リーバイス 505 年代 見分け方を調べている方は、古着のヴィンテージ価値を正確に判断したいという思いをお持ちでしょう。リーバイス505は1967年に誕生して以来、数々のディテール変更を重ねており、それぞれの時代で異なる特徴を持っています。特に60年代から90年代にかけてのUSA製505は、現在でも高い人気を誇り、年代によって価値が大きく変わることもあります。
年代判別は一見複雑に見えますが、実は見るべきポイントが決まっています。ジッパーメーカーやトップボタン裏の刻印、内タグの仕様、赤タブのデザインなど、これらの要素を組み合わせて判断することで、かなり正確な年代特定が可能になります。また、505は501と異なりプリシュリンク(防縮加工)デニムを使用しており、セルビッジ(赤耳)がつかないものがほとんどという特徴もあります。
この記事のポイント |
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✓ ジッパーメーカーとボタン裏刻印による年代判別法をマスターできる |
✓ 60年代ビッグE、70年代スモールe、90年代USAの特徴を理解できる |
✓ 希少なオレンジタブやセルビッジ付き505の価値を把握できる |
✓ 内タグや製造番号から具体的な製造年月を読み取る方法を習得できる |
リーバイス505年代の見分け方|基本ディテール編
- ジッパーメーカーによる60年代・70年代の判別方法
- トップボタン裏刻印で見極める製造工場と年代
- 赤タブのビッグE・スモールeで分かる時代背景
- バックポケットステッチが教える1977年の境界線
- パッチの表記とスタンプで読み解くタイプ物の正体
- プリシュリンクデニムが505に採用された理由
ジッパーメーカーによる60年代・70年代の判別方法
リーバイス505の年代判別で最も分かりやすいのがジッパーのメーカー表記です。505はボタンフライの501と異なり、ジッパーフライを採用しているため、このディテールが非常に重要な手がかりになります。
60年代に製造された505には、**GRIPPER ZIPPER(グリッパージッパー)やCONMAR(コンマー)**のジッパーが使用されています。これらのメーカー名がジッパーに刻印されている場合、その505は1960年代に製造された可能性が高いと判断できます。特にGRIPPER ZIPPERは1960年代の特徴的なディテールとして知られており、コレクターの間でも高く評価されています。
一方、70年代の505には**TALON42(タロン42)やSCOVILL(スコービル)**のジッパーが採用されています。TALON42は特に1970年代から1980年代初期にかけて幅広く使用されており、ジッパーの引き手部分に「42」の数字とともに「TALON」の文字が確認できます。また、裏面には「USA」の刻印があることも多く、これも年代判別の参考になります。
興味深いことに、80年代以降はLevi’s刻印のYKKジッパーが使用されるようになります。しかし、移行期には稀にLevi’s刻印のtalon製42ジップも存在するため、これらは特に希少価値が高いとされています。ジッパーの状態も重要で、50年以上経過した個体でもスムーズに開閉できるものは、当時の製造技術の高さを物語っています。
📊 ジッパーメーカー別年代判別表
年代 | ジッパーメーカー | 特徴 |
---|---|---|
1960年代 | GRIPPER、CONMAR | 60年代の証、希少価値高 |
1970年代 | TALON42、SCOVILL | 70年代の主流、裏面にUSA刻印 |
1980年代以降 | YKK(Levi’s刻印) | 移行期のTALON製は希少 |
トップボタン裏刻印で見極める製造工場と年代
トップボタンの裏側に刻印された数字やアルファベットは、その505がどの工場で製造されたかを示す重要な手がかりです。この工場番号は年代判別の最も信頼できる指標の一つとされています。
1桁の数字(例:3、5、6、8など)が刻印されている場合、それは1950年代から1960年代に製造された可能性が高い証拠です。特に「6」の刻印は非常に人気が高く、501で言う66前期に相当する生地が使用されていることが多いため、美しい縦落ちの色落ちを楽しめることで知られています。また、アルファベット1文字(A、D、E、F、J、K、L、O、S、Wなど)も同様の年代を示しています。
2桁の数字(例:16、17、20など)は1960年代から1980年代の製造を示します。特に「16」は50年代初期から70年代中期まで長期間にわたって使用された工場番号で、「16ボタン」モデルとして特別に呼ばれることもあります。この長期間の使用により、同じ16刻印でも年代によって微妙に仕様が異なることがあります。
