リーバイス702 特徴と検索している方は、おそらく古着市場やヴィンテージデニムの世界でこの謎めいたモデルに出会ったのではないでしょうか。通常の501とは違う品番に戸惑い、その正体や価値について詳しく知りたいと思われていることでしょう。
リーバイス702は、1990年代後半に日本で企画・製造された特別な復刻モデルです。1930年代の501をモチーフにしながらも、当時の事情により「501」の名前を使えなかったため「702」という独自の品番が付けられました。シンチバックや赤耳セルビッジ、ビッグE赤タブなど、ヴィンテージ感あふれるディテールが特徴的で、現在では90年代のレプリカデニム文化を象徴する貴重な存在として評価されています。
この記事のポイント |
---|
✅ リーバイス702誕生の歴史的背景と「501」が使えなかった理由 |
✅ シンチバックやビッグE赤タブなど特徴的なディテールの詳細 |
✅ 古着市場での現在の評価と価格相場 |
✅ 真贋判定のポイントと年代別の違い |
リーバイス702の基本的な特徴と誕生背景
- リーバイス702とは1990年代に日本で企画された復刻モデル
- 「501」の名前が使えなかった理由と702という品番の意味
- 1930年代501をモチーフにした独特のシルエット
- シンチバックやビッグE赤タブなどヴィンテージディテール
- 発売当時の価格設定と市場での位置づけ
- セルビッチデニムの特徴と色落ちパターン
リーバイス702とは1990年代に日本で企画された復刻モデル
リーバイス702は、1990年代後半の日本におけるヴィンテージデニムブームの黎明期に誕生した特別なモデルです。具体的には1997年頃にリーバイス・ジャパンが企画・製造を開始し、当時のデニムファンの間で話題となりました。このモデルの企画背景には、当時高まりつつあったヴィンテージジーンズへの関心と、本格的なレプリカデニムの需要の高まりがありました。
当時の日本では、PBレプリカデニムブランドが立ち上がり始め、本物志向のデニムファンが増加していた時期でした。そうした市場の変化を受けて、リーバイス・ジャパンが独自に企画したのがこの702モデルです。1930年代の501をモチーフにしながらも、日本独自の解釈を加えた復刻版として位置づけられていました。
製造期間は比較的短く、主に1997年から1998年頃までの限定的な生産だったと考えられます。そのため、現在では希少性が高く、90年代のレプリカデニム文化を語るうえで欠かせない存在となっています。発売当時から「過渡期のモデル」として独特の評価を受けており、その後のリーバイス・ジャパン製501の登場につながる重要なステップとして位置づけられています。
このモデルの特徴的な点は、純粋なヴィンテージレプリカではなく、「ヴィンテージをモチーフにした日本版オリジナル」という性格を持っていたことです。そのため、厳密なヴィンテージコレクターからは批判も受けましたが、一方で日本のデニム文化の発展過程を示す貴重な資料として評価する声もあります。
📊 リーバイス702の基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
製造年代 | 1997年〜1998年頃 |
企画・製造 | リーバイス・ジャパン |
モチーフ | 1930年代の501 |
発売価格 | 約12,000円(当時) |
生産国 | 日本 |
特徴 | シンチバック、ビッグE、赤耳 |
「501」の名前が使えなかった理由と702という品番の意味
リーバイス702の品番に隠された最も興味深いエピソードが、なぜ「501」ではなく「702」という番号が付けられたのかという背景です。当時のリーバイス・ジャパンは、復刻版の501を製造したいと考えていましたが、米国のリーバイス本社から「501」の名称使用許可が下りませんでした。
1990年代当時は、501の名前を冠したモデルのレプリカ生産に対する規制が非常に厳しく、日本法人であっても独自の企画品に「501」の名前をつけることは許可されていませんでした。この規制は、オリジナルのヴィンテージモデルに対する本国の強い保護意識を反映したものでした。本家リーバイス社としては、501というブランドアイコンの価値を守りたいという意図があったと推測されます。
そこでリーバイス・ジャパンは、501の復刻版であることを暗示しつつも、明確に区別するための便宜的なナンバリングとして「702」を採用しました。この702という数字自体に特別な意味があるわけではなく、単純に501とは異なる品番として選ばれたものと考えられています。
