リーバイスのジーンズやジャケットを愛用している方なら、赤いタブに注目したことがあるでしょう。通常は「LEVI’S」の文字が刺繍されている赤タブですが、稀に**「リーバイス rタグ」**と呼ばれる、レジスターマーク(®)のみが表示されたタブが存在します。このrタグは「サークルR」「ブランクタブ」とも呼ばれ、デニムマニアやヴィンテージコレクターの間では特別な注目を集めています。
一見すると製造ミスのように思えるこのrタグですが、実はリーバイス社が意図的に製造している正規品で、約10%という低い出現確率から「レア物」として高く評価されています。XX期(1960年代初頭)から存在していたとされるこの特別なタブには、深い歴史と意外な価値が隠されているのです。
この記事のポイント |
---|
✓ リーバイス rタグの正体と存在理由が理解できる |
✓ 約10%という出現確率とレア度の実態を把握できる |
✓ 年代別の特徴と見分け方をマスターできる |
✓ オークション相場と価値評価の基準を知ることができる |
リーバイス rタグの基本知識と存在理由
- リーバイス rタグとは®マークのみが表示された特別な赤タブのこと
- rタグが存在する理由はタブ自体の商標登録を示すため
- 出現確率は約10%でレア感が高い
- XX期(1960年代初頭)から稀に存在していた歴史がある
- コレクターやマニアの間で特別な価値を持つ
- オークションなどで高値取引されることもある
リーバイス rタグとは®マークのみが表示された特別な赤タブのこと
リーバイスの象徴的なアイコンである赤タブは、通常「LEVI’S」または「Levi’s」という社名が刺繍されています。しかし、その中には社名が入らず、レジスターマーク(®)のみが表示された特別なタブが存在します。これが「リーバイス rタグ」と呼ばれるものです。
このrタグは様々な呼び名で親しまれており、**「サークルR」「ブランクタブ」「レジスターマークのみのタブ」**など、コレクターによって異なる名称で呼ばれています。米国リーバイスの関係者は「blank tab(ブランクタブ)」または「blank red tab」と称することが多く、正確には完全なブランクではないため「with just the ® symbol(®マークだけのもの)」と説明されることもあります。
🏷️ rタグの基本的な特徴
特徴 | 通常の赤タブ | rタグ |
---|---|---|
社名表記 | LEVI’SまたはLevi’s | なし |
表示内容 | 社名+®マーク | ®マークのみ |
出現頻度 | 約90% | 約10% |
コレクター価値 | 標準 | 高い |
見た目は通常の赤タブとほぼ同じサイズ・形状ですが、この小さな違いがヴィンテージデニム愛好家にとって大きな意味を持ちます。特に古い年代のrタグは極めて稀少で、XX時代のデニムに付くサークルRの赤タブは「ただでさえ貴重なXXを何十、百と見ても数える程しかない程の現存数」と言われています。
一見すると製造ミスや偽物のように思われがちですが、このrタグはリーバイス社が意図的に製造している正規品であり、れっきとしたオリジナル仕様です。マニア層からは「レア物」として高く評価され、通常の赤タブよりも価値が高いと見なされることが多いのが現状です。
rタグが存在する理由はタブ自体の商標登録を示すため
なぜリーバイス社は「LEVI’S」の文字がない赤タブを製造しているのでしょうか。その理由には、商標登録という法的な意味合いが深く関わっています。リーバイス社の公式見解によると、このrタグは「タブ自体がレジスタード・トレードマーク(商標登録)であることを示すため」に製造されています。
つまり、タブに「リーバイス」と書かれていることが商標登録なのではなく、「赤いタブそのもの」がリーバイスの商標登録であることを強調するために、あえて社名を入れずに「®」マークのみのバージョンを含めているのです。
📋 商標登録の観点から見たrタグの意義
項目 | 詳細 |
---|---|
保護対象 | 赤いタブのデザイン・形状そのもの |
法的意味 | 国際的な登録商標であることの明示 |
模倣品対策 | タブ自体の独占的使用権の主張 |
ブランド戦略 | アイコンの法的保護強化 |
この「®」マークは、その形状やデザインが登録商標であることを示す国際的なシンボルです。リーバイスは赤タブを1936年頃から使い始め、このディテールがリーバイス製品の象徴となりました。模倣品対策として、タブそのものを商標登録し、その権利を明示する必要があったのです。
