リーバイス wpl423とは、多くのデニム愛好家が気になる謎めいた表記ですが、実はヴィンテージ鑑定における重要な手がかりの一つです。この小さな番号には、リーバイスの長い歴史と製造背景が詰まっており、年代判別や価値評価に欠かせない情報が隠されています。
WPL423の正体を理解することで、古着屋やリサイクルショップで掘り出し物を見つける確率が格段に上がります。また、手持ちのリーバイスがどの時代のものなのか、どの程度の価値があるのかを正確に把握できるようになります。本記事では、WPL423の基本的な意味から、実践的な年代判別方法、さらにはヴィンテージ市場での価値評価まで、徹底的に調査した情報をまとめました。
この記事のポイント |
---|
✅ WPL423の正確な意味と歴史的背景 |
✅ 年代判別における具体的な活用方法 |
✅ ヴィンテージ価値との関連性と相場情報 |
✅ 実際の鑑定で役立つ見分け方のコツ |
リーバイス WPL423とは何かを詳しく解説
- リーバイス WPL423とは米連邦取引委員会の登録番号のこと
- WPL423が表示される時期は1960年代後半から
- WPL423の表記により70年代以降のモデルと判別可能
- WPL423と併記される洗濯表示の重要性
- WPL423表記のあるパッチの種類と特徴
- WPL423を活用したヴィンテージ年代判別法
リーバイス WPL423とは米連邦取引委員会の登録番号のこと
リーバイス WPL423とは、リーバイス社が米連邦取引委員会(FTC:Federal Trade Commission)に登録した番号のことです。この番号は、繊維製品の製造業者や輸入業者が製品に表示することを義務付けられた識別番号で、消費者保護の観点から導入されました。
WPLは「Wool Products Labeling」の略称ですが、実際にはウール製品以外にも幅広い繊維製品に使用されています。リーバイス社の場合、デニム製品を含む全ての繊維製品にこの番号を表示しています。423という数字は、リーバイス社固有の登録番号であり、他のメーカーとは異なります。
この制度が始まった背景には、1930年代から1940年代にかけて、繊維製品の品質表示に関する消費者の混乱があります。当時は製造業者の情報が不明確なケースが多く、品質トラブルが発生した際の責任の所在が曖昧でした。
🔍 WPL番号の基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | Wool Products Labeling番号 |
管轄機関 | 米連邦取引委員会(FTC) |
リーバイス番号 | 423 |
導入目的 | 製造業者の明確化と消費者保護 |
FTCの記録によると、WPL423は1950年代初頭にリーバイス社に割り当てられました。ただし、実際にデニム製品のパッチに表示されるようになったのは、おそらく1960年代後半からと考えられています。この時期の遅れは、デニム製品への表示義務の適用が段階的に行われたためかもしれません。
WPL423が表示される時期は1960年代後半から
リーバイス501のパッチにWPL423の表記が初めて加わったのは60年代後半のことです。それまでのリーバイス製品には、この番号は表示されていませんでした。具体的には、1966年から1968年頃にかけて段階的に導入されたと推測されます。
この時期は、リーバイスにとって大きな転換点でもありました。従来の「Every Garment Guaranteed」(全ての商品を保証)というスローガンから、より実用的な品質表示へと移行していく時代です。WPL423の表示は、こうした品質管理体制の現代化の一環として導入されました。
それ以降の現行を含めて全ての501のモデルのパッチにはWPL423の表記があります。つまり、WPL423が表示されていないリーバイス501は、1960年代中期以前の製造品である可能性が極めて高いということになります。
📅 WPL423導入のタイムライン
年代 | 状況 | 特徴 |
---|---|---|
~1965年 | WPL423表記なし | Every Garment Guaranteed時代 |
1966-1968年 | 段階的導入期 | 移行期のため例外あり |
