リーバイスデニムジャケット年代判別は、ヴィンテージデニム愛好家にとって必須のスキルです。506XX(ファースト)から70505(フォース)まで、各モデルには明確な特徴があり、正確な判別ができれば数万円から数十万円の価値を見極めることが可能になります。
本記事では、独自調査により収集した情報をもとに、パッチの形状やボタン裏刻印、赤タブの違いなど、年代判別に必要なポイントを網羅的に解説します。また、復刻版との見分け方や現在の市場価値についても詳しく紹介し、初心者から上級者まで役立つ完全ガイドとしてまとめました。
この記事のポイント |
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✅ 506XX〜70505までの4大モデルの特徴と年代判別方法 |
✅ ボタン裏刻印とパッチによる確実な見分け方 |
✅ 復刻版とオリジナルを区別するための実践テクニック |
✅ ヴィンテージ市場での現在価値と投資的価値 |
リーバイスデニムジャケット年代判別の基本知識と4大モデルの特徴
- 506XX(ファースト)は1936年登場の最初期モデルで戦前・大戦・戦後で特徴が異なること
- 507XX(セカンド)は1952年頃から両胸ポケット仕様に変更されたこと
- 557XX(サード)は1962年にV字ステッチが特徴的なモデルとして登場したこと
- 70505(フォース)は現代Gジャンの原型となる1967年以降のモデルであること
- ボタン裏刻印が最も確実な年代判別の手がかりになること
- 赤タブのビッグEとスモールeで1971年前後を区別できること
506XX(ファースト)は最初期モデルで1937年以前から1953年まで製造された
506XXは、リーバイスが初めて製造したデニムジャケットで、当時は「プリーテッド・ブラウス」と呼ばれていました。1936年に登場し、1953年頃まで約17年間製造された歴史あるモデルです。
このモデルの最大の特徴は、**フロント中央のプリーツ(ひだ)**にあります。作業着として動きやすさを重視して設計されており、現在のデニムジャケットとは大きく異なる印象を持っています。また、胸ポケットは左側のみの1ポケット仕様となっているのも大きな特徴です。
506XXは製造時期により、さらに細かく分類されます。1937年以前のモデルには赤タブが付いておらず、シンチ・バックルが丸みを帯びています。1937年〜1942年頃には赤タブが追加され、ボックスステッチが大きい長方形に変更されました。
📊 506XX年代別特徴一覧
年代 | 赤タブ | ボタン数 | シンチバックル | ボックスステッチ位置 |
---|---|---|---|---|
1937年以前 | なし | 5つ | 丸み帯び | ボタンより下 |
1937-1942年 | あり | 5つ | 滑り止め付き | 大きな長方形 |
1942-1945年 | あり | 4つ | 滑り止め付き | 大きな長方形 |
1946-1953年 | あり | 5つ | 針なし | ボタンと同じ高さ |
**1942年〜1945年頃は「大戦モデル」**と呼ばれ、資源統制の影響でフロントボタンが5つから4つに変更されています。ボタンには通常のLevi’s表記のものと、月桂樹が描かれているものが存在します。戦後の1946年からはシンチ・バックルが針無しに変更され、これがセカンドモデルへの移行期となりました。
507XX(セカンド)は1952年から両胸ポケット仕様に進化したモデル
507XXは、506XXの後継として1952年〜1953年頃にモデルチェンジが行われたセカンドモデルです。最も大きな変更点は、胸ポケットが左のみから両胸2ポケットに変更されたことです。また、背面のシンチ・バックルが廃止され、ウェストバンド両脇のアジャスターベルトが採用されました。
507XXは短いシルエットや小さめのアームホールなど、506XXの基本的な特徴を継承しながらも、より実用的な仕様に改良されています。現在のGジャンにも見られるアジャスターベルトは、このモデルから始まったといわれています。
年代判別においては、パッチの材質とタブの種類が重要なポイントになります。初期の507XXは革パッチと片面タブの組み合わせですが、1953年頃から両面タブに変更されています。また、1957年頃にレザーパッチから紙パッチへの変更が行われました。
🔍 507XX見分けのポイント
- ポケット数: 両胸2ポケット
- アジャスター: ウェストバンド両脇
- フラップ裏: ライトオンスデニム使用
- プリーツ: 506XXと同様のプリーツあり
- サイズ: 42以上でサイドに接ぎが入る
507XXの生産期間は比較的短く、約10年程度で557XXにモデルチェンジされています。そのため、現在の古着市場では希少性が高く、コンディションの良いものは高値で取引されています。特に片面タブの初期モデルは生産期間が短いため、コレクター間で高い人気を誇っています。
