近年、ヴィンテージデニム市場においてリーバイス 501 80年代 赤耳 相場が注目を集めています。1980年代に製造されたリーバイス501の赤耳モデルは、セルビッジデニムの最後の時代を象徴するアイテムとして、コレクターや古着愛好家から高い評価を受けているのです。Yahoo!オークションのデータによると、過去180日間で313件が取引され、平均落札価格は20,363円となっており、状態の良いものでは10万円を超える価格で取引されるケースも珍しくありません。
80年代の赤耳モデルは1980年から1986年という限られた期間でのみ製造されたため、現在では希少性が高まり続けています。特に前期モデル(1980~1983年製造)と後期モデル(1984~1986年製造)では、バータックの色や内タグのデザインなどの違いにより、価格に大きな差が生まれているのが実情です。この記事では、豊富な取引データと専門知識を基に、80年代赤耳モデルの相場動向と価格形成要因を詳しく解説します。
この記事のポイント |
---|
✅ 80年代赤耳モデルの現在の相場価格帯を具体的な数値で把握できる |
✅ 前期・後期モデルの見分け方と価格差の理由が明確になる |
✅ オークションや古着店での実際の取引価格を比較検討できる |
✅ 相場を左右する要因を理解して適正価格での購入判断ができる |
リーバイス501の80年代赤耳モデルにおける相場の実態
- リーバイス501の80年代赤耳モデルの相場は平均2〜4万円
- 赤耳前期と後期で価格差が生まれる理由は希少性の違い
- オークションサイトでの落札実績から読み取れる相場動向
- デッドストック品の相場は通常品の2〜5倍の価格帯
- サイズとコンディションが価格に与える影響は想像以上
- 古着店での販売価格と個人売買の価格差の実情
リーバイス501の80年代赤耳モデルの相場は平均2〜4万円
現在の市場において、80年代のリーバイス501赤耳モデルの相場は平均的に2万円から4万円の価格帯で推移しています。Yahoo!オークションの過去180日間のデータを分析すると、313件の落札実績で平均価格は20,363円となっており、最安値1,000円から最高値150,000円という幅広い価格レンジで取引されていることがわかります。
この価格差の背景には、製造年代、コンディション、サイズ、希少性など複数の要因が複雑に絡み合っています。一般的な中古品であれば1万円台から3万円台での取引が主流ですが、デッドストック品や極上のコンディションを保った個体では5万円を超える価格で落札されるケースも頻繁に見られます。
📊 80年代赤耳モデルの価格帯別分布
価格帯 | 取引割合 | 主な特徴 |
---|---|---|
1万円未満 | 約35% | ダメージあり、リペア済み、小サイズ |
1-3万円 | 約45% | 一般的な中古品、軽微な使用感 |
3-6万円 | 約15% | 良好なコンディション、人気サイズ |
6万円以上 | 約5% | デッドストック、極上品、特殊仕様 |
オークファンのデータによると、過去の取引実績では直近30日の平均価格が36,011円となっており、Yahoo!オークションのデータよりもやや高い傾向を示しています。これは、オークファンが複数のプラットフォームのデータを集計しているため、より高価格帯での取引も含まれているためと推測されます。
特に注目すべきは、2020年以降のヴィンテージデニム市場の高騰です。古着業界では「今日現在が最安値」という合言葉があるほど価格上昇が続いており、5年前には1万円台で購入できた同じコンディションの個体が、現在では3万円以上で取引されるケースも珍しくありません。
赤耳前期と後期で価格差が生まれる理由は希少性の違い
80年代の赤耳モデルは製造時期により**前期(1980~1983年)と後期(1984~1986年)**に分類され、この違いが価格形成に大きな影響を与えています。前期モデルの方が希少性が高く評価される傾向にあり、同じコンディションであっても1万円から2万円程度の価格差が生じることが一般的です。
前期と後期の最も分かりやすい違いはバータック(カンヌキ止め)の糸の色です。前期モデルでは黒色または紺色の糸が使用されているのに対し、後期モデルでは金色の糸が使用されています。この違いは製造工程の変更によるものですが、コレクターの間では前期の黒カンヌキがより伝統的で価値があるものとして認識されています。
🔍 前期・後期の主要な違い