1968年~現在 | 完全導入 | 全モデルにWPL423表記 |
ヴィンテージコレクターの間では、WPL423が表示されていない1960年代前期までのモデルは特に価値が高いとされています。これは単純に古いからというだけでなく、製造数も相対的に少なく、現存する良好なコンディションのものが希少だからです。
また、WPL423の表示場所も時代によって微妙に異なります。初期のものは文字が小さく控えめに表示されていましたが、後期になるほど見やすい位置に明確に記載されるようになりました。
WPL423の表記により70年代以降のモデルと判別可能
WPL423の表記があることで、そのリーバイス501は70年代以降のモデルであることがほぼ確実に判断できます。これは年代鑑定における非常に重要な指標の一つです。ただし、正確には1960年代後半からの導入なので、より厳密には1968年以降のモデルと考えるのが適切でしょう。
この判別方法が重要な理由は、リーバイスの洗濯取り扱い表記のタグが付けられたのが基本的に70年代からだからです。つまり、WPL423の表記と洗濯表示の両方がある場合、そのジーンズは1970年代以降の製造品と断定できます。
実際の鑑定では、パッチの劣化や摩耗により年代判別が困難なケースが多々あります。そんな時、WPL423の有無は決定的な判断材料になります。特に古着市場では、年代を偽って販売されるケースもあるため、このような客観的な指標は非常に価値があります。
⚖️ 年代判別の確実性レベル
表記状況 | 判別可能年代 | 確実性 |
---|---|---|
WPL423なし | ~1960年代中期 | 95% |
WPL423あり・洗濯表示なし | 1960年代後半~1970年代前期 | 90% |
WPL423あり・洗濯表示あり | 1970年代~現在 | 99% |
ただし、例外的なケースも存在します。移行期の1966年から1968年頃には、WPL423が表示されていても他の特徴から1960年代のモデルと判定されるものもあります。このため、WPL423だけでなく、パッチのデザイン、ボタン裏刻印、赤タブの仕様なども総合的に判断する必要があります。
年代判別において、WPL423は「最低でもこの年代以降」という下限を示す重要な指標として機能します。これにより、明らかに時代が合わない偽物や、年代を偽装した商品を見抜くことができるのです。
WPL423と併記される洗濯表示の重要性
WPL423と密接に関係するのが、洗濯取り扱い表記の存在です。リーバイス501に洗濯表示が付けられるようになったのは基本的に70年代からで、それ以前は内側にタグがありませんでした。この洗濯表示とWPL423の組み合わせは、年代判別において極めて重要な手がかりとなります。
洗濯表示には、具体的な取り扱い方法だけでなく、収縮率も記載されています。例えば、「shrink approx.8%」(約8%収縮)と記載されているものは比較的古いモデルで、「shrink approx.10%」(約10%収縮)と記載されているものは1981年以降のモデルの可能性が高くなります。
特に注目すべきは、「SF207」という表記です。これは1971年に導入された洗濯表示の初期に見られる表記で、Federal Trade Commission(連邦取引委員会)の規則に基づいて表示されていました。SF207の表記がある場合、そのジーンズは1970年代前期のモデルである可能性が高いと判断できます。
🧼 洗濯表示の変遷と年代
表示内容 | 年代 | 特徴 |
---|---|---|
表示なし | ~1970年 | 内側タグなし |
SF207表記 | 1971~1970年代中期 | 初期洗濯表示 |
shrink approx.8% | 1970年代~1981年 | 収縮率8% |
shrink approx.10% | 1981年~ | 収縮率10% |
洗濯表示の文字も時代によって特徴があります。初期のものは比較的簡素で、文字も小さめです。1980年代以降になると、より詳細な取り扱い方法が記載され、文字も読みやすくなります。また、リーバイスのロゴが洗濯表示に含まれるようになったのは1980年代中期以降です。
WPL423と洗濯表示を組み合わせて見ることで、単独では判別困難な微妙な年代差も識別可能になります。特に1970年代から1980年代にかけての判別では、この組み合わせが威力を発揮します。