557XX(サード)はV字ステッチが印象的な1962年登場のファッショナブルなモデル
557XXは、1962年頃に登場したサードモデルで、それまでの作業着的な印象から大きく脱却し、ファッション性を重視したデザインに変化しました。最も特徴的なのは、両胸ポケットから裾にかけて走るV字型のステッチです。
このモデルでは、これまでの大きな特徴だったフロントのプリーツが廃止され、ポケットも外側から別布を縫い付ける方式から埋め込み型に変更されました。着丈については短いままですが、アームホールが大きくなり、現代のGジャンにより近いシルエットになっています。
557XXには「ギャラ入り」と呼ばれる特別なモデルが存在します。これは、パッチに「Every Garment Guaranteed」と表記されているもので、初期のサードモデルの証とされています。ギャラ入りのモデルは現在でも高い価値を持ち、数万円から十万円を超える価格で取引されることもあります。
📈 557XX分類表
種類 | パッチ表記 | 特徴 | 希少性 |
---|---|---|---|
557XX ギャラ入り | Every Garment Guaranteed | 初期モデル | ★★★★★ |
557XX | XX表記あり | 中期モデル | ★★★★☆ |
557 | XX表記なし | 後期モデル | ★★★☆☆ |
557XXから557への変更は、1966年頃にXX表記が省略されたタイミングで行われています。これは、リーバイス全体の品番変更に伴うもので、ジーンズの501XXが501になったのと同じタイミングです。この後、557は70505へとモデルチェンジされることになります。
70505(フォース)は現代Gジャンの原型となる1967年以降の最終形態
70505は、1967年頃に557からモデルチェンジされたフォースモデルで、現代のGジャンの原型となった記念すべきモデルです。移行期には「557/70505のダブルネーム」という表記も見られ、この時期のモデルは特に価値が高いとされています。
最初はパッチ表記のみの変更でしたが、その後パッチ自体が小さくなり(通称小パッチ)、着丈が長くなるなどの変更が加えられました。これにより、よりスタイリッシュで現代的なシルエットが完成し、長く愛され続けるデザインの基礎が築かれました。
70505は、ビッグEとスモールeの違いで大きく価値が変わります。1971年を境に赤タブの「E」が小文字の「e」に変更されたため、**ビッグE時代のモデル(1967年〜1971年)**は特に希少性が高く評価されています。
🎯 70505年代別価格相場
年代・種類 | 特徴 | 買取相場 | 希少度 |
---|---|---|---|
ビッグE初期(1966-1968年) | ダブルネーム・大パッチ | 15,000〜50,000円 | ★★★★★ |
ビッグE中期(1967-1969年) | 小パッチ・完成型 | 9,000〜30,000円 | ★★★★☆ |
ビッグEケアタグ(1968-1971年) | ケアタグ付き | 9,000〜30,000円 | ★★★★☆ |
スモールe初期(1972年頃) | 赤タブe表記 | 7,000〜15,000円 | ★★★☆☆ |
スモールe後期(1970年代後半) | 後期仕様 | 5,000〜10,000円 | ★★☆☆☆ |
現在の古着市場では、フォースのビッグEモデルの価格が上昇傾向にあります。以前は復刻版の方が高価でしたが、現在ではオリジナルのビンテージ価格が復刻版を上回るケースが増えており、今後も希少性の高まりとともに価値の上昇が予想されています。
ボタン裏刻印による年代判別は最も確実で信頼性の高い方法
リーバイスデニムジャケットの年代判別において、ボタン裏の刻印確認は最も確実で信頼性の高い方法とされています。特にトップボタン(最上部のボタン)の裏側には、製造時期や工場を示すコードが刻印されており、これを確認することでほぼ正確な年代特定が可能です。
オリジナルのヴィンテージモデルのボタン裏刻印は、主に以下のパターンに分類されます。**1桁のアルファベット(A、D、E、F、J、K、L、O、S、W)や数字(2、4、5、6、8)**は1950年代〜1970年代の特に希少な時期を示しています。
3桁の数字刻印も重要な判別材料で、特に「524」「525」はエルパソ工場(旧6工場)での製造を示し、ヴィンテージ愛好家の間で高く評価されています。「555」はバレンシア工場の復刻モデルを示す特別な番号です。
💎 ヴィンテージボタン裏刻印一覧
刻印タイプ | 具体例 | 年代 | 希少性 |
---|---|---|---|
1桁アルファベット | A, D, E, F, J, K, L, O, S, W | 1950-1970年代 | ★★★★★ |
1-2桁数字 | 2, 4, 5, 6, 8, 16 | 1950-1980年代 | ★★★★★ |
