リーバイスのジーンズといえば、バックポケットのリーバイス オレンジタブ 年代 見分け方を知ることで、その価値や製造時期を正確に特定できます。オレンジタブは1960年代後半から1990年代まで製造された特別なラインで、一般的な赤タブとは異なる特徴を持っています。オレンジタブは主にファッション性を重視した廉価ラインとして登場し、作業着としてのデニムから一般的なカジュアルウェアへの移行期を象徴する重要なモデルです。
古着市場やヴィンテージデニム愛好家の間でオレンジタブの人気は高く、適切な年代判別ができれば希少価値の高いアイテムを見つけることも可能です。ボタン裏の刻印、内タグの仕様、ジッパーの種類、パッチデザインなど、複数の要素を総合的に判断することで、製造年代を特定できます。本記事では、これらの判別ポイントを詳しく解説し、初心者でもわかりやすく年代を見分ける方法をご紹介します。
この記事のポイント |
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✓ オレンジタブの基本的な特徴と歴史的背景 |
✓ ボタン裏刻印による工場番号と年代の判別方法 |
✓ 内タグの種類別年代判別テクニック |
✓ ジッパーやパッチから読み取る製造時期の見分け方 |
リーバイス オレンジタブの年代による基本的な見分け方
- オレンジタブが廉価ラインとして誕生した背景と特徴
- 1960年代後半から1990年代までの製造期間の特徴
- 赤タブとオレンジタブの製造工程による違い
- オレンジタブに多用された42タロンジッパーの重要性
- アメリカ製オレンジタブの希少価値と市場評価
- オレンジタブと他カラータブとの識別ポイント
オレンジタブが廉価ラインとして誕生した背景と特徴
リーバイスのオレンジタブは、1960年代後半にファッションアイテムとしてのデニムの需要が高まる中で誕生しました。従来の赤タブが作業着としての頑強さを重視していたのに対し、オレンジタブは一般消費者向けのカジュアルウェアとして企画されたのが大きな特徴です。この背景には、デニムが若者文化の象徴として認識され始めた時代の変化があります。
オレンジタブの最も重要な特徴は、製造工程の簡略化にあります。赤タブが「ライン7」と呼ばれる1本針の生産工程で作られているのに対し、オレンジタブは「ライン8」と呼ばれる2本針の生産工程で製造されています。この違いにより、ポケットのリベットやステッチ、生地の始末などが簡略化され、大量生産に適した仕様となっています。
オレンジタブの特徴的な要素として、ファッション性を重視した軽やかな着用感が挙げられます。作業着ほどの丈夫さは求められていなかったため、より手軽に着用できるデザインが採用されています。特に70年代から80年代にかけての最盛期には、当時のファッションシーンに合わせた絶妙なシルエットが評価されていました。
現在では新品での入手が不可能な希少アイテムとなっており、古着店やオンラインショップでヴィンテージ品として取引されています。特に80年代前半のアメリカ製のものは、35年以上前のアイテムとして高い価値を持っています。
オレンジタブを評価する際は、単純な「希少性」だけでなく、デニムの歴史的変遷を物語る証拠品としての価値も重要です。ジーンズが作業着からファッションアイテムへと変化していく重要な時期に生まれたモデルであり、デニム文化史を語る上で欠かせない存在といえるでしょう。
1960年代後半から1990年代までの製造期間の特徴
オレンジタブの製造期間は1960年代後半から1990年代まで続き、時代によって微妙にディテールやシルエットが変化しています。この長期間の製造により、年代ごとの特徴を理解することが正確な判別に重要となります。
🕰️ オレンジタブの年代別特徴
年代 | 主な特徴 | 市場価値 |
---|---|---|
1960年代後半 | 誕生期、初期デザイン | 非常に高い |
1970年代 | 多様なモデル展開、最盛期 | 高い |
1980年代 | アメリカ製、42タロン使用 | 高い |
1990年代 | 製造終了期、ディテール変化 | やや低い |
