動し、平均約36,000円で取引されている
- 501XXとの違いは隠しリベットの有無とステッチの形状で判別できる
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1355738523
- https://hurugiblog.com/levis-replica-or-vintage
- https://levi-fun.com/ribaisu-big-e-kachi/
- https://www.leon.jp/fashions/6526
- https://kaitorisatei.info/bwn/how-to-levis-vintage
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://www.tiktok.com/discover/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9-%E5%BE%A9%E5%88%BB-%E8%A6%8B%E5%88%86%E3%81%91%E6%96%B9-%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B0e
- https://lifeonline.jp/how-to-identify-levis-vintage
- https://archipelago.mayuhama.com/entry/2022/02/08/182154
- https://www.tiktok.com/discover/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9-70505-%E5%BE%A9%E5%88%BB-%E8%A6%8B%E5%88%86%E3%81%91%E6%96%B9
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