リーバイス 501 年代を正確に判別したいと思っている方にとって、1873年の誕生から現代まで続く501の歴史は非常に複雑で、素人には判断が難しいものです。しかし、パッチの変遷、ボタンの刻印、リベットの素材、タブのデザインなど、各年代特有の特徴を理解すれば、確実に年代を見分けることができるようになります。
本記事では、リーバイス501の年代判別について徹底的に調査し、1873年から2000年代まですべての時代の特徴を網羅的にまとめました。単なる年代判別だけでなく、復刻版との見分け方、工場番号の読み方、さらには購入時の注意点まで、どこよりもわかりやすく解説しています。
この記事のポイント |
---|
✅ 1873年から2000年代まで全年代の特徴を詳細解説 |
✅ パッチ・ボタン・リベット・タブによる確実な見分け方 |
✅ ヴィンテージと復刻版の違いを明確に説明 |
✅ 工場番号と内タグによる製造年月の特定方法 |
リーバイス 501 年代判別の基礎知識と歴史的変遷
- リーバイス501の年代判別で最も重要なのはパッチ(紙・革)の変化
- ボタン裏刻印による工場番号と製造年代の特定方法
- リベット素材の変遷が示す時代背景と技術進歩
- 赤タブデザインの変化から読み取る年代情報
- 隠しリベット採用期間(1937-1966年)の重要性
- 大戦モデル(1942-1946年)の特殊な簡素化仕様
リーバイス501の年代判別で最も重要なのはパッチ(紙・革)の変化
リーバイス501の年代を判別する際に、最も確実で分かりやすい指標となるのがパッチの変遷です。パッチは右腰部分に取り付けられた品番や製造情報を記載したラベルで、時代とともに素材やデザインが大きく変化しています。
🏷️ パッチの素材別年代区分
年代 | パッチ素材 | 特徴 |
---|---|---|
1886年以前 | 革 | 文章のみの記載 |
1886-1957年 | 革 | ツーホースマーク入り |
1955-1962年 | 紙 | ギャラ入り(Every Garment Guaranteed) |
1962-1969年 | 紙 | ギャラ無し |
1966-1967年 | 紙 | ダブルネーム仕様 |
革パッチの時代では、特にツーホースマークの有無が重要な判別ポイントとなります。2頭の馬が引っ張り合ってもちぎれない様子を描いたこのマークは、1886年から使用されており、リーバイスの品質の高さを象徴するものでした。
1955年頃から紙パッチへの移行が始まりますが、これは革パッチが縮んで見た目が悪くなる問題への対策でした。縮んだ革パッチは、その見た目から通称**「ビーフジャーキー」**と呼ばれることもあります。
紙パッチ時代の重要な変遷ポイントとして、1962年頃に「Every Garment Guaranteed(すべての商品を保証する)」の文字が消失したことが挙げられます。この表記があるものを「ギャラ入り」、無いものを「ギャラ無し」と呼び、年代判別の重要な指標となっています。
1966-1967年の短期間には、品番変更による混乱を避けるため、新旧の型番が両方印字された**「ダブルネーム」**仕様が存在します。これは非常に珍しく、コレクターの間でも高い価値を持つ特徴的な仕様です。
ボタン裏刻印による工場番号と製造年代の特定方法
トップボタン(一番上のボタン)の裏側に刻印された数字や文字は、製造工場を特定する重要な手がかりとなります。この刻印システムを理解することで、より正確な年代判別が可能になります。
🏭 工場番号による年代区分の基本パターン
刻印パターン | 年代 | 特徴 |
---|---|---|
1桁(A,D,E,F,J,K,L,O,S,W,2,4,5,6,8) | 1950-1970年代 | アルファベットと数字が混在 |
2桁(10,12,14,16,17,20) | 1960-1980年代 | 長期稼働工場が多い |
3桁(500番台中心) | 1980-2000年代初期 | 5から始まるのはリーバイス社内工場 |
4桁 | 現行モデル | 文字が詰まった現代的デザイン |
特に注目すべきは**「6」の刻印**で、これは通称「66モデル」と呼ばれる1973-1981年頃の人気モデルを示しています。この時期の501は、フラッシャー(タグ)に「1966」と記載されていたことから66モデルと呼ばれるようになりました。