また、一部の専門家の間では生産・在庫管理のために100本に1本作られているという説や、赤タブ製造ロットのつなぎ目に当たる部分を使用したものであるという説もあります。リーバイスには世界中に多くの工場があるため、詳細は不明な部分もありますが、公式な説明としてはタブそのものの商標登録の証明という理由が最も有力視されています。
このようにrタグには明確な存在意義があり、リーバイスブランドの歴史とブランド保護の取り組みを示す興味深いディテールと言えるでしょう。小さなディテールですが、その背後には深い戦略的な理由が隠されているのです。
出現確率は約10%でレア感が高い
リーバイス rタグの最も興味深い特徴の一つが、その希少性です。リーバイス社のコメントによると、ブランクタブ(rタグ)の出現割合は「約10%」とされています。つまり、10本のリーバイス製品のうち、わずか1本程度にしかこのレジスターマークのみのタブが付いていないことになります。
この10%という数字は現代の製品における割合で、古い時代のものは異なる出現率を持っていました。調査によると、70年代頃のrタグの出現割合はもっと少なく、数%から5%程度だったと推測されています。つまり、年代が古くなるほど、rタグの出現率は低くなり、より希少性が高くなる傾向があります。
🎯 年代別rタグ出現確率
年代 | 出現確率 | 希少度 | コメント |
---|---|---|---|
1960年代初頭 | 極めて稀 | 最高 | XX期の極少数例のみ |
1970年代 | 数%~5% | 非常に高 | 66期製品で時々見受けられる |
1980年代以降 | 約10% | 高 | 現在も続く標準的な比率 |
この希少性は、コレクター市場での価値にも直結しています。一般的に、希少性が高いほど収集価値も高まる傾向があり、特に80年代以降の製品でrタグが付いていると、所有者は「得した気分」になるという声も多く聞かれます。
通常のリーバイス製品でも十分魅力的ですが、わずか10%の確率でしか手に入らないrタグ付きのモデルは、まさに**「当たり」のような感覚**で受け止められています。リーバイスの公式店舗などで購入する際も、事前にrタグかどうかを指定して購入することはできないため、どのタイプを入手できるかは完全に「運」の要素が大きいのです。
古着市場やオークションサイトでは、rタグのリーバイス製品が明示的に販売されることも多く、その場合は通常の赤タブのものよりも高値で取引されることがあります。このように、10%という出現確率は単なる数字以上の意味を持ち、コレクターにとっての「宝探し」的な楽しさを提供しているのです。
XX期(1960年代初頭)から稀に存在していた歴史がある
リーバイス rタグの歴史は想像以上に古く、**XX期(1960年代初頭)**から稀に存在していたことが分かっています。この事実は、rタグが単なる近年の製造バリエーションではなく、リーバイスの長い歴史の中で一貫して存在してきた特別なディテールであることを示しています。
リーバイス本社のブログでは、ブランクタブが使われ始めた時期について「80年代からだと思う」という回答があったとされていますが、実際の調査結果とは異なっています。66期(70年代)の製品でもしばしばブランクタブが見られることから、少なくとも70年代にはある程度一般的になっていたと考えられています。
📚 rタグの歴史的変遷
時代区分 | 特徴 | 現存状況 |
---|---|---|
1960年代初頭(XX期) | 極めて稀少、ZXXモデルなどに確認例あり | 数例のみ確認 |
1970年代(66期) | 出現頻度が増加(数%~5%程度) | ヴィンテージ市場で時々発見 |
1980年代以降 | 約10%の安定した出現率 | 比較的入手しやすい |
特に注目すべきは、60年代初頭のZXX(501や551、503など)でブランクタブ付きの製品を実際に所有しているというコレクターの証言です。これらの製品は後付けではなく、オリジナルの状態でrタブが付いていることが確認されており、極めて貴重な資料として価値を持っています。
古いXXデニムに付く初期のrタグは、後の時代のものと比べて一回り大きいRの刺繍が特徴とされており、素材もレーヨン生地が使われていたと言われています。年代によって細かな特徴の違いがあり、これがヴィンテージ判別のひとつの重要な手がかりにもなっています。
たとえば、70505というジャケットモデルでrタグが付いていると、「Big-E」(1966年以前)かどうかの見分けが困難になるという指摘もあります。生地や他の特徴を総合的に見れば年代は推測できますが、rタグの存在により確実な判断が困難になるケースもあるのです。これもまた、rタグの興味深い特徴の一つと言えるでしょう。
