リーバイスのジーンズを手に取ったとき、**「リーバイス 黒パッチ 意味」**について疑問を持たれる方は非常に多いようです。実は、多くの方が「黒パッチ」と呼んでいるものの正体や、その歴史的背景には深い意味が込められています。一般的に「黒パッチ」と検索される方の多くは、リーバイスの黒いタブや革パッチについて知りたがっているケースがほとんどです。
この記事では、リーバイス愛好家やヴィンテージデニムコレクターなら必ず知っておきたい黒タブの意味から、パッチの種類や年代判別法まで、どこよりも詳しく解説していきます。1960年代から1980年代初頭にかけて製造された希少な黒タブモデルの特徴や、現在の古着市場での価値についても触れていきます。さらに、混同されがちな各種タブの違いや、正確な年代判別のポイントまで、幅広い情報を網羅的にお届けします。
この記事のポイント |
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✅ 黒パッチの正体は黒タブで混紡素材を示すマーカーであること |
✅ 黒タブは1960年代から1981年まで限定使用された希少アイテム |
✅ センター黒タブとサイド黒タブの2種類が存在し価値が異なる |
✅ パッチの素材・色・表記から正確な年代判別が可能になる |
リーバイス黒パッチの意味を徹底解説
- 黒パッチの正体は黒タブ?混同されがちな部位の違い
- 黒タブが使用された期間は1960年代から1981年まで
- センター黒タブとサイド黒タブの2種類が存在
- 黒タブは混紡素材を示すマーカーとしての意味
- 黒タブが付いたモデルはスタプレが中心
- 年代判別に重要な黒タブの特徴
黒パッチの正体は黒タブ?混同されがちな部位の違い
多くの方が「黒パッチ」と検索される際、実際には黒タブのことを指していることがほとんどです。リーバイスのジーンズには複数の識別要素があり、それぞれが異なる意味を持っています。まず、この違いを明確に理解することが重要でしょう。
パッチとは、ウエスト部分に付けられた革または紙製のラベルのことを指します。こちらには馬のマークや製品情報が記載されており、主に茶色の革パッチや白い紙パッチが使用されています。一方、タブとは右のバックポケットに付けられた小さな布製のラベルで、通常は赤色ですが、特定のモデルには黒色のものも存在します。
📊 リーバイス識別要素の違い
部位名 | 位置 | 素材 | 主な色 | 役割 |
---|---|---|---|---|
パッチ | ウエスト後ろ中央 | 革・紙 | 茶・白 | 製品情報表示 |
タブ | 右バックポケット | 布 | 赤・黒・オレンジ・白 | ブランド識別 |
内タグ | フロントポケット内 | 布 | 白・生成り | 洗濯表示・製造情報 |
黒い色をしたパッチは確かに存在しますが、これは革パッチが経年変化によって黒くなったものや、特殊な加工が施されたものが考えられます。しかし、一般的に「黒パッチ」と呼ばれる多くのケースでは、実際には黒タブのことを指している場合がほとんどなのです。
この混同は、リーバイス初心者にとって非常によくある現象です。特に古着店やオンラインショッピングで「黒パッチ」と表記されている商品の多くは、実際には黒タブ付きのモデルであることが多いため、購入前には必ず実際の商品画像で確認することをおすすめします。
黒タブが使用された期間は1960年代から1981年まで
リーバイスの黒タブは、1960年代から1981年頃までという限定的な期間にのみ製造された、非常に希少性の高いアイテムです。この約20年間という短い製造期間こそが、現在の古着市場で黒タブモデルが高い価値を持つ理由の一つとなっています。
黒タブの登場背景には、リーバイスの製品ラインアップの多様化があります。1960年代は、ジーンズが単なる作業着から一般的なファッションアイテムへと変化していく重要な転換期でした。この時代にリーバイスは、従来の綿100%デニムとは異なる混紡素材を使用した新しいタイプのパンツを展開し始めました。
🗓️ 黒タブの歴史的変遷
年代 | タブの種類 | 特徴 | 希少性 |
---|---|---|---|
1966-1971年 | センター黒タブ | バックポケット中央配置 | ★★★★★ |
