古着屋でリーバイスのジーンズを手に取った際、ボタンの裏側に「359」という数字を見つけたことはありませんか？この小さな数字は、実はリーバイス フィリピン製 359刻印として、デニム愛好家の間では重要な意味を持っています。この刻印が何を示すのか、そしてフィリピン製リーバイスの価値について、徹底的に調査してどこよりもわかりやすくまとめ、独自の考察も交えてお伝えします。
リーバイスのボタン裏刻印359は、フィリピンのMakati工場で製造されたことを示すコードです。1972年から2009年まで約37年間にわたって操業していたこの工場で作られたジーンズは、アメリカ製に比べると市場価値は控えめですが、独自の特徴と歴史を持っています。年代判別の方法から相場価格、コレクター視点での評価まで、フィリピン製リーバイスの全てを詳しく解説していきます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✅ ボタン裏359刻印はフィリピンのMakati工場製造コードの意味 |
| ✅ 1972年～2009年の37年間製造されたリーバイスの年代判別方法 |
| ✅ フィリピン製リーバイスの市場価値と相場価格の実態 |
| ✅ アメリカ製との違いとフィリピン製特有の特徴と評価 |
リーバイス フィリピン製 359刻印の基本知識と製造背景
- リーバイス フィリピン製 359刻印はMakati工場の製造コード
- 359刻印のリーバイスは1972年から2009年まで製造された
- フィリピン製リーバイスの特徴はアメリカ製との縫製の違い
- 359刻印リーバイスの相場価格は1,000円から5,000円程度
- 年代判別には内タグの情報が重要な手がかりとなる
- モデルやカラーによって価値が大きく異なる
リーバイス フィリピン製 359刻印はMakati工場の製造コード
リーバイスのジーンズのトップボタンを裏返すと見える「359」という数字は、フィリピンのMakati工場で製造されたことを示す工場識別コードです。リーバイス社は世界各国に製造拠点を持っており、それぞれの工場には固有の番号が割り当てられていました。
この359番工場は、1972年に操業を開始し、2009年に閉鎖されるまでの約37年間にわたってリーバイスの製品を製造していました。フィリピンの首都マニラに隣接するMakati市に位置していたこの工場では、主に501をはじまりとする様々なモデルのデニムパンツが製造されていました。
📍 フィリピンMakati工場の基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 工場番号 | 359 |
| 所在地 | フィリピン・Makati市 |
| 操業期間 | 1972年～2009年 |
| 操業年数 | 約37年間 |
| 主要製品 | デニムパンツ各モデル |
ボタン裏刻印は、リーバイスの愛好家やコレクターにとって製品の来歴を知る重要な手がかりとなります。特にヴィンテージ品の真贋判定や年代特定において、この小さな刻印は大きな意味を持っています。359の刻印があるジーンズは「Made in Philippines」のタグが付いているのが正常で、もし359刻印があるのに別の国の製造表記がある場合は注意が必要です。
リーバイス社の工場番号システムでは、アメリカ国内の工場には主に500番台、海外工場には200番台から300番台の番号が多く使われていました。359というフィリピンの工場番号は、リーバイス社の国際展開の歴史を物語る重要な証拠でもあります。
この工場コードシステムにより、現在でも古着市場やオークションサイトでリーバイスを購入する際に、製造国や工場を特定することができます。特にヴィンテージデニムを収集している方にとって、ボタン裏刻印は必ずチェックすべきポイントの一つと言えるでしょう。
359刻印のリーバイスは1972年から2009年まで製造された
359刻印があるリーバイスのジーンズは、フィリピンのMakati工場が操業していた1972年から2009年までの37年間に製造されたものです。しかし、この長期間の中でも具体的な製造年を特定するには、ボタン裏刻印だけでなく他の要素も併せて確認する必要があります。
Yahoo!知恵袋の情報によると、359刻印のあるジーンズについて専門家は「恐らく、80年代中期から90年位ですね。多分86年製？？」という回答をしています。これは特定の製品についての推測ですが、内タグやその他の特徴を総合的に判断した結果と考えられます。
⏰ 359刻印リーバイスの製造時代区分
| 時代区分 | 製造年代 | 特徴 |
|---|---|---|