コレクターやマニアの間で特別な価値を持つ
リーバイス rタグは、そのレア度から多くのデニムコレクターやヴィンテージマニアから特別な注目を集めています。一般的な赤タブより出現頻度が低いことから「レア物」として扱われ、古着市場やオークションサイトでも通常品以上の価値を持つことが多いのが現状です。
特に古い年代のrタグは非常に希少で、60年代初頭のXXモデルに付くブランクタブは極めて稀で、デニムのヴィンテージコレクターからは特に高い評価を受けています。XX時代のデニムにこのサークルRの赤タブが付く物は極めて珍しく、専門家によると「何十、百と見ても数える程しかない程の現存数」とされています。
🏆 コレクター市場でのrタグ評価要素
評価項目 | 詳細 | 価値への影響 |
---|---|---|
年代 | 古いほど高評価(特にXX期) | 非常に大きい |
モデル | 人気モデル(501、503B等)との組み合わせ | 大きい |
状態 | オリジナル性と保存状態 | 大きい |
サイズ | 現代人が着用可能なサイズ | 中程度 |
組み合わせ | 赤耳デニムなど他のレア要素 | 大きい |
また、リーバイスの赤耳デニム(セルビッチデニム)にrタグが付いた組み合わせは、さらに希少価値が高まります。例えば「脇割り、黒カン、インシームシングルの1981年頃の501でブランクタブ」の希少性は「かなり高い」と専門家によって評価されています。
コレクターの間では、rタグは単なる製造バリエーションではなく、リーバイスの歴史を物語る興味深いディテールとして重要視されています。マニアにとってはrタグ付きの製品を見つけることは「掘り出し物」を発見する特別な体験であり、その喜びはひとしおです。
ただし、注意すべき点として、タブは後付けされたり交換されたりすることもあるため、真贋や年代判断の際には実物をよく確認する必要があります。特にヴィンテージ品では、タブ付近のステッチが他の箇所と微妙に違っていないかなど、細部のチェックが欠かせません。
オークションなどで高値取引されることもある
リーバイス rタグ付き製品は、その希少性から通常の赤タブよりも高値で取引されることが多々あります。特にヤフオクやメルカリなどのオークションサイトやフリマアプリでは、「サークルR」「ブランクタブ」という言葉が商品説明に明記され、セールスポイントとして大々的に扱われています。
オークションサイトの過去の落札履歴を調査すると、「501 サークルR」で検索した場合、様々な価格帯で活発に取引されていることが分かります。希少性の高いヴィンテージ品や特定の人気モデルとの組み合わせでは、数万円から10万円近い価格で取引されているケースも確認できます。
💰 高値取引の実例
商品例 | 落札価格 | 特徴 |
---|---|---|
LEVIS 501 66前期 ヴィンテージ ブランクタブ | 85,000円以上 | 刻印6/シングルステッチ |
70s levi’s 501 66前期 サークルRタブ W40 L34 | 83,000円 | ビッグサイズ |
1980年代 501 赤耳 サークルR | 45,000円程度 | 黒カン・インシーム仕様 |
特に高値がつきやすいのは、複数のレア要素が組み合わさった製品です:
✨ 高値要素の組み合わせ
- 古い年代(特に60年代~70年代初期)
- 赤耳(セルビッチ)デニム仕様
- 66前期などの人気モデル
- 良好なコンディション
- 人気サイズ(希少なビッグサイズや現代人向けサイズ)
一方で、比較的新しい90年代以降のモデルや一般的な仕様のrタグ付き製品であれば、通常品との価格差はそれほど大きくない場合もあります。このような製品は数千円~1万円台で取引されているケースが多く見られます。
このように、rタグの市場価値はモデル、年代、状態、その他の特徴との組み合わせによって大きく変動します。コレクターやマニアにとっては間違いなく「当たり」と言える存在であり、中古市場での価値を高める重要な要素のひとつとなっているのが現状です。
リーバイス rタグの見分け方と価値判定のポイント
- 通常の赤タブとrタグの違いはLEVI’Sの文字の有無
- 年代によってrタグのデザインや大きさが変化している
- ボタン裏刻印が年代判別の重要な手がかりになる
- 工場番号から製造場所や年代を推測可能
- 他のタブ種類(オレンジタブ、白タブなど)も存在する
- ヴィンテージ製品の識別には複数のポイントが必要