**524工場(エルパソ工場)**は、1桁時代の「6」刻印から「旧6工場」とも呼ばれ、66モデルを多数製造していたことで知られています。また、555工場は最後のアメリカ製を製造したバレンシア工場(1996-2003年)で、現在はLVC(リーバイスヴィンテージクロージング)の復刻ライン製造のため再開されています。
工場番号の読み取りには注意が必要で、刻印が薄い場合や錆びている場合も多く見られます。また、1980年代から2003年までの米国製501では、内タグの工場番号とボタン裏刻印が一致するのが基本ですが、偽物の中には意図的に番号を合わせたものも存在するため、他の要素との総合判断が重要です。
リベット素材の変遷が示す時代背景と技術進歩
リベットの素材変化は、時代背景と技術的進歩を如実に反映しており、年代判別において非常に重要な要素です。特に戦時中の物資統制や製造技術の発達が、リベット仕様に大きな影響を与えています。
🔩 リベット素材の歴史的変遷
年代 | 素材 | 形状 | 背景 |
---|---|---|---|
1873-1920年代 | 銅製 | 頭潰し・打ち抜き | 創業期の基本仕様 |
1922-1941年 | 銅製 | 頭潰し無し・打ち抜き | 製造効率の改善 |
1942-1947年 | 鉄製の銅メッキ | 丸み・隠しリベット | 戦時中の物資統制 |
1947-1953年 | 銅製 | フラット・隠しリベット | 戦後復興期 |
1953-1962年 | 鉄製の銅メッキ | フラット・隠しリベット | 量産体制確立 |
頭潰し技術は1920年代まで使用された特殊な加工法で、馬の鞍やイスを傷つけないため、またリベットを外れにくくするために先端を平たく潰していました。この技術の有無は、1920年代以前かそれ以降かを判別する重要な指標となります。
1942年から始まった戦時中の物資統制により、銅が軍需物資として必要となったため、リベットは鉄製の銅メッキに変更されました。この時期のリベットは磁石に反応するため、磁石テストにより簡単に判別可能です。
隠しリベット(1937-1966年)の採用は、座る際にイスなどを傷つけないための配慮から生まれました。それまでの「剥き出しリベット」から、デニム地で覆う「隠しリベット」への変更は、機能性向上の象徴的な変化と言えます。
1962年頃からのリベット仕様変更では、**「打ち抜きリベット」から「被せリベット」**への移行と同時に、リベット裏の材質が「鉄製の銅メッキ」から「アルミ製」へと変化しました。これは製造コスト削減と軽量化を目的とした改良でした。
赤タブデザインの変化から読み取る年代情報
1936年に採用された赤タブは、他のブランドとの差別化を図るために導入されたリーバイス独自の特徴で、その後の仕様変更が年代判別の重要な手がかりとなります。
🔴 赤タブの変遷パターン
年代 | タブ仕様 | 特徴 |
---|---|---|
1936-1952年 | 片面ビッグE | 表面のみに「LEVI’S」、レジスターマーク無し |
1953-1964年 | 両面ビッグE・均等V | 両面印字、Vが均等、®マーク付き |
1965-1971年 | 両面ビッグE・不均等V | Vが不均等(現在の形) |
1974年以降 | 両面スモールe | 「Levi’s」小文字のe |
1982年以降 | プリントタブ | 刺繍からプリントに変更 |
**片面タブ時代(1936-1952年)**では、表面にのみ「LEVI’S」が刺繍され、裏面は無地でした。また、この時期はレジスターマーク(®)が付いていないのが特徴です。
1953年からの両面タブ時代では、裏面の文字が上下逆になって印字されるという独特の仕様がありました。同時期の「均等V」は、「LEVI’S」の「V」の左右の線の太さが同じであることを指します。
1971年の株式公開のタイミングで、「E」が小文字の「e」に変更されました。この変更は法的な理由によるものと考えられており、以降は「スモールeタブ」と呼ばれています。
特殊なタブの種類も存在し、10本に1本程度の割合で®マークのみのタブ、1960-70年代の廉価ライン用オレンジタブ、デニム以外用の白タブ、混紡素材用の黒タブなどがあります。これらの特殊タブの存在も、年代や用途を特定する重要な情報となります。
隠しリベット採用期間(1937-1966年)の重要性
隠しリベットの採用期間は、リーバイス501の年代判別において最も確実な指標の一つです。この29年間という明確な期間設定により、501XXと呼ばれるヴィンテージモデルの特定が可能になります。
🔧 隠しリベットの技術的進歩
隠しリベットは、バックポケット口の補強のために1937年から採用されました。それまでの剥き出しリベットでは、座る際にイスを傷つけるという実用上の問題がありましたが、デニム地で覆うことでこの問題を解決しました。
隠しリベットの形状変化も年代判別に重要です:
- 1937-1947年:丸みを帯びた形状(鉄製の銅メッキ)
- 1948-1965年:フラットな形状(鉄製の銅メッキ)
- 1966年:隠しリベット廃止
1966年の隠しリベット廃止は、縫製技術の進歩により、リベット無しでも十分な強度が確保できるようになったためです。この技術的進歩により、501XXから501への移行が行われました。
隠しリベットの確認方法として、外側からはリベットが見えませんが、内側を確認することで存在を確認できます。ただし、復刻版にも隠しリベットが採用されているため、他の特徴との総合判断が必要です。
隠しリベットがある場合、確実に1937-1966年製造と判断できるため、この期間の他の特徴(革パッチ、紙パッチ初期、片面タブ、両面ビッグEタブなど)と照合することで、より精密な年代特定が可能になります。
大戦モデル(1942-1946年)の特殊な簡素化仕様
第二次世界大戦中の物資統制により、1942-1946年の501は「大戦モデル」と呼ばれる特殊な簡素化仕様となりました。この時期の特徴を理解することで、歴史的価値の高い希少モデルを特定できます。
⚔️ 大戦モデルの簡素化項目
項目 | 変更内容 | 理由 |
---|---|---|
型番 | 501XX → S501XX | Simplified(簡素化)の意味 |
シンチバック | 廃止 | 物資節約 |
股リベット | 廃止 | 銅の軍需転用 |
アーキュエイトステッチ | ペンキ塗装 | 糸の節約 |
ウォッチポケットリベット | 一時廃止 | 物資節約 |
「S501XX」表記は大戦モデルの最も分かりやすい特徴で、「Simplified」を意味しています。この表記があれば確実に1942-1946年製造と判断できます。
幻のペンキステッチは大戦モデル最大の特徴です。通常は糸で縫われるバックポケットのアーキュエイトステッチ(弧を描くステッチ)が、糸不足のためペンキでプリントされました。しかし、洗濯するとすぐに消えてしまうため、現存するものは極めて稀少です。
月桂樹ボタンやドーナツボタンの使用も、この時期特有の特徴です。通常の社名入りボタンの他に、市販の汎用ボタンが使用されることがあり、統一感の無い仕様となっています。
代用生地の使用も見られ、スレーキ(ポケット裏地)にヘリンボーンやネル生地が使用されることがありました。これは正規のデニム生地不足を物語る興味深い特徴です。
1946年の終戦後は、徐々に通常仕様への復帰が始まりましたが、混乱期のため仕様が混在することも多く、必ずしも「このディテールだから○○年」とは断定できない複雑さがあります。
リーバイス 501 年代別詳細分析と実用的見分け方
- 1873年から2000年代まで完全な年代別特徴一覧
- 内タグによる製造年月の正確な読み取り方法
- ヴィンテージと復刻版LVCを確実に見分けるポイント
- 80年代から90年代レギュラー501の詳細分類システム
- 購入時に注意すべき偽物判別のチェックポイント
- 工場番号と所在地の完全対応表
- まとめ:リーバイス 501 年代判別の総合ガイド
1873年から2000年代まで完全な年代別特徴一覧
リーバイス501の150年以上の歴史を年代順に整理し、各時期の決定的な特徴を一覧表形式でまとめました。これにより、複数の特徴を組み合わせた総合的な年代判別が可能になります。
📅 年代別特徴の完全一覧表
年代 | 呼称 | パッチ | タブ | リベット | その他の特徴 |
---|---|---|---|---|---|
1873-1900年 | 最古ジーンズ | 文章のみ→ツーホース | 無し | 銅・頭潰し | 片ポケット・セルビッジ |
1901-1921年 | 初期XX | ツーホース革 | 無し | 銅・頭潰し | 両ポケット・格子ボタン |
1922-1935年 | 1922モデル | ツーホース革 | 無し | 銅・頭潰し無し | ベルトループ・社名ボタン |
1936-1941年 | 37モデル | ツーホース革 | 片面ビッグE | 銅・隠しリベット | Vステッチ・股リベット |
1942-1946年 | 大戦モデル | S501XX革 | 片面ビッグE | 鉄メッキ・隠し | ペンキステッチ |
1947-1952年 | 47モデル | ツーホース革 | 片面ビッグE | 銅・隠しリベット | 2本針ステッチ |
1953-1954年 | 53モデル | ツーホース革 | 両面均等V | 鉄メッキ・隠し | オフセットループ |
1955-1962年 | ギャラ入り | ギャラ入り紙 | 両面均等V | 鉄メッキ・隠し | 足長Rボタン |
