リーバイスシャツ タグ 年代について調べている方にとって、タグの特徴から正確な製造年代を判別することは、ヴィンテージアイテムの価値を見極める上で極めて重要です。リーバイスは1873年の創業以来、時代とともにタグのデザインや仕様を変更してきており、これらの変化を理解することで30年代から現代まで幅広い年代のシャツを正確に判別できます。
本記事では、リーバイスシャツのタグによる年代判別について、30-40年代のロングホーンタグから現代の内タグまで、各時代の特徴的なデザインや刻印、素材の違いを詳細に解説します。また、希少な白タブやアラスカブランド、パナテララインなどの特殊なシャツについても触れ、古着市場での価値判断に役立つ実践的な情報をお届けします。
この記事のポイント |
---|
✅ リーバイスシャツのタグは時代ごとに明確な特徴があり年代判別が可能 |
✅ ロングホーンタグ(30-40年代)から現代まで各時代の識別方法を網羅 |
✅ 内タグの導入(1974年)以降は製造年月の正確な特定ができる |
✅ 白タブやアラスカブランドなどの希少シャツの見分け方も解説 |
リーバイスシャツのタグから見る年代判別の基礎知識
- リーバイスシャツのタグによる年代判別は30年代から現在まで可能
- ロングホーンタグは30-40年代の象徴で最も希少価値が高い
- 40年代の筆記体タグとDELUXEラインの特徴
- 50年代のショートホーンタグは®マークが初登場
- 60-70年代のサドルマンタグは背を向けた騎手が特徴
- 70年代のアーキュエイトマークタグとパナテラライン
リーバイスシャツのタグによる年代判別は30年代から現在まで可能
リーバイスシャツの年代判別において、タグの変遷を理解することは最も確実な方法の一つです。1873年の創業以来、リーバイスは時代とともにブランドアイデンティティを変化させており、これがタグのデザインにも反映されています。特に1930年代以降のシャツには、時代を特定できる明確な特徴が現れるようになりました。
年代判別の精度を高めるためには、複数の要素を総合的に判断することが重要です。タグのデザインだけでなく、使用されている素材、印刷技術、文字のフォント、レイアウトなども時代によって異なります。例えば、戦前のタグは印刷技術の限界から線が太く、戦後になると技術向上により細かなデザインが可能になりました。
また、製造工場や販売地域によってもタグに違いが生じる場合があります。アメリカ国内向けと輸出向け、あるいは東海岸と西海岸の工場では微妙な差異が存在することがあります。そのため、一つのタグだけで断定せず、他の年代判別要素と組み合わせて判断することが推奨されます。
📊 年代別タグ判別の基本的な流れ
判別手順 | 確認ポイント | 重要度 |
---|---|---|
1. タグデザインの確認 | バッファロー、騎手、アーキュエイトマーク等 | ★★★ |
2. 文字フォントの検証 | 筆記体、印刷体、Eの大きさ等 | ★★★ |
3. 素材・印刷技術の確認 | 紙質、印刷の精度、色彩等 | ★★ |
4. 内タグの有無確認 | 1974年以降は内タグ付き | ★★★ |
5. その他要素との照合 | ボタン、ステッチ、生地等 | ★★ |
現代のコレクターや古着愛好者にとって、正確な年代判別は投資的価値の判断にも直結します。特に30-40年代のロングホーンタグや50年代のショートホーンタグなどは、保存状態が良好であれば非常に高値で取引される傾向にあります。
ロングホーンタグは30-40年代の象徴で最も希少価値が高い
ロングホーンタグは、リーバイスシャツの中でも最も古い部類に属し、現在では極めて希少な存在となっています。このタグの最大の特徴は、中央に描かれたバッファローの角が長いことから「ロングホーン」と呼ばれており、30年代から40年代にかけて使用されていました。
ロングホーンタグのデザイン的特徴は非常に象徴的です。力強いバッファローのシルエットが印象的で、当時のアメリカ西部開拓時代の精神を色濃く反映しています。タグの周囲には装飾的な枠線が施されており、印刷技術の制約から線の太さにはばらつきがありますが、これがかえって時代感を演出しています。
同時期にはロデオタグと呼ばれるバリエーションも存在していました。これはロングホーンタグと並行して使用されており、騎手がブロンコに乗る姿が描かれた動的なデザインが特徴です。両者とも戦前の貴重なタグとして、現在のヴィンテージ市場では非常に高く評価されています。
🏆 ロングホーンタグの価値評価ポイント
評価要素 | 高評価条件 | 市場価値への影響 |
---|---|---|
保存状態 | 汚れや破れが少ない | ★★★ |