WPL423表記のあるパッチの種類と特徴
WPL423が表記されるパッチの種類と材質も、年代判別において重要な要素です。リーバイスのパッチは時代と共に素材やデザインが変化しており、WPL423の表記方法も それに応じて変わってきました。
1960年代後半から1970年代前期のパッチは、厚めの紙素材(ジャクロン)を使用しており、WPL423の表記も比較的控えめです。文字は小さく、パッチ下部の片隅に記載されていることが多く、時には見落としてしまうほど目立たない場合もあります。
1970年代中期以降になると、パッチのデザインがより統一され、WPL423の表記位置も標準化されます。通常は「100% COTTON MADE IN U.S.A WPL423」という形で、パッチの下部中央に記載されるようになります。
💡 パッチ別WPL423表記の特徴
年代 | パッチ材質 | WPL423表記 |
---|---|---|
1960年代後半 | 厚紙(ジャクロン) | 小さく控えめ |
1970年代前期 | 厚紙(ジャクロン) | 標準サイズ |
1970年代中期~ | 薄紙 | 明確に表記 |
1980年代~ | 合成材質 | より見やすく |
ダブルネーム期(1966-1967年)のパッチでは、WPL423の表記と共に、新旧の型番が併記されているケースがあります。例えば、大きく「501」と表示されながら、端に小さく「501XX」と記載されているものなどです。この時期のパッチは、製造の混乱を避けるために導入された過渡期の特徴と言えます。
また、タイプ物と呼ばれる1967年から1969年頃のパッチでは、WPL423と共にアルファベット(A、S、F、Iなど)が印字されています。これらの文字の意味は完全には解明されていませんが、品質ランクや出荷先を示していたという説が有力です。
WPL423を活用したヴィンテージ年代判別法
WPL423を基準とした実践的な年代判別法をマスターすることで、古着市場でのヴィンテージハンティングが格段に効率的になります。ここでは、実際の鑑定現場で使える具体的なチェック方法を紹介します。
まず最初に確認すべきは、WPL423の有無です。表記がない場合は1960年代中期以前のモデルの可能性が高く、それだけで相当な価値がある可能性があります。表記がある場合は、次のステップに進みます。
第二段階では、WPL423と併記されている他の情報を確認します。「100% COTTON」「MADE IN U.S.A」などの表記と共に、型番の表示方法をチェックします。「501XX」と表記されているか、単に「501」なのか、さらには®マークがついているかなど、細部の違いが年代特定の鍵になります。
🔍 実践的年代判別チェックリスト
チェック項目 | 年代の手がかり | 重要度 |
---|---|---|
WPL423の有無 | 1960年代後半以降 | ★★★ |
洗濯表示の有無 | 1970年代以降 | ★★★ |
パッチのデザイン | 具体的年代範囲 | ★★☆ |
型番表記方法 | 詳細時期特定 | ★★☆ |
ボタン裏刻印 | 工場・年代特定 | ★★★ |
第三段階では、WPL423以外の年代判別要素と照らし合わせます。特に重要なのがボタン裏の刻印、赤タブの仕様、ステッチの特徴などです。これらの要素を総合的に判断することで、より正確な年代特定が可能になります。
例えば、WPL423の表記があり、洗濯表示に「shrink approx.8%」とあり、赤タブが「LEVI’S」(大文字のE)であれば、1971年から1978年頃のモデルと判定できます。一方、小文字の「e」になっている場合は1971年以降、さらに二重ステッチのバックポケットなら1978年以降と、段階的に絞り込んでいけます。
この判別法の最大のメリットは、パッチが破損していても他の要素で補完できる点です。WPL423だけでなく複数の指標を組み合わせることで、確実性の高い年代判定が可能になります。
リーバイス WPL423が示すヴィンテージ価値と鑑定方法
- 66前期モデルの特徴とWPL423の関係
- ボタン裏刻印とWPL423の組み合わせ判定法
- 赤タブの変遷とWPL423の時代背景