- まとめ:リーバイス rタグは知れば知るほど奥が深い特別なディテール
通常の赤タブとrタグの違いはLEVI’Sの文字の有無
リーバイス rタグと通常の赤タブの最も明確で分かりやすい違いは、「LEVI’S」または「Levi’s」という社名文字の有無です。通常の赤タブには社名が刺繍されているのに対し、rタグには社名がなく、レジスターマーク(®)のみが表示されています。
赤タブの基本的な特徴は両者とも共通しています。赤い生地でできており、後ろポケットの端に縫い付けられ、タブの形状や大きさも基本的に同じです。しかし、この小さな違いがヴィンテージデニムのコレクターやリーバイスファンにとっては重要な識別ポイントとなっています。
📝 赤タブとrタブの比較表
項目 | 通常の赤タブ | rタブ |
---|---|---|
社名表記 | LEVI’S(ビッグE)またはLevi’s(スモールe) | なし |
表示マーク | 社名+®マーク | ®マークのみ |
出現時期 | 1936年頃から | 1960年代初頭から |
出現頻度 | 約90% | 約10% |
裏面 | 1953年以降は両面タブ(裏面は上下逆) | 同様の仕様 |
通常の赤タブは、年代によって表記が変化しています。1966年以前は「LEVI’S」(ビッグE)、**1966年以降は「Levi’s」(スモールe)**という表記になっています。また、1953年以降は両面タブとなり、裏面にも同じ文字が刺繍されていますが、裏面は上下が逆になっています。
一方、rタグには社名の代わりに「®」マークのみが表示されており、このマークの位置や大きさは年代によって若干の違いがあります。一般的には、タブの下の方に「®」マークが配置されていますが、初期のものではタブの外側の方に配置されているケースもあります。
また、刺繍の技法も重要な見分けポイントです。1982年頃までは刺繍で表現されていましたが、それ以降はプリント技術が導入され、文字の立体感に違いが見られます。古着で文字が完全に消えているタブを見かけた場合、それはプリントが剥がれたタイプである可能性が高く、本来のrタグとは異なるものです。
年代によってrタグのデザインや大きさが変化している
リーバイス rタグは年代によってそのデザインや特徴に明確な違いがあり、これらを理解することで製品の年代判別や価値評価の重要な手がかりとなります。特にヴィンテージデニムのコレクターにとって、これらの微細な違いを見分けることは必須のスキルと言えるでしょう。
🕰️ 年代別rタグの特徴一覧
年代 | 主な特徴 | 素材・技法 | 希少度 |
---|---|---|---|
1960年代初頭 | ®マークが外側配置の場合あり、小さめのサイズ | レーヨン生地使用 | 極めて稀少 |
1970年代 | 出現頻度上昇、革パッチとの組み合わせで判別 | 刺繍技法 | 非常に稀少 |
1980年代~現代 | 約10%の出現率、®マークが大きくはっきり | プリント技法も併用 | 比較的入手可能 |
1960年代初頭のrタグは最も希少で、「®」マークの位置が通常より外側にある場合があり、レーヨン生地が使用されています。「®」マークのサイズも後の時代のものより小さい傾向があります。また、60年代のZXXなどに付くrタグは「LEVI’Sの文字だけがない感じ」と表現され、通常のネーム入りタグと同じ大きさ位の®マークが特徴です。
1970年代のrタグは60年代より出現頻度が上がり(数%~5%程度)、革パッチの特徴とあわせて年代判別ができます。革パッチにはCARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENTの表記が出始めるため、これらの組み合わせで判断することができます。70505などのジャケットモデルでもrタグが見られるようになったのもこの時代です。
1980年代~現代のrタグは出現頻度が約10%程度に増加し、1982年頃からプリントタイプも登場しました(以前は刺繍のみ)。「®」マークがより大きく、はっきりしており、より鮮やかな赤色のタブが多くなっています。
特に古いXXデニムに付く初期のrタグは、後の時代のものと比べて一回り大きいRの刺繍が特徴とされています。製造方法の違いとして、初期のタブは刺繍で作られていましたが、1980年代初頭からは立体的なプリントのタブも登場しました。プリントタイプのものは経年変化で文字が剥がれてしまうことがあり、一見するとrタグのように見えることもありますが、これは本来のrタグとは異なるものです。
ボタン裏刻印が年代判別の重要な手がかりになる