興味深いのは、この702の成功を受けて、その後「501」の名を冠した正式な復刻プロジェクトが日米で同時進行的に進められるようになったことです。これにより、「44501(大戦モデル)」、「47501」、「5501」、「66501」といった正式な復刻モデルのラインが展開され、現在のLVC(リーバイス・ヴィンテージ・コレクション)へとつながっていきました。
この「501」が使えなかったという制約が、結果的に日本独自のジーンズ文化を育む一因になったという見方もできます。702は単なる復刻モデルではなく、日本のデニム史における重要な一コマとして位置づけられる所以でもあります。
🎯 品番変更の経緯
段階 | 内容 |
---|---|
企画段階 | 501の復刻版を計画 |
申請 | 米国本社に501使用許可を申請 |
却下 | 本社から許可が下りず |
代替案 | 702という独自品番を採用 |
結果 | 日本版オリジナルとして展開 |
1930年代501をモチーフにした独特のシルエット
リーバイス702のシルエットは、1930年代の501をベースにした「股上深めで太めのパイプドストレート」という特徴的な形状を持っています。現代のスリムフィットやテーパードジーンズに慣れた目には、かなりゆったりとした印象を与えるシルエットです。これは、オリジナルの1930年代モデルがワークウェアとして設計されていたことに由来しています。
具体的な寸法について調査した情報によると、股上は現代のジーンズと比較してかなり深く設計されており、ウエストから股下までの距離が長いのが特徴です。また、太もも周りから膝にかけてもゆったりとしたゆとりがあり、裾に向かってわずかにテーパードする形状となっています。この独特のシルエットは、当時のワークウェアとしての実用性を重視した設計思想を反映したものです。
シルエットのもう一つの特徴として、バックポケットの大きさと配置が挙げられます。現代のジーンズと比較すると、バックポケットが大きめに設計されており、アーキュエイトステッチも深めに施されています。これらの要素が組み合わさることで、ヴィンテージならではの武骨で男性的な印象を生み出しています。
着用感についても、現代のジーンズとは大きく異なります。股上が深いため、ウエスト部分で履くというよりは、腰骨よりも上の位置で着用することが想定されています。これにより、全体的にクラシカルで落ち着いた印象の着こなしが可能になります。ただし、現代のファッションに合わせるには、サイズ選びやスタイリングに工夫が必要かもしれません。
このシルエットは、90年代のリラックスしたファッショントレンドとも相性が良く、当時のストリートファッションにおいてある程度の支持を得ていました。現在では、90年代ファッションの復活とともに、再び注目を集める要因の一つとなっています。
📏 シルエット詳細比較
部位 | リーバイス702 | 現代の501 |
---|---|---|
股上 | 深め(約30cm以上) | 標準(約27cm) |
太もも | ゆったり | やや細め |
膝幅 | ゆったり | 細め |
裾幅 | 約22-23cm | 約20cm |
全体印象 | ワークウェア的 | モダン |
シンチバックやビッグE赤タブなどヴィンテージディテール
リーバイス702の最も特徴的なディテールの一つが、バックシンチ(尾錠)の存在です。これはベルトループの下にリベット止めされている金具で、本来はベルトを使わない時にウエストを絞めるためのものでした。1930年代のオリジナルモデルを忠実に再現しようとした証拠の一つですが、実用面では現代の生活スタイルにはあまり適していません。
バックシンチは椅子やソファ、車のシートを傷つける原因となることが多く、発売当時も不評を買うことがありました。実際に、購入者の中には使用中に家具を傷つけてしまい、シンチバックを切り取ってしまう人もいたようです。しかし、このディテールこそがヴィンテージ感を演出する重要な要素であり、702の個性を決定づける特徴の一つでもあります。
赤タブ(レッドタブ)については、「ビッグE」と呼ばれる特徴的な仕様が採用されています。これは「LEVI’S」の「E」が大文字で表記されたタイプで、1971年以前のヴィンテージモデルを彷彿とさせる重要なポイントです。さらに、一部のモデルでは片面にのみ「LEVI’S」の表記がある「片面タブ」も採用されており、よりヴィンテージ感を高めています。
フロントボタンには、ドーナツタイプ(中央に穴が開いた形状)のボタンが使用されています。これも1930年代のオリジナルモデルに見られた特徴で、現代の平らなボタンとは明らかに異なる古典的なデザインです。このようなディテールの積み重ねが、702独特のヴィンテージ感を生み出しています。