1971-1981年 | サイド黒タブ | バックポケット側面配置 | ★★★★☆ |
黒タブが廃止された1981年以降は、混紡素材のモデルであっても赤タブが使用されるようになりました。これにより、黒タブは完全に過去のものとなり、現在では「ヴィンテージの証」として高く評価されています。
製造が終了してから既に40年以上が経過していることを考えると、良好な状態で残っている黒タブモデルの希少性は年々高まっています。特に、フラッシャー(商品説明の紙タグ)が残っているものや、未使用に近いデッドストック状態のものは、コレクターの間で非常に高い評価を受けています。
この限定的な製造期間という事実は、黒タブモデルの年代判別においても重要な指標となります。つまり、黒タブが付いているリーバイスを見つけた場合、それは確実に1960年代から1981年の間に製造されたヴィンテージアイテムであると判断できるのです。
センター黒タブとサイド黒タブの2種類が存在
黒タブには大きく分けて2つのタイプが存在し、それぞれ異なる時期に使用されていました。この違いを理解することは、より正確な年代判別と価値判断を行う上で欠かせない知識です。
センター黒タブは1966年頃に登場し、1971年頃まで使用されていました。その名の通り、バックポケットの中央部分に配置されているのが特徴です。このタイプは製造期間が約5年と短く、現存する個体数も少ないため、黒タブモデルの中でも特に希少性が高いとされています。
一方、サイド黒タブは1971年に登場し、黒タブ廃止の1981年頃まで約10年間使用されました。バックポケットのサイド(側面)に取り付けられているのが特徴で、現代のリーバイスと同じ位置に配置されています。センター黒タブと比較すると製造期間が長いため、比較的見つけやすいタイプです。
📋 黒タブ2種類の詳細比較
項目 | センター黒タブ | サイド黒タブ |
---|---|---|
使用期間 | 1966-1971年 | 1971-1981年 |
配置場所 | バックポケット中央 | バックポケット側面 |
製造期間 | 約5年 | 約10年 |
希少性 | 非常に高い | 高い |
市場価格 | より高価 | 高価 |
見つけやすさ | 困難 | やや困難 |
これらの違いは、デザインの変化だけでなく、リーバイスの生産体制の変化も反映しています。センター黒タブの時代は、まだ伝統的な製造方法が多く残されており、製品一つ一つに職人の手作業が多く含まれていました。
サイド黒タブの時代になると、大量生産体制が整備され、より効率的な製造プロセスが導入されました。しかし、それでも現在の生産システムと比較すると、はるかに手間のかかる製法が用いられていたのも事実です。
コレクターの間では、センター黒タブの方がより高く評価される傾向があります。これは単純に希少性だけでなく、リーバイスの歴史的変遷を象徴するアイテムとしての価値も含まれているためです。また、センター黒タブの時代のモデルは、独特の色落ちや風合いを見せることでも知られています。
黒タブは混紡素材を示すマーカーとしての意味
黒タブの最も重要な意味は、混紡素材使用の指標であることです。これは、リーバイスの製品ラインアップにおいて、従来の綿100%デニムと区別するために導入されたシステムでした。
従来のリーバイス製品、特に有名な赤タブの501などは、綿100%のデニム生地で作られていました。これらは主に作業着としての用途を想定しており、耐久性や機能性が重視されていました。一方、黒タブが使用されたモデルは、ポリエステルなどの化学繊維が混ぜ込まれた混紡素材で作られていました。
🧵 タブ色と素材の関係性
タブ色 | 主な素材 | 用途・特徴 | 代表モデル |
---|---|---|---|
赤タブ | 綿100% | 伝統的ワークウェア | 501, 517など |
黒タブ | 混紡素材 | カジュアル・ビジネス兼用 | 605, 606, 607など |
オレンジタブ | 軽量素材 | 廉価ライン | 廉価版モデル |
白タブ | 非デニム素材 | コーデュロイ等 | パンツ各種 |