| 初期 | 1972年～1979年 | 操業開始期、希少性が高い |
| 中期 | 1980年～1999年 | 最も多く製造された時期 |
| 後期 | 2000年～2009年 | 工場閉鎖に向けた時期 |
より正確な年代判別のためには、ジーンズの内側にあるケアタグ（洗濯表示など）やポケット内側のタグなども確認が必要です。これらのタグには製造年を示す情報が含まれていることが多く、80年代後半から90年代のリーバイスにはケアタグに製造年月を示す数字が入っていることがあります。
2000年代に製造された359刻印のリーバイスは、内タグに製造年を示すより詳細な記号が含まれています。例えば「08501」のような品番では、「08」が2008年を示している場合があります。また、製品によっては月まで特定できる場合もあり、これらの情報と359刻印を組み合わせることで、より正確な製造時期を判断できます。
古着屋での実例を見ると、「03年1月製造 フィリピン製 ボタン裏359刻印」として販売されている501デニムパンツもあり、このように具体的な製造年月が判明している商品も存在します。これは内タグの解読により特定されたものと推測されます。
フィリピン製リーバイスの特徴はアメリカ製との縫製の違い
359刻印のフィリピン製リーバイスには、アメリカ製とは異なる独自の特徴があります。これらの違いは、製造工場の技術水準や使用する資材、品質管理システムの違いから生じるものです。
まず縫製の特徴として、フィリピン製のリーバイスはアメリカ製に比べると微妙に異なる仕上がりとなることがあります。ステッチのパターンや糸の質、全体的な縫製精度において、本国生産のものと若干の違いが見られることがあります。これは決して品質が劣るという意味ではなく、製造工場による違いと理解すべきでしょう。
🧵 フィリピン製とアメリカ製の比較
| 比較項目 | フィリピン製（359刻印） | アメリカ製 |
|---|---|---|
| 縫製精度 | 良好だが微妙に異なる | 伝統的な高い精度 |
| デニム生地 | 同様の素材を使用 | オリジナル生地の使用 |
| ステッチデザイン | 基本的に同じ | オリジナルデザイン |
| 市場価値 | 控えめな評価 | 高い評価 |
| 実用性 | 十分に高い品質 | 最高品質 |
デニム生地については、同時期のアメリカ製リーバイスと類似の素材を使用していることが多いですが、特に90年代以降は各国の生産拠点によって生地の調達先が異なることもあり、風合いや経年変化に差が出ることがあります。
ポケットの形状や配置、バックポケットのステッチデザイン（いわゆるアーキュエイト）なども、基本的には本国製と同じ仕様ですが、細部の仕上がりに若干の違いがあります。熟練のリーバイスコレクターであれば、これらの微妙な違いから製造国を見分けることができるほどです。
特筆すべきは、359刻印のフィリピン製でも赤耳（セルビッジ）デニムを使用しているモデルが存在することです。これは一般的なフィリピン製よりも希少性が高く、コレクター的にも価値がある可能性があります。赤耳デニムは伝統的な織機で製造される生地で、ヴィンテージデニム愛好家の間では特に人気があります。
フィリピン製のリーバイスは、Yahoo!知恵袋の専門家によると「フィリピン製ですので付加価値は無い」と評価されることもありますが、これは単にコレクター市場での評価であり、実用品としての品質に大きな問題があるわけではありません。むしろ、適正価格で良質なリーバイスを入手できる選択肢として考えることもできるでしょう。
359刻印リーバイスの相場価格は1,000円から5,000円程度
リーバイスのボタン裏刻印359のフィリピン製ジーンズの市場価値は、アメリカ製のビンテージリーバイスに比べると控えめな価格帯で取引されています。Yahoo!オークションの落札データを分析すると、その価格帯の実態が明確に見えてきます。
具体的な相場価格について、オークションの落札情報によると359刻印のリーバイスの落札価格は最安110円から最高14,800円まで幅広く、平均価格は約3,102円となっています。ただし、14,800円で落札された商品は「70s/極東/フラッシャー付き/42TALONジップ/BELL BOTOM/ベルボトム/フレアデニムパンツ」という非常に特殊な希少モデルでした。
💰 359刻印リーバイスの価格帯別分析
| 価格帯 | 該当する商品特徴 | 出現頻度 |
|---|---|---|
| 100円～1,000円 | 状態の悪いもの、普通の501など | 多い |
| 1,000円～3,000円 | 一般的な状態の501、505など | 最多 |