リーバイスのヴィンテージ製品を識別する上で、赤タブと並んで極めて重要なのがボタン裏の刻印です。この刻印は製造工場や年代を示す貴重な情報源となっており、rタグ付きの製品の価値や希少性を判断する際にも非常に有効な手がかりとなります。
ボタン裏刻印とは、トップボタン(一番上のボタン)の裏側に刻まれた数字やアルファベットのことを指します。これらの刻印は製造工場を示していると考えられており、年代によって特徴的なパターンが存在します。
🔍 ボタン裏刻印の年代別分類
年代区分 | 刻印パターン | 代表例 | 特徴 |
---|---|---|---|
1950~70年代 | 一桁の数字・アルファベット | A, D, E, F, J, K, L, O, S, W, 2, 4, 5, 6, 8 | アルファベットと「2」は特に希少 |
1960~80年代 | 二桁の数字 | 10, 12, 14, 16, 17, 20 | 「16」工場は人気が高い |
1980~2000年初期 | 三桁の数字 | 273, 501, 513, 515, 522, 524, 527, 529, 532 | 「5」から始まるのは自社工場 |
現行モデル | 四桁の数字 | 各種 | 文字が詰まって見える |
特に注目すべき刻印として、**「6」や「524」(エルパソ工場、旧6工場)**があります。エルパソ工場は1950年代から長期間稼働した重要な工場で、66モデルなど人気モデルを多く製造していたため、コレクターからの評価も高い傾向があります。
また、**「555」(バレンシア工場)**は1996年~2003年に稼働したアメリカ最後のリーバイス工場として知られており、「メイド・イン・USA」製品の最終章を飾る工場として人気があります。現在はLVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)復刻ライン製造のため再開されています。
例えば、「脇割り、黒カン、インシームシングルの1981年頃の501でブランクタブ」という製品の場合、ボタン裏刻印を確認することで、実際にその年代のものかどうかを判断する材料になります。1981年頃であれば三桁の工場番号が刻印されている可能性が高く、これが年代特定の重要な証拠となります。
ただし、ボタン裏刻印だけで年代を確実に判断することは困難で、パッチやタブ、ステッチなど他の要素と組み合わせて総合的に判断することが重要です。刻印が擦れて読みにくくなっていることもあるため、複数の特徴を照らし合わせることが必要です。
工場番号から製造場所や年代を推測可能
リーバイスのデニムには、ボタン裏刻印以外にも製造工場を示す情報が記されています。これらの工場番号を理解することで、製品の製造場所や年代をより詳しく推測することができ、rタグ付き製品の価値をより正確に判断する助けになります。
リーバイスの工場番号は、主に以下の場所で確認することができます:ボタン裏刻印、内タグに記載された工場コード、パッチの刻印や印字です。特に1974年以降の製品には内タグが付けられるようになり、そこには製造年月と工場番号が記載されています。
🏭 主要工場番号とその特徴
工場番号 | 工場名・場所 | 稼働期間 | 特徴・人気度 |
---|---|---|---|
6/524 | エルパソ工場(旧6工場) | 1950年代~長期 | 66モデル等人気製品を製造、高評価 |
555 | バレンシア工場 | 1996~2003年 | 米国最後の工場、LVC復刻で再開 |
273 | ポーランド工場 | 1980年代以降 | 海外生産拠点の代表格 |
501, 513, 515, 522, 527, 529, 532 | リーバイス社工場 | 各種年代 | 自社製造の証明 |
624, 650, 653 | 社外工場 | 各種年代 | 外部委託生産 |
例えば、1990年代初頭のrタグ付き501で「555」工場製であれば、それはバレンシア工場で製造された比較的レアな組み合わせということになり、コレクターにとって価値の高いアイテムとなる可能性があります。
内タグには製造年月も記載されていることが多く、年代判別の重要な手がかりになります。1980年代後半から1990年代前半の内タグは、それ以前のものと比べて文字量が増え、7行になっています。6行目には工場番号が、7行目には製造年月が記載されるようになりました。
1995年以降は内タグのデザインがさらに変更され、製造情報がより明確に記載されるようになりました。例えば「324 10/02」という表記があれば、324工場で2002年10月に製造されたことを示しています。