項目 | 前期(1980-1983年) | 後期(1984-1986年) |
---|---|---|
バータック | 黒色・紺色 | 金色 |
内タグ | 2つ折り紙タイプ | 1枚紙タイプ |
生産規模 | 比較的少量 | 大量生産 |
希少性 | 高 | 中程度 |
相場価格 | 高め | 前期より低め |
また、前期モデルには内股シングル仕様というディテールが残されており、これは66後期モデルから続く仕様として、よりヴィンテージらしさを演出する要素となっています。後期モデルではコスト削減の一環として内股ダブル仕様に変更されており、このような細かなディテールの違いも価格差の要因となっています。
セルビッジの付いた29インチ幅デニムは1983年をもって最後の生産を終えていますが、実際には在庫生地を使って1986年まで赤耳モデルの生産が続けられました。このため、後期モデルの方が在庫数が多く、相対的に価格が抑えられる傾向にあります。
オークションサイトでの落札実績から読み取れる相場動向
複数のオークションサイトでの実際の取引データを分析すると、80年代赤耳モデルの相場には明確な上昇トレンドが確認できます。特に2020年以降、新型コロナウイルスの影響でアメリカンカジュアルが再評価されたことにより、ヴィンテージデニム全体の需要が急激に高まっています。
Yahoo!オークションでの具体的な落札事例を見ると、状態の良い80年代赤耳モデルでは以下のような価格帯で取引されています:
📈 最近の注目落札事例
商品詳細 | 落札価格 | 特徴 |
---|---|---|
W35L30 真紺 80’s 501 赤耳 | 101,000円 | 極上コンディション |
W33 82年製 赤耳 黒カン | 21,900円 | オリジナルレングス |
W34 80年代前期 赤耳 | 29,499円 | 66後期セルビッチ |
W28 希少サイズ 赤耳 | 17,641円 | 小サイズの希少性 |
特に真紺(濃紺)のコンディションを保った個体は高値で取引される傾向があり、色落ちが進んだ個体との価格差は2倍から3倍にもなることがあります。また、W33からW36のいわゆる「ゴールデンサイズ」は需要が高く、同じコンディションでも小サイズや大サイズより高値で落札される傾向があります。
オークション相場の特徴として、開始価格の設定方法による落札価格への影響も見逃せません。1円スタートの商品は入札が集中しやすく、結果的に相場より高値で落札されるケースが多い一方、即決価格を設定した商品は相場通りまたは相場以下で取引される傾向があります。
メルカリなどのフリマアプリでは、オークションサイトよりもやや高めの価格設定が一般的です。これは、即座に購入できる利便性に対する対価として、購入者が多少の価格プレミアムを受け入れているためと考えられます。
デッドストック品の相場は通常品の2〜5倍の価格帯
80年代赤耳モデルの中でも、未使用のデッドストック品は別格の価格帯で取引されています。ベルベルジンなどの老舗ヴィンテージ古着店では、デッドストック品が5万円から15万円という価格で販売されており、通常の中古品との価格差は2倍から5倍にも及びます。
デッドストック品が高価格で取引される理由は、単純に未使用であることだけではなく、オリジナルの色合いと質感を完全に保っているからです。80年代当時のインディゴの発色や生地の硬さ、パッチの状態など、すべてが製造時のままであることは、コレクターにとって非常に価値のある要素となっています。
🏷️ デッドストック品の価格事例
店舗・サイト | 商品詳細 | 価格 |
---|---|---|
BerBerJin | 80’s 501 赤耳 W32×36 | 59,800円 |
BerBerJin | 80’s 501 内股シングル W36×31 | 158,000円 |
古着店実例 | 83年製デッドストック | 108,000円 |
ヤフオク | W60 L30 デッドストック | 62,000円 |
特に1983年製の前期デッドストック品は最も希少性が高く、10万円を超える価格で取引されることも珍しくありません。これらの個体は、赤耳モデルの最終年にあたる1983年の製造であることと、黒カンヌキや内股シングルなどの前期ディテールを完璧に保っていることから、コレクターの間で最高級の評価を受けています。