1970年代に入ると、オレンジタブシリーズは多様なモデル展開を見せるようになります。505のほかにも**517(ブーツカット)、646(ベルボトム)、684(フレア)**など、当時のトレンドを反映したさまざまなシルエットが登場しました。この時代のオレンジタブは、70年代特有のファッション感覚を色濃く反映したデザインが特徴的です。
1980年代のオレンジタブは、アメリカ製のものが多く、現在でも高い評価を受けています。80年代前半のモデルは、すでに35年以上前のアイテムとなり、オールドな価値を持つものとして注目されています。この時代のものには「42タロン」と呼ばれるジッパーが使用されていたり、リベット裏に数字の刻印があるなど、特徴的なディテールが見られます。
90年代に入ってもオレンジタブは製造され続けましたが、徐々に生産数は減少していきました。この時代のものは、80年代のものと比べるとディテールに若干の違いがあり、ヴィンテージ愛好家の間では年代判別の対象となっています。
各年代の特徴を理解することで、より正確な価値判断が可能となり、古着店やオンラインショップでの購入時に役立ちます。特に製造年代による価値の違いも生じているため、適切な知識を持つことが重要です。
赤タブとオレンジタブの製造工程による違い
リーバイスの赤タブとオレンジタブには、製造工程に明確な違いがあり、この違いがデニムの仕上がりにも大きく影響しています。赤タブは「ライン7」と呼ばれる1本針の生産工程で作られているのに対し、オレンジタブは「ライン8」と呼ばれる2本針の生産工程で製造されています。
⚙️ 製造工程の比較表
項目 | 赤タブ(ライン7) | オレンジタブ(ライン8) |
---|---|---|
製造方式 | 1本針 | 2本針 |
製造理念 | 伝統的・頑丈 | ファッション性重視 |
ディテール | 複雑 | 簡略化 |
生産効率 | やや低い | 高い |
耐久性 | 非常に高い | 標準的 |
この製造工程の違いは、ポケットのステッチやリベットの使い方などに明確に表れています。赤タブではより伝統的で頑丈な作りになっているのに対し、オレンジタブは比較的簡略化された製法で、ファッション性を重視した作りになっています。例えば、ポケットの縫製方法や補強部分の処理などに、その違いが見て取れます。
マニアの間では、オレンジタブは「廉価版」や「B級品」と評されることもありますが、これはディテールにこだわるアメカジ愛好家の視点であり、一般的な着用感や見た目の魅力においては大きな差はありません。むしろ、オレンジタブならではの軽やかなファッション性やチープさが、ヴィンテージの味わいとして愛されている側面もあります。
また、製造時期によっても特徴が異なります。70年代のスタプレやコーデュロイ素材のオレンジタブ、特にフレアシルエットのモデルなどは、当時の時代感を色濃く反映したアイテムとして、現在でも高い評価を受けています。
赤タブとオレンジタブの違いは、単なる色の違いだけでなく、リーバイスのデニム哲学や時代背景を反映した重要な要素なのです。どちらが優れているというより、それぞれの特徴を理解し、自分のスタイルや好みに合わせて選ぶことが大切です。
オレンジタブに多用された42タロンジッパーの重要性
オレンジタブのジーンズを年代判別する上で、42タロンジッパーの存在は極めて重要な手がかりとなります。特に80年代のオレンジタブには「42タロン」と呼ばれるアメリカのジッパーブランド「TALON(タロン)」の製品が使用されていることが多く、これがヴィンテージデニムの真贋判断の重要なポイントとなっています。
🔧 ジッパーによる年代判別方法
年代 | 使用ジッパー | 特徴 |
---|---|---|
1960年代 | GRIPPER、CONMAR | 初期オレンジタブに使用 |
1970年代 | TALON、SCOVILL | 70年代の標準的ジッパー |
1980年代 | 42タロン(TALON) | オレンジタブの代表的ジッパー |
1990年代以降 | Levi’s刻印YKK | 80年代後期から使用開始 |