混紡素材の採用により、これらのモデルは綿100%デニムとは異なる特性を持つようになりました。具体的には、シワになりにくい、プレス加工がきれいに入る、より軽量である、などの特徴がありました。これらの特性は、当時のライフスタイルの変化に対応したものでした。
1960年代から70年代にかけて、ジーンズはより多様な場面で着用されるようになりました。オフィスカジュアルという概念はまだ存在しませんでしたが、よりフォーマルな場面でも着用できるジーンズへの需要が高まっていたのです。黒タブモデルは、そうしたニーズに応える商品として開発されました。
また、混紡素材の使用は、当時の繊維技術の進歩も反映しています。化学繊維の品質向上により、天然繊維との混紡でより機能性の高い生地が作れるようになったのです。リーバイスは常に時代の最先端技術を取り入れてきたブランドであり、黒タブはその象徴的存在でもありました。
現代の視点から見ると、この混紡素材への挑戦は、リーバイスの革新性を示す重要な証拠でもあります。伝統を重んじながらも、時代のニーズに応じて柔軟に変化する姿勢は、現在まで続くリーバイスの企業理念の源流と言えるでしょう。
黒タブが付いたモデルはスタプレが中心
黒タブが使用された代表的なモデルは、**スタプレ(スタックドプレスト)**と呼ばれるシリーズです。スタプレとは、プレス加工が施されたストレートシルエットのパンツで、通常のジーンズよりもフォーマルな印象を与える製品でした。
スタプレの主要な型番には、605、606、607などがあります。これらのモデルは、黒タブモデルの中核を成す製品群で、現在でもヴィンテージ市場で高い人気を誇っています。特に、1960年代後半から1970年代前半にかけて製造されたモデルは、時代を代表するファッションアイテムとして認識されています。
🎯 黒タブ主要モデル一覧
型番 | 名称 | シルエット | 特徴 | 人気度 |
---|---|---|---|---|
605 | スタプレ | スリム | 細身のストレート | ★★★★★ |
606 | スタプレ | スーパースリム | より細身 | ★★★★★ |
607 | スタプレ | スリムテーパード | テーパード有り | ★★★★☆ |
501XX(一部) | クラシック | レギュラーストレート | 希少な黒タブ仕様 | ★★★★★ |
スタプレの最大の特徴は、そのシルエットの美しさです。通常のジーンズと比較して、より洗練されたフォルムを持ち、ビジネスカジュアルとしても使用できる汎用性がありました。プレス加工により、着用時に美しいクリースラインが出ることも、当時の若者たちに支持された理由の一つです。
また、これらのモデルには、通常のジーンズにはない独特の風合いがありました。混紡素材特有の光沢感や、プレス加工による立体感は、従来のワークウェア的なイメージを大きく変えるものでした。特に、音楽やファッションに敏感な若者層から絶大な支持を受けました。
現在の古着市場では、これらのスタプレモデルは「60’s〜70’s スタプレ」として特別なカテゴリーを形成しています。コンディションの良いものは、現行の501よりもはるかに高値で取引されることも珍しくありません。特に、センター黒タブ時代のモデルは、極めて高い評価を受けています。
年代判別に重要な黒タブの特徴
黒タブモデルの年代判別には、タブ以外の要素も重要な手がかりとなります。これらの特徴を総合的に判断することで、より正確な年代特定が可能になります。
最も重要な判別要素の一つは、ボタン裏の刻印です。黒タブモデルでよく見られる刻印には「S」「16」「6」などがあり、これらは製造工場を示すコードです。特に「S」刻印は1970年代前半の特徴で、「16」刻印は50年代から70年代中期まで長期間使用された工場のコードです。
📍 年代判別の主要チェックポイント
チェック項目 | 確認内容 | 年代の手がかり |
---|---|---|
タブ位置 | センター/サイド | 1971年を境に変化 |
ボタン裏刻印 | S, 16, 6など | 製造工場・時期を特定 |
内タグの有無 | 1974年以降に導入 | 1974年前後を判別 |
パッチデザイン | CARE表記の有無 | 1970年代以降の特徴 |
アーキュエットステッチ | 色・形状 | 時代による変化あり |