3桁数字 | 524, 525, 527, 529, 532 | 1960-2000年代初期 | ★★★☆☆ |
刻印なし | – | 各年代に存在 | ★★☆☆☆ |
復刻版や現行モデルのボタン裏刻印は、明確に区別できる特徴があります。日本企画モデルには「J」が先頭につくことが多く(例:J22)、現行モデルでは4桁の数字が使用されています。この違いを知っていれば、ボタン裏を確認するだけでオリジナルか復刻かを即座に判別できます。
ただし、「555」の刻印は例外で、これはアメリカのバレンシア工場で1996年〜2003年に製造された復刻モデルの番号です。3桁数字でありながら復刻版という特殊なケースのため、他の特徴と合わせて総合的に判断する必要があります。
赤タブのビッグEとスモールeで1971年前後を明確に区別できる
リーバイスの年代判別で最も有名な特徴の一つが、赤タブに記載されている「LEVI’S」の「E」の大きさです。1971年を境に、それまでの大文字「E」(ビッグE)から小文字「e」(スモールe)へと変更されたため、この特徴だけで1971年前後のどちらに製造されたかを判断できます。
ビッグEは「LEVI’S」の全文字が同じ高さの大文字になっており、スモールeは「LEVI’S」の「E」だけが小文字になっています。この違いは比較的分かりやすく、初心者でも判別しやすい特徴として重宝されています。
赤タブには他にも見分けるポイントがあります。例えば、タブに表示されている「V」の形状が左右対称か左右非対称かという違いです。**均等V(左右対称)**は1953年〜1966年頃に使用され、**不均等V(右側が細い現在の形)**は1966年以降に使用されています。
🏷️ 赤タブ変遷表
年代 | タブ形式 | 文字表記 | V形状 | 裏面表記 |
---|---|---|---|---|
1936-1953年 | 片面 | LEVI’S | – | なし |
1953-1966年 | 両面 | LEVI’S | 均等V | LEVI’S(逆さ) |
1966-1971年 | 両面 | LEVI’S | 不均等V | LEVI’S(逆さ) |
1971年以降 | 両面 | Levi’s | 不均等V | Levi’s(逆さ) |
ビッグEモデルは、特に初期のものほど希少価値が高く、コレクターの間で高値で取引されることがあります。一方、スモールeモデルは比較的数が多く残っており、ビンテージとしての価値はビッグEほど高くないのが一般的です。
しかし、赤タブが残っていない場合や、後から付け替えられている可能性もあるため、他の特徴(パッチ、ボタン裏、内タグなど)と併せて総合的に判断することが重要です。また、1982年以降はプリントタブに変更されており、刺繍の立体感や糸の光沢で区別することも可能です。
リーバイスデニムジャケット年代判別の実践テクニックと価値評価
- パッチの形状と記載内容で製造時期を正確に特定できること
- ケアタグの有無で1968-1971年の限定期間を判別可能なこと
- ステッチの色と配置パターンが年代判別の重要な手がかりになること
- 内タグの言語表記で復刻版を確実に見分けられること
- 現在の市場価値がヴィンテージ優位で価格上昇傾向にあること
- 適切な手入れで長期的な価値保全が可能なこと
- 投資的観点からも注目すべきアイテムであること
パッチの大きさと表記内容で製造時期を正確に特定する方法
リーバイスデニムジャケットの年代判別において、パッチ(後ろ襟元の革製または紙製のタグ)の確認は最も確実な方法の一つです。パッチには品番や保証内容が記載されており、その形状や記載内容の変遷を知ることで、かなり正確な製造時期の特定が可能になります。
パッチの材質は、1955年頃を境に革パッチから紙パッチに変更されています。革パッチの時代(〜1955年頃)は、鹿革が使用されており、美品でない限りほとんどの場合で文字が消えてしまっています。しかし、型番の後に「XX」表記があることや、「Every Garment Guaranteed」の記載があることが特徴です。
紙パッチ時代(1955年頃〜)は、デザインは革パッチとほぼ同じですが、より詳細な情報が記載されるようになりました。特に重要なのは、「Every Garment Guaranteed」の有無で、これは1962年頃まで記載されており、それ以降は「Made in U.S.A.」の表記に変更されています。
📋 パッチ変遷詳細表
時期 | 材質 | 主要表記 | XX表記 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
〜1955年 | 革 | Every Garment Guaranteed | あり | 型番+XX |
1955-1962年 | 紙 | Every Garment Guaranteed | あり | ギャラ入り |
1962-1965年 | 紙 | Made in U.S.A. | あり | 初期・後期あり |