革製のパッチ(レザーラベル)も特徴的で、やわらかい革が使用され、そこには「For over 140 years」という表記が見られます。興味深いことに、この表記は1997年製のモデルと後の再復刻モデルでも同じであり、リーバイスの定型句のようなものと考えられます。
🎨 主要ヴィンテージディテール一覧
ディテール | 仕様 | 特徴 |
---|---|---|
バックシンチ | リベット止め | ウエスト調整用金具 |
赤タブ | ビッグE仕様 | 大文字「E」表記 |
フロントボタン | ドーナツタイプ | 中央に穴あき |
パッチ | 革製 | 「For over 140 years」表記 |
リベット | 打ち抜き表リベット | ヴィンテージ感演出 |
発売当時の価格設定と市場での位置づけ
リーバイス702の発売価格は、当時約12,000円程度で設定されていました。これは、同時期に上野アメ横で販売されていた米国製レギュラーライン501の価格が約6,000円だったことを考えると、約2倍の価格設定でした。つまり、702は明確に「復刻版プレミアム」として位置づけられていたことがわかります。
この価格設定は、当時としては高価格帯の位置づけでした。しかし、本格的なヴィンテージレプリカという性格を考えると、決して法外な価格ではありませんでした。実際に、当時台頭しつつあったPBレプリカデニムブランドの製品と比較しても、妥当な価格帯だったと考えられます。
市場での反応は複雑でした。一方では、本格的なヴィンテージディテールを備えた復刻モデルとして、デニムファンからの注目を集めました。特に、シンチバックやビッグE赤タブなどの特徴的なディテールは、当時のヴィンテージブームの中で評価されました。しかし他方では、厳密なヴィンテージコレクターからは「レプリカとしての完成度に疑問がある」という批判的な声もありました。
販売チャネルとしては、リーバイスストアを中心に展開されましたが、一般的な量販店での取り扱いは限定的でした。これにより、ある程度のプレミアム感を維持することができましたが、同時に認知度の向上には課題がありました。発売期間が比較的短かったことも、現在の希少性につながっています。
興味深いのは、2013年頃に再度復刻されたという情報もあることです。これは、初回の702に対する一定の評価と、90年代ファッションへの関心の高まりを反映したものと考えられます。再復刻版の存在は、702の歴史的価値を証明するものでもあります。
💰 価格比較(1997年頃)
モデル | 価格 | 価格差 |
---|---|---|
リーバイス702 | 約12,000円 | 基準 |
通常の501(米国製) | 約6,000円 | -50% |
国産レプリカブランド | 約10,000-15,000円 | ±25% |
ヴィンテージ実物 | 20,000円以上 | +65%以上 |
セルビッジデニムの特徴と色落ちパターン
リーバイス702には、セルビッジ(赤耳)デニムが採用されている点も重要な特徴の一つです。セルビッジとは、デニム生地の端に織り込まれた耳の部分で、旧式の力織機で織られた証拠とされています。702の場合、赤い色の耳が特徴的で、裾を折り返すことでこの赤耳を見せるスタイリングが可能になります。
しかし、702のセルビッジには独特の特徴があります。通常のセルビッジデニムは綾織で製織されるのに対し、702では平織という特殊な織り方が採用されています。この違いは色落ちのパターンに大きな影響を与えます。綾織のセルビッジは凹凸が付きやすい織り目のため、着用による「あたり」(特徴的な色落ち)が出やすいのですが、平織では凹凸が付きにくく、そのため特徴的なあたりが出にくくなってしまいます。
さらに、アウトシーム(外側の縫い目)がチェーンステッチで縫われている点も特徴的です。チェーンステッチでの縫い合わせはセルビッジが開きにくく、これもあたりを出すには適していない仕様です。これらの特徴により、702の色落ちは通常のヴィンテージデニムとは異なるパターンを示します。
一般的に期待される「縦落ち」と呼ばれる縦方向に鮮明に現れる色落ちパターンは、702では比較的出にくい傾向があります。代わりに、全体的に柔らかく自然な経年変化を楽しむことができるとする評価もあります。特に、66前期モデルの色落ちに近い特徴を持つという声もあり、これはこれで独特の魅力があると考える人もいます。