デッドストック品の購入を検討する際には、タグやフラッシャーの有無も重要な判断材料となります。オリジナルのタグが残っている個体は、そうでない個体よりもさらに高い価値が認められ、価格にも反映されます。
ただし、デッドストック品であっても経年による変化は避けられません。保管状態によっては、インディゴの酸化や生地の劣化が進んでいる場合もあるため、購入前の詳細な状態確認が必要不可欠です。
サイズとコンディションが価格に与える影響は想像以上
80年代赤耳モデルの相場において、サイズとコンディションは価格決定の最重要要素の一つです。同じ年代、同じ仕様の個体であっても、これらの違いにより価格が2倍から3倍変動することは決して珍しいことではありません。
サイズに関しては、**W32からW36のいわゆる「ゴールデンサイズ」**が最も需要が高く、相場価格を牽引しています。特にW33とW34は日本人男性の標準的な体型にフィットしやすいため、コンディションが同等であれば他のサイズより1万円から2万円高い価格で取引される傾向があります。
📏 サイズ別価格傾向
ウエストサイズ | 価格傾向 | 需要レベル | 主な理由 |
---|---|---|---|
W28-W30 | 相場の70-80% | 低 | 体型に合う人が限定的 |
W31-W32 | 相場の90-95% | 中 | やや細身の需要層 |
W33-W34 | 相場の100-120% | 高 | 最も人気の高いサイズ |
W35-W36 | 相場の95-105% | 中高 | ゆったり派の需要 |
W38以上 | 相場の60-70% | 低 | 該当体型が少数 |
コンディションに関しては、インディゴの色残り具合が価格に最も大きな影響を与えます。真紺(しんこん)と呼ばれる濃紺状態を保った個体は、色落ちが進んだ個体の2倍から3倍の価格で取引されることも珍しくありません。これは、現在では再現不可能な当時のインディゴ染料による独特の発色を楽しめることと、自分好みに育てていける楽しみがあるためです。
また、ヒゲやハチノスなどの自然な色落ちが美しく出ている個体も高く評価されます。これらの色落ちパターンは着用者の体型や歩き方、履き方の癖によって形成されるため、同じ個体は二つと存在しない唯一無二の価値があります。
リペア(修理)の有無と範囲も価格に大きく影響します。小さな穴の補修程度であれば価格への影響は軽微ですが、膝部分や股部分の大きなリペアがある場合は、価格が半額程度まで下がることもあります。ただし、リペア技術が高く、ヴィンテージらしい雰囲気を損なわない修理が施されている場合は、価格下落を最小限に抑えることができます。
古着店での販売価格と個人売買の価格差の実情
80年代赤耳モデルの購入を検討する際、古着店での販売価格と個人売買での価格には明確な差があることを理解しておくことが重要です。一般的に、古着店での販売価格は個人売買価格の1.2倍から1.5倍程度に設定されることが多く、この差額には店舗運営費用や専門知識による付加価値が含まれています。
老舗のヴィンテージ古着店であるベルベルジンの価格を例に見ると、80年代赤耳モデルは59,800円から158,000円という価格帯で販売されており、これは個人売買の相場と比較して2割から3割程度高い設定となっています。しかし、この価格差には以下のようなメリットが含まれています:
🏪 古着店購入のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
✅ 専門知識による品質保証 | ❌ 価格が個人売買より高い |
✅ アフターサービスの提供 | ❌ 在庫数に限りがある |
✅ 返品・交換への対応 | ❌ 交渉の余地が少ない |
✅ 実物の確認が可能 | ❌ 店舗まで足を運ぶ必要 |
一方、ヤフオクやメルカリなどの個人売買では、同等品がより安価で取引される傾向があります。しかし、個人売買には商品の真贋判定や状態評価が購入者に委ねられるというリスクが伴います。特に80年代赤耳モデルの場合、製造年代の判定やディテールの確認には専門知識が必要なため、初心者の方には古着店での購入をお勧めします。
地方の古着店と都市部の古着店での価格差も無視できません。東京や大阪などの都市部では需要が高いため価格も高めに設定される傾向がある一方、地方の古着店では掘り出し物が見つかることもあります。しかし、近年はインターネットの普及により、このような地域格差は徐々に縮小している傾向があります。