42タロンジッパーは、その品質の高さと独特の風合いで知られています。現代のジッパーと比較すると、金属の質感や動作音、耐久性などに明確な違いがあり、ヴィンテージデニム愛好家にとっては価値判断の重要な要素となっています。特に、オレンジタブの505モデルでは、このタロンジッパーが使用されていることが多く、年代特定の確実な証拠として機能します。
ジッパーの確認方法としては、引き手部分やスライダーに刻印されたメーカー名と型番をチェックすることが重要です。TALONの場合は「TALON」の文字と「42」の数字が刻印されていることが多く、これが確認できれば80年代前後の製造である可能性が高くなります。
また、ジッパーの色や材質も年代判別に役立ちます。初期のタロンジッパーは真鍮製で経年変化により独特の色合いを見せますが、後期のものはニッケルメッキなど異なる仕上げが採用されています。この微細な違いも、年代を特定する上で重要な情報となります。
80年代初期から中期にかけて、Levi’s刻印のYKKジッパーが使われ始めることも特徴の一つです。この移行期にはLevi’s刻印のtalon製42ジップも存在するため、詳しく観察することで正確な年代判断が可能になります。
アメリカ製オレンジタブの希少価値と市場評価
アメリカ製のオレンジタブは、現在の古着市場において特に高い価値を持っています。リーバイスのアメリカ国内生産は2003年に一旦すべて閉鎖されたため、「Made in USA」の表記があるオレンジタブは、復刻の物でない限りは2003年までの物であることが確定します。
💰 アメリカ製オレンジタブの価値要因
価値要因 | 詳細 | 市場評価への影響 |
---|---|---|
製造国 | アメリカ製 | 非常に高い |
製造年代 | 1960年代~1980年代 | 高い~非常に高い |
状態 | デッドストック・美品 | 極めて高い |
ディテール | 42タロン・特殊刻印 | 高い |
サイズ | 人気サイズ(W30-32) | やや高い |
アメリカ製のオレンジタブが高く評価される理由の一つは、品質面での優位性です。当時のアメリカ製デニムは、生地の質感、縫製技術、使用される金具類などすべてにおいて高い基準が保たれていました。特に80年代のアメリカ製オレンジタブは、ムラのない綺麗な色落ちが特徴とされ、現代のデニムとは異なる「当時のデニムの魅力」を感じることができます。
古着市場でのアメリカ製オレンジタブの相場は、状態や特徴によってかなりの幅があります。一般的に、状態が良好で特徴的なディテールが残っている80年代のアメリカ製オレンジタブは、10,000円~20,000円程度で取引されることが多いです。特に人気のあるサイズ(W30~W32あたり)のものは、需要が高く相場も安定しています。
さらに希少なモデルになると、価格はさらに上昇します。例えば、デッドストック(未使用品)の90年代USA製505 オレンジタブは、30,000円以上の高値で取引されることもあります。特に「フラッシャー(タグ)付き」や「ボタン裏刻印あり」などの特徴を持つモデルは、コレクターから高い評価を受けています。
投資的観点から見ても、アメリカ製オレンジタブの価値は年々高まる傾向にあります。生産終了から20年以上が経過し、良好な状態のアイテムがますます希少になっているため、「時代の証人」としての価値が今後も上昇することが予想されます。
オレンジタブと他カラータブとの識別ポイント
リーバイスのジーンズには、オレンジタブの他にも赤タブ、白タブ、黒タブなど、様々な色のタブが存在し、それぞれに固有の意味と使用された時代があります。これらの違いを理解することで、より正確なヴィンテージリーバイスの判別が可能となります。
🏷️ リーバイスタブの種類と特徴
タブの色 | 使用期間 | 主な用途 | 特徴 |
---|---|---|---|
赤タブ | 1936年~現在 | 本格派デニム | 綿100%、伝統的 |
オレンジタブ | 1960年代~1990年代 | ファッションライン | 混紡素材、廉価版 |
白タブ | 1970年代~1980年代 | ノンデニム素材 | コーデュロイなど |
黒タブ | 1960年代~1981年頃 | 混紡素材 | スタプレなど |