日本製であることも色落ちの特徴に影響を与えているかもしれません。日本製のデニムは、インディゴの染色方法や生地の特性において独自の進化を遂げており、それが色落ちの個性にも表れています。着用頻度や洗濯方法によっても変化しますが、おおよそ1年ほど定期的に着用することで、702独自の風合いが出てくるとされています。
🧵 セルビッジの特徴比較
項目 | リーバイス702 | 一般的なセルビッジ |
---|---|---|
織り方 | 平織 | 綾織 |
色 | 赤耳 | 赤耳 |
あたりの出やすさ | 出にくい | 出やすい |
縫製 | チェーンステッチ | 多様 |
色落ちパターン | 全体的で柔らか | 縦落ち中心 |
リーバイス702の詳細な特徴と現在の評価
- 古着市場での現在の評価と価格動向
- J22刻印などの年代判別ポイント
- ビッグE赤タブの詳細と真贋判定方法
- 復刻版としての702XXモデルの違い
- 他のリーバイスモデルとの比較
- 現代における着こなし方とスタイリング
- まとめ:リーバイス702 特徴の全貌
古着市場での現在の評価と価格動向
リーバイス702の古着市場での評価は、興味深いことに二分されています。一方では「過渡期にあったからこそ、後のシリーズに繋がった貴重な一本」として歴史的価値を評価する声があります。これは、702が日本のレプリカデニム文化の黎明期を象徴するモデルとして、デニム史における重要性を認める見方です。
しかし他方では、「被せリベット・平織りセルビッジ等、細部の作りが甘い」「生地が良くない」「リーバイスの黒歴史作品」といった厳しい評価も存在します。これらの批判は主に、本格的なヴィンテージレプリカとしての完成度を求めるコレクターからのものです。特に、色落ちのパターンや縫製の細部について、オリジナルのヴィンテージとの違いが指摘されています。
現在の価格相場については、コンディションや特徴によって大きく変動します。一般的な中古品の場合、5,000円から15,000円程度の価格帯で取引されることが多いようです。特に状態の良いもの、色落ちの少ないもの、希少なサイズのものについては、20,000円を超える場合もあります。
デッドストック(未使用品)の場合は価格がさらに上昇し、30,000円前後、極めて希少なものでは50,000円以上の高値がつくこともあります。これは90年代後半の日本製モデルとしての希少性と、当時のデニム文化を象徴するアイテムとしての価値が認められているためです。
近年では90年代ファッションの復活とともに、702モデルの評価も若干上昇傾向にあるようです。特にコンディションの良い物件や色の濃いものは比較的高値で取引されるケースが増えています。「キワモノ好きから一定の人気がある」という評価もあり、マニアックなアイテムとしての地位を確立しているといえるでしょう。
💹 現在の価格相場(2025年)
コンディション | 価格帯 | 特徴 |
---|---|---|
デッドストック | 30,000-50,000円以上 | 未使用、極美品 |
美品 | 15,000-25,000円 | 色濃い、ダメージなし |
良品 | 8,000-15,000円 | 軽微な着用感 |
普通品 | 5,000-10,000円 | 一般的な古着状態 |
難有り品 | 3,000-5,000円 | 修理跡、大きなダメージ |
J22刻印などの年代判別ポイント
リーバイス702の真贋判定や年代判別において、最も重要なポイントの一つがボタン裏の刻印です。リーバイス702の多くには「J22」という刻印が見られます。この「J」はJapan(日本)を意味し、日本企画モデルであることを明確に示しています。ただし、すべての702モデルにJ22刻印があるわけではなく、中には「JC9」など他の刻印が入っているモデルも存在します。
J22刻印は、当時のリーバイス・ジャパンが独自に管理していた品質管理システムの一部だったと考えられます。この刻印システムにより、製造時期や生産ロットを特定することが可能になっていました。古着市場では、この刻印の有無や種類が真贋判断の重要な材料となっています。
パッチ(ラベル)の確認も重要な判別ポイントです。本物のリーバイス702のパッチには「702」または「702XX」と明記されているはずです。また、「For over 140 years」という表記が見られるのも特徴的です。パッチの素材は革製で、やわらかい質感を持っています。偽物の場合、これらの表記が不正確であったり、パッチの質感が異なったりすることがあります。