1962-1965年 | ギャラ無し | ギャラ無し紙 | 両面均等V | 被せ・裏アルミ | センターループ |
1966-1967年 | ダブルネーム | ダブルネーム紙 | 両面不均等V | 被せ・裏アルミ | XX表記消失 |
1967-1969年 | タイプ物 | アルファベット紙 | 両面不均等V | 被せ・裏アルミ | A,S,F,I印字 |
1970-1973年 | ビッグE後期 | CARE記載紙 | 両面不均等V | 被せ・裏アルミ | 黒字CARE |
1973-1976年 | 66前期 | CARE記載紙 | スモールe | 被せ・裏アルミ | シングルステッチ |
1977-1979年 | 66後期 | CARE記載紙 | スモールe | 被せ・裏アルミ | チェーンステッチ |
1980-1986年 | 赤耳・ハチマル | スタンプ紙 | スモールe | 被せ・裏アルミ | セルビッジ最終 |
この表の使用方法として、まず大まかな年代を特定し、次に詳細な特徴を照合することで、精度の高い年代判別が可能になります。特に複数の特徴が一致する場合、その年代である可能性が非常に高くなります。
注意すべき例外として、工場や地域による仕様差、移行期間中の混在、復刻版の存在などがあります。そのため、一つの特徴だけで断定せず、複数の要素を総合的に判断することが重要です。
1966年前後の大きな転換期では、501XXから501への移行、隠しリベットの廃止、パッチの変更など、多くの仕様変更が集中しています。この時期は特に注意深い観察が必要です。
セルビッジ(赤耳)の終了は1986年頃で、これ以降は「脇割り」と呼ばれる金糸でのロック仕様になります。赤耳の有無は、1986年以前か以降かを判断する重要な指標となります。
内タグによる製造年月の正確な読み取り方法
1974年以降に採用された**内タグ(ケアタグ)**は、最も正確な製造年月を特定できる情報源です。内タグの仕様変化と読み方を理解することで、月単位での製造時期特定が可能になります。
🏷️ 内タグの進化と読み取り方法
期間 | タグ仕様 | 特徴 | 読み取り方法 |
---|---|---|---|
1974年初期 | 数字羅列タグ | 3行の数字 | 下段:月・年下2桁・工場番号 |
1980年代後半 | 7行タグ | 詳細情報増加 | 6行目:工場番号、7行目:製造年月 |
1991-1994年 | ペラペラタグ | 薄い生地 | 下から2行目に情報 |
1995-2003年 | 最終USタグ | 現代的デザイン | 左から工場番号・製造年月・製造番号 |
1974年初期タグの読み方では、数字が3行に分かれており、最下段に製造月(2桁)、製造年の下2桁、工場番号が記載されています。例えば「031680524」の場合、「03」が3月、「16」が1976年(または2016年)、「80524」が工場番号を示します。
1980年代後半の7行タグは、情報量が大幅に増加し、6行目に工場番号、7行目に製造年月が明記されるようになりました。この時期の特徴として、製造年が下1桁のみの記載となり、製造月と製造年が繋がって表示されています。
収縮率の重要性も見逃せません。内タグには生地の収縮率が記載されており、8%収縮と10%収縮では製造時期が異なります。66前期までは主に8%、66後期以降は10%が一般的で、この情報も年代判別の補助的指標となります。
工場番号との照合により、製造場所も特定できます。例えば「524」はエルパソ工場、「553」はサンベニート工場を示し、これらの工場稼働期間と照合することで、より正確な年代特定が可能になります。
偽物対策として、内タグとボタン裏刻印の工場番号が一致することを確認しましょう。ただし、精巧な偽物では意図的に番号を合わせている場合もあるため、他の特徴との総合判断が必要です。
ヴィンテージと復刻版LVCを確実に見分けるポイント
**LVC(Levi’s Vintage Clothing)**は1999年に始まった復刻ラインで、ヴィンテージを忠実に再現していますが、いくつかの決定的な違いがあります。これらの違いを理解することで、確実な判別が可能です。
🎯 ヴィンテージvsLVC判別ポイント
項目 | ヴィンテージ | LVC復刻版 |
---|---|---|
パッチの質感 | 経年変化あり | 新品状態 |
糸の色あせ | 自然な褪色 | 人工的な加工 |
生地の風合い | 独特の経年感 | 現代的な質感 |
内タグ | 時代に応じた仕様 | 現代の品質表示 |
価格帯 | 数十万~数百万円 | 3-5万円程度 |