色彩の鮮明さ | オリジナルの色が残存 | ★★★ |
デザインの完整性 | バッファローの輪郭がはっきり | ★★★ |
製品との一体性 | シャツ本体とのオリジナル性 | ★★ |
稀少性 | 同年代の他タグとの比較 | ★★★ |
現在市場に流通するロングホーンタグ付きシャツは極めて限られており、良好な状態のものは数十万円から時には100万円を超える価格で取引されることもあります。ただし、レプリカや後付けのタグも存在するため、購入時には専門家による真贋判定が推奨されます。
40年代の筆記体タグとDELUXEラインの特徴
1940年代のリーバイスシャツタグには、優美な筆記体表記が多用されるという特徴的な変化が見られます。これは戦時中から戦後復興期にかけての時期で、デザインにもより洗練された美的感覚が取り入れられるようになりました。筆記体の「Levi’s」は流れるような美しいカーブを描き、現代のコレクターからも高く評価されています。
同時期に注目すべきは**「DELUXE」ラインの登場**です。このラインは高級版として位置づけられており、タグには「DELUXE」という文字とともに「FABRIC ESPECIALLY LOOMED」(特別に織られた生地・布)という表記が入っています。これは通常のワークウェアラインとは一線を画すファッション性を重視した製品であることを示しています。
DELUXEラインは、リーバイスがワークウェアメーカーからファッションブランドへと転換していく過渡期の重要な証拠でもあります。この時期の他のアメリカンブランドにも同様の「DELUXE」表記が見られることから、40-50年代のアメリカファッション業界全体のトレンドを反映した現象と考えられます。
📝 40年代筆記体タグの識別ポイント
- 文字の特徴: 流れるような筆記体フォント
- 印刷技術: 戦前より精密だが手作業感が残る
- デザイン要素: シンプルで上品な構成
- 特殊表記: DELUXEラインには専用文言
- 材質: 紙質が向上し、より丈夫な素材使用
戦時中の物資不足により、タグの材質や印刷にも制約があった時期ですが、それでも品質向上への努力が窺えます。特に筆記体の美しさは、戦後アメリカの希望と復興への意志を象徴するかのようです。現在これらのタグが付いたシャツを見つけることができれば、歴史的価値も含めて非常に貴重なアイテムと言えるでしょう。
50年代のショートホーンタグは®マークが初登場
1950年代のリーバイスシャツに見られるショートホーンタグは、それまでのロングホーンから角が短くなった新しいデザインとして登場しました。この変更は単なるデザイン変更ではなく、ブランドの商標管理がより厳格になったことを反映しており、同時期から「®(レジスター)」マークが初めて使用されるようになりました。
ショートホーンタグには複数のデザインバリエーションが存在します。基本的なデザインはバッファローの角が短くなったものですが、中にはバッファローのシルエット自体が簡略化されたものや、周囲の装飾パターンが異なるものもあります。これらの違いは製造工場や時期によるものと推測されており、コレクターにとっては興味深い研究対象となっています。
特に注目すべきは「DENIM FAMILY」タグの存在です。50年代後期になると、ショートホーンロゴが無くなり、代わりに「DENIM FAMILY」と記載されたシンプルなタグが登場します。これはワークウェアライン専用のタグで、ファッション要素の高いアイテムとの区別を明確にするために導入されたと考えられています。
🔍 50年代ショートホーンタグの詳細分類
タグタイプ | 使用期間(推定) | 主な特徴 | 希少度 |
---|---|---|---|
初期ショートホーン | 1950-1953 | 角は短いが太い、®マーク無し | ★★★ |
中期ショートホーン | 1953-1957 | ®マーク付き、デザイン安定 | ★★ |
後期ショートホーン | 1957-1960 | より簡略化されたデザイン | ★★ |
DENIM FAMILY | 1958-1962 | ワークウェア専用、シンプル | ★★★ |
製造数が相対的に少なかった「DENIM FAMILY」タグは現在では希少価値が高く、ワークウェアとしてのリーバイスの歴史を物語る貴重な資料として評価されています。また、®マークの位置や大きさも時期によって微妙に異なるため、細部まで注意深く観察することで、より正確な年代特定が可能になります。
60-70年代のサドルマンタグは背を向けた騎手が特徴
60年代から70年代にかけて登場したサドルマンタグは、背を向けた騎手のシルエットが印象的で、西部劇全盛期のアメリカ文化を反映した象徴的なデザインです。このタグは従来のバッファローモチーフから人物モチーフへの大きな転換点を示しており、リーバイスブランドのイメージ戦略の変化を如実に表しています。