内タグの製造年月も重要な判別材料です。多くの702モデルは1990年代後半(特に1997年頃)に製造されているため、内タグに記載された製造年情報は真贋判断の参考になります。また、2013年頃に再復刻されたモデルも存在するため、製造年の確認により初回生産分と再復刻分を区別することができます。
セルビッジ(赤耳)の確認も欠かせません。本物の702は赤耳デニムを使用していますが、前述のとおり平織という特徴があります。この平織セルビッジは702特有の特徴であり、通常の綾織セルビッジとは明らかに異なります。この違いを理解していれば、真贋判断により確信を持つことができます。
🔍 年代判別チェックポイント
項目 | 確認ポイント | 本物の特徴 |
---|---|---|
ボタン裏刻印 | トップボタン裏面 | J22またはJC9等 |
パッチ表記 | レザーラベル | 702またはXX表記 |
製造年 | 内タグ | 1997年頃 |
セルビッジ | 裾部分 | 平織の赤耳 |
赤タブ | バックポケット | ビッグE仕様 |
ビッグE赤タブの詳細と真贋判定方法
リーバイス702の赤タブは、「ビッグE」タイプという特徴的な仕様が採用されています。これは「LEVI’S」の「E」が大文字で表記されたもので、1971年以前のヴィンテージモデルを彷彿とさせる重要なディテールです。この大文字表記は、現在のリーバイス製品で使われている小文字「e」とは明確に区別されるため、年代判別の重要な手がかりとなります。
さらに詳しく見ると、702の赤タブには「片面タブ」と呼ばれる仕様も存在します。これは片面にのみ「LEVI’S」の表記があり、裏面は無地という初期のヴィンテージモデルに見られた特徴です。現在の製品では両面に文字が織り込まれているのが一般的ですが、702では意図的にヴィンテージ仕様が再現されています。
赤タブの位置や縫い付け方も重要なチェックポイントです。本物の702では、赤タブは右側のバックポケットに正確に配置され、しっかりと縫い付けられています。偽物の場合、タブの位置がずれていたり、縫製が雑だったりすることがあります。また、タブの色合いも重要で、本物は深い赤色を持っているのに対し、偽物は色が薄かったり、色調が異なったりする場合があります。
赤タブの織り方や質感も判別ポイントとなります。本物のリーバイス赤タブは、特殊な織り方で作られており、独特の質感と厚みを持っています。文字の織り込み方も精密で、エッジがはっきりとしています。偽物の場合、これらの細部が再現されていないことが多く、経験のあるコレクターなら触感だけでも判別できることがあります。
また、赤タブの経年変化も真贋判断の材料になります。本物のヴィンテージ赤タブは、時間の経過とともに独特の色あせ方をします。この自然な経年変化は偽物では再現が困難で、不自然に古く見せようとした加工は専門家の目には明らかです。702の場合、製造からすでに25年以上が経過しているため、自然な経年変化の有無も判断材料となります。
🏷️ 赤タブ判別ポイント
要素 | 本物の特徴 | 偽物の傾向 |
---|---|---|
文字 | 大文字「E」 | 小文字「e」の場合も |
面数 | 片面または両面 | 不正確な場合有 |
位置 | 正確な配置 | ズレている場合有 |
色合い | 深い赤色 | 薄いまたは異色 |
質感 | 厚みのある織り | 薄い、粗い |
復刻版としての702XXモデルの違い
リーバイス702には、「702XX」という表記が存在する場合もあります。この「XX」の追加表記には、どのような意味や特徴があるのでしょうか。「XX」という表記は、リーバイスの歴史において重要な意味を持っています。元々「501XX」の「XX」は、「エクストラ エクストラ ヘビー」の略で、当時としては最も重厚なデニムを使用していることを示していました。
702XXは、こうした歴史的な「XX」の意味合いを踏まえつつ、より本格的なヴィンテージレプリカを目指したモデルと考えられます。通常の702よりもヴィンテージディテールが忠実に再現されている傾向があります。例えば、ボタン裏には前述のJ22などの刻印があるモデルが存在し、古着市場では重要な真贋判断の一つとなっています。
702XXモデルでは、「BIGE」(ビッグE)、シンチバック、片面タブ、隠しリベットなど、より多くのヴィンテージ要素が取り入れられています。これらのディテールは、通常の702よりもさらに1930年代のオリジナルモデルに近づけようとした結果です。特に隠しリベットについては、ヴィンテージジーンズの特徴的なディテールの一つで、現代のジーンズでは省略されることが多い部分です。