内タグの存在も重要な判別要素です。内タグは1974年から導入されたため、内タグがない黒タブモデルは1974年以前の製造と判断できます。これは、センター黒タブ時代(1966-1971年)のほぼ全てと、サイド黒タブ初期(1971-1974年)のモデルに該当します。
パッチの表記も年代判別に役立ちます。特に「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」という表記は1970年頃から見られるようになった特徴で、この表記があるかないかで年代をある程度絞り込むことができます。
また、アーキュエットステッチ(バックポケットの弓形ステッチ)の色や形状にも時代による違いがあります。黒タブ時代のアーキュエットは、現在のものと比較してやや異なる形状をしており、ステッチの色も微妙に違いがあります。
これらの特徴を組み合わせて判断することで、単に「黒タブモデル」というだけでなく、より具体的な製造年代や希少性を把握することが可能になります。これは、コレクションや投資の観点からも非常に重要な知識と言えるでしょう。
リーバイス黒パッチと関連する年代判別の全知識
- パッチの素材と色による年代の見分け方
- 501の黒タブモデルの希少性と価値
- 黒タブ以外のタブの色と意味の違い
- ボタン裏刻印から読み解く製造工場と年代
- 内タグによる詳細な年代判別法
- パッチデザインの変遷と特徴
- まとめ:リーバイス黒パッチの意味と価値を理解しよう
パッチの素材と色による年代の見分け方
リーバイスの年代判別において、パッチの素材と色は最も分かりやすい指標の一つです。パッチの変遷を理解することで、大まかな年代を瞬時に判断することが可能になります。
革パッチ時代は1886年から1957年頃まで続きました。初期の革パッチには鹿革が使用され、特に1954年まで製造されたモデルには「501XX」の表記と「Every Garment Guaranteed」という品質保証の文言が記載されていました。これらは通称「ギャラ入り」と呼ばれ、現在では極めて希少なアイテムとなっています。
1955年になると、革パッチの欠損率の高さから紙パッチへの移行が始まりました。しかし、デザインは革パッチ時代と基本的に同じものが継続されました。この移行期のアイテムは、リーバイス史上の重要な転換点を示すものとして高く評価されています。
🏷️ パッチ素材・色の年代別変遷
年代 | 素材 | 主な色 | 特徴的表記 | 希少性 |
---|---|---|---|---|
~1954年 | 鹿革 | 茶色 | XX, Every Garment Guaranteed | ★★★★★ |
1955-1957年 | 紙 | 白/クリーム | XX, Every Garment Guaranteed | ★★★★★ |
1962-1965年 | 紙 | 白/クリーム | XX, Made in U.S.A. | ★★★★☆ |
1966-1967年 | 紙 | 白/クリーム | ダブルネーム | ★★★★☆ |
1970年代~ | 紙 | 白/クリーム | CARE表記 | ★★★☆☆ |
1962年頃には「Every Garment Guaranteed」の表記が消え、代わりに「Made in U.S.A.」や「100% COTTON」などの表記が現れます。この変化は、リーバイスの品質保証システムの変更と、表示規則の変化を反映したものでした。
1966年から1967年にかけては、いわゆるダブルネーム時代となります。これは品番変更に伴う混乱を避けるため、新旧両方の品番を併記したもので、例えば「501-501」のような表記が見られます。この時代のパッチは、リーバイスの歴史的変遷を物語る重要な資料として位置づけられています。
1970年代に入ると「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」の表記が追加されます。これは内側のケアラベルの存在を示すもので、現代まで続く表示システムの始まりでした。この表記の有無は、1970年代前後の年代判別において非常に重要な指標となります。