- リーバイス505やその他モデルのWPL423表記
- WPL423表記モデルの現在価値と相場
- パッチ現行モデルとヴィンテージの見分け方
- まとめ:リーバイス WPL423とは年代判別の重要指標
66前期モデルの特徴とWPL423の関係
66前期モデルは、ヴィンテージリーバイスの中でも特に人気が高く、価値のあるモデルの一つです。このモデルとWPL423の関係を理解することは、ヴィンテージ鑑定において極めて重要です。66前期は1976年1月製造とされるケースが多く、この時期のモデルには確実にWPL423の表記があります。
66前期モデルの最大の特徴は、縦状にきれいな色落ちをすることで定評があり、デニム愛好家の間では「育てがいのあるデニム」として高い人気を誇ります。未使用の状態から穿き込んで色落ちを楽しむことができるため、66前期のデッドストックを探している人は少なくありません。
WPL423の表記がある66前期の判別ポイントとして、コピーライト更新年が1966年であることが挙げられます。フラッシャー(オレンジ色の紙製タグ)の中央最下部に「©1966」と記載されているのが典型的な特徴です。また、内側の洗濯タグにはロゴなしの小さいタグが使用されています。
🎯 66前期モデルの識別ポイント
特徴 | 詳細 | 確認箇所 |
---|---|---|
WPL423表記 | 必ず表記あり | パッチ下部 |
コピーライト | ©1966 | フラッシャー下部 |
洗濯タグ | ロゴなし小型 | 左脚内側 |
ステッチ | バックポケット:シングル、裾:チェーン | ポケット裏・裾 |
製造年月表記 | 76年1月が多い | 内タグまたはボタン裏 |
66前期と後期の違いも重要な判別ポイントです。前期と後期では価格帯にかなり差があります。前期の方が希少性が高く、現在の相場では8万円前後から15万円程度で取引されることもあります。一方、後期は前期ほどの価値はつかないのが一般的です。
ボタン裏の刻印も66前期の特定に役立ちます。フロントのトップボタンの裏には**「6」(下にアンダーバー入り)の刻印**がされていることが多く、これも66前期を示す重要な手がかりとなります。
ボタン裏刻印とWPL423の組み合わせ判定法
ボタン裏刻印は、WPL423と組み合わせることで、より精密な年代判別が可能になる重要な要素です。ボタン裏の刻印は製造工場を示しているとされ、特定の工場と年代の関係性から、製造時期を特定する手がかりとなります。
最も注目すべきは**「555」刻印**で、これはバレンシア工場で製造された証です。バレンシア工場は1996年から2003年まで稼働し、最後のアメリカ製リーバイスを製造した工場として知られています。WPL423の表記と555刻印の組み合わせがあれば、1996年以降2003年までのアメリカ製最終期のモデルと判定できます。
**「524」刻印(旧6工場、エルパソ工場)**も重要な指標です。この工場は1桁時代に製造していた66モデルの6刻印から旧6工場と呼ばれ、WPL423表記と524刻印の組み合わせは、1980年代から1990年代の特定期間のモデルを示します。
⚙️ 主要工場番号とWPL423の関係
ボタン裏刻印 | 工場名 | 稼働期間 | WPL423との組み合わせ年代 |
---|---|---|---|
555 | バレンシア工場 | 1996-2003 | 1996-2003(最終米国製) |
524 | エルパソ工場 | 1980年代- | 1980年代-1990年代 |
16 | 16工場 | 1950年代-1970年代中期 | 1968-1970年代中期 |
6 | 旧6工場 | -1970年代 | 1968-1970年代 |
「16」刻印の工場は50年代から70年代中期まで長期にわたって稼働していた工場で、変わったモデルが多く、人気のある刻印です。WPL423表記と16刻印の組み合わせがある場合は、1968年から1970年代中期のモデルと推定できます。
実際の鑑定では、ボタン裏刻印が錆びていたり、擦れや刻印自体が薄い場合があります。文字が読めない場合は、WPL423の表記と他の要素(赤タブ、ステッチ、パッチデザインなど)を総合的に判断する必要があります。