サドルマンタグにはいくつかの重要なバリエーションが存在します。最も特徴的なのは三角タグバージョンで、通常の四角いタグとは異なり三角形にカットされた特殊な形状です。また、茶色の生地を使用した「茶タグ」と呼ばれるバリエーションも存在し、これらは通常のタグよりも希少価値が高いとされています。
文字表記にも重要な変化が見られます。これまで大文字のみだった「LEVI’S」表記に、小文字を使用した「Levi’s」が登場するのもこの時期です。この変更は、ブランドイメージをよりカジュアルで親しみやすいものにしようとする意図があったと推測されます。現代のリーバイスロゴの原型がこの時期に形成されたと言えるでしょう。
🤠 サドルマンタグの特徴的要素
- デザイン: 背を向けた騎手のロマンティックなシルエット
- 形状バリエーション: 四角、三角、茶タグなど多様
- 文字変化: 大文字から小文字表記への移行
- 時代背景: 西部劇ブームとカウボーイカルチャーの影響
- 製造技術: より精密な印刷技術の採用
この時期のシャツはファッションアイテムとしての位置づけが明確になっており、純粋なワークウェアから脱却してカジュアルウェアとしての性格を強めています。サドルマンタグ付きのシャツは現在でも人気が高く、特に保存状態の良い三角タグや茶タグは古着市場でプレミアム価格で取引されています。
70年代のアーキュエイトマークタグとパナテラライン
1970年代のリーバイスシャツタグには、ブランドのシンボルであるアーキュエイトマーク(弓形のステッチライン)をモチーフにしたシンプルなデザインが採用されました。これは従来の具象的なモチーフから抽象的なブランドシンボルへの大きな転換であり、現代的なロゴデザインの先駆けとも言える変化でした。
アーキュエイトマークタグは非常にシンプルながら洗練されたデザインで、様々な製品カテゴリーに適用できる汎用性を持っていました。このタグには多くのパターンが存在し、アーキュエイトマークの太さや曲線の角度、周囲のテキストレイアウトなどに微細な違いが見られます。これらの差異は製造時期や工場による違いと考えられています。
同時期に登場した**「Panatela(パナテラ)」ライン**は、70年代リーバイスの特徴的な製品ラインの一つです。パナテラは細めのシガーの名前に由来しており、よりファッション性を重視したスリムフィットのシャツラインでした。パナテラライン専用のタグデザインも存在し、通常のアーキュエイトマークタグとは異なる独特な雰囲気を持っています。
70年代シャツラインの分類
ライン名 | ターゲット | デザイン特徴 | タグ識別 |
---|---|---|---|
標準ライン | ワーカー・一般層 | クラシックなワークシャツ | アーキュエイトマーク |
パナテラライン | ファッション志向層 | スリム&モダンデザイン | 専用パナテラタグ |
ウエスタンライン | カウボーイ・西部愛好家 | 装飾的なディテール | 青タグ(一部) |
レディースライン | 女性向け | フェミニンなシルエット | 専用レディースタグ |
ウエスタンシャツ等によく見られる青タグも70年代の特徴的な要素です。これは主にウエスタンスタイルのシャツに使用され、カウボーイ文化への憧憬を表現したデザイン要素でした。青という色彩選択も、アメリカンデニムの象徴色を意識したものと推測されます。現在これらの70年代タグは、その時代のアメリカンファッション史を物語る貴重な資料として高く評価されています。
リーバイスシャツのタグと内タグで完璧な年代特定
- 80年代のフランス国旗パターンタグとオリンピック記念モデル
- 1974年以降の内タグは製造年月の特定が可能
- 白タブシャツは70-80年代のファッションライン限定品
- アラスカブランドのシャツは1987-1999年の限定生産
- 90年代以降の海外製シャツタグの見分け方
- 現行リーバイスシャツのタグ特徴と偽物の判別方法
- まとめ:リーバイスシャツのタグによる年代判別の完全ガイド
80年代のフランス国旗パターンタグとオリンピック記念モデル
1980年代のリーバイスシャツタグで最も特徴的なのは、フランス国旗を思わせる三色パターンのデザインです。この斬新なタグは70年代後期から80年代にかけて使用され、従来の保守的なタグデザインから大きく脱却した革新的なアプローチでした。赤、白、青の配色は確かにフランス国旗を連想させますが、実際にはアメリカの星条旗の色彩をモチーフにしたとする説もあります。