パッチの色についても注目すべき点があります。長期間使用されたものや、保管状態によって色が変化することがあり、元々白かったパッチが黄ばんでクリーム色になったり、極端な場合には茶色に近い色になることもあります。しかし、これらは経年変化によるもので、製造時の仕様ではないことを理解しておく必要があります。
501の黒タブモデルの希少性と価値
一般的に黒タブはスタプレシリーズに使用されることが多かったのですが、極めて希少なケースとして501に黒タブが付いたモデルも存在します。これらは黒タブモデルの中でも特別な価値を持つアイテムとして、コレクターの間で非常に高く評価されています。
501の黒タブモデルが希少である理由は、501が本来リーバイスの flagship model として綿100%デニムで製造されることが基本だったためです。しかし、特定の時期に限定的に混紡素材の501や、試験的なモデルとして黒タブの501が製造されたケースが確認されています。
これらのモデルは、通常の501の基本的な特徴(ボタンフライ、5ポケット構造、ストレートシルエットなど)を保持しながら、黒タブという特殊な要素を持っています。このため、501の伝統的な魅力と黒タブの希少性を同時に享受できる、まさに「いいとこ取り」のアイテムと言えるでしょう。
💎 黒タブ501の価値指標
評価項目 | 通常の501 | 黒タブ501 | 価値倍率 |
---|---|---|---|
歴史的価値 | 高い | 極めて高い | 3-5倍 |
希少性 | 中程度 | 極めて高い | 5-10倍 |
コレクター需要 | 高い | 極めて高い | 5-8倍 |
市場価格 | ¥10,000-50,000 | ¥50,000-200,000+ | 5-10倍 |
将来性 | 安定 | 上昇傾向 | - |
現在の古着市場において、状態の良い黒タブ501は通常の501の5倍から10倍の価格で取引されることも珍しくありません。特に、センター黒タブ時代の501や、未使用に近いデッドストック状態のものは、真のコレクターズアイテムとして扱われています。
また、黒タブ501の中でも、特定の工場で製造されたものや、特殊な仕様を持つものは、さらに高い評価を受けています。例えば、「S」刻印や「16」刻印を持つモデル、隠しリベットが残っているモデル、オリジナルのフラッシャーが付いているモデルなどは、プレミアムアイテムとして扱われます。
投資の観点から見ても、黒タブ501は非常に興味深い対象です。製造から既に40年以上が経過しており、現存する個体数は年々減少しています。特に良好な状態を保っているものは、今後も価値の上昇が期待できる稀有なヴィンテージアイテムと言えるでしょう。
ただし、市場には復刻版やレプリカも存在するため、購入時には十分な知識と注意が必要です。真のヴィンテージ黒タブ501を見極めるためには、前述した年代判別のポイントを総合的に確認することが不可欠です。
黒タブ以外のタブの色と意味の違い
リーバイスでは、黒タブ以外にも複数の色のタブが使用されており、それぞれ異なる意味と用途を持っています。これらの違いを理解することで、リーバイス全体の製品戦略や歴史的変遷をより深く理解することができます。
最も有名な赤タブは、1936年に初めて導入され、現在まで続くリーバイスの象徴的存在です。赤タブは主に綿100%の伝統的なデニム製品に使用され、リーバイスの基幹商品であることを示しています。特に501、517などの定番モデルには赤タブが使用されています。
オレンジタブは1960年代から1970年代にかけて使用された廉価ラインの識別タグです。これらの製品は、作業着としての耐久性よりも、ファッションアイテムとしての魅力を重視した設計になっていました。製造コストを抑えるため、一部の補強材やリベットが省略されているのが特徴です。
🌈 タブ色別製品特性一覧
タブ色 | 導入年 | 主要素材 | ターゲット層 | 価格帯 | 現在の評価 |
---|---|---|---|---|---|
赤タブ | 1936年 | 綿100% | ワーカー・一般 | 標準 | 定番・高評価 |
黒タブ | 1960年代 | 混紡素材 | ビジネスカジュアル | やや高価 | 希少・高評価 |
オレンジタブ | 1960年代 | 軽量素材 | 若年層・学生 | 廉価 | ヴィンテージ価値 |