フリマアプリでの取引では、出品者の知識レベルによって価格設定に大きなばらつきが見られます。ヴィンテージデニムに詳しくない出品者の場合、相場より安く出品される可能性がある一方、過度に高い価格設定をしている場合もあるため、購入者側の知識が重要になります。
リーバイス501の80年代赤耳モデル相場を左右する要因
- 製造年代による細分化が相場形成の基本構造
- ボタン裏刻印による工場特定が価値判定の重要要素
- バータック(カンヌキ)の色が前期後期判別の決め手
- セルビッジ(赤耳)の状態が価格に直結する理由
- パッチの種類と残存状態による価値の変動
- インディゴの色残り具合で決まる価格ランク
- まとめ:リーバイス501の80年代赤耳相場は多角的視点で判断すべき
製造年代による細分化が相場形成の基本構造
80年代のリーバイス501赤耳モデルは、製造年代による細かな分類が相場形成の基礎となっています。1980年から1986年という6年間の製造期間中にも、年単位でディテールの変更が行われており、これらの違いがコレクターの評価と価格に直結しているのです。
最も価値が高いとされるのは1980年から1983年の前期モデルで、中でも1983年製は赤耳モデルの集大成として位置づけられています。この年は29インチ幅セルビッジデニムの最終生産年であり、伝統的な製法で作られた最後の年代として特別な意味を持っています。
📅 年代別価値ランキング
製造年 | 価値レベル | 特徴 | 相場倍率 |
---|---|---|---|
1980-1981年 | ★★★★★ | 初期赤耳、極希少 | 1.5-2.0倍 |
1982-1983年 | ★★★★☆ | 前期完成形 | 1.2-1.5倍 |
1984-1985年 | ★★★☆☆ | 後期モデル | 1.0倍(基準) |
1986年 | ★★☆☆☆ | 最終年、数量多 | 0.8-0.9倍 |
製造年の判定は、内タグの印字から正確に読み取ることができます。例えば「097」という印字があれば、これは「9月製造、1987年」を意味しますが、赤耳モデルは1986年で製造終了しているため、この場合は1977年か87年の判別が必要になります。パッチのデザインや他のディテールと照らし合わせることで、正確な年代判定が可能になります。
1980年代初頭のモデルには、CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENTのスタンプが紙パッチに押されており、これは1987年頃まで続いた仕様です。このような細かなディテールの変化を追うことで、より正確な年代判定と適正価格の評価が可能になります。
年代による希少性の違いは、当時の生産規模とも密接に関係しています。1980年代前半はまだヴィンテージデニムへの注目度が低く、生産数も比較的少なかった一方、後期になるにつれて需要の高まりとともに生産数も増加しました。この結果、前期モデルの方が現存数が少なく、希少価値が高くなっているのです。
ボタン裏刻印による工場特定が価値判定の重要要素
80年代赤耳モデルの価値判定において、トップボタン裏の刻印による工場の特定は極めて重要な要素です。この3桁の数字により製造工場が特定でき、工場ごとの特徴や希少性が価格に反映されるからです。
最も一般的な刻印は**「524」(エルパソ工場)で、テキサス州にあったこの工場で製造された個体が市場の大部分を占めています。一方、「555」の刻印が入った個体はカリフォルニア州のバレンシア工場製**で、2003年に閉鎖されたこの工場の製品は、わずかに異なる仕様や品質により一部のコレクターから高く評価されています。
🏭 主要工場別特徴と価値
刻印番号 | 工場名 | 所在地 | 希少性 | 価格傾向 |
---|---|---|---|---|
522,524,525 | エルパソ工場 | テキサス州 | 普通 | 基準価格 |
555 | バレンシア工場 | カリフォルニア州 | やや高 | 1.1-1.2倍 |
546,552,553 | 不明工場 | 不明 | 高 | 1.2-1.5倍 |
575,653 | 不明工場 | 不明 | 非常に高 | 1.5-2.0倍 |
工場による品質の差は微細ながらも存在し、縫製の精度やインディゴの発色に違いが見られることがあります。特にバレンシア工場製の個体は、カリフォルニアの気候条件下での製造により、独特のインディゴの発色を持つとする意見もあり、一部のマニアの間では高く評価されています。