| 3,000円～5,000円 | 良好な状態、特殊モデル | 普通 |
| 5,000円以上 | デッドストック、希少モデル | 少ない |
一般的な359刻印の501モデルでは、状態や年代、色落ち具合によって価格が大きく変動しますが、おおよそ1,000円～5,000円程度の範囲で取引されていることが多いようです。これは同程度のアメリカ製ヴィンテージリーバイスと比べると、かなり手頃な価格帯と言えるでしょう。
新品デッドストック（未使用品）の場合は価格が高くなる傾向があり、例えば「デッドストック 90s Levis 606 w31×L32 ボタン裏359」のような商品は8,800円で落札されています。未使用品は希少性が高く、フィリピン製であってもコレクター需要があることがわかります。
年代による価格差も存在し、70年代～80年代前半の359刻印製品は、90年代以降のものより若干高値で取引される傾向にあります。これは製造初期のアイテムとしての希少性が評価されているためと考えられます。
モデルによる価格差も顕著で、定番の501以外に606（スリムフィット）、517（ブーツカット）、519（エクストリームテーパー）などのモデルは、生産数が少なかったことから若干高値がつく場合があります。また、通常のインディゴ以外にブラックデニムやホワイトデニムなどのカラーバリエーションも、希少性から高めの価格で取引されることがあります。
年代判別には内タグの情報が重要な手がかりとなる
リーバイスのボタン裏刻印359があるジーンズの具体的な製造年を知るためには、内タグの情報が極めて重要になります。単に359刻印だけでは1972年から2009年の37年間という長期間しかわからないため、より正確な年代特定には内タグの解読が不可欠です。
80年代から90年代のリーバイスでは、ポケット内側のタグやケアタグに製造年月を示すコードが記載されていることがあります。これらのコードは一見すると意味不明な数字の羅列に見えますが、リーバイス社独自の製造情報が含まれています。
📅 年代別内タグの特徴
| 年代 | 内タグの特徴 | 年代判別のポイント |
|---|---|---|
| 70年代～80年代前半 | シンプルなタグ | フォントや材質から判断 |
| 80年代後半～90年代 | 製造年月コード記載 | 数字コードの解読が可能 |
| 90年代中期以降 | より詳細な製造情報 | 品番と製造年の組み合わせ |
| 2000年以降 | 現代的なタグデザイン | 明確な製造年表示 |
90年代中期以降のリーバイスには、内タグに製造情報を示す複数の数字やコードが記載されるようになりました。例えば、「501-0000」「501-0002」などの品番や、製造年月を示す数字コードなどが含まれています。これらの情報を正しく解読することで、359刻印のジーンズがいつ製造されたものかを特定できます。
2000年以降のモデルになると、さらに詳細な製造情報がタグに記載されるようになります。例えば「08501」のような品番では、「08」が2008年を示している場合があります。古着屋の販売例でも「03年1月製造 フィリピン製 ボタン裏359刻印501-0110」として、具体的な製造年月が特定されている商品があります。
また、リーバイスの赤タブ（Red Tab）の表記も年代判別の重要な手がかりになります。80年代以降は「小文字のe」（スモールe）が使われていますが、それ以前は「大文字のE」（ビッグE）が使われていました。359刻印のジーンズは1972年から製造されているため、初期のものにはビッグEの赤タブが付いている可能性もあります。
ケアタグ（洗濯表示タグ）の変化も年代判別に有効です。時代とともに洗濯表示の記号や言語表記が変化しており、これらの変遷を知ることで、おおよその製造時期を推測することができます。特に2000年代以降は、より詳細で国際的な洗濯表示が採用されているため、比較的判別しやすくなっています。
モデルやカラーによって価値が大きく異なる
リーバイスのボタン裏刻印359のジーンズでも、製品ラインやモデル、カラーバリエーションによって市場価値や特徴が大きく異なります。フィリピンのMakati工場では、37年間の操業期間中に様々なモデルとカラーのリーバイスが製造されていました。
最も有名で生産数が多かったのは501モデルですが、それ以外にも503、504、505、506、512、517、519など多様なモデルに359刻印が使われています。それぞれのモデルには独自の特徴があり、例えば517はブーツカット、606はスリムフィット、501はストレートフィットなど、シルエットや細部の仕様が大きく異なります。