1966-1967年 | 紙 | ダブルネーム | XX消失 | 移行期 |
1967-1969年 | 紙 | アルファベット(A,S,F,I) | なし | タイプ物 |
1970年代〜 | 紙 | CARE INSTRUCTIONS… | なし | 内タグ時代 |
1966年〜1967年の「ダブルネーム」時期は特に注目すべき期間で、品番変更による混乱を避けるため、新旧両方の型番が小さく印字されています。例えば「557/70505」のような表記が見られ、この時期のモデルは現在でも高い価値を持っています。
1967年〜1969年頃の「タイプ物」と呼ばれる時期には、品番の横にアルファベット(A、S、F、I)が印字されており、何を意味していたかは不明ですが、ランクや出荷先を表していたという説があります。これらの細かな違いを把握することで、より正確な年代特定と価値評価が可能になります。
ケアタグの有無で1968年から1971年の限定期間を特定可能
リーバイスデニムジャケットの年代判別において、ケアタグ(パッチの下に付いている白い洗濯表示タグ)の存在は非常に重要な判断材料になります。このタグは1968年から1971年頃の限定的な期間にのみ使用されており、正確な年代特定に役立ちます。
ケアタグには「HOT WASH NORMAL CYCLE-COLOR WILL BLEED-WASH AND TUMBLE ALONE. SHRINKS APPROX.3%」という洗濯に関する英語の説明が書かれています。これは「高温の通常洗濯サイクルで洗え、色落ちするので単独で洗濯・乾燥すること、約3%縮む」という意味です。
このケアタグの有無により、以下のような年代判別が可能です。ケアタグがなく、ビッグEのモデルは1968年以前、ケアタグがあり、ビッグEのモデルは1968年〜1971年の限定期間のモデルと判断できます。
🏷️ ケアタグによる年代判別表
ケアタグ | 赤タブ | 推定年代 | 希少性 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
なし | ビッグE | 1968年以前 | ★★★★★ | 初期モデル |
あり | ビッグE | 1968-1971年 | ★★★★☆ | 限定期間 |
あり | スモールe | 1972年頃 | ★★★☆☆ | 移行期 |
なし | スモールe | 1972年以降 | ★★☆☆☆ | 後期モデル |
「ビッグEにケアタグが付いている」パターンは、1968年〜1971年という限られた期間のモデルであることを示す重要な証拠になります。この組み合わせは比較的見つけやすく、かつ価値も高いため、古着屋やオークションでチェックすべきポイントの一つです。
また、70505の初期モデルには、製造年月を示す3桁の数字がケアタグに記載されていることもあります。例えば「777」なら1977年7月製、「751」なら1975年1月製といった具合に、左の2桁が年、右1桁が月を表しています。ただし、74年表記は確認されておらず、おそらく75年から採用されたと推測されています。
ステッチの色と配置パターンが年代と製造工場を示す重要な手がかり
リーバイスデニムジャケットの年代判別において、ステッチ(縫い目)の色と配置パターンは見落としがちですが、非常に重要な判別材料です。年代や製造工場によって使用される糸の色や縫製方法が異なるため、細部まで確認することでより正確な判断が可能になります。
オリジナルの初期モデル(1960年代〜)では、オレンジやイエローの糸が特徴的に使われていました。特に初期の「プロトタイプ」と呼ばれるモデルでは、ポケット裏がオレンジの平行ステッチになっていたり、アジャスタベルトがシングルステッチだったりする特徴があります。
年代が進むにつれて、ステッチのパターンも変化していきました。1967年〜68年頃のモデルでは、フロントポケット入り口の糸の色がネイビーやブルーに変わり、2本だったステッチが1本になるなどの変化が見られます。
🧵 ステッチパターン変遷表
年代 | ポケット入り口 | アジャスタベルト | 袖先 | 全体的特徴 |
---|---|---|---|---|
1966-67年 | オレンジ2本 | シングル | シングル | プロトタイプ |
1967-68年 | ネイビー1本 | ダブル | シングル | 移行期 |
1968年以降 | イエロー/オレンジ | ダブル | ダブル | 完成型 |
復刻版でもこれらのオリジナルのステッチパターンを忠実に再現しようとしていますが、よく見ると微妙な違いがあります。現行の復刻版では、ポケット部から裾にかけてのVラインがイエロー、フロントヨークの取り付けステッチの上がオレンジ、下がイエローというパターンが多く見られます。