3桁の数字(例:524、575、555など)は1980年代から2000年初期の製造を示します。これらの中でも「555」はアメリカのバレンシア工場を示し、1996年から2003年まで製造された最後のUSA製として特別な価値を持っています。「524」はエルパソ工場(旧6工場)を示し、古い年代のディテールを引き継いだモデルが製造されていたことで知られています。
🏭 代表的な工場番号と特徴
刻印 | 年代 | 工場・特徴 |
---|---|---|
6 | 1950-60年代 | 66前期相当の生地、縦落ち美麗 |
16 | 1950-70年代 | 長期稼働工場、16ボタンモデル |
524 | 1980-2000年代 | エルパソ工場(旧6工場) |
555 | 1996-2003年 | バレンシア工場、最後のUSA製 |
赤タブのビッグE・スモールeで分かる時代背景
リーバイスの右バックポケットに付けられた赤タブは、年代判別において非常に重要な要素です。特に505においても、501と同様のタブ変遷を辿っているため、これを理解することで正確な年代特定が可能になります。
ビッグEの赤タブは1960年代から1971年頃まで使用されており、「LEVI’S」の「E」が大文字で表記されているのが特徴です。505は1967年に誕生したため、初期の505にはすべてビッグEタブが付いています。ビッグEタブが付いた505は希少性が高く、特に状態の良いものは高額で取引されることが多いです。
1971年頃からはスモールeの赤タブに変更され、「Levi’s」と小文字の「e」で表記されるようになりました。この変更は商標登録の関係で行われたとされています。70年代の505の多くはスモールeタブが付いており、これが70年代以降のモデルを識別する重要な手がかりになります。
タブの取り付け方も年代によって異なります。初期のタブは両面に文字が刺繍されていましたが、後期になると片面のみの場合もあります。また、まれに「®(レジスターマーク)」のみが表記されたタブも存在し、これはリーバイスがタブそのものの商標権を持っていることを示すため、10本に1本程度の割合で含まれていたとされています。
興味深いことに、オレンジタブという特殊なタブも存在します。これは1960年代から70年代にかけて廉価ライン向けに使用されたタブですが、現在では逆に希少価値が高く評価されています。オレンジタブの505は当時としては珍しく、コレクターアイテムとして高値で取引されることもあります。
🔴 赤タブの変遷と特徴
タブの種類 | 使用期間 | 表記 | 希少度 |
---|---|---|---|
ビッグE | 1960-1971年 | LEVI’S | ★★★★★ |
スモールe | 1971年以降 | Levi’s | ★★★☆☆ |
オレンジタブ | 1960-70年代 | LEVI’S | ★★★★☆ |
レジスターマークのみ | 全期間 | ® | ★★☆☆☆ |
バックポケットステッチが教える1977年の境界線
バックポケットの裏側のステッチ仕様は、1977年という明確な境界線を持つ重要な年代判別ポイントです。この年を境に製造方法が大きく変わったため、ヴィンテージコレクターにとっては見逃せないディテールです。
1977年以前の505は、バックポケット裏のステッチがシングルステッチで仕上げられています。シングルステッチとは、表側と裏側で同じような直線的な縫い目になるステッチ方法で、家庭用ミシンでも可能な縫い方です。このシングルステッチは耐久性に優れており、特に負荷のかかる部分で採用されていました。
1977年以降の505では、バックポケット裏のステッチがチェーンステッチに変更されています。チェーンステッチは裏側から見ると鎖(チェーン)のような模様になるステッチで、専用のミシンで縫製されます。この変更は生産効率の向上を目的としたものと考えられており、現在でも多くのデニムブランドで採用されています。
ただし、シングルステッチとチェーンステッチにはそれぞれ異なる特徴があります。シングルステッチはほつれにくい反面、作業効率が悪いという欠点があります。一方、チェーンステッチは連続して長時間作業ができる利点がありますが、上部にフックのついたブーツなどに引っかかると切れやすいという欠点もあります。
このステッチの違いを理解することで、パッチが欠損している505でも年代を推測することが可能になります。特に60年代後半から70年代中期までのビッグEからスモールeへの移行期においては、このステッチ仕様が重要な判断材料になることがあります。
📏 ポケットステッチによる年代判別
ステッチ種類 | 使用期間 | 特徴 | 見分け方 |
---|---|---|---|
シングルステッチ | ~1977年 | 耐久性高、ほつれにくい | 表裏同じような直線 |