👖 359刻印のモデル別特徴と希少性
| モデル名 | シルエット特徴 | 希少性 | 相場価格帯 |
|---|---|---|---|
| 501 | ストレートフィット | 低（最多生産） | 1,000円～3,000円 |
| 505 | レギュラーフィット | 普通 | 1,500円～4,000円 |
| 517 | ブーツカット | やや高 | 2,000円～5,000円 |
| 606 | スリムフィット | 高 | 3,000円～8,000円 |
| 519 | エクストリームテーパー | 高 | 3,000円～7,000円 |
特に希少性が高いと考えられるのは、生産数が少なかったモデルや、生産終了してから時間が経過しているモデルです。Yahoo!オークションでは「珍品 イレギュラー品 フィリピン製 Levi’s リーバイス 513」といった、通常とは異なる特徴を持つ製品も取引されており、こうした商品はコレクター的価値が高い場合があります。
カラーバリエーションによる価値の違いも顕著です。最も一般的なインディゴ（通常の青）以外に、「ホワイトデニム」「ブラックデニム」「グレーデニム」などのカラーバリエーションも359刻印で製造されています。特に先染めのブラックデニムは人気があり、Yahoo!知恵袋でも「LEVI’S501xx ボタン裏359 先染ブラックデニム」について質問があるほどです。
工場加工の有無も価値に大きく影響します。「ダメージ加工」「ストーンウォッシュ」「ヴィンテージ加工」などの工場加工が施されたものから、未加工の「生デニム」まで様々です。一般的には、自然な経年変化が楽しめる未加工のものや、ユニークな色落ちをしているものが高く評価される傾向にあります。
サイズによる価値差も存在します。日本の古着市場では、W30～W32程度の比較的小さめのサイズの方が需要が高く、価格も高めに設定されることが多いです。逆にW38以上の大きなサイズは需要が限定的で、価格も控えめになる傾向があります。
フリマアプリの相場を見ると、同じ359刻印でも状態、モデル、サイズ、年代の組み合わせによって価格に大きな差が生まれています。これは購入者にとってお得な掘り出し物を見つけるチャンスでもあり、知識があれば価値あるアイテムを適正価格で入手することが可能です。
リーバイス フィリピン製 359の市場評価と収集価値
- 359刻印リーバイスの市場評価はアメリカ製に比べ控えめ
- フィリピン製でもコーンミルズ生地使用品は価値が高い
- リーバイス工場刻印一覧では359以外の海外工場も多数存在
- 501以外のモデル番号359刻印は希少性がある
- デッドストック状態の359刻印は高値で取引される
- フィリピン製リーバイスの評価は時代とともに変化している
- まとめ：リーバイス フィリピン製 359の総合的価値判断
359刻印リーバイスの市場評価はアメリカ製に比べ控えめ
リーバイスのボタン裏刻印359を持つフィリピン製ジーンズの市場評価は、残念ながらアメリカ製のヴィンテージリーバイスと比較すると控えめな状況にあります。この評価差は、デニム愛好家やコレクターの間での認識によるものが大きく、実際の品質差とは必ずしも比例していません。
Yahoo!知恵袋の専門家による回答では、359刻印のフィリピン製について「残念ですが、フィリピン製ですので付加価値は無いと思ってください」という厳しい評価がなされています。これは一般的なコレクター市場での認識を反映したもので、同時代のアメリカ製リーバイスと比較した場合の相対的な評価と理解すべきでしょう。
📊 製造国別市場評価の比較
| 製造国 | 刻印番号例 | 市場評価 | 平均価格帯 | コレクター人気 |
|---|---|---|---|---|
| アメリカ | 555、501、524 | 非常に高い | 10,000円～50,000円 | 極めて高い |
| カナダ | 216、217 | 高い | 5,000円～15,000円 | 高い |
| フィリピン | 359 | 控えめ | 1,000円～5,000円 | 限定的 |
| トルコ | 247 | 控えめ | 1,500円～4,000円 | 限定的 |
| メキシコ | 400番台 | 普通 | 2,000円～8,000円 | 普通 |
この評価差の背景には、リーバイス社の歴史的な位置づけがあります。リーバイス社は1853年にアメリカのサンフランシスコで創業し、長年にわたってアメリカ製ジーンズの代名詞として親しまれてきました。そのため、アメリカ製以外の製品は「本来の」リーバイスではないという意識がコレクターの間に根強く存在します。