赤タブ(レッドタブ)は、リーバイスの最も有名なタブで、1936年に初めて登場し現在も続くデザインです。綿100%の本格派デニムを象徴しており、リーバイスの伝統的なジーンズに使用されています。赤タブは作業着としての頑強さを重視した製品に使用され、リーバイスのアイデンティティを表す最も重要なタブといえます。
オレンジタブは、前述の通り1960年代後半から1990年代まで使用され、主に混紡素材のファッション性を重視したモデルに用いられていました。カジュアルでありながらもビジネスシーンでも着用できるような、より汎用性の高いモデルに使用されていたのが特徴です。
白タブは70年代~80年代に登場し、デニム以外の素材に使用されていました。ワークウェアを想定していないパンツに取り付けられることが多く、カジュアルなコーデュロイパンツなどに見られます。白タブの存在により、リーバイスがデニム以外の分野にも展開していたことがわかります。
黒タブは1960年代から1981年頃まで使用され、主に混紡素材のスタプレなどに使用されていました。黒タブは「混紡素材に使われているタブ」という位置づけで、オレンジタブと同様にファッション性を重視したラインに使用されていました。
各タブの色の違いは単なるデザインの違いではなく、リーバイスのラインナップ戦略や、ジーンズの用途、素材の違いを表している重要な指標です。ジーンズが単なる作業着から多様なファッションアイテムへと進化していく過程で、タブの色は製品の特性を示す重要な目印となっていました。
リーバイス オレンジタブの年代を正確に見分けるための詳細な判別法
- ボタン裏刻印による工場番号と年代の特定方法
- 内タグの種類別による製造年月の判別テクニック
- パッチデザインの変遷から読み取る年代の特徴
- ステッチパターンとリベット仕様による時代判定
- ジッパー刻印から導き出す製造時期の見分け方
- サイズ感とシルエットによる年代別特徴の識別
- まとめ:リーバイス オレンジタブ年代見分け方の総合ガイド
ボタン裏刻印による工場番号と年代の特定方法
リーバイス オレンジタブの年代を特定する上で、ボタン裏の刻印は最も確実な手がかりの一つです。トップボタンの裏側に刻印されている数字や文字は工場番号を示しており、これにより製造場所と製造年代を推定することができます。この方法は、他の判別要素と組み合わせることで、より精度の高い年代特定が可能となります。
🔍 ボタン裏刻印による年代区分
刻印タイプ | 年代 | 代表的刻印 | 特徴 |
---|---|---|---|
アルファベット1桁 | 1950年代~1970年代 | A, D, E, F, J, K, L, O, S, W | 最も古い工場コード |
数字1桁 | 1950年代~1970年代 | 2, 4, 5, 6, 8 | 希少価値が高い |
数字2桁 | 1960年代~1980年代 | 10, 12, 14, 16, 17, 20 | 中期モデルの証拠 |
数字3桁 | 1980年代~2000年代初期 | 501, 513, 515, 522, 524 | 後期・現代寄り |
オレンジタブのジーンズで特に注目すべき刻印は、「S」や「16」などの文字・数字です。これらの刻印を持つオレンジタブは、70年代前半頃の製造である可能性が高く、コレクター間でも価値が高いとされています。「16工場」は50年代から70年代中期まで長期にわたり稼働していた工場で、変わったモデルが多く、人気のある刻印の一つです。
刻印を確認する際の注意点として、錆びや擦れによって文字が消えている場合があります。特に古いヴィンテージデニムでは、長年の使用により刻印が判読困難になっていることも少なくありません。そのような場合は、他の判別要素と組み合わせて総合的に判断することが重要です。
また、3桁の刻印については、「5」から始まるものはリーバイス社直営の工場、「6」から始まるものは社外工場を示しています。例えば「555工場」は人気モデルを数多く製造していたバレンシア工場(1996~2003年、アメリカ最後の工場)のため、特に90年代後期のオレンジタブで見られることがあります。