LVCの判別方法として最も確実なのは、品番の確認です。LVCには「LVC」の文字や現代的な品番が記載されており、これによって即座に復刻版と判別できます。
製造技術の違いも重要です。ヴィンテージでは当時の製造技術による自然な個体差がありますが、LVCでは現代の精密な製造技術により、均一な仕上がりとなっています。
エイジングの違いでは、ヴィンテージの自然な経年変化と、LVCの人工的な加工処理の差が見られます。特に色落ちの仕方や生地の馴染み方に明らかな違いがあります。
復刻版の価値について誤解しないことも重要です。LVCは確かに復刻版ですが、リーバイス公式による高品質な再現品であり、ヴィンテージに手が出せない方には最適な選択肢です。
購入時の注意点として、販売者がヴィンテージとして復刻版を販売していないか確認が必要です。価格が相場より著しく安い場合は、復刻版の可能性が高いため、詳細な確認を行いましょう。
80年代から90年代レギュラー501の詳細分類システム
1980年から2003年までのレギュラー501は、セルビッジを持たない一般的なモデルで、アメリカ製501の最終期にあたります。この時期の詳細な分類システムを理解することで、正確な年代判別が可能になります。
📊 レギュラー501の3大分類システム
分類 | 期間 | パッチ特徴 | 内タグ | 主な仕様 |
---|---|---|---|---|
ハチマル(80) | 1980-1987年 | CARE文字黒スタンプ | 初期→正方形 | 内股シングル→ダブル |
ハチナナ(87) | 1988-1993年 | CARE文字赤印刷 | ロゴタグ | 501文字の変化 |
キューサン(93) | 1994-2003年 | 501文字黒太字 | 刺繍タグ | 最終アメリカ製 |
**「ハチマル」時代(1980-1987年)**の特徴:
- パッチの「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」が黒色スタンプ
- 「80」前期:内股シングル、裾チェーン、初期内タグ
- 「80」後期(84年以降):内股ダブル、裾シングル、正方形内タグ
**「ハチナナ」時代(1988-1993年)**の詳細分類:
- 87黒文字:CARE文字は赤、501は黒細字
- 87赤文字前期:501が赤細字、ロゴタグ
- 87赤文字後期:501が赤太字、ナイロンフットボタン
**「キューサン」時代(1994-2003年)**の最終仕様:
- CARE文字赤印刷、501文字が黒太字
- 刺繍タグ使用(USライン→JPライン)
- 銀ストライプが右側に移動
内タグの進化も重要な判別要素で、初期のティアオフタグから、正方形タグ、ロゴタグ、刺繍タグへと変遷しています。特に1993-1994年のみに存在する特殊な刺繍タグは、レア仕様として知られています。
ボタンとリベットの変遷では、1980年代は鉄製、1990年代後期からは非鉄製(JPライン)への変更があり、これらの素材変化も年代特定の重要な手がかりとなります。
購入時に注意すべき偽物判別のチェックポイント
ヴィンテージリーバイス501の偽物対策は、高額商品を安全に購入するために必要不可欠な知識です。巧妙な偽物も存在するため、複数のチェックポイントを組み合わせた総合判断が重要です。
🔍 偽物判別の重要チェックポイント
チェック項目 | 本物の特徴 | 偽物の特徴 |
---|---|---|
ステッチの質 | 均一で丁寧 | 粗雑・糸のほつれ |
パッチの質感 | 自然な経年変化 | 人工的な汚れ |
リベットの質 | 適切な素材・刻印 | 材質や刻印の不一致 |
全体の仕上げ | 高い品質基準 | 細部の粗さ |
ステッチワークの確認では、アーキュエイトステッチ(バックポケットの弧状ステッチ)の対称性と滑らかさを確認します。本物は左右がほぼ対称で滑らかな曲線を描きますが、偽物では歪みや粗雑さが目立ちます。
パッチの経年変化の自然さも重要です。本物の革パッチは時間とともに自然に縮み、独特の質感を持ちますが、偽物では不自然な汚れや人工的な加工感が見られます。
工場番号の整合性確認では、内タグとボタン裏刻印の工場番号が一致することを確認します。ただし、高度な偽物では意図的に番号を合わせているため、他の要素との総合判断が必要です。
購入前の確認事項:
- 複数角度からの詳細写真要求
- 出品者の評価と取引履歴確認
- 返品・交換条件の確認
- 鑑定書の有無(高額品の場合)
価格相場の把握も重要で、相場より著しく安い商品には注意が必要です。ただし、状態や希少性により価格は大きく変動するため、相場を参考にしつつ、商品の実際の価値を総合的に判断しましょう。