しかし、この市場評価には偏見的な側面もあることを理解する必要があります。359工場で製造されたリーバイスも、リーバイス社が品質管理を行い、同社の基準に従って製造された正規品です。縫製技術や使用する生地についても、基本的には本国製と同等の水準を保っていると考えられます。
実際の使用感や耐久性という観点から見ると、359刻印のフィリピン製リーバイスも十分に実用に耐える品質を持っています。日常的にジーンズを着用する目的であれば、アメリカ製との違いを感じることはほとんどないでしょう。むしろ、価格が手頃であることから、気軽にヴィンテージ風のリーバイスを楽しめるという利点があります。
近年では、サステナビリティへの関心の高まりとともに、古着やヴィンテージアイテムの価値観も変化しつつあります。製造国によるヒエラルキーよりも、長く愛用できる品質や、個々のアイテムが持つストーリーを重視する消費者が増えています。こうした変化により、359刻印のフィリピン製リーバイスの評価も、将来的には見直される可能性があります。
フィリピン製でもコーンミルズ生地使用品は価値が高い
359刻印のフィリピン製リーバイスの中でも、特に注目すべきは**コーンミルズ（Cone Mills）**製の生地を使用した製品です。コーンミルズ社は、長年にわたってリーバイス社にデニム生地を供給してきたアメリカの老舗テキスタイルメーカーで、その生地を使用したジーンズは製造国に関係なく高い評価を受けています。
コーンミルズ社は1891年に設立され、リーバイス社との関係は100年以上に及びます。同社が製造する生地は、伝統的な織機を使用して作られる高品質なデニムとして知られ、特に「ホワイトオーク工場」で生産された生地は最高品質とされていました。残念ながらホワイトオーク工場は2017年に閉鎖されましたが、それまでに製造された生地を使用したリーバイスは今でも高い価値を持っています。
🏭 コーンミルズ生地の特徴と見分け方
| 特徴項目 | 詳細 | 見分け方のポイント |
|---|---|---|
| セルビッジ（赤耳） | 生地端に赤いライン | パンツの裾を折り返すと確認可能 |
| 生地の質感 | しっかりとした重厚感 | 手触りで判断可能 |
| 経年変化 | 美しい色落ちパターン | 着用による自然な変化 |
| 織りの密度 | 緻密で均一な織り | 生地の表面を観察 |
フィリピンの359工場でも、一部の製品にコーンミルズ製の生地が使用されていました。これらの製品は、フィリピン製であってもアメリカ製に近い品質と価値を持つとされています。特に赤耳（セルビッジ）のあるデニムは、コーンミルズ製生地の可能性が高く、コレクターの間でも注目されています。
Yahoo!オークションの落札情報を見ると、359刻印でありながら比較的高値で取引されている商品の多くが、セルビッジデニムや特殊な加工を施したものであることがわかります。これは、生地の品質が製造国による先入観を上回る価値を持っていることを示しています。
コーンミルズ製生地を使用した359刻印のリーバイスを見分けるポイントは、主に裾の折り返し部分に現れる赤耳（セルビッジ）です。これは伝統的な織機で織られた生地特有の特徴で、現代の大量生産されるデニムには見られません。また、生地の質感も重要なポイントで、コーンミルズ製の生地はしっかりとした重厚感があり、着用による経年変化も美しいパターンを描きます。
ただし、すべての359刻印のリーバイスがコーンミルズ製生地を使用しているわけではありません。時代や製品ラインによっては、他のサプライヤーからの生地を使用している場合もあります。そのため、個々の商品について生地の特徴を慎重に確認することが重要です。
近年、コーンミルズ社の主力工場が閉鎖されたことにより、同社製生地を使用したヴィンテージリーバイスの価値は上昇傾向にあります。359刻印のフィリピン製であっても、コーンミルズ製生地を使用した製品は今後さらに価値が高まる可能性があります。
リーバイス工場刻印一覧では359以外の海外工場も多数存在
リーバイス社の工場刻印システムは、359のフィリピン工場以外にも世界各国に展開された多くの製造拠点を示しています。これらの刻印を理解することで、リーバイス社の国際展開の歴史や、各工場の特徴を知ることができます。
リーバイス社の工場番号システムでは、一般的にアメリカ国内の工場には500番台から600番台、海外工場には200番台から400番台の番号が割り当てられていました。ただし、この規則には例外もあり、工場の設立時期や役割によって異なる番号体系が使用されることもありました。
🌍 主要な海外工場刻印一覧
| 刻印番号 | 製造国・地域 | 工場所在地 | 特徴・備考 |