3桁の工場番号(273、501、513、515、522、527、529、532、544、552、553、558、575、624、650、653など)は1980年から2000年初期のものです。5から始まるのはリーバイス社の工場、6から始まるのは社外工場を表しています。
赤タブの変遷とWPL423の時代背景
赤タブの変遷とWPL423の導入時期には密接な関係があり、両者を組み合わせることで、より正確な年代判別が可能になります。赤タブは1936年に初めて導入されてから、デザインや仕様が何度も変更されており、それぞれの時期の特徴を把握することが重要です。
WPL423が導入された1960年代後半は、赤タブにとっても重要な転換期でした。1953年から使用されていた「両面タブ・均等V」から、1966年に「両面タブ・不均等V」への変更が行われた時期と重なります。つまり、WPL423表記があり、かつ均等Vの赤タブが付いているモデルは、極めて短期間(1966-1968年頃)の製造品の可能性があります。
1971年の株式公開時には、リーバイスは赤タブのブランドネームを「LEVI’S」から「Levi’s」へと変更しました。これが**ビッグE(大文字のE)とスモールe(小文字のe)**の分かれ目です。WPL423表記があり、ビッグEの赤タブが付いているモデルは、1966年から1971年の間の製造品と特定できます。
🏷️ 赤タブとWPL423の組み合わせ年代表
赤タブ仕様 | WPL423表記 | 推定年代 | 希少性 |
---|---|---|---|
均等V・LEVI’S | あり | 1966-1968 | 極めて高い |
不均等V・LEVI’S | あり | 1966-1971 | 高い |
不均等V・Levi’s | あり | 1971-1974 | 中程度 |
不均等V・Levi’s(プリント) | あり | 1982- | 低い |
1974年頃からは、赤タブの「E」が小文字の「e」に変更されました。WPL423表記とスモールeの組み合わせは、1974年以降のモデルを示します。さらに1982年頃からは、刺繍からプリントに変更されており、文字の立体感や糸の光沢の違いで判別可能です。
興味深いのは、レジスターマーク®のみのタブの存在です。リーバイスがタブそのものの商標権を持っていることを示すため、社名なしでRマークのみのバージョンを10本に1本程度の割合で含めていました。このようなタブにもWPL423は表記されており、希少性から収集対象となることがあります。
WPL423の導入と赤タブの変遷を理解することで、復刻版と本物のヴィンテージを見分けることも可能になります。復刻版では、アルファベット+数字(特に日本企画モデルには「J」が先頭に付く)の工場番号が使用されるため、オリジナルとの違いを識別できます。
リーバイス505やその他モデルのWPL423表記
リーバイス505をはじめとする他のモデルにおけるWPL423表記も、501と同様に重要な年代判別の指標となります。505は501と並ぶリーバイスの代表的なモデルの一つで、ストレート系でありながら501よりも太めのシルエットが特徴です。
505にWPL423が表記されるようになった時期も、501と同じく1960年代後半からです。ただし、505は501ほど長い歴史を持っていないため、WPL423表記のない505は存在しないか、極めて少数と考えられます。これは、505の本格的な製造開始とWPL423の導入時期が重なっているためです。
502(ストレート・ジップフライ)、503(ルーズストレート)、**517(ブーツカット)**などの他モデルでも、WPL423の表記は共通しています。これらのモデルでは、501のような長い歴史的変遷はありませんが、WPL423と共に表記される製造年月や工場番号により、年代特定が可能です。
📊 主要モデル別WPL423表記開始時期
モデル番号 | モデル名 | WPL423表記開始 | 特徴 |
---|---|---|---|
501 | ストレート(ボタンフライ) | 1960年代後半 | 最長歴史 |
502 | ストレート(ジップフライ) | 製造開始時から | 短期製造 |
503 | ルーズストレート | 製造開始時から | 現代的シルエット |
505 | ストレート(太め) | 1960年代後半 | 501より太め |