工場番号と所在地の完全対応表
リーバイス社の工場番号システムを理解することで、製造場所と時期の特定が可能になります。特にボタン裏刻印から工場を特定することで、その工場の稼働期間内の製造であることが確認できます。
🏭 主要工場番号と所在地の対応表
刻印 | 工場名 | 所在地 | 稼働期間 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
6/524 | エルパソ工場 | テキサス州 | 1950年代-1990年代 | 66モデル多数製造 |
16/653 | ラッキースター | ミシシッピ州 | 1960年代-1990年代 | 品質の高さで評価 |
553 | サンベニート工場 | テキサス州 | 1990年代-2002年 | 最終アメリカ製 |
555 | バレンシア工場 | ニューメキシコ州 | 1996-2003年 | LVC現在製造 |
501 | アルバカーキ工場 | ニューメキシコ州 | 1990年代-2002年 | 最終期主力工場 |
**エルパソ工場(6番→524番)**は「旧6工場」とも呼ばれ、66モデルの代表的な製造拠点でした。この工場の刻印がある501は、66モデルである可能性が非常に高いという特徴があります。
**サンベニート工場(553番)は、アメリカ製501を最後まで製造した工場の一つで、2002年5月頃まで稼働していました。この刻印がある501は「米国最終モデル」**として高い価値を持ちます。
工場の地理的分布では、主にテキサス州、ニューメキシコ州、アーカンソー州、ミシシッピ州などの南部州に集中しており、これは労働コストと物流の効率性を考慮した立地選択でした。
1桁・2桁時代の工場(1950-1980年代)では、アルファベットと数字が混在する特殊な刻印システムが使用されていました。例えば「A」「D」「E」「F」などのアルファベット刻印は、特定の工場を示す貴重な情報です。
工場閉鎖の背景として、2003年の一斉閉鎖は製造コスト削減のための海外移転が理由でした。これにより、2003年以降のアメリカ製501は存在しないため、「made in USA」表記がある501は確実に2002年以前の製造と判断できます。
まとめ:リーバイス 501 年代判別の総合ガイド
最後に記事のポイントをまとめます。
- パッチの変遷が年代判別の最重要指標である
- 革パッチは1886-1957年、紙パッチは1955年以降使用
- **隠しリベット期間(1937-1966年)**が501XX判別の決定的証拠
- ボタン裏刻印により工場番号と製造期間が特定可能
- 赤タブの変化(片面→両面→ビッグE→スモールe)が重要
- **大戦モデル(1942-1946年)**にはS501XX表記とペンキステッチ
- **内タグ(1974年以降)**で月単位の製造年特定が可能
- セルビッジ(赤耳)は1986年頃まで使用された
- レギュラー501はハチマル・ハチナナ・キューサンの3分類
- 2003年でアメリカ製501は終了、以降は海外製造
- LVC復刻版には現代的な品番と品質表示がある
- 複数の特徴を総合判断することが正確な年代特定に必要
- 工場番号と稼働期間の照合で製造地と時期を特定
- 偽物対策にはステッチ・パッチ・リベットの詳細確認が重要
- 価格相場の把握と信頼できる販売者からの購入が安全
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://hurugiblog.com/levis501
- https://kanteikyoku.jp/store/ichikawa/news/484437/
- https://levi.jp/pages/lvc
- https://shibaken.work/post-2413/2021/2413/
- https://www.jeansfactory.jp/content/blogDetail.php?d=000000769
- https://pstravelers.org/info/984248708
- https://www.canrio.ca/?_g=12276086
- https://crowdchat.io/products/26391372
- https://obsfuneralandcremation.com/index.php/shop/detail/5219881
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