刻印が読み取れない個体や、磨耗により判別困難な個体は、残念ながら価値評価において不利になる傾向があります。しかし、その他のディテールや全体的な品質が優れている場合は、刻印の不明さによる価格下落を補完することも可能です。
希少な刻印番号を持つ個体は、通常の相場よりも2割から5割程度高い価格で取引されることがあります。これは、工場の操業期間の短さや特殊な仕様による希少性が評価されるためです。ただし、刻印番号だけで価値が決まるわけではなく、全体的なコンディションとのバランスで最終的な価値が決定されます。
工場の特定は、ヴィンテージデニムの真贋判定においても重要な役割を果たします。偽造品の場合、刻印の字体や深さ、位置などに違和感があることが多く、熟練したコレクターはこれらの違いを見抜くことができます。
バータック(カンヌキ)の色が前期後期判別の決め手
80年代赤耳モデルの価値判定において、バータック(カンヌキ止め)の糸の色は最も重要な判別要素の一つです。この小さなディテールの違いが、前期と後期を明確に区別し、価格差にも直結しています。
前期モデル(1980~1983年)では黒色または紺色の糸が使用されており、これは「黒カン」「紺カン」と呼ばれてコレクターの間で重宝されています。一方、後期モデル(1984~1986年)では金色の糸が使用されており、この変更は製造コスト削減の一環として行われたと考えられています。
🧵 バータックによる分類と価値
バータック色 | 製造期間 | 通称 | 希少性 | 価格プレミアム |
---|---|---|---|---|
黒色 | 1980-1983年 | 黒カン | 高 | +20-30% |
紺色 | 1980-1983年 | 紺カン | 高 | +20-30% |
金色 | 1984-1986年 | 金カン | 普通 | 基準価格 |
黒カンヌキの個体が高く評価される理由は、単純に希少性だけではありません。より伝統的な製法を踏襲した証として、ヴィンテージデニム本来の価値観を体現していると考えられているからです。また、黒い糸は経年変化により独特の風合いを見せることがあり、これも評価点となっています。
バータックの確認は、赤タブの左側にある小さなカンヌキ止めを見ることで簡単に判別できます。ただし、長年の使用により糸が劣化している場合や、リペア時に異なる色の糸で補修されている場合もあるため、注意深い観察が必要です。
興味深いことに、移行期にあたる1983年後期から1984年前期にかけては、同じ時期でも黒カンと金カンが混在していることがあります。これは工場在庫の消化や製造ラインの切り替えタイミングによるものと推測されており、このような個体は特に希少価値が高いとされています。
バータックの状態も価格に影響します。オリジナルのカンヌキが完全に残っている個体は高く評価される一方、破損や紛失により後から補修されている個体は価値が下がります。ただし、適切な技術で修復された場合は、価値の下落を最小限に抑えることが可能です。
セルビッジ(赤耳)の状態が価格に直結する理由
80年代赤耳モデルの名前の由来でもあるセルビッジ(赤耳)の状態は、価格形成において極めて重要な要素です。セルビッジとは、旧式の力織機で織られた際に両サイドに付けられるほつれ防止の「耳」のことで、リーバイスでは識別のために赤い糸が通されています。
赤耳の価値は、単純にその存在だけでなく、状態の良さと美しいアタリの出方にあります。裾を折り返した際に見える赤いラインは、ヴィンテージデニムの象徴的な要素として多くのファンに愛されており、この部分の状態が価格に大きく影響するのです。
👖 赤耳の状態別価値評価
赤耳の状態 | 価値レベル | 特徴 | 価格への影響 |
---|---|---|---|
完璧な状態 | ★★★★★ | 赤糸鮮明、アタリ良好 | +30-50% |
良好な状態 | ★★★★☆ | 軽微な摩耗、アタリあり | +10-20% |
普通の状態 | ★★★☆☆ | 摩耗あり、アタリ薄い | 基準価格 |
不良な状態 | ★★☆☆☆ | 大きく損傷、アタリなし | -20-30% |
欠損状態 | ★☆☆☆☆ | 赤耳部分カット済み | -40-50% |
セルビッジが美しく残っている個体では、パッカリングと呼ばれる縦の細かいシワが現れることがあり、これは旧式織機特有の現象として高く評価されます。パッカリングは生地が収縮する際に発生する自然な現象で、現在の高速織機では再現できない独特の表情を生み出します。