ボタン裏刻印の確認は比較的簡単で、懐中電灯やスマートフォンのライトを使用することで、薄い刻印も読み取ることが可能です。古着店での購入時には、必ずこの刻印を確認し、他の判別ポイントと照らし合わせることで、適正な価値判断ができるでしょう。
内タグの種類別による製造年月の判別テクニック
リーバイス オレンジタブの年代判別において、内タグ(ケアタグ)の確認は非常に有効な方法です。内タグは製造年代によってデザイン、記載内容、素材が変化しており、これらの特徴を理解することで、より正確な年代特定が可能になります。
まず重要なポイントとして、内タグが付き始めたのは1974年からということです。それ以前のオレンジタブには内タグがないため、内タグがない場合は1960年代後半から1974年頃までの製造と考えられます。これは初期オレンジタブの重要な判別ポイントです。
📋 年代別内タグの特徴
年代 | 内タグタイプ | 主な特徴 |
---|---|---|
1974年~1980年代前半 | 初期タグ | 数字3行、製造年月は下段 |
1980年代後半~1991年 | 7行タグ | 情報量増加、染み込みプリント |
1991年~1994年 | 薄手タグ | ペラペラ素材、2行目に年月 |
1995年~2003年 | 現代型タグ | 整理された情報配置 |
1974年~1980年代前半の初期タグは、数字の羅列が3行に分かれて書かれており、製造年月と工場番号が一番下の行に記載されています。書かれる順番は、左から製造月、製造年の下2桁、そして工場番号となっています。ただし、70年代の内タグでは製造年が1桁しか記載されていないことがあるため注意が必要です。
1980年代後半~1991年の内タグは、以前よりもタグに書かれている文字の量が増え7行になりました。6行目には工場番号が、7行目には製造年月が記載されるようになりました。この内タグには、製造年が下1桁しか書かれておらず、製造月と製造年の数字が繋がっているという特徴があります。
1991年~1994年の内タグは、ペラペラで薄い生地が使用されており、製造年月と工場番号は下から2行目に記載されるようになりました。この内タグには左から順に工場番号、製造月・製造年、製造番号が記載されます。
内タグの確認時には、ウェストやレングスが書かれている行の上に収縮率が書かれていることも重要なポイントです。この収縮率の情報から、どのような素材であるかの判断材料にもなります。オレンジタブの多くは混紡素材であるため、この情報も年代判別に役立ちます。
パッチデザインの変遷から読み取る年代の特徴
リーバイス オレンジタブのパッチ(ウエスト部分の革や紙のタグ)は、製造年代によってデザインや表記内容が大きく変化しており、年代判別の重要な手がかりとなります。パッチの変遷を理解することで、他の判別要素と組み合わせてより正確な年代特定が可能です。
📜 パッチデザインの年代別変遷
年代 | パッチタイプ | 主な特徴 |
---|---|---|
1960年代前半 | 革・紙パッチ | “Every Garment Guaranteed”表記 |
1962年~1965年 | 紙パッチ | “Every Garment”表記消失 |
1966年~1967年 | ダブルネーム | 旧型番が左端に小さく印字 |
1970年~1990年代 | CARE表記 | “CARE INSTRUCTIONS”印字 |
1960年代前半のパッチには「Every Garment Guaranteed」の表記があり、型番の後にXX(例:501XX)と表記があるのが特徴です。初期のオレンジタブモデルはこの時代のパッチデザインと特徴を持っていることがあり、非常に希少価値の高いアイテムとして扱われます。
1962~1965年のパッチでは「Every Garment Guaranteed」の表記が消え、初期には小さめの文字で中央に「Made in U.S.A.」と記載され、後期には同じ段に「100% COTTON Made in U.S.A. WPL 423」と中央寄せで記載されるようになります。この時期のオレンジタブはセンター黒タブ初期のモデルと重複する時期でもあります。