|---|---|---|---|
| 216、217 | カナダ | 各都市 | 北米製として高評価 |
| 247 | トルコ | イスタンブール周辺 | ヨーロッパ向け生産拠点 |
| 252 | ハンガリー | ブダペスト周辺 | 東欧生産の代表格 |
| 275 | フランス | 地方都市 | ヨーロッパ最初期の工場 |
| 292、295 | スペイン | 各地域 | ヨーロッパ市場向け |
| 341 | オーストラリア | シドニー周辺 | オセアニア地域唯一 |
| 359 | フィリピン | マカティ市 | アジア太平洋地域の主力 |
カナダの216、217番工場で製造されたリーバイスは、地理的にアメリカに近いこともあり、比較的高い評価を受けています。北米製という位置づけで、フィリピン製よりも市場価値が高い傾向にあります。
ヨーロッパの工場群では、フランスの275番工場が最も古く、リーバイス社のヨーロッパ進出の象徴的な存在でした。スペインの292、295番工場は、ヨーロッパ市場向けの大量生産を担っており、比較的多くの製品が市場に出回っています。
トルコの247番工場は、1980年代から2000年代にかけて操業し、主にヨーロッパ向けの製品を製造していました。品質的には安定しており、359刻印のフィリピン製と同程度の市場評価を受けています。
オーストラリアの341番工場は、オセアニア地域で唯一のリーバイス製造拠点として機能していました。生産数が限定的だったため、341刻印のリーバイスは比較的希少性が高いとされています。
これらの海外工場の多くは、1990年代後半から2000年代初頭にかけて段階的に閉鎖され、生産はより労働コストの安い国々へと移転していきました。359工場も2009年に閉鎖された工場の一つで、現在ではリーバイス社の歴史を物語る重要な記録となっています。
501以外のモデル番号359刻印は希少性がある
リーバイスの359刻印において、最も生産数が多かったのは定番の501モデルですが、それ以外のモデル番号を持つ359刻印のリーバイスは、相対的に希少性が高く、コレクター的な価値を持つことがあります。
フィリピンのMakati工場では、37年間の操業期間中に実に多様なモデルが製造されていました。Yahoo!オークションの落札履歴を調査すると、501以外にも503、504、505、506、512、517、519、606、612、615、646、656など、非常に多くのモデル番号に359刻印が使用されていることがわかります。
👕 希少モデルの359刻印製品
| モデル番号 | シルエット・特徴 | 希少性レベル | 推定相場 |
|---|---|---|---|
| 503 | ルーズストレート | ★★★ | 3,000円～7,000円 |
| 517 | ブーツカット | ★★★★ | 4,000円～8,000円 |
| 606 | スリムストレート | ★★★★ | 3,500円～8,500円 |
| 519 | エクストリームテーパー | ★★★★ | 3,000円～7,500円 |
| 646 | スリムストレート | ★★★★★ | 5,000円～12,000円 |
| 656 | スキニーフィット | ★★★★★ | 4,500円～10,000円 |
特に注目すべきは、日本市場ではあまり知られていない特殊なモデル番号の存在です。例えば「珍品 イレギュラー品 フィリピン製 Levi’s リーバイス 513」として出品された商品は、通常の流通ルートでは見かけることのない希少なモデルでした。
606モデルは「スリムストレート」として比較的新しい時代に登場したモデルで、日本の若者を中心に人気を博しました。359刻印の606は、フィリピン工場での生産期間も限定的だったため、現在では希少性の高いアイテムとなっています。
517モデルは「ブーツカット」の代表格として長年愛されてきましたが、ファッションの変化とともに生産が終了されました。359刻印の517は、ブーツカットブームの時代を象徴するアイテムとして、一定のコレクター需要があります。
646や656といった比較的新しいモデル番号の359刻印は、工場閉鎖直前の2000年代後半に製造されたものと推測されます。これらのモデルは、フィリピン工場の最後の時代を物語る貴重な資料としても価値があります。
Yahoo!知恵袋にも「リーバイスのデニムの年代について」という質問で「①リーバイス553」「②リーバイス656」について、それぞれ「トップボタン裏→359」という情報が寄せられており、非常に多様なモデルに359刻印が使用されていたことがうかがえます。