赤耳のアタリの美しさは、着用者の歩き方や体型によって決まるため、同じ個体でも全く異なる表情を見せます。特に裾部分に現れる横線のようなアタリは「裾のアタリ」と呼ばれ、美しいものは芸術的な価値があるとして珍重されています。
セルビッジの幅も評価ポイントの一つです。通常、リーバイスの赤耳は約1.5センチの幅がありますが、製造時期や工場により若干の違いがあります。また、赤い糸の太さや色の濃さにも個体差があり、これらの微細な違いがコレクターの関心を引く要因となっています。
リペア時の赤耳の取り扱いも価格に影響します。裾上げや修理の際に赤耳部分を適切に処理せず、カットしてしまった個体は大幅に価値が下がります。一方、技術の高いリペア職人により赤耳を活かした修理が施された個体は、価値の減少を最小限に抑えることができます。
パッチの種類と残存状態による価値の変動
80年代赤耳モデルにおいて、バックポケット上部に取り付けられた革パッチの状態は価値評価の重要な指標となります。この時代のパッチは紙製が主流でしたが、製造時期により微妙な違いがあり、それぞれに異なる価値が認められています。
80年代前半の赤耳モデルには、**「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」**のスタンプが押された紙パッチが使用されています。このスタンプは1987年頃まで続いた仕様で、その下に小さく「501」の黒字スタンプが配置されているのが特徴です。
📋 パッチの種類と価値評価
パッチタイプ | 使用期間 | 特徴 | 希少性 | 価格への影響 |
---|---|---|---|---|
CARE表記あり | 1980-1987年頃 | 小さいCARE印字 | 高 | +15-25% |
CARE表記なし | 1987年以降 | 501印字のみ | 普通 | 基準価格 |
完全欠損 | – | パッチなし | – | -10-20% |
部分残存 | – | 一部破損状態 | 低 | -5-10% |
パッチの保存状態は、ジーンズの使用頻度や保管方法を物語る重要な指標でもあります。完全に残存している紙パッチは、デニムが大切に扱われてきた証拠として高く評価されます。逆に、パッチが完全に失われている個体は、たとえ他の部分の状態が良好でも価値が下がってしまいます。
紙パッチの場合、水濡れや摩擦により簡単に損傷してしまうため、オリジナルの状態を保っている個体は希少です。特に文字がはっきりと読める状態のパッチは、コレクターにとって非常に価値のある要素となります。
80年代後期になると、パッチのデザインにも変化が現れます。「501」の印字が赤色になる時期があり、これは90年代前半まで続いた仕様です。このようなパッチの変遷を知ることで、より正確な年代判定と適正価格の評価が可能になります。
パッチの欠損した個体でも、他のディテールや全体的なコンディションが優秀であれば、パッチの欠損による価値減少を相殺することは可能です。ただし、完璧な状態を求めるコレクターにとっては、パッチの有無は絶対的な評価基準となることも理解しておく必要があります。
インディゴの色残り具合で決まる価格ランク
80年代赤耳モデルの価格形成において、インディゴの色残り具合は最も視覚的で分かりやすい評価基準です。当時使用されていたインディゴ染料による独特の発色と、時間の経過とともに現れる色落ちパターンは、各個体の価値を決定する重要な要素となっています。
最高評価を受けるのは**「真紺」と呼ばれる濃紺状態**を保った個体で、これは未使用に近い状態か、非常に大切に着用されてきた証拠として高く評価されます。真紺の個体は、購入後に自分好みの色落ちに育てていく楽しみがあることも、高価格の理由の一つです。
🎨 インディゴ色残り別価格ランク
色残り状態 | 評価ランク | 特徴 | 価格倍率 |
---|---|---|---|
真紺(濃紺) | S級 | ほぼ未使用レベル | 2.0-3.0倍 |
7-8割残り | A級 | 軽微な色落ち | 1.5-2.0倍 |
5-6割残り | B級 | 適度な色落ち | 1.0-1.3倍 |
3-4割残り | C級 | 進んだ色落ち | 0.7-1.0倍 |
2割以下 | D級 | 大幅な色落ち | 0.5-0.7倍 |
80年代のインディゴには、現在では再現困難な独特の青味と深みがあります。これは当時使用されていた染料と製法によるもので、同じ色残り状態でも現行品とは明らかに異なる表情を見せます。特に自然光の下で見た際の美しさは格別で、多くのコレクターがこの色合いに魅力を感じています。