1966~1967年のパッチでは、XX記載が消え、旧型番が左端に小さく印字される「ダブルネーム」と呼ばれる特徴が現れます。オレンジタブモデルの多くがこの時代のパッチデザインを持つため、重要な判別ポイントとなります。
1970年代以降のパッチには「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」の表記が入るようになります。1970年代~1980年代中期は黒字で印字され、1980年代中期以降は赤字で印字されます。オレンジタブの後期モデルの多くがこの時代のパッチデザインを持っています。
パッチが欠損していたり、印字が薄くなっているオレンジタブの場合は、ボタン裏刻印や内タグなどの他の要素と合わせて総合的に判断することが重要です。特にヴィンテージデニムでは、長年の使用によりパッチの状態が悪化していることも多いため、複数の判別ポイントを組み合わせた判断が必要となります。
ステッチパターンとリベット仕様による時代判定
リーバイス オレンジタブの年代判別において、ステッチパターンとリベット仕様は重要な判別要素です。これらの細部にわたる仕様変更は、製造技術の進歩や効率化の過程で行われたものであり、年代を特定する確実な手がかりとなります。
🧵 ステッチパターンによる年代判別
ステッチタイプ | 年代 | 場所 | 特徴 |
---|---|---|---|
シングルステッチ | ~1970年代後半 | バックポケット裏 | 1本の糸で縫製 |
チェーンステッチ | 1970年代後半~ | バックポケット裏 | 伸縮性があり、アタリが出やすい |
カモメステッチ | ~1943年頃 | バックポケット表 | 1本針で縫製された弧状ステッチ |
2本針ステッチ | 1943年頃~ | バックポケット表 | 現在も続く標準的仕様 |
バックポケットのステッチは、年代判別の重要なポイントです。1970年代後半頃まではバックポケットの内側の縫い目がシングルステッチとなっているものが古く、その後、アタリの出やすいチェーンステッチに変更されています。オレンジタブでは、この切り替え時期を境に前期・後期に分類することも可能です。
リベット仕様についても、時代による変化が見られます。初期のリベットは銅製で、戦時中には鉄製の銅メッキに変更され、戦後再び銅製に戻るなど、複雑な変遷をたどっています。オレンジタブの時代(1960年代後半~1990年代)では、主にアルミ製のリベット裏が使用されています。
🔩 リベット仕様による年代判別
リベットタイプ | 年代 | 材質 | 特徴 |
---|---|---|---|
銅製 | 初期~1942年、1947年~1953年 | 銅 | 磁石に付かない |
鉄製銅メッキ | 1942年~1947年、1953年~1962年 | 鉄+銅メッキ | 磁石に付く |
アルミ製裏 | 1962年~ | 表:銅、裏:アルミ | オレンジタブ期の標準 |
オレンジタブの多くは**1962年以降の「被せリベット&裏アルミ製」**の時代に製造されているため、リベット裏がアルミ製であることが一般的です。ただし、初期のオレンジタブ(1960年代後半)では、それ以前の仕様が混在していることもあるため、注意深い観察が必要です。
アーキュエイトステッチ(バックポケットの弓形ステッチ)も重要な判別ポイントです。オレンジタブの時代には既に2本針のミシンによる現在と同様のステッチが採用されていましたが、ステッチの色や形状に微妙な変化が見られることがあります。
これらのステッチとリベットの仕様を総合的に判断することで、より正確な年代特定が可能となります。特に、他の判別要素(ボタン裏刻印、内タグ、パッチなど)と組み合わせることで、確度の高い年代判別ができるでしょう。
ジッパー刻印から導き出す製造時期の見分け方
リーバイス オレンジタブの年代判別において、ジッパーの刻印は極めて重要な判別要素です。オレンジタブの多くはジッパーフライを採用しており、使用されているジッパーの種類や刻印により、製造時期を特定することができます。特に80年代のオレンジタブに使用された42タロンジッパーは、年代特定の決定的な証拠となります。
⚡ ジッパー刻印による年代判別法
ジッパーブランド | 年代 | 刻印内容 | 特徴 |