これらの工場番号と年代情報を組み合わせることで、rタグ付き製品の歴史的背景や価値をより深く理解することができます。特に希少な工場や年代の組み合わせは、コレクターにとって魅力的な要素となり、市場価値にも直接的に反映されることが多いのです。
他のタブ種類(オレンジタブ、白タブなど)も存在する
リーバイスの製品を特徴づけるタブは、赤タブやrタグだけではありません。実は様々な色や形のタブが存在し、それぞれが特定のラインや用途を示しています。rタグの理解を深めるためにも、これらの多様なタブについて知識を持っておくことは重要です。
🎨 リーバイス タブの種類一覧
タブ種類 | 使用期間 | 主な用途・特徴 | 現在の状況 |
---|---|---|---|
赤タブ | 1936年~現在 | 定番・オリジナル商品群、「LEVI’S」または「Levi’s」表記 | 継続使用中 |
rタグ(赤タブ) | 1960年代初頭~現在 | ®マークのみ、約10%の確率で出現 | 継続生産中 |
オレンジタブ | 1960~70年代 | 廉価ライン、より手頃な価格の製品 | ヴィンテージアイテムとして人気 |
白タブ | 1970~80年代 | デニム以外の素材、縦向きに付けられる | 復刻版で時々登場 |
黒タブ | 各種年代 | 混紡素材の製品、スタプレ(スラックス)等 | 現在も使用 |
シルバータブ | 1990年代 | ファッション性重視、ワイドパンツやバギー等 | 復刻版として復活 |
オレンジタブは1960~70年代に登場した廉価ラインの証で、より手頃な価格で提供された製品に使用されました。現在ではヴィンテージアイテムとして高い人気を誇っており、当時の「安価版」とは正反対の価値を持っています。
白タブは1970~80年代に使用され、主にデニム以外の素材(コーデュロイなど)の製品に付けられました。通常は縦向きに付けられるのが特徴で(赤タブは横向き)、ワークを想定していないカジュアルパンツに多く見られます。
シルバータブは1990年代に人気を博したラインで、よりファッション性の高いデザインに使用されました。ワイドパンツやバギーパンツなどのトレンドアイテムに多く見られ、現在は復刻版として再登場しています。
これらの異なるタブの中でも、rタグのバリエーション(レジスターマークのみのタブ)が存在する可能性があります。特に赤タブの製品に最も多く見られますが、他の色のタブでも稀に発見されることがあります。
タブの色や表記はリーバイスの歴史を物語る重要な要素であり、ヴィンテージ製品の年代判別や価値評価の際の重要なポイントになります。コレクターやデニム愛好家は、これらの細かな違いに注目することで、リーバイスという歴史あるブランドの真の魅力と奥深さを発見することができるのです。
ヴィンテージ製品の識別には複数のポイントが必要
リーバイスのヴィンテージ製品、特にrタグ付きの希少なアイテムを正確に識別するためには、単一の要素だけでなく複数のポイントを総合的にチェックする必要があります。真贋判定や年代特定、価値評価において、これらの知識は欠かせません。
📋 ヴィンテージ識別の主要チェックポイント
カテゴリ | チェック項目 | 詳細 |
---|---|---|
タブ関連 | 赤タブの表記、均等V/不均等V、両面/片面 | LEVI’S/Levi’s/®のみ、1953年以降は両面 |
パッチ関連 | 素材、表記内容、型番記載 | 鹿革/革/紙/布、XX表記、ガーメント表記等 |
ボタン関連 | Vステッチ、ボタン種類、裏刻印 | 1960年代まで、足長R、月桂樹ボタン等 |
ステッチ関連 | バックポケット、インシーム、アウトシーム | シングル/チェーン、脇割り/赤耳 |
金具関連 | 隠しリベット、リベット素材 | 1937~66年、銅メッキ/アルミ |
1. タブの詳細な特徴 赤タブの表記(LEVI’S, Levi’s, または®のみ)、ビッグE(1966年以前)かスモールe(1966年以降)か、両面タブ(1953年以降)か片面タブ(1936~1952年)か、均等V(1953~1966年)か不均等V(1966年以降)か、刺繍(~1982年頃)かプリント(1982年以降)かなど、多角的な確認が必要です。
2. パッチの総合的な判断 素材(鹿革、革、紙、布など)、表記内容(XX表記、Every Garment Guaranteed表記など)、型番の記載方法(ダブルネーム、タイプ物など)、CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENTの有無と色(黒か赤か)などを総合的に判断します。