このタグの興味深い点は、トップス用とボトムス用の両方に採用されたことです。通常、リーバイスではジーンズなどのボトムスには別のタグデザインが使用されることが多いのですが、この三色パターンタグは製品カテゴリーを超えて広く使用されました。これは80年代のブランド戦略として、統一感のあるアイデンティティを構築しようとした意図が感じられます。
1984年ロサンゼルスオリンピック記念モデルは、この時期の特別なアイテムとして高い価値を持っています。オリンピック開催を記念して製造されたシャツには、五輪マークが入った特別なタグが使用されました。これらの記念モデルは製造数が限定されており、現在では非常に希少なコレクターズアイテムとして取引されています。
🏅 80年代特殊タグの分類と価値
タグタイプ | 使用期間 | 特徴 | 現在の価値 |
---|---|---|---|
フランス国旗パターン | 1978-1985 | 三色配色、モダンデザイン | ★★ |
LAオリンピック記念 | 1984限定 | 五輪マーク入り特別仕様 | ★★★★ |
標準アーキュエイト | 1980-1990 | 70年代からの継続使用 | ★ |
初期内タグ併用 | 1974-1985 | 外タグ+内タグの組み合わせ | ★★ |
オリンピック記念タグの真贋判定は特に重要です。人気の高さから偽物も多数存在するため、タグのプリント品質、使用されている素材、同時期の他の年代判定要素との整合性を慎重に確認する必要があります。本物の記念タグは印刷技術が高精度で、五輪マークの細部まで鮮明に表現されています。
1974年以降の内タグは製造年月の特定が可能
1974年は、リーバイスの年代判別において極めて重要な転換点です。この年から内タグ(ケアラベル)の取り付けが開始され、それまで外観的特徴に頼っていた年代判別に、より正確な数値データが加わることになりました。内タグには製造年月と工場番号が明記されているため、月単位での正確な年代特定が可能になります。
1974年から1985年の初期内タグは独特の形式を持っています。数字の羅列が3行に分かれて記載され、最下行に製造月、製造年の下2桁、工場番号が左から順に記載されています。例えば「3 78 16」と表記されていれば、1978年3月に16番工場で製造されたことを意味します。この時期の内タグは現在のものとは印刷方法や生地質が異なるため、視覚的にも識別可能です。
1985年から1988年の内タグは文字量が大幅に増加し、7行構成となりました。6行目に工場番号、7行目に製造年月が記載される形式に変更されています。注目すべきは製造年が下1桁のみの表記になったことで、例えば「5」と記載されていた場合、1985年なのか1995年なのかは他の要素と照合して判断する必要があります。
📅 内タグ形式の変遷と読み方
- 1974-1985: 3行形式、最下行に月/年/工場番号
- 1985-1988: 7行形式、年は下1桁のみ表記
- 1988-1994: 薄い生地使用、レイアウト変更
- 1993以降: 刺繍タグ導入、より現代的な形式
- 1995-2003: モダンデザイン、情報の整理化
内タグの読み方をマスターすることで、古着購入時の判断精度が格段に向上します。特に1980年代から90年代のシャツは、内タグ情報と外タグデザインを組み合わせることで、非常に正確な年代特定が可能です。ただし、内タグが後から付け替えられている場合もあるため、他の年代判別要素との整合性を必ず確認することが重要です。
白タブシャツは70-80年代のファッションライン限定品
白タブ付きのリーバイスシャツは、通常の赤タブとは全く異なる特別なカテゴリーの製品です。白タブは主に70年代から80年代にかけて、デニム以外の素材や「ワークを想定していないパンツ」に使用されていましたが、シャツ類にも限定的に採用されていました。これらは純粋なワークウェアではなく、ファッション性を重視した製品ラインの証です。
白タブシャツの最も特徴的な例は、1970年代初期のデニムシャツジャケットです。これらは「シャツジャケット最初期のモデル」として位置づけられ、縦落ちするデニム生地が使用されていました。興味深いことに、一部のモデルには「ビッグE」の特徴も見られ、白タブとビッグEの組み合わせは極めて希少な存在となっています。
後期の白タブシャツジャケットは、デニムからシャンブレー調の生地へと変化し、タグもオレンジタブに移行していきました。この変化は、製品の位置づけがより廉価版へとシフトしていったことを示しています。そのため、初期の白タブシャツジャケットは現在でも高い価値を持っています。
白タブシャツの希少価値評価基準
要素 | 高価値条件 | 評価ポイント |
---|---|---|