白タブ | 1970年代 | 非デニム素材 | 多様なニーズ | 様々 | 特殊用途 |
シルバータブ | 1985年 | 様々な素材 | ストリート系 | やや高価 | 90年代リバイバル |
白タブは1970年代から1980年代にかけて使用され、主にデニム以外の素材(コーデュロイ、チノクロスなど)で作られたパンツに使用されました。これらの製品は、ワークウェアを想定していないファッション重視のアイテムでした。
1985年に登場したシルバータブは、バギーやルーズといったゆったりしたシルエットのジーンズに使用されました。これは1980年代後半から1990年代にかけてのストリートファッションブームに対応した製品ラインで、現在では90年代ファッションのリバイバルとともに再評価されています。
これらのタブの色分けシステムは、リーバイスの多角化戦略を明確に示しています。単一のブランド内で、異なるニーズや価格帯に対応する製品を展開するため、視覚的に分かりやすい識別システムを導入したのです。これは現在でも多くのブランドが採用している手法の先駆けと言えるでしょう。
コレクターの視点から見ると、各タブには固有の価値があります。赤タブは定番としての価値、黒タブは希少性による価値、オレンジタブはヴィンテージとしての価値、シルバータブは90年代カルチャーを象徴する価値、といったように、それぞれ異なる魅力を持っています。
ボタン裏刻印から読み解く製造工場と年代
ボタン裏の刻印は、リーバイスの年代判別において最も重要で確実な手がかりの一つです。これらの刻印は製造工場を示すコードであり、工場ごとの稼働期間を知ることで、かなり正確な年代特定が可能になります。
一桁刻印(アルファベットや数字)は1950年代から1970年代の製品に見られる最も古いタイプです。特に「A」「D」「E」「F」「J」「K」「L」「O」「S」「W」や数字の「2」「4」「5」「6」「8」などが該当します。これらの中でも、アルファベット刻印と「2」の刻印は特に希少とされています。
黒タブモデルでよく見られるのは「S」刻印と「16」刻印です。「S」刻印は1970年代前半の特徴的な刻印で、黒タブのサイド時代初期に多く見られます。「16」刻印は50年代から70年代中期まで長期にわたって稼働していた工場のコードで、様々な特殊モデルを製造していたことで知られています。
🏭 主要工場刻印と特徴
刻印 | 稼働期間 | 工場の特徴 | 黒タブモデルでの出現頻度 |
---|---|---|---|
S | 1970年代前半 | サイド黒タブ初期の主要工場 | ★★★★★ |
16 | 1950-1970年代中期 | 特殊モデル多数製造 | ★★★★☆ |
6 | 1960-1970年代 | 66モデル製造で有名 | ★★★☆☆ |
555 | 1996-2003年 | 最後のアメリカ工場 | ☆☆☆☆☆ |
524 | 1980年代以降 | エルパソ工場(旧6工場) | ★★☆☆☆ |
二桁刻印は1960年代から1980年代の製品に見られます。「10」「12」「14」「16」「17」「20」などがあり、この中でも「16」刻印は一桁刻印時代から続く長寿工場として特に注目されています。黒タブモデルでは「16」や「20」の刻印が比較的よく見られます。
三桁刻印は1980年代以降の製品に使用されており、黒タブ時代の末期にわずかに見られる程度です。「5」から始まる刻印はリーバイス社直営工場、「6」から始まる刻印は社外工場を示しています。特に「555」刻印はバレンシア工場(1996-2003年稼働、アメリカ最後の工場)のコードとして有名です。
刻印を確認する際の注意点として、錆びや摩耗によって文字が読みにくくなっている場合があります。また、ボタン交換が行われているケースもあるため、他の年代判別要素と照らし合わせて総合的に判断することが重要です。
黒タブモデルの価値判断において、工場刻印は重要な要素の一つです。特に希少な刻印を持つモデルや、特定の工場で製造された限定的なモデルは、同じ黒タブでもより高い評価を受ける傾向があります。
内タグによる詳細な年代判別法
内タグは1974年から導入されたシステムで、黒タブモデルの年代判別において極めて重要な役割を果たします。内タグの有無だけでも1974年前後を区別できますが、内タグがある場合はさらに詳細な年代判別が可能になります。