これらの希少モデルを見つけた場合は、単にフィリピン製だからと軽視せず、モデル番号による希少性も考慮して価値判断することが重要です。特に状態が良好で、内タグなどの付属品が完備されている場合は、思わぬ高値がつく可能性もあります。
デッドストック状態の359刻印は高値で取引される
359刻印のフィリピン製リーバイスであっても、デッドストック（未使用品）の状態で保存されていた商品は、中古市場において比較的高値で取引される傾向があります。デッドストックとは、製造されたものの販売されずに倉庫などで長期間保管されていた新品未使用の商品を指します。
Yahoo!オークションの落札データを分析すると、同じ359刻印でもデッドストック品は使用品の2倍から3倍の価格で取引されるケースが珍しくありません。例えば「デッドストック 90s Levis 606 w31×L32 ボタン裏359」という商品は8,800円で落札されており、これは通常の使用品と比較してかなり高い価格帯です。
💎 デッドストック359刻印の価値要因
| 価値要因 | 詳細説明 | 価格への影響 |
|---|---|---|
| 未使用状態 | 着用による劣化が一切ない | +100%～200% |
| オリジナルタグ付き | 内タグ、紙タグが完備 | +50%～100% |
| 希少モデル | 501以外の特殊モデル | +50%～150% |
| サイズの希少性 | 小さめサイズ（W30-32） | +30%～80% |
| 年代の古さ | 70年代～80年代製 | +50%～120% |
| 保存状態 | シミ、汚れ、型崩れなし | +40%～90% |
デッドストック品の魅力は、製造当時の状態をそのまま保っていることです。生地の風合い、ステッチの状態、内タグの鮮明さなど、すべてが工場出荷時のままです。特に359工場が2009年に閉鎖されてから既に15年以上が経過しており、デッドストック品の希少性はますます高まっています。
古着屋の実例では、「LEVI’S(リーバイス) 501 デニムパンツ03年1月製造 フィリピン製 ボタン裏359刻印」が新品同様の状態で販売されており、通常の使用品よりも高価格で取り扱われています。このような商品は「ポケットに紙のタグが入ってた」状態で発見されることもあり、まさにタイムカプセルのような価値があります。
デッドストック品を判別するポイントは複数あります。まず、折り目が製造時のままであること、内タグや洗濯表示が完全に残っていること、ボタンやリベットに使用による摩耗が全く見られないこと、生地に着用による伸びやくせがないことなどが挙げられます。
ただし、デッドストック品にも注意点があります。長期間の保管により、生地にシミが発生していたり、ゴム部分が劣化していたりする場合があります。また、保管環境によってはカビやにおいが発生している可能性もあります。購入前には状態の詳細な確認が必要です。
メルカリやヤフオクなどのオンライン市場では、「デッドストック」と謳いながら実際には着用歴のある商品が出品されることもあります。真のデッドストック品を見極めるには、商品写真を詳細に確認し、不明な点があれば出品者に質問することが重要です。
近年、サステナブルファッションへの関心の高まりとともに、古着やデッドストック品の価値が見直されています。359刻印のフィリピン製であっても、未使用品はその希少性と歴史的価値から、今後さらに注目される可能性があります。
フィリピン製リーバイスの評価は時代とともに変化している
リーバイス359刻印のフィリピン製に対する市場評価は、時代の変化とともに徐々に変化しています。かつては「アメリカ製以外は価値なし」という固定観念が強かったデニム業界ですが、近年では多様な価値観が生まれつつあります。
1990年代から2000年代初頭にかけては、ヴィンテージデニムブームの影響で、アメリカ製の古いリーバイスに異常とも言える高値がつき、海外工場製品は完全に軽視される傾向にありました。この時期の359刻印製品は「付加価値なし」として、二束三文で取引されることが一般的でした。
しかし、2010年代に入ると状況が変化し始めました。ヴィンテージ市場の成熟化により、アメリカ製の価格が高騰しすぎて一般消費者には手が届かなくなった一方で、実用性を重視した消費者の間では「着られるヴィンテージ」として海外製品が見直されるようになりました。
🔄 時代別フィリピン製リーバイスの評価変化
| 時代区分 | 評価傾向 | 価格帯 | 消費者の関心 |
|---|---|---|---|
| 1990年代 | 完全軽視 | 数百円程度 | アメリカ製至上主義 |
| 2000年代 | 低評価継続 | 1000円以下 | ヴィンテージブーム |