生地に関しても、702XXはより本格的な仕様となっています。赤耳(セルビッジ)仕様はもちろん、インディゴの染色方法についてもヴィンテージ感を重視したアプローチが取られています。ただし、前述のように平織という特性は変わらないため、色落ちのパターンはオリジナルのヴィンテージと若干異なる点は同様です。
702XXは、リーバイス・ジャパンのヴィンテージレプリカへの挑戦であると同時に、後のLVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)シリーズへと続く重要な過渡期のモデルとして位置づけられます。現在では古着市場においても、702XXはコレクターズアイテムとして通常の702よりも高値で取引される傾向があります。
⚡ 702と702XXの違い
項目 | 702 | 702XX |
---|---|---|
ヴィンテージ度 | 標準 | より忠実 |
ディテール数 | 基本的 | 充実 |
隠しリベット | 一部あり | より多く採用 |
古着市場価格 | 標準価格 | やや高価格 |
希少性 | 希少 | より希少 |
他のリーバイスモデルとの比較
リーバイス702を他の復刻モデルと比較することで、その独自性がより明確になります。まず、同時期に展開されていた502XXや503BXXといったモデルとの関係を見てみましょう。これらのモデルは同じく90年代に国産セルビッチデニムで製造され、9,800円から12,800円という価格帯で販売されていました。しかし、それぞれ異なる年代の501をベースにしており、ディテールや特徴が大きく異なります。
501XX復刻(LVCなど)との比較では、より明確な違いが見えてきます。501XX復刻は本国リーバイス社による正式な復刻ラインであり、細部までオリジナルに忠実であることが多いのが特徴です。一方、702は日本法人による独自解釈のモデルであり、ヴィンテージ感を出しつつも一部独自のアレンジが加えられています。この違いは、復刻に対するアプローチの違いを表しています。
44501(大戦モデル)との比較も興味深いものです。44501は第二次世界大戦中のリソース不足を背景に生まれた簡素化されたモデルの復刻版です。一方、702は1930年代のモデルをモチーフにしており、シンチバックや隠しリベットなど、より古典的で装飾的な要素を持っています。この違いは、モチーフとなった時代の背景の違いを反映しています。
66501との比較では、時代性の違いが顕著に現れます。66501は1966年頃のモデルの復刻版で、より現代的な要素が入っています。702と比較すると、66501はより洗練されたデザインで現代の着こなしにも馴染みやすい特徴があります。一方、702はより古典的で独特のシルエットを持っており、ヴィンテージファッションにより適していると言えるでしょう。
現行の501との比較では、根本的な設計思想の違いが見えてきます。現行の501は現代の体型や着こなしに合わせて最適化されており、実用性や着心地が重視されています。一方、702は歴史的再現に重点を置いており、実用性よりも当時の雰囲気の再現を優先しています。この違いは、購入する際の選択基準にも大きく影響します。
🔄 主要モデル比較表
モデル | 時代背景 | 特徴 | 現代での位置づけ |
---|---|---|---|
702 | 1930年代ベース | シンチバック、古典的 | 日本版オリジナル |
501XX | 1940-60年代 | 正統派復刻 | 王道ヴィンテージ |
44501 | 大戦時代 | 簡素化デザイン | 歴史的価値 |
66501 | 1966年 | 現代的要素 | バランス型 |
現行501 | 現代 | 実用性重視 | 日常着 |
現代における着こなし方とスタイリング
リーバイス702を現代のファッションに取り入れる際は、その独特なシルエットと特徴を活かすスタイリングが重要です。まず、702の特徴である「股上深めで太めのパイプドストレート」というシルエットを考慮したトップス選びが鍵となります。ゆったりとした下半身には、フィットしたトップスを合わせることでバランスの良いスタイリングが完成します。
具体的には、タイトなTシャツやニット、スリムなシャツなどとの組み合わせが効果的です。オーバーサイズのトップスと合わせると全体的にルーズすぎる印象になってしまうため、メリハリをつけることが大切です。特に、ヴィンテージ感を全面に出したい場合は、同じく歴史のあるブランドのワークシャツやチェックシャツ、ヘンリーネックなどと合わせるスタイリングがおすすめです。