製造時期 | 1970年代初期 | ビッグE時代は特に高価値 |
素材 | 縦落ちデニム生地 | 後期のシャンブレー調より希少 |
デザイン | スタッズ痕の有無 | オリジナルカスタマイズの証拠 |
保存状態 | 色褪せ・破損の程度 | 白タブの視認性が重要 |
付属品 | オリジナルボタン等 | 全体の整合性が価値を左右 |
90年代のカラーデニムシャツにも白タブが使用された例があります。リーバイス551などのカラーデニムパンツと同様に、USA製だけでなくチュニジア製などの海外生産品も存在しました。これらは比較的新しい白タブ製品として、現在でも入手しやすい価格帯で取引されています。
アラスカブランドのシャツは1987-1999年の限定生産
リーバイスのアラスカブランドは、1987年から1999年まで展開された特別なアウトドアラインで、ブランド内レーベルとしては非常にユニークな存在でした。アラスカタグには「ALASKA」の文字が大きく配置され、リーバイスのロゴは控えめに小さく表示されるという、通常とは逆の構成になっています。これは、ワークウェアブランドとしてのリーバイスからの脱却と、アウトドア市場への本格参入を意図した戦略的デザインです。
**アラスカラインのネルシャツ(アラスカシャツ)**は特に有名で、当時のカタログでも「アラスカシャツ」として大々的に紹介されていました。1993年当時のリーバイスブックには、コーンミルズ社と共同開発した生地を使用したアラスカシャツの記事が掲載されており、技術的な革新性もアピールポイントでした。
アラスカシャツの最大の特徴は、その驚異的な生地の厚さです。一般的なネルシャツとは一線を画す肉厚な素材は、エクストリームなアウトドア環境を想定して開発されました。長年の洗濯と乾燥によってさらに目が詰まり、現在では「シャツでありながらライトアウター的な感覚で着用できる」という独特な特性を持っています。
🏔️ アラスカブランドの展開歴史
- 1987-1989: 初期展開、デニムジャケットとネルシャツが中心
- 1990-1994: 最盛期、多様なアウトドアアイテムを展開
- 1995-1996: 縮小期、ナイロン素材のマウンテンパーカー等を追加
- 1997-1998: 展開休止、市場から一時姿を消す
- 1999: 最終復活、タグリニューアル後すぐに終了
アラスカタグの年代判別は4回のタグ変更によって可能です。初期から後期にかけてデザインやレイアウトに変化があり、特に1999年の復活時には大幅にタグがリニューアルされました。現在アラスカシャツを購入する際は、これらのタグ変遷を理解しておくことで、より正確な製造時期を特定できます。
90年代以降の海外製シャツタグの見分け方
1990年代以降、リーバイスの生産体制は大きく変化し、アメリカ国内だけでなく世界各地での製造が本格化しました。この変化はタグにも反映され、「Made in Tunisia」「Made in Mexico」「Made in Dominican Republic」など、様々な製造国表記が見られるようになりました。これらの海外製品も正規のリーバイス製品であり、品質管理は厳格に行われていました。
チュニジア製のリーバイスシャツは90年代の代表的な海外製品の一つです。特に白タブ付きのカラーデニムシャツなどで、チュニジア製のものが確認されています。製造国による品質の違いは微細ですが、縫製パターンや使用される副資材(ボタン、糸など)に若干の特徴があります。
製造国の判別は内タグまたはネックタグに記載されています。1990年代前半まではUSA製が主流でしたが、段階的に海外製が増加し、2003年にアメリカ国内工場が全面閉鎖されるまで並行して生産されていました。この移行期のアイテムは、生産コストや流通戦略の変化を物語る貴重な資料でもあります。
🌍 90年代海外製リーバイスの主要生産国
製造国 | 生産開始時期 | 主要製品 | 特徴 |
---|---|---|---|
チュニジア | 1990年頃 | デニムシャツ、カラーパンツ | 白タブ製品が多い |
メキシコ | 1985年頃 | ジーンズ、ワークシャツ | USA製に最も近い品質 |
ドミニカ共和国 | 1992年頃 | カジュアルシャツ | カリブ海地域の拠点 |
コスタリカ | 1988年頃 | 多様なアイテム | 中米生産の先駆け |
海外製品の価値判断においては、製造国よりも製造年代やデザインの希少性が重視される傾向があります。ただし、コレクターの中にはUSA製にこだわる層も存在するため、市場価値には一定の影響があります。購入時には製造国だけでなく、全体的な製品価値を総合的に判断することが重要です。
現行リーバイスシャツのタグ特徴と偽物の判別方法