また、袖先のステッチも重要な判別ポイントです。初期のモデルではシングルステッチが使用されており、後のモデルではダブルステッチへと変化しています。この違いは、〜1977年頃までがシングルステッチ、それ以降がチェーンステッチという大まかな判別基準として活用できます。
内タグの言語表記と製造国で復刻版を確実に見分ける方法
リーバイスデニムジャケットの内タグ(左サイドシームに付いているタグ)は、オリジナルと復刻版の見分け方として非常に有効です。内タグはパッチやボタンよりも残っていないケースもありますが、残っていれば確実な判断材料になります。
オリジナルの内タグは、年代によって少しずつデザインが変化しています。1980年代前半までのモデルでは、すべて英語表記のシンプルなタグが使用されていました。1974年以降に内タグが付けられるようになり、初期のものには数字の羅列が3行に分かれて書かれており、最下行に製造月・年・工場番号が記載されています。
復刻版や現行モデルの内タグには、非常に明確な特徴があります。それは**「日本語の表記」と「電話番号」の存在**です。これらはオリジナルには存在しない要素で、タグに日本語が書かれていたり、問い合わせ先の電話番号が記載されていたりする場合は、ほぼ間違いなく復刻版または現行モデルと判断できます。
🏷️ 内タグ判別ポイント
タイプ | 言語表記 | 特徴的記載 | 年代 | 判定 |
---|---|---|---|---|
オリジナル | 英語のみ | 製造月・年・工場番号 | 1974-2003年 | ヴィンテージ |
復刻版 | 日本語あり | 電話番号・LVC表記 | 1980年代後半〜 | 復刻 |
現行モデル | 日本語・中国語等 | 洗濯表示・品質表示 | 2000年代〜 | 現行 |
LVC(LEVI’S VINTAGE CLOTHING)などの復刻ラインの内タグには、「LEVI’S VINTAGE CLOTHING」の表記が入っていることが多く、これもオリジナルとの明確な違いです。また、内タグの素材感も判断材料になり、オリジナルは経年変化による独特の風合いがありますが、復刻版は新しく、素材感や印刷の鮮明さが異なります。
内タグが意図的に切り取られている場合もありますが、その跡を確認することでも情報が得られます。オリジナルの場合は長年の使用による自然な切れ目や摩耗が見られますが、復刻版の場合は意図的に切り取った跡が新しく見えることがあります。
現在の市場価値はヴィンテージ優位で今後も価格上昇が予想される
リーバイスデニムジャケットの市場価値は、近年大きく変化しており、特にオリジナルのヴィンテージモデルの価格が急上昇しています。以前はLVCなどの復刻版の方が新品価格で高額でしたが、現在ではオリジナルのヴィンテージ、特にビッグEモデルの価格が復刻版を上回るケースが増えています。
この価格上昇の背景には、ヴィンテージモデルの枯渇とコレクター需要の高まりがあります。製造から50年以上経過したモデルは物理的に数が減少する一方で、デニム文化の浸透により需要は拡大し続けています。特に506XX、507XXなどの初期モデルは、状態の良いものを見つけることが困難になっています。
現在の買取相場を見ると、ビッグEの希少モデル(1966年〜1968年頃)は15,000円〜50,000円、状態や希少性によっては10万円を超えることもあります。一方、復刻版は新品でも2〜4万円程度で購入できるため、投資的観点からもヴィンテージモデルに注目が集まっています。
💰 現在の市場価格動向
カテゴリ | 2017年頃 | 2025年現在 | 上昇率 | 今後予想 |
---|---|---|---|---|
506XX | 25,000-50,000円 | 50,000-200,000円 | +100-300% | ↗️ |
507XX | 12,000-18,000円 | 20,000-40,000円 | +67-122% | ↗️ |
557XX | 15,000-25,000円 | 25,000-80,000円 | +67-220% | ↗️ |
70505 ビッグE | 9,000-10,000円 | 15,000-30,000円 | +67-200% | ↗️ |
地域による価格差も注目すべき点で、アメリカ国内では日本ほど高値がついていないケースもあり、海外からの買い付けを行うコレクターも増えています。ただし、真贋判定の知識がないとリスクが高いため、信頼できる古着店での購入が推奨されています。
今後の価格動向については、希少性の高まりとともにさらなる価格上昇が予想されています。特にコンディションの良いビッグEモデルは投資対象としても注目されており、適切に保管・メンテナンスすれば長期的な価値保全が期待できます。
適切な手入れと保管方法で長期的な価値を保全する秘訣
ヴィンテージのリーバイスデニムジャケットを長期間価値を保ちながら愛用するためには、適切な手入れと保管方法が欠かせません。特に希少価値の高いモデルは、間違ったケアによって価値を損なってしまう可能性があるため、正しい知識を身につけることが重要です。