色落ちのパターンも価格に影響します。自然な縦落ちや美しいヒゲ・ハチノスが現れている個体は、単純な色残りの割合以上に高く評価されることがあります。これらの色落ちパターンは着用者の体型や動作の癖により形成されるため、人工的に作り出すことは不可能な価値があります。
ブリーチ加工や人工的な加工が施された個体は、オリジナルの自然な色落ちとは区別して評価されます。80年代後期から90年代にかけて流行したブリーチ加工の個体も一定の人気がありますが、ナチュラルな色落ちの個体とは異なる価値観で取引されています。
インディゴの色残り評価では、全体のバランスも重要です。部分的に濃い色が残っていても、全体的に色ムラがある個体は評価が下がることがあります。一方、均等に美しく色落ちした個体は、色残りの割合が少なくても高い評価を受けることがあります。
まとめ:リーバイス501の80年代赤耳相場は多角的視点で判断すべき
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイス501の80年代赤耳モデルの現在相場は平均2万円から4万円の価格帯である
- Yahoo!オークションでの過去180日間の平均落札価格は20,363円となっている
- 前期モデル(1980-1983年)と後期モデル(1984-1986年)では価格差が1-2万円程度発生する
- デッドストック品の価格は通常品の2倍から5倍の価格帯で取引されている
- バータック(カンヌキ)の色により前期後期の判別が可能で価格にも影響する
- トップボタン裏の刻印番号により製造工場が特定でき希少性評価に使用される
- セルビッジ(赤耳)の状態は価格形成の重要要素で美しいアタリは高評価となる
- サイズではW33-W34のゴールデンサイズが最も高値で取引される傾向にある
- インディゴの色残り具合により価格が2-3倍変動することも珍しくない
- 真紺(濃紺)状態を保った個体は相場の2-3倍の価格で取引されている
- 古着店での販売価格は個人売買価格の1.2-1.5倍程度に設定される
- パッチの種類と保存状態により15-25%の価格差が生じることがある
- 近年のヴィンテージデニム市場全体の高騰により相場上昇が続いている
- 2020年以降のアメリカンカジュアル再評価により需要が急激に高まった
- リペアの有無と技術レベルが価格に大きな影響を与える重要要素である
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://auctions.yahoo.co.jp/closedsearch/closedsearch/501+%E8%B5%A4%E8%80%B3+80s/0/
- https://www.vintageclothesblog.com/entry/2024/03/12/1721_%E8%B5%A4%E8%80%B3%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB_%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9_501_%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%8A%E3%83%AB_80%27s_Levi%27s_redline_
- https://duffield.stores.jp/items/61e2bd3cbc44dc0bbcc32c8d
- https://magazine.collet.am/121
- https://webstore.berberjin.com/
- https://aucfan.com/intro/q-~a5eaa1bca5d0a5a4a5b92035303120c0d6bcaa/
- https://jp.mercari.com/s/678424
- https://note.com/koichi1978/n/nfbf8a937d602
- https://bayson.exblog.jp/27473430/
- https://slut0218.jugem.jp/?eid=1010645
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