現行のリーバイスシャツタグは、2000年代以降に確立された現代的なデザインを採用しています。デジタル印刷技術の向上により、非常に鮮明で耐久性の高いタグが実現されており、偽造品との区別も比較的容易になっています。正規品のタグは印刷品質が非常に高く、文字や画像の輪郭が明確で、色彩も鮮やかです。
現行タグの主な特徴には以下があります:高解像度のデジタル印刷、多言語表記(英語、スペイン語、フランス語など)、バーコードやQRコードの併用、環境配慮に関する表記、そして詳細なケアインストラクション。これらの要素が総合的に組み込まれており、偽造品では再現が困難な複雑性を持っています。
偽物の典型的な特徴として、印刷品質の粗さ、色彩の不正確性、フォントの微妙な違い、タグ素材の質感差などが挙げられます。特に「Levi’s」ロゴの「e」の字体や、アーキュエイトマークの曲線の正確性は、偽物識別の重要なポイントです。正規品では数十年にわたって蓄積された印刷技術のノウハウが活かされており、微細な部分まで完璧に仕上げられています。
🔍 正規品と偽物の見分け方チェックリスト
- 印刷品質: 文字の鮮明さと色彩の正確性
- 素材感: タグ生地の質感と厚み
- フォント: 「Levi’s」ロゴの字体の正確性
- レイアウト: 文字配置と余白のバランス
- 追加情報: バーコード、多言語表記の有無
- 縫い付け: タグの取り付け方法と糸の品質
オンライン購入時の注意点として、タグの画像が不鮮明な商品や、価格が市場相場と大きく乖離している商品は避けるべきです。また、販売者の信頼性や返品ポリシーも重要な判断要素となります。正規店舗での購入が最も確実ですが、古着やヴィンテージ品の場合は、専門知識を持つ販売者からの購入を推奨します。
まとめ:リーバイスシャツのタグによる年代判別の完全ガイド
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイスシャツのタグは30年代から現在まで明確な時代変遷があり年代判別の基準となる
- ロングホーンタグ(30-40年代)は最も希少価値が高く投資的価値も高い
- 40年代の筆記体タグとDELUXEラインは高級路線への転換期を示す
- 50年代のショートホーンタグで®マークが初登場し商標管理が厳格化
- 60-70年代のサドルマンタグは西部劇ブーム期の文化的背景を反映
- 70年代のアーキュエイトマークタグとパナテララインはモダンデザインの先駆け
- 80年代のフランス国旗パターンタグとオリンピック記念モデルは革新的デザイン
- 1974年以降の内タグ導入により製造年月の正確な特定が可能になった
- 白タブシャツは70-80年代のファッションライン限定品で希少価値が高い
- アラスカブランドシャツは1987-1999年の限定生産でアウトドア市場参入の証
- 90年代以降の海外製シャツは生産体制のグローバル化を物語る
- 現行シャツタグは高度なデジタル印刷技術により偽造品との区別が容易
- 複数の年代判別要素を総合的に判断することで精度の高い鑑定が可能
- 保存状態やオリジナリティが市場価値に大きく影響する
- 専門知識の蓄積により古着投資における失敗リスクを軽減できる
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- http://vintagematome.com/post-823-823
- https://gruporelesa.com/special/509595936.html
- https://www.nakymavideo.com/shopdetail/969040472.shtml
- https://www.etsy.com/jp/listing/834703946/vintage-90s-levis-big-e-silver-label
- https://sunnygarden32.com/?mode=grp&gid=2366410
- https://www.etsy.com/jp/listing/1714986891/vintage-1980s-death-metal-w32-levis
- https://chang-taka.com/levis_alaska/
- https://note.com/furuta_japan/n/n58a81fb02d5e
- https://levi-fun.com/ribaisu-white-tab-nendai/
- https://jp.pinterest.com/pin/466263367668505158/
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