チェーンステッチ | 1977年~ | 生産効率良、連続作業可 | 裏側が鎖状の模様 |
パッチの表記とスタンプで読み解くタイプ物の正体
リーバイス505のパッチ(腰部分に付けられた革製または紙製のラベル)には、年代判別に欠かせない情報が詰まっています。特にタイプ物と呼ばれる特殊なモデルの存在は、505コレクターにとって非常に興味深い存在です。
タイプ物とは、1967年から1969年頃にかけてパッチにアルファベット一文字(A、S、F、I)がスタンプされたモデルを指します。これらの文字が何を意味していたかは現在でも不明ですが、製品のランクや出荷先を示していたという説が有力です。特に「S」がスタンプされたものはタイプSと呼ばれ、希少性の高いモデルとして知られています。
パッチの素材も年代判別の手がかりになります。1955年頃までは鹿革パッチが使用されていましたが、それ以降は紙パッチに変更されています。505は1967年誕生のため、基本的にはすべて紙パッチということになります。ただし、美品でない場合はパッチが欠損していることも多く、その場合は他のディテールで判断する必要があります。
パッチに記載される情報も時代とともに変化しています。初期のパッチには**「Every Garment Guaranteed」(すべての商品を保証する)という文言が記載されていましたが、1962年頃にはこの表記が廃止されています。また、「Made in U.S.A.」**の表記があるかどうかも重要で、これがあれば2003年以前のUSA製であることが確定します。
505特有の表記として、**「505-0217」**というロット番号があります。この「02」は防縮加工を示し、「17」は伝統的なインディゴブルーを意味しています。これに対し、501の場合は「0117」となり、「01」は未洗い・未加工の生デニムを表しています。このように、ロット番号からもそのデニムの特徴を読み取ることができます。
📋 パッチ情報による年代判別
表記・スタンプ | 年代 | 意味・特徴 |
---|---|---|
Every Garment Guaranteed | ~1962年 | 初期の品質保証表記 |
タイプスタンプ(A,S,F,I) | 1967-1969年 | タイプ物、希少価値高 |
Made in U.S.A. | ~2003年 | USA製の証明 |
505-0217 | 全期間 | 防縮加工(02)・インディゴブルー(17) |
プリシュリンクデニムが505に採用された理由
リーバイス505の最も重要な特徴の一つが、プリシュリンク(防縮加工)デニムの採用です。これは501との最大の違いでもあり、505の実用性を高める重要な要素となっています。
プリシュリンクデニムとは、あらかじめ縮み止め加工が施されたデニム生地のことです。これに対し、501で使用されるシュリンクデニムは縮み前の生地を使用しており、洗濯によってサイズダウンすることが前提となっています。505がプリシュリンクデニムを採用した理由は、ジッパーフライとの相性にあります。
もし505にシュリンクデニムを使用した場合、洗濯による生地の大幅な縮みがジッパーの開閉に支障をきたす可能性がありました。実際に、1960年代前半の501Z XXでこのような問題が発生し、後継モデルから防縮デニムが採用されるようになったとされています。このため、505は誕生当初から実用性を重視した設計となっています。
プリシュリンクデニムの最大のメリットは、洗濯後のサイズ変化が少ないことです。501の場合、表記30インチでも洗濯後は28インチ程度まで縮むことがありますが、505では表記サイズとほぼ同じ実寸が維持されます。これにより、購入時のサイズ感がそのまま維持されやすく、サイズ選びも501より簡単になります。
ただし、プリシュリンクデニムにも特徴があります。シュリンクデニムと比較すると、色落ちの仕方が異なることが多く、横落ち傾向が強いとされています。また、生地の風合いも微妙に異なり、これがデニムマニアの間で議論される要因の一つとなっています。
興味深いことに、505のパッチに記載される「505-0217」の「02」は、この防縮加工を表す番号です。これに対し、「01」は未洗い・未加工の生デニムを意味し、501の「0117」と区別されています。このような細かな違いも、505を理解する上で重要なポイントです。
⚙️ プリシュリンクデニムの特徴
項目 | プリシュリンクデニム(505) | シュリンクデニム(501) |
---|---|---|
縮み | ほとんど縮まない | 1-2インチ縮む |
サイズ選び | 表記サイズ通り | 縮みを考慮して大きめ |
色落ち傾向 | 横落ち傾向 | 縦落ち傾向 |
実用性 | 高い(ジッパーフライ対応) | やや手間がかかる |
リーバイス505年代の見分け方|応用・価値判定編