3. 構造的な特徴の確認 Vステッチの有無(1960年代までのモデル)、フロントボタンの種類(足長R、月桂樹ボタンなど)、ジッパーのメーカーとタイプ(GRIPPER, CONMAR, TALON, SCOVILLなど)、バックポケット裏のステッチタイプ(シングル:~1977年頃、チェーン:1977年以降)などです。
4. 細部のディテール インシームのステッチ(シングルかダブルか)、アウトシームの特徴(脇割りか赤耳か)、隠しリベットの有無(1937~66年)、リベット内側の素材(鉄の銅メッキ:~1963年頃、アルミ:1963年以降)、オフセットベルトループ(1950年代後半~1964年頃)の有無などを確認します。
これらの特徴を総合的に確認することで、製品の年代や真贋、希少性をより正確に判断することができます。例えば、rタグが付いていても、他の特徴が年代と合致していなければ、タブが後付けされている可能性も考慮する必要があります。
特に古いヴィンテージ品の場合、タブが損傷して補修されていることもあるため、タブ付近のステッチが他の箇所と微妙に違っていないかなど、細部の確認が重要です。また、状態のチェックも忘れてはいけません。リペアやダメージ、色落ちの具合なども価値に大きく影響するからです。
まとめ:リーバイス rタグは知れば知るほど奥が深い特別なディテール
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイス rタグとは®マークのみが表示された特別な赤タブで、「サークルR」や「ブランクタブ」とも呼ばれる
- rタグが存在する理由は、赤いタブそのものがリーバイスの商標登録であることを示すためである
- 現代製品での出現確率は約10%で、古い年代ではさらに低い確率となっている
- rタグの歴史は古く、XX期(1960年代初頭)から稀に存在していたことが確認されている
- 年代によってrタグのデザインや大きさに違いがあり、初期のものほど希少価値が高い
- コレクターやマニアの間では通常の赤タブよりも高い価値を持つレアアイテムとして扱われている
- オークションサイトでは高値で取引されることも多く、特にヴィンテージ品では数万円から10万円近い価格も見られる
- 通常の赤タブとの違いは「LEVI’S」文字の有無だけだが、この小さな差がコレクターにとって大きな意味を持つ
- ボタン裏刻印や工場番号と組み合わせることで、より正確な年代判別や価値評価が可能になる
- リーバイスには赤タブ以外にもオレンジタブ、白タブ、黒タブ、シルバータブなど多様なタブが存在する
- ヴィンテージ製品の正確な識別には、タブだけでなくパッチ、ステッチ、金具など複数の要素を総合的にチェックする必要がある
- rタグは単なる製造バリエーションではなく、リーバイスの歴史とブランド戦略を物語る興味深いディテールである
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13113316708
- https://levi-fun.com/levis-r-tag-rare/
- https://www.double-heart.jp/blog/staff_diary/6345/
- https://www.reddit.com/r/malefashionadvice/comments/eyt4e/cardboard_levis_tag_keep_or_remove/?tl=ja
- https://magnetsco.exblog.jp/22071833/
- https://thesource.com/49222949.html
- https://obsfuneralandcremation.com/index.php/shop/detail/obsfuneralandcremation.com/search?category=&search_word=%E5%B1%B1%E4%B9%8B%E5%86%85%E5%B9%B8%E5%A4%AB
- https://www.rohinicourtbarassociation.com/shopdetail/X693744651
- https://rotosol.solar/shop/detail/5629944
- https://fenixdesign.net/?f=235027914
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