足元については、ワークブーツやローファー、スニーカーなど様々なスタイルと相性が良いのが702の特徴です。特にレッドウィングなどのクラシックなワークブーツと合わせると、デニムのヴィンテージ感がより引き立ちます。また、コンバースのチャックテイラーなどのクラシックスニーカーとも相性抜群で、90年代風のカジュアルスタイルが楽しめます。
シンチバックという特徴的なディテールを活かすなら、ベルトを使わずにシンチバックでウエストを調節するスタイリングも楽しめます。この場合、トップスをインするとシンチバックが見えやすくなり、ヴィンテージ感のあるコーディネートが完成します。ただし、前述のとおりシンチバックは椅子などを傷つける可能性があるため、使用する場面は選ぶ必要があります。
裾の折り返しによって赤耳(セルビッジ)を見せるスタイリングも702の魅力を引き立てます。5〜7センチほど折り返すと、赤耳がしっかりと見えるとともに、ブーツやスニーカーとのバランスも良くなります。この折り返しスタイルは、セルビッジデニムの醍醐味の一つであり、702の価値を視覚的にアピールできる方法でもあります。
👕 季節別コーディネート例
季節 | トップス | アウター | 足元 | ポイント |
---|---|---|---|---|
春 | 白Tシャツ | デニムジャケット | スニーカー | デニム・オン・デニム |
夏 | ポロシャツ | なし | レザーシューズ | 大人カジュアル |
秋 | チェックシャツ | ミリタリージャケット | ブーツ | アメカジスタイル |
冬 | ニット | レザージャケット | ワークブーツ | ヴィンテージ感重視 |
まとめ:リーバイス702 特徴の全貌
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイス702は1990年代後半にリーバイス・ジャパンが企画・製造した特別な復刻モデルである
- 1930年代の501をモチーフにしているが、米国本社から「501」の名称使用許可が下りず「702」となった
- 発売価格は約12,000円で、当時の通常501の約2倍の高価格設定だった
- シンチバック(尾錠)がベルトループ下にリベット止めされている特徴的なディテールを持つ
- 赤タブは「ビッグE」仕様で、大文字の「E」が特徴的である
- セルビッジデニムを使用しているが、通常と異なり平織で織られている
- 股上深めで太めのパイプドストレートという独特なシルエットを持つ
- フロントボタンはドーナツタイプで、ヴィンテージ感を演出している
- 革製パッチには「For over 140 years」の表記がある
- ボタン裏には「J22」などの日本企画を示す刻印がある
- 平織セルビッジとチェーンステッチ縫いにより、通常とは異なる色落ちパターンを示す
- 古着市場では評価が分かれるが、90年代ヴィンテージとして一定の価値を保っている
- 現在の価格相場は5,000円〜50,000円以上と状態により大きく変動する
- 702XXという表記のモデルは、より多くのヴィンテージ要素を取り入れたバージョンである
- 後のリーバイス・ジャパン製501やLVCシリーズへとつながる過渡期の重要なモデルである
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://www.g-planning-japan.com/levis702
- https://levi-fun.com/levis-702-tokucho/
- https://ameblo.jp/omakaseya-vintagekaitori/entry-12492006815.html
- https://haute-lineup.com/ribaisu-702-tokucho/
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1273778382
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1131436501
- https://www.leon.jp/fashions/6526
- https://denimman.blog.jp/archives/11140766.html
- https://jp.mercari.com/s/681895
- https://www.titularice.com/detail/12887619
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