- 90年代USAモデルが持つ独特な魅力と市場価値
- 希少なセルビッジ付き505の見極めポイント
- 内タグから読み取る具体的な製造年月の解読法
- オレンジタブ505が現在高値で取引される理由
- 裾ステッチで判別するオリジナル仕様と後加工
- 工場番号から紐解くレア度と品質の関係性
- まとめ:リーバイス505年代の見分け方を活用した賢い古着選び
90年代USAモデルが持つ独特な魅力と市場価値
90年代に製造されたUSA製リーバイス505は、現在の古着市場において特別な位置を占めています。この年代のモデルは「ネクスト・ヴィンテージ」として評価され始めており、その価値は年々上昇している傾向にあります。
90年代USA製505の最大の魅力は、現代的なシルエットと往年の製造技術の融合にあります。この時代の505は、端正で美しいシルエットを持ちながらも、アメリカ製ならではの丁寧な縫製と品質を兼ね備えています。特にW32×L30のいわゆる「ゴールデンサイズ」は、日本人の体型に最適とされ、古着市場では常に高い需要があります。
90年代の505は、2000年前半にUSA製の生産が終了したため、現在では新品のUSA製は市場に流入していません。これにより、既存のUSA製505、特に状態の良いものの数は徐々に減少しており、需要と供給のバランスから価値が上昇しています。数年前まで古着店のジーンズコーナーに普通に並んでいた90年代USA製505が、現在では専門コーナーで高値で販売されているという現象も起きています。
この年代の505には独特の色落ちパターンが見られることも魅力の一つです。90年代の生地は、60年代や70年代のヴィンテージとは異なる色落ちの美しさを持っており、洗いをかけるうちに現れる絶妙なブルーの色落ちが多くのファンを魅了しています。特に色の濃いままのコンディションの良いものは、今後もさらに価値が上昇していく可能性が高いとされています。
市場価格としては、コンディションが良好な90年代USA製505は1万円前後から2万円程度で取引されることが多いようです。デッドストック(未使用品)の場合はさらに高値になることもあり、一部のリメイクショップでは2万円前後で販売されているケースもあります。このような価格帯は、数年前と比較すると明らかに上昇しており、投資的な観点からも注目されています。
💰 90年代USA製505の市場価値
コンディション | 価格帯 | 特徴 |
---|---|---|
デッドストック | 20,000円~ | 未使用、最高価値 |
良好 | 10,000~15,000円 | 通常の古着取引価格 |
普通 | 6,000~10,000円 | 一般的な状態 |
色落ち進行 | 3,000~6,000円 | 味のある個体 |
希少なセルビッジ付き505の見極めポイント
リーバイス505の大きな特徴の一つは、セルビッジ(赤耳)が付かないものがほとんどということです。これは501との重要な違いでもありますが、稀にセルビッジ付きの505も存在し、これらは非常に高い希少価値を持っています。
セルビッジとは何かを正しく理解することが重要です。セルビッジとは、デニム生地の端部分に現れる縦糸の折り返し部分で、通常は赤い糸で織られているため「赤耳」と呼ばれています。この部分は生地の織り端を示すもので、ヴィンテージデニムでは品質の証とされています。501では多くのモデルでセルビッジが確認できますが、505では非常に稀な存在です。
セルビッジ付きの505が稀な理由は、生産効率とコスト削減にあります。505は501と比較してより量産を意識したモデルとして位置づけられており、セルビッジのような手間のかかる仕様よりも効率的な製造方法が優先されました。このため、505の多くは脇割り仕様となっており、裾をロールアップしてもセルビッジは見えません。
しかし、60年代から70年代にかけて、数十本に1本程度の確率でセルビッジ付きの505が製造されていました。これらは意図的に作られたものではなく、製造過程での偶然の産物とされています。セルビッジ付きの505を見つけることは、古着ハンターにとって最高の喜びの一つとされており、実際に古着屋を巡ってもなかなか出会えない存在です。
セルビッジ付き505の価値は通常の505よりも高く設定されることが多く、コレクターアイテムとしての側面も持っています。特にビッグEタブと組み合わさったセルビッジ付き60年代505などは、極めて高い希少価値を持ちます。ロールアップして履きたい方や、セルビッジの経年変化を楽しみたい方にとっては、まさに理想的な一本といえるでしょう。
セルビッジの見分け方は、裾部分を確認することです。通常の脇割り仕様では、裾の縫い目が重なったような仕上がりになっていますが、セルビッジ付きの場合は赤い糸で織られた耳の部分が確認できます。ただし、セルビッジが閉じた状態で色落ちしている場合もあるため、注意深い確認が必要です。