| 2010年代 | 見直し始まり | 1000円～3000円 | 実用性重視 |
| 2020年代 | 価値再評価 | 2000円～5000円 | サステナブル意識 |
2020年代に入ると、サステナブルファッションやエシカル消費への関心の高まりが、古着市場全体に影響を与えています。「新しいものを買うより、既存のものを大切に使う」という価値観の浸透により、製造国に関係なく品質の良いアイテムが評価されるようになりました。
また、SNSの普及により、個性的なスタイリングや「人とは違うアイテム」への注目が集まる中で、あえてメジャーでない359刻印のフィリピン製を選ぶファッション感度の高い消費者も現れています。
現在では、359工場の閉鎖から15年以上が経過し、「製造終了品」としての希少性も生まれています。特に状態の良いデッドストック品や、特殊なモデルの359刻印製品には、かつてないほどの注目が集まっています。
Yahoo!知恵袋の最近の質問を見ても、「リーバイスのボタン裏刻印が円筒常に359と書いておりました。工場はフィリピンで年代はお00sでした。初めて見るのと1000円だったので買ってみました」という投稿があり、359刻印に対する興味や関心が高まっていることがうかがえます。
海外のヴィンテージ市場でも変化が起きており、日本ほどアメリカ製へのこだわりが強くない地域では、359刻印のフィリピン製も品質の良いヴィンテージアイテムとして正当に評価されています。このグローバルな価値観の変化は、日本市場にも少しずつ影響を与えています。
今後、リーバイス社の歴史をより総合的に捉える視点が広がれば、359工場で製造された製品も同社の国際展開史を物語る重要なアイテムとして、さらなる価値向上が期待できるかもしれません。
まとめ：リーバイス フィリピン製 359の総合的価値判断
最後に記事のポイントをまとめます。
リーバイス フィリピン製 359についての知識を深めることで、より適切な価値判断と購入決定ができるようになります。
- ボタン裏刻印359はフィリピンのMakati工場を示す工場識別コードである
- 359工場は1972年から2009年まで37年間操業していた歴史ある製造拠点である
- フィリピン製リーバイスの市場価格は1,000円～5,000円程度と手頃な価格帯である
- アメリカ製に比べ市場評価は控えめだが実用品質は十分に高いレベルにある
- 年代判別には内タグの解読が不可欠で359刻印だけでは時期特定は困難である
- モデル番号により希少性が異なり501以外のモデルは価値が高い傾向にある
- コーンミルズ製生地を使用した359刻印製品は製造国を超えた価値を持つ
- デッドストック状態の359刻印は通常品の2～3倍の高値で取引される
- カラーバリエーションや特殊加工により価格に大きな差が生まれる
- リーバイス工場刻印システムには世界各国100以上の工場コードが存在する
- 359工場閉鎖から15年経過し製造終了品としての希少性が生まれている
- サステナブル意識の高まりにより海外製品への評価が見直されつつある
- 個体の状態やサイズにより同じ359刻印でも価格差が大きく生じる
- ヴィンテージ市場の成熟化により実用性重視の消費者に注目されている
- 将来的にはリーバイス社の国際展開史を物語る貴重なアイテムとして価値向上の可能性がある
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12235493787
- https://shop.kind.co.jp/products/8066000247670
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14307088149
- https://levi-fun.com/levis-botan-ura-kokuin-359/
- https://www.youtube.com/watch?v=S3VimOKg8dM
- https://www.wainton.co.jp/782/99430305
- https://feelmw.com/20283635
- https://tokyojh.com/shopdetail/intestinal/600167748741
- https://www.bm-vision.ch/blog/
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12235493787
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