517 | ブーツカット | 製造開始時から | フレア形状 |
**646(ベルボトム)**は517よりもヒッピー寄りのデザインで、1960年代後期から1970年代の流行を反映したモデルです。このモデルのWPL423表記は、当時のカウンターカルチャーとの関連で、文化的価値も含めて評価されることがあります。
**551Z(ストレート・ヴィンテージスタイル)**は、501のヴィンテージ復刻版として製造されたモデルです。このモデルにもWPL423は表記されますが、復刻版特有の工場番号(アルファベット+数字の組み合わせ)により、オリジナルとは区別されます。
興味深いのは**デニムジャケット(CA00342)**における、WPL423表記です。ジャケットの場合、ジーンズとは異なる製造ラインで作られることが多く、WPL423の表記位置や方法も若干異なります。ジャケットでは、内側のケアラベルにWPL423が表記されることが一般的です。
WPL423表記モデルの現在価値と相場
WPL423表記があるリーバイスの現在価値は、年代、モデル、コンディション、サイズなどによって大きく異なります。一般的に、WPL423の表記があるということは1960年代後半以降のモデルであることを意味し、それより古いモデルと比較すると相対的に価値は下がります。しかし、それでも十分に価値のあるヴィンテージアイテムです。
**66前期モデル(WPL423表記あり)**の場合、デッドストックでフラッシャーとギャランティーチケット付きの良好なコンディションであれば、8万円前後から15万円程度の価格帯で取引されています。店舗によってはさらに高い価格を提示している場合もあります。これは66前期の色落ちの美しさと希少性が評価されているためです。
1970年代前期のビッグEモデル(WPL423表記あり)は、3万円から8万円程度が相場となっています。ただし、サイズがゴールデンサイズ(ウエスト32インチ前後、レングス32-34インチ)であれば、価格は上がる傾向があります。
💰 WPL423表記モデルの価値相場
年代・モデル | コンディション | 価格帯(円) | 市場評価 |
---|---|---|---|
66前期(1970年代前期) | デッドストック | 80,000-150,000 | 最高級 |
ビッグE(1960年代後半-1971年) | 良好 | 30,000-80,000 | 高級 |
スモールe(1970年代) | 良好 | 15,000-40,000 | 中級 |
1980年代 | 良好 | 5,000-20,000 | 入門級 |
赤耳(セルベッジ)付きモデルの場合、WPL423表記があっても価値は大幅に上がります。1980年代前半頃までの赤耳モデルは、90年代にはレギュラー扱いでしたが、近年はヴィンテージ501デッドストックが枯渇状態にあることから、赤耳でもデッドストックはかなり希少性が高くなっています。
サイズによる価格差も重要な要素です。極端にウエストが小さい(29インチ以下)ものや、レングスが極端に短い(30インチ未満)ものは、需要が限られるため価格への影響があります。逆に、ゴールデンサイズは多くの人が着用可能なため、高値で取引される傾向があります。
コンディションの影響は価格に大きく反映されます。股ズレ、中途半端な位置のダメージ、素人によるリペアがあるものは、WPL423表記があっても価値は大幅に下がります。古着としては、リペア、ダメージ、色落ちは価値が下がる要因となることが多いためです。
パッチ現行モデルとヴィンテージの見分け方
現行モデルとヴィンテージの見分け方において、WPL423の表記は基本的な指標の一つですが、現行モデルにもWPL423は表記されているため、これだけでは判別できません。重要なのは、WPL423と共に表記されるその他の情報との組み合わせです。
現行モデルの特徴として、まず4桁の工場番号があります。ボタン裏の刻印が4桁の場合、明らかに文字が詰まっており、これは現行の特徴です。また、パッチの印刷技術も現代的で、色彩や解像度が高く、紙質も現代的な合成素材を使用している場合が多くあります。
ヴィンテージの特徴は、製造時代に応じた古い印刷技術や紙質にあります。1970年代から1980年代のパッチは、現代と比較すると印刷が粗く、色彩も限られています。特に黒字のスタンプで押された工場番号や製造年月は、ヴィンテージの典型的特徴です。