🧵 セルビッジ付き505の特徴
項目 | セルビッジ付き505 | 通常の505 |
---|---|---|
希少度 | 極めて高い(数十本に1本) | 一般的 |
価格 | 通常より高価 | 標準価格 |
見た目 | 赤耳が見える | 脇割り |
コレクター価値 | 非常に高い | 標準的 |
内タグから読み取る具体的な製造年月の解読法
リーバイス505の内タグは、具体的な製造年月を特定するための最も信頼できる情報源です。内タグが付けられるようになったのは1974年以降で、それ以前のモデルには基本的に内タグは付いていません。
1974年から1980年代前半までの内タグには、数字の羅列が記載されており、これを解読することで製造年月と工場番号を特定できます。この時代のタグでは、トップボタン裏の工場番号が記載された行に、左から「製造月」「製造年の下2桁」「工場番号」の順で情報が記載されています。例えば「8177」と記載されている場合、8番工場で1977年11月に製造されたことを意味します。
1980年代後半になると、内タグの仕様が変更され、文字量が増えて7行になりました。この時代のタグでは、製造工場番号とは別の場所に製造年月が記載されるようになっています。製造年月は「107」のような3桁の数字で表記され、この場合「1987年10月製造」を意味します。注意すべき点は、この時代の表記では製造年が下1桁しか記載されていないことです。
1991年から1994年にかけては、さらに仕様が変更され、内タグにペラペラで薄い生地が使われるようになりました。この時代のタグは構造がより複雑になり、下から2行目に左から順に「工場番号」「製造月・製造年」「製造番号」が記載されています。例えば「324 1000」と記載されている場合、324工場で2000年1月に製造されたことを示します。
1995年から2003年の内タグは、最も読み取りやすい仕様になっています。このタグには明確に製造年月が記載されており、例えば「324工場で2002年10月製造」といった情報を容易に確認できます。この時代のタグは現在の基準でも読みやすく、年代判別において最も扱いやすいものといえるでしょう。
内タグの情報と他のディテール(ボタン裏刻印、ジッパーメーカーなど)を組み合わせることで、99%近い精度で年代特定が可能になります。ただし、内タグは取れてしまっていたり、意図的に切り取られているケースもあるため、その場合は他のディテールで総合的に判断する必要があります。
📅 内タグ年代別解読方法
年代 | タグの特徴 | 読み方 | 例 |
---|---|---|---|
1974-1980年代前半 | 数字の羅列、3行 | 左から月・年・工場 | 8177→8工場1977年11月 |
1980年代後半 | 7行構成、3桁表記 | 製造年月別記載 | 107→1987年10月 |
1991-1994年 | 薄い生地、2行の数字列 | 下から2行目 | 324 1000→324工場2000年1月 |
1995-2003年 | 最も読みやすい | 明確な年月表記 | 324工場2002年10月製造 |
オレンジタブ505が現在高値で取引される理由
オレンジタブのリーバイス505は、現在の古着市場において通常の赤タブモデルよりも高い価値を持つ興味深い存在です。当初は廉価ラインとして位置づけられていたにも関わらず、現在では希少性から高値で取引されるという逆転現象が起きています。
オレンジタブは1960年代から1970年代にかけて登場した特別なラインで、通常の「赤タブ」に対してオレンジ色のタブが特徴的です。この時代のオレンジタブ505は、通常のモデルとは微妙に異なる製法や素材が使用されているケースが存在します。特に80年代中頃のオレンジタブ505には、紙のインナータグが使われているものがあり、これは同時期の501赤耳でも見られる特徴です。
オレンジタブが高値で取引される理由の一つは、その希少性にあります。当時は廉価ライン向けとして限定的に生産されていたため、現存する個体数が通常の赤タブモデルと比較して圧倒的に少ないのです。古着市場では「珍しいものほど価値が高い」という原則が働くため、オレンジタブは逆説的に高い評価を受けています。
また、80年代中頃の一部のオレンジタブ505には、66前期(1960年代後半モデル)と同様の色落ちをする生地が使用されている可能性があるという説もあります。これは推測の域を出ませんが、実際に美しい縦落ちの色落ちを見せるオレンジタブ505が存在することは確認されています。このような特殊な生地の使用が、コレクターの間で話題となっている要因の一つです。