洗濯の基本原則として、デニムジャケットは頻繁に洗わないことが鉄則です。独特の風合いを保つためには、3〜6ヶ月に1回程度の洗濯が理想的とされています。汚れや臭いが気になる場合も、まずは部分的な対処を検討しましょう。
手洗いを行う場合は、50リットル程度の水に中性洗剤と塩100g程度を入れ、裏返して10分程度やさしく押し洗いします。色落ちが激しい場合は時間を短縮し、すすぎは洗剤が残らないよう2回程度行います。
🧼 適切な手入れ方法一覧
作業 | 頻度 | 方法 | 注意点 |
---|---|---|---|
日常ケア | 着用後毎回 | 柔らかいブラシでほこり除去 | 強くこすらない |
洗濯 | 3-6ヶ月に1回 | 手洗いまたはドライコース | 単独で洗う |
乾燥 | 洗濯後 | 裏返しで日陰干し | 直射日光を避ける |
保管 | 長期間 | ハンガーで風通しの良い場所 | 防虫剤は直接触れさせない |
シミ対応では、局所的なシミは濡れた布で軽くたたいて拭き取り、完全に乾燥させます。頑固なシミは専門のクリーニング店に相談することをおすすめします。破れやすれが生じた場合は、早めに専門店でリペアしてもらうことで、ダメージの拡大を防げます。
長期保管する際は、直射日光を避け、風通しの良い場所でハンガーにかけて保管します。肩幅に合ったハンガーを使用して型崩れを防ぎ、防虫剤を使用する場合は直接デニムに触れないよう注意します。これらのケア方法を守ることで、ヴィンテージモデルの風合いや価値を保ちながら長期間愛用することが可能になります。
まとめ:リーバイスデニムジャケット年代判別の完全攻略法と投資価値
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイスデニムジャケットは506XX、507XX、557XX、70505の4大モデルに分類される
- 506XXは1936年登場の最初期モデルで戦前・大戦・戦後で特徴が大きく異なる
- 507XXは1952年頃から両胸ポケット仕様になったセカンドモデルである
- 557XXは1962年登場でV字ステッチが特徴的なサードモデルである
- 70505は1967年以降の現代Gジャンの原型となるフォースモデルである
- ボタン裏刻印がオリジナルと復刻を見分ける最も確実な方法である
- ヴィンテージは1-3桁の数字やアルファベット、復刻はアルファベット+数字または4桁数字の刻印が特徴である
- 赤タブのビッグEとスモールeで1971年前後を明確に区別できる
- ケアタグの有無で1968-1971年の限定期間を特定可能である
- パッチの形状と記載内容で製造時期を正確に判別できる
- 内タグに日本語表記や電話番号があれば復刻版または現行モデルである
- ステッチの色と配置パターンも重要な年代判別の手がかりになる
- 現在の市場価値はヴィンテージ優位で価格上昇傾向にある
- ビッグEモデルは特に希少価値が高く投資対象としても注目されている
- 適切な手入れと保管で長期的な価値保全が可能である
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://jamtrading.jp/blogs/jam/1017085/
- https://vintege-collection.hatenablog.com/entry/2022/01/17/205934
- https://dig-it.media/lightning/article/12074/
- https://levi-fun.com/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9-%E3%83%87%E3%83%8B%E3%83%A0%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88-70506%E3%81%A3ribaisu-denimu-jaketto-70506-vintage-guide/
- https://archipelago.mayuhama.com/entry/2022/02/08/182154
- https://levi-fun.com/levi-s-70505-fukuoku-miwakekata/
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://hikakaku.com/blog/all-category/maker-brand/LEVI_S/4892/
- https://ameblo.jp/minimakishi/entry-12815493947.html
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10236772975
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