---|---|---|---|
GRIPPER | 1960年代 | “GRIPPER” | 初期オレンジタブに使用 |
CONMAR | 1960年代 | “CONMAR” | GRIPPERと同時期 |
TALON | 1970年代 | “TALON” | 70年代の主流ジッパー |
TALON 42 | 1980年代 | “TALON 42” | オレンジタブの代表的ジッパー |
YKK Levi’s刻印 | 1980年代後期~ | “YKK” + “Levi’s” | 移行期のジッパー |
42タロンジッパーの確認方法として、まずスライダー(引き手を動かす部分)に刻印された「TALON」と「42」の文字を探します。これらが明確に刻印されていれば、1980年代前後の製造である可能性が非常に高くなります。また、引き手部分にも「TALON」の刻印があることが多く、これも確認ポイントの一つです。
ジッパーの材質と色合いも重要な判別要素です。初期のタロンジッパーは真鍮製で、経年変化により独特の金色から銅色へと変化します。この自然な経年変化は現代のジッパーでは見られない特徴であり、ヴィンテージの証拠となります。一方、後期のものはニッケルメッキなど異なる仕上げが採用されており、シルバー系の色合いを保持しています。
ジッパーテープ(布部分)の色も年代判別に役立ちます。70年代から80年代前半のタロンジッパーは、多くの場合紺色や濃いグレーのテープが使用されています。これに対し、80年代後期以降のYKKジッパーでは、より明るい色合いのテープが使用されることが多くなります。
また、ジッパーの動作音も特徴的な判別ポイントです。ヴィンテージのタロンジッパーは、現代のジッパーと比較して重厚で金属的な音がします。これは使用されている金属の質や構造の違いによるものであり、音でも年代を推測することが可能です。
ジッパー刻印の確認は、良好な照明下で虫眼鏡などを使用すると、より正確に判読できます。古着店での購入時には、必ずジッパー部分を詳しく確認し、他の判別要素と組み合わせて総合的な判断を行うことが重要です。
サイズ感とシルエットによる年代別特徴の識別
リーバイス オレンジタブの年代判別において、サイズ感とシルエットの変化も重要な判別要素となります。時代によるファッショントレンドの変化や製造技術の進歩により、同じオレンジタブでも年代によって異なる特徴を持っています。これらの違いを理解することで、より正確な年代特定が可能になります。
👕 年代別シルエットの特徴
年代 | シルエット特徴 | ウエスト周り | 太もも | 裾幅 |
---|---|---|---|---|
1960年代後半 | スリムストレート | やや細め | スリム | ストレート |
1970年代 | ブーツカット・フレア多様化 | ゆったり | ややゆったり | 広がり |
1980年代 | ストレート回帰 | 標準的 | 適度なゆとり | ストレート |
1990年代 | ルーズフィット傾向 | ゆったり | ルーズ | やや広め |
1960年代後半から1970年代前半のオレンジタブは、比較的スリムなシルエットが特徴的です。この時代はまだモッズファッションの影響が残っており、細身のパンツが好まれていました。ウエスト周りも現在の標準よりやや小さめに作られており、全体的にコンパクトなシルエットとなっています。
1970年代中期から後期にかけては、ベルボトムやブーツカットなど、裾広がりのシルエットが主流となります。オレンジタブでも517(ブーツカット)、646(ベルボトム)、684(フレア)など、多様なシルエットが展開されました。この時代のオレンジタブは、太もも周りにゆとりがあり、膝から下が大きく広がるデザインが特徴です。
1980年代に入ると、ストレートシルエットへの回帰が見られます。この時代のオレンジタブは、適度なゆとりを持ちながらも、過度に広がらないバランスの良いシルエットが採用されています。特に505モデルでは、ストレートレッグとされながらも微妙なテーパードがかかったシルエットが特徴的です。