内タグなしの黒タブモデルは、確実に1974年以前の製造です。これには、センター黒タブ時代(1966-1971年)の全モデルと、サイド黒タブ初期(1971-1974年)のモデルが含まれます。内タグがないことは、より古いヴィンテージである可能性を示す重要な指標となります。
1974年から導入された初期内タグは、数字の羅列が3行に分かれて記載された独特のデザインでした。最下段には左から順に製造月、製造年の下2桁、工場番号が記載されています。ただし、70年代の内タグでは製造年が1桁しか記載されていないことがあるため、注意深い判読が必要です。
📋 内タグ年代別特徴一覧
期間 | タグの特徴 | 記載情報 | 判別のポイント |
---|---|---|---|
1974年以前 | 内タグなし | - | センター黒タブ確実 |
1974-1980年代前半 | 3行数字羅列 | 月/年/工場番号 | 初期内タグデザイン |
1980年代後半-1991年 | 7行構成 | より詳細な情報 | 染み込みプリント |
1991-1994年 | 薄い生地使用 | 構造化された情報 | ペラペラ素材 |
1980年代後半になると、内タグは7行構成に変更されます。6行目に工場番号、7行目に製造年月が記載されるようになりました。この時代の内タグの特徴は、製造年が下1桁しか記載されず、製造月と製造年の数字が繋がって記載されていることです。また、染み込みプリントのような特殊な印刷方法が採用されています。
黒タブモデルの多くは1981年頃で製造が終了しているため、黒タブで7行構成の内タグを持つモデルは非常に希少です。これらは黒タブ時代の最終期に製造されたモデルと考えられ、特別な価値を持っています。
内タグには製造情報以外にも重要な情報が記載されています。特に注目すべきは収縮率の表示です。黒タブモデルの多くは混紡素材のため、綿100%デニムとは異なる収縮特性を持ちます。内タグの収縮率表示を確認することで、素材の特性を理解することができます。
また、内タグの素材や印刷品質も年代判別の参考になります。初期の内タグは比較的厚手の生地が使用されていましたが、時代が下るにつれて薄手の素材に変更されていきます。印刷の鮮明さや文字の大きさも、時代による変化があります。
内タグ情報の読み取りには専門的な知識が必要ですが、一度理解すれば非常に正確な年代判別が可能になります。特に黒タブモデルのように希少性の高いアイテムでは、正確な年代判別が価値判断に直結するため、内タグの知識は必須と言えるでしょう。
パッチデザインの変遷と特徴
リーバイスのパッチデザインは時代とともに大きく変化しており、特に文字の表記や配置の変化は年代判別の重要な指標となります。黒タブモデルが製造された1960年代から1980年代初頭にかけても、パッチデザインに複数の変更が行われました。
1960年代前半のパッチは、まだ「XX」表記が残っており、「Every Garment Guaranteed」の文言が記載されていました。しかし、1962年頃にこの品質保証文は削除され、代わりに「Made in U.S.A.」の表記が中央に配置されるようになりました。この変化は、リーバイスの品質保証システムの変更と、アメリカの表示規制の変化を反映したものでした。
1966年から1967年にかけては、前述したダブルネーム時代となります。パッチ上部に新しい品番、その左上に小さく以前の品番が記載されるという独特のデザインが採用されました。例えば、501の場合は「501」の左上に小さく「501」と記載される「501-501」表記となりました。この時期のパッチは、リーバイスの歴史的変遷を象徴する貴重な資料として高く評価されています。
🏷️ パッチデザイン変遷表
年代 | 主要表記 | 特徴的要素 | 歴史的意義 |
---|---|---|---|
1962-1965年 | XX, Made in U.S.A. | 中央配置 | ギャラなし時代の開始 |
1966-1967年 | ダブルネーム | 新旧品番併記 | 品番変更の混乱回避 |
1967-1969年 | タイプ物 | アルファベット記載 | 品質・出荷先管理 |