オレンジタブのシルエットやディテールは、基本的に通常の505とほぼ同様です。しかし、タブの色の違いだけでなく、微妙な製法の違いがある場合もあり、こうした細部の違いがコレクターにとって重要な要素となっています。特に、オレンジタブとビッグEの組み合わせは極めて稀で、見つけることができれば非常に高い価値を持つでしょう。
現在のオークションサイトやフリマアプリでは、状態の良いオレンジタブ505が通常の赤タブモデルの1.5倍から2倍程度の価格で取引されることも珍しくありません。これは、コレクターアイテムとしての価値が広く認知されてきたことの表れといえるでしょう。
🧡 オレンジタブ505の特徴と価値
項目 | オレンジタブ505 | 通常の赤タブ505 |
---|---|---|
希少性 | 極めて高い | 標準的 |
当時の位置づけ | 廉価ライン | メインライン |
現在の価値 | 高価(1.5-2倍) | 標準価格 |
コレクター評価 | 非常に高い | 標準的 |
特殊な生地使用 | 一部に可能性あり | 通常の生地 |
裾ステッチで判別するオリジナル仕様と後加工
リーバイス505の裾ステッチは、その個体が工場出荷時のオリジナル仕様なのか、後から裾上げされたものなのかを判別する重要な手がかりです。この知識を持つことで、古着購入時により適切な判断ができるようになります。
オリジナルの裾仕様では、リーバイス505は基本的にチェーンステッチで仕上げられています。チェーンステッチとは、裏側から見るとチェーン(鎖)のような模様になっているステッチで、専用のミシンでしか縫製できません。このステッチ方法は、デニムブランドでは伝統的に使用されており、リーバイスでも長年採用されている技術です。
チェーンステッチの特徴は、波打った感じの独特な色落ちアタリが生成されることです。長期間の着用により、裾部分に美しいアタリが現れ、これがヴィンテージデニムの魅力の一つとされています。また、チェーンステッチは連続して長時間の作業が可能で、生産効率が良いという利点もあります。
一方、後から裾上げされた505では、多くの場合シングルステッチで仕上げられています。シングルステッチは家庭用ミシンでも可能な縫い方で、表側と裏側で同じような直線的なステッチになります。この方法は一般的な裾上げ作業で使用されるため、オリジナルではない可能性が高いと判断できます。
裾の判別は、古着の価値評価において重要な要素です。オリジナルの裾が残っている505は、当時の製造仕様を完全に保持している証拠であり、コレクターや愛好家からより高い評価を受けます。特に、チェーンステッチによる美しいアタリが確認できる個体は、着用による経年変化の魅力も併せ持っています。
ただし、シングルステッチ仕上げの505が必ずしも価値が低いわけではありません。適切なサイズに調整されていることで実用性が高まっている場合もあり、着用を重視する購入者にとってはむしろ好都合な場合もあります。重要なのは、購入時にその違いを理解し、自分の目的に合った選択をすることです。
裾のアタリの美しさを重視する場合は、未裾上げのオリジナル仕様を選択し、自分で適切なレングスに調整することをおすすめします。現在でもチェーンステッチでの裾上げを行っている店舗もあるため、オリジナルの雰囲気を保ちながらサイズ調整することも可能です。
👖 裾ステッチによる判別方法
ステッチ種類 | 仕様 | アタリの特徴 | 価値評価 |
---|---|---|---|
チェーンステッチ | オリジナル | 波打った美しいアタリ | 高い |
シングルステッチ | 後加工 | 直線的なアタリ | やや低い |
未裾上げ | オリジナル | アタリなし(今後形成) | 最高 |
工場番号から紐解くレア度と品質の関係性
リーバイス505の工場番号は、単なる製造場所の識別子を超えて、そのデニムの品質やレア度を示す重要な指標でもあります。各工場には独自の特徴があり、コレクターの間では特定の工場で製造されたモデルが特別に評価されています。
16番工場は、50年代初期から70年代中期まで長期間にわたって稼働していた工場として知られています。この工場で製造された505は「16ボタンモデル」と呼ばれ、特別な価値を持っています。16番工場の特徴は、長期間の稼働により様々な時代の技術や素材が混在していることで、同じ16刻印でも年代によって微妙に異なる仕様を持つことがあります。
6番工場は、特に美しい色落ちで知られる工場です。ここで製造された505は、501で言う66前期に相当する生地が使用されることが多く、縦落ちの美しい色落ちを楽しめることで人気があります。6刻印の505は、色落ちの美しさを重視するデニムファンから特に高い評価を受けており、状態の良いものは高値で取引されることもあります。