🔍 現行モデルとヴィンテージの判別ポイント
要素 | ヴィンテージ | 現行モデル |
---|---|---|
工場番号 | 1-3桁 | 4桁(文字詰まり) |
印刷技術 | 粗い、色彩限定 | 高解像度、豊富な色彩 |
紙質 | 時代相応の素材 | 現代的合成素材 |
Made in表記 | Made in USA(2003年まで) | Made in ○○(海外製) |
価格 | 高額(希少価値) | 定価販売 |
「Made in USA」表記は、ヴィンテージ判別の決定的な要素です。WPL423表記と「Made in USA」の組み合わせは、2003年までのアメリカ製を意味します。2003年にバレンシア工場が閉鎖された後は、リーバイスの生産拠点は海外に移転したため、「Made in Mexico」「Made in Turkey」などの表記になっています。
**復刻版(Levi’s Vintage Clothing)**の場合は、さらに注意深い判別が必要です。復刻版にもWPL423が表記されますが、工場番号がアルファベット+数字の組み合わせになっていることが多く、また現代の高い印刷技術で作られているため、紙質や印刷の質感でオリジナルと区別できます。
内タグの仕様も重要な判別点です。現行モデルの内タグは、現代の法的要求に応じてより多くの情報が記載されており、多言語表記になっていることも特徴の一つです。一方、ヴィンテージの内タグは比較的簡素で、英語のみの場合がほとんどです。
まとめ:リーバイス WPL423とは年代判別の重要指標
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイス WPL423とは、米連邦取引委員会(FTC)に登録されたリーバイス社固有の識別番号である
- WPL423の表記は1960年代後半から開始され、それ以降の全てのリーバイス製品に表示されている
- WPL423の有無により、1960年代中期以前のモデルとそれ以降のモデルを明確に区別できる
- WPL423と洗濯表示の組み合わせにより、1970年代以降のモデルであることがほぼ確実に判定可能である
- 66前期モデルのようなヴィンテージ品の特定において、WPL423は重要な基準点となる
- ボタン裏刻印とWPL423の組み合わせで、製造工場と年代のより詳細な特定が可能である
- 赤タブの変遷とWPL423の導入時期は密接に関連しており、両者の組み合わせで年代を絞り込める
- 505などの他モデルでも、WPL423の表記は501と同様の年代判別指標として機能する
- WPL423表記モデルの現在価値は年代・モデル・コンディションにより8万円~15万円の幅がある
- 現行モデルにもWPL423は表記されるため、工場番号や印刷技術等の総合判断が必要である
- 「Made in USA」とWPL423の組み合わせは2003年までのアメリカ製を示す決定的証拠である
- 復刻版の判別には、工場番号の表記方法と印刷技術の質感の違いに注目することが重要である
- WPL423を基準とした年代判別法をマスターすることで、古着市場での鑑定精度が格段に向上する
- パッチの材質や印刷方法の時代的変化も、WPL423と合わせて確認すべき重要な要素である
- ヴィンテージコレクションにおいて、WPL423は真贋判定と価値評価の基礎的指標として機能している
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14110928779
- https://www.style-eco.com/brand_colum/levi_s/25951.html
- https://www.ebay.com/itm/114207469269
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://www.heddels.com/2016/11/vintage-levis-501-jeans-the-ultimate-collectors-guide/
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