1970年代- | CARE表記 | 内タグ参照指示 | 現代的表示システム |
1967年から1969年にかけては、タイプ物時代となります。品番の上部に「A」「S」「F」「I」などのアルファベットが小さく印字されるようになりました。これらのアルファベットの意味については諸説ありますが、品質ランクや出荷先を示すものと考えられています。この時期のパッチを持つ黒タブモデルは、センター黒タブ時代の貴重なアイテムとして特に高く評価されます。
1970年頃からは「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」の表記が追加されます。これは「内側の注意書きを見ろ」という意味で、内タグシステムの導入と連動した変更でした。この表記は当初黒字で印刷されていましたが、1980年代中期以降は赤字に変更されました。
パッチの印刷方法にも時代による変化があります。初期はスタンプによる印刷が主流でしたが、1980年代後期以降は現在のような印刷技術に移行しました。文字の太さや印刷の精度も時代とともに変化しており、これらの細かな違いも年代判別の参考になります。
黒タブモデルにおけるパッチの状態は、そのアイテムの価値に大きく影響します。パッチが良好な状態で残っているもの、特に文字が鮮明に読み取れるものは、コレクターから高い評価を受けます。逆に、パッチが欠損していたり、文字が読めない状態のものは、他の年代判別要素により依存することになります。
まとめ:リーバイス黒パッチの意味と価値を理解しよう
最後に記事のポイントをまとめます。
- 「黒パッチ」と呼ばれるものの正体は多くの場合「黒タブ」であり、バックポケットに付く小さな布製ラベルのことである
- 黒タブは1960年代から1981年頃まで約20年間のみ製造された希少なアイテムである
- 黒タブには「センター黒タブ」(1966-1971年)と「サイド黒タブ」(1971-1981年)の2種類が存在する
- 黒タブの最も重要な意味は混紡素材使用の指標であり、綿100%デニムと区別するためのマーカーである
- 黒タブが主に使用されたのはスタプレシリーズ(605、606、607など)で、現在でも高い人気を誇る
- 501モデルの黒タブ仕様は極めて希少で、通常の501の5倍から10倍の価格で取引されることもある
- パッチの素材は革パッチから紙パッチへと変遷し、表記内容も時代により大きく変化した
- ボタン裏の刻印「S」「16」「6」などは製造工場を示し、年代判別の重要な手がかりとなる
- 内タグは1974年から導入されたため、内タグの有無で1974年前後の判別が可能である
- 赤タブ、オレンジタブ、白タブ、シルバータブなど、各色のタブには固有の意味と用途がある
- 現在の古着市場では黒タブモデルは「ヴィンテージの証」として高く評価されている
- 正確な年代判別には複数の要素(タブ、パッチ、ボタン刻印、内タグなど)を総合的に判断することが重要である
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://levi-fun.com/levis-black-tab-nendai/
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1410979909
- https://www.leon.jp/fashions/6526
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://de-suke.com/how-to-distinguish-levis-patch-bottoms
- https://levi.jp/pages/history
- https://www.style-eco.com/brand_colum/levi_s/25951.html
- https://levi.jp/pages/made-in-japan
- https://morewant-vintage.com/blog/levis_size/
- https://levi.jp/products/045111507
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