555番工場(バレンシア工場)は、1996年から2003年まで稼働した最後のUSA製デニム製造工場として特別な地位を占めています。この工場で製造された505は、アメリカ製デニムの最終章として位置づけられており、希少価値と歴史的価値を併せ持っています。バレンシア工場の555は、現在でもLVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)の復刻ラインで使用されており、その品質の高さが認められています。
**524番工場(エルパソ工場)**は、旧6工場として知られ、古い年代のディテールを引き継いだモデルが製造されていました。ここで製造された505は、新しい年代でありながらヴィンテージ感のある仕上がりを持つことがあり、「隠れた名品」として評価されることもあります。
工場ごとの品質の違いは、使用される機械設備や技術者のスキルに起因することが多いとされています。特定の工場が特別な評価を受けるのは、そこで働いていた職人の技術力や、その工場独自の製造プロセスが影響していると考えられています。また、工場の稼働期間や生産量も希少性に大きく影響しており、短期間しか稼働していなかった工場の製品ほど希少価値が高くなる傾向があります。
現在の古着市場では、工場番号を重視するコレクターも多く、特定の工場番号だけを集めるコレクターも存在します。このため、レアな工場番号の505は、通常のモデルよりも高い価格で取引されることも珍しくありません。
🏭 主要工場番号の特徴とレア度
工場番号 | 稼働期間 | 特徴 | レア度 | 評価ポイント |
---|---|---|---|---|
6 | 1950-60年代 | 縦落ちの美麗な色落ち | ★★★★★ | 色落ちの美しさ |
16 | 1950年代初期-70年代中期 | 長期稼働、様々な仕様 | ★★★★☆ | 歴史的価値 |
524 | 1980-2000年代 | 旧6工場の流れ | ★★★☆☆ | ヴィンテージ感 |
555 | 1996-2003年 | 最後のUSA製 | ★★★★★ | 希少性・品質 |
まとめ:リーバイス505年代の見分け方を活用した賢い古着選び
最後に記事のポイントをまとめます。
- ジッパーメーカーの確認が最も分かりやすい年代判別方法である
- 60年代はGRIPPER・CONMAR、70年代はTALON42・SCOVILLが使用されている
- トップボタン裏の刻印で製造工場と大まかな年代が特定できる
- 1桁・アルファベット刻印は50-60年代、2桁は60-80年代、3桁は80-2000年代を示す
- 赤タブのビッグE(1960-1971年)とスモールe(1971年以降)で時代が分かる
- バックポケットのステッチは1977年を境にシングルからチェーンに変更された
- 505はプリシュリンクデニムを採用しており洗濯による縮みが少ない
- 90年代USA製は現在「ネクスト・ヴィンテージ」として価値が上昇している
- セルビッジ付き505は数十本に1本程度の確率で存在する超希少品である
- 内タグから製造年月を具体的に読み取ることが可能である
- オレンジタブは当初廉価ラインだったが現在は希少価値で高価取引されている
- 裾のチェーンステッチはオリジナル仕様、シングルステッチは後加工の可能性が高い
- 工場番号6・16・555などは特に高い評価とレア度を持っている
- パッチのタイプスタンプ(A・S・F・I)は1967-1969年の特殊モデルを示す
- Made in U.S.A.表記があれば2003年以前のUSA製として確定できる
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://ameblo.jp/illminate/entry-11713310926.html
- https://jamtrading.jp/blogs/jam/12047433/
- https://jumpei-blog.com/levis505-90s-oldclothes/
- https://levi-fun.com/levis-505-90nendai/
- https://riverforest23.com/levis-505/
- https://www.style-eco.com/brand_colum/levi_s/12852.html
- https://note.com/vintajin/n/n943224780ae4
- https://www.longhorn-imports.com/vtg-levis505-type-s/
- https://www.reddit.com/r/malefashionadvice/comments/o8rc2/levis_550_to_a_514/?tl=ja
- https://hurugiblog.com/levis-replica-or-vintage
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