1990年代のオレンジタブは、よりゆったりとしたルーズフィット傾向が強くなります。ヒップホップカルチャーの影響もあり、全体的にボリューミーなシルエットが好まれるようになりました。この時代のオレンジタブは、現在のスタンダードに近い、リラックスした着用感を提供します。
📏 サイズ表記の年代による違い
年代 | サイズ表記方式 | 実寸との関係 | 特徴 |
---|---|---|---|
~1980年代 | インチ表記 | やや小さめ | 縮み前提 |
1980年代~ | インチ表記標準化 | 現在に近い | より正確 |
1990年代~ | サニタリー規格 | 現在と同等 | 現代的基準 |
ヴィンテージのオレンジタブを購入する際のサイズ選びのポイントとして、同じサイズ表記でも現代のものより若干小さめに作られていることが多い点に注意が必要です。一般的に、普段履いているデニムのサイズよりも1~2インチ大きめを選ぶことをおすすめします。
また、ヴィンテージデニムは洗濯による縮みも考慮する必要があります。特に未洗いやワンウォッシュのものは、最初の洗濯で縮む可能性があるため、余裕を持ったサイズ選びが重要です。
まとめ:リーバイス オレンジタブ年代見分け方の総合ガイド
最後に記事のポイントをまとめます。
- オレンジタブは1960年代後半から1990年代まで製造された廉価ラインである
- 赤タブがライン7(1本針)製法なのに対し、オレンジタブはライン8(2本針)製法で製造
- 作業着としての赤タブに対し、オレンジタブはファッションアイテムとして誕生
- 80年代のオレンジタブには42タロンジッパーが多用され、年代判別の重要な手がかりとなる
- ボタン裏刻印の「S」「16」「6」などは70年代前半頃の特徴的な工場番号
- 内タグは1974年以降に導入され、年代別にデザインと記載内容が変化
- アメリカ製(Made in USA)のオレンジタブは2003年までのもので特に価値が高い
- パッチデザインは年代により変遷し、「CARE INSTRUCTIONS」表記は70年代以降の特徴
- バックポケットのステッチは70年代後半を境にシングルからチェーンステッチに変更
- リベット裏は1962年以降アルミ製が標準となり、オレンジタブ期の一般的仕様
- ジッパーブランドの変遷:GRIPPER/CONMAR(60年代)→TALON(70-80年代)→YKK(80年代後期~)
- シルエットは時代により変化し、60年代スリム→70年代フレア→80年代ストレート→90年代ルーズ
- ヴィンテージサイズは現在より小さめのため、1-2インチ大きめのサイズ選択が推奨
- 古着市場でのオレンジタブは状態と年代により5,000円~30,000円以上で取引
- 複数の判別要素を組み合わせた総合的判断が正確な年代特定には不可欠
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4 https://jamtrading.jp/blogs/jam/12047433/ https://levi-fun.com/urllevis-505-orange-tab/ https://hurugiblog.com/levis-inner-tag https://levi-fun.com/levis-black-tab-nendai/ https://dig-it.media/lightning/article/854383/ https://www.leon.jp/fashions/6526 https://www.tiktok.com/discover/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9-%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%96-%E5%B9%B4%E4%BB%A3-%E8%A6%8B%E5%88%86%E3%81%91%E6%96%B9 https://hurugiblog.com/levis501 https://shibaken.work/post-2413/2021/2413/
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