デニムの王様として君臨するリーバイスの中でも、特別な存在感を放つリーバイス プレミアム タグ。このタグが付いているジーンズは、通常のリーバイス製品とは一線を画す品質と製法で作られています。しかし、多くの人がその違いや価値について詳しく知らないのが現状です。
リーバイス プレミアム タグの謎を解明するため、徹底的な調査を行いました。通常モデルとの違い、日本製デニムとの深い関係、ヴィンテージモデルの特徴、さらには価格相場まで、どこよりもわかりやすくまとめています。この記事を読めば、あなたのジーンズに隠された価値や歴史的背景が明らかになるでしょう。
この記事のポイント |
---|
✅ リーバイス プレミアム タグの特徴と通常ラインとの違い |
✅ 日本製デニムとプレミアムラインの密接な関係 |
✅ ヴィンテージモデルの見分け方と価値判断のポイント |
✅ 赤タブの歴史とビッグEの重要性について |
リーバイス プレミアム タグの基本知識と品質の違い
- リーバイス プレミアム タグが示すのは高品質の証
- 通常モデルとプレミアムラインの決定的な違い
- 日本製デニムがプレミアムタグに与える影響
- 501と711がプレミアムラインの代表格である理由
- 生産国によるプレミアムモデルの価値の違い
- パッチとタグから読み取る製品情報の見方
リーバイス プレミアム タグが示すのは高品質の証
リーバイス プレミアム タグは、単なる装飾ではありません。このタグが付いているジーンズは、リーバイスの中でも特に高品質なラインを示すマーカーとして機能しています。
通常モデルと区別するために使われるこのタグは、腰部分の内側に「LEVI’S PREMIUM」という刺繍が施されているのが特徴です。この刺繍タグがあることで、そのジーンズが通常ラインではなく、プレミアムラインであることが一目でわかる仕組みになっています。
プレミアムラインの最大の特徴は、一般的により上質な素材を使用していることです。特にデニム生地の品質へのこだわりは顕著で、**セルビッジデニム(赤耳デニム)**を使用したモデルが多く展開されています。このセルビッジデニムは、織り機の端部に赤い糸が使われる伝統的な製法で作られたデニム生地のことを指します。
🏭 プレミアムラインの品質特徴
項目 | 特徴 |
---|---|
素材 | 上質なコットンとセルビッジデニム |
縫製 | チェーンステッチや丁寧な仕上げ |
パッチ | 本革パッチの使用が多い |
金属パーツ | 高品質なボタンとリベット |
リーバイス プレミアムのモデルは、通常より丁寧な縫製が施されていることも重要なポイントです。チェーンステッチや革パッチの使用など、細部へのこだわりが随所に感じられます。特に日本のデニム愛好家からの評価が高く、コレクターズアイテムとしての価値も持っているのが興味深い点です。
タグそのものの変遷についても注目すべき点があります。時代によってデザインが変化していますが、現行モデルでは主に「LEVI’S PREMIUM」の刺繍タグが内側に付いているのが標準的な仕様となっています。このタグの存在により、購入者は一般的なラインよりも高い品質を期待できることになります。
通常モデルとプレミアムラインの決定的な違い
リーバイス プレミアムと通常モデルの違いは、表面的なものだけではありません。使用される素材の品質と製造工程において、明確な差別化が図られているのが実情です。
素材面での最も大きな違いは、プレミアムラインが上質なコットンを使用し、セルビッジデニムを採用したモデルが多いことです。セルビッジデニムは織りの密度が高く、耐久性に優れており、着用するほどに独特の風合いが生まれる特性があります。一方、通常ラインではコスト削減のため、より一般的なデニム生地が使われることが多いと考えられます。
製造面においても顕著な違いが見られます。プレミアムラインは縫製にも特別な注意が払われており、**バックポケットのアーキュエイトステッチ(弓形ステッチ)**や、チェーンステッチによる裾上げなど、伝統的な技法が用いられています。通常ラインでは、より効率的かつ大量生産向けの製造方法が採用される傾向があります。
💰 価格と品質の比較
比較項目 | プレミアムライン | 通常ライン |
---|---|---|
価格帯 | 通常より2-5割高 | 標準価格 |
素材 | セルビッジデニム | 一般的なデニム |
パッチ | 本革パッチ | ペーパーパッチ |
縫製 | 伝統技法使用 | 効率重視 |
デザイン面での違いも重要な要素です。プレミアムラインでは本革パッチが使用されることが多く、通常ラインではペーパーパッチやフェイクレザーが使われることがあります。また、ボタンやリベットなどの金属パーツも、プレミアムラインではより高品質な素材が採用されているケースが一般的です。
価格面では、これらの品質差を反映して、プレミアムラインは通常ラインより2割から5割程度高く設定されています。しかし、その分長く着用できる耐久性と、エイジングによる味わいの深さがあるため、長期的な視点では価値があると多くのデニム愛好家から評価されています。
日本製デニムがプレミアムタグに与える影響
リーバイス プレミアム タグと日本製デニムには、切っても切れない特別な関連性があります。MADE IN JAPAN™ COLLECTIONでは、日本の高品質なデニム生地を使用したプレミアムモデルが展開されており、その多くにプレミアムタグが付いているのが特徴的です。
日本製デニムは世界最上級のファブリックの一つとして広く認識されており、特にカイハラデニムのように長い歴史を持つ日本の生地メーカーが手がけるセルビッジデニムは、世界中のデニム愛好家から極めて高い評価を受けています。調査によると、リーバイス プレミアムラインの一部では、このような日本製デニムが実際に使用されていることが確認できました。
🏭 日本のデニム製造の特徴
- 伝統的なシャトル織機の使用
- セルビッジ(赤耳)の美しい仕上がり
- 職人による丁寧な品質管理
- 独特の風合いとエイジング特性
日本のデニム製造における最大の特徴は、伝統的なシャトル織機を使用していることです。これにより、生地の端に「セルビッジ(赤耳)」と呼ばれる特徴的な仕上がりが生まれます。リーバイス プレミアムの多くのモデルでは、このセルビッジデニムが使用されており、裾を折り返すと赤い線が見える設計になっています。
リーバイスと日本のデニムメーカーの関係は長く、1973年頃からカイハラデニムがリーバイスに生地を供給していたという歴史があります。この長年の協力関係により、日本の職人技とアメリカンカジュアルの融合が実現し、プレミアムラインの魅力の一つになっているのです。
特に「MADE IN JAPAN™」や「MADE OF JAPAN™」と表記されたモデルは、全工程または生地のみを日本で製造したことを示し、プレミアムタグと併せて高品質の証となっています。これらのモデルは通常のプレミアムラインよりもさらに希少価値が高いと考えられ、デニム愛好家の間では特別な地位を占めています。
501と711がプレミアムラインの代表格である理由
リーバイス プレミアムラインにおいて、501と711は最も人気の高いモデルとして位置づけられています。これらのモデルはそれぞれ異なる特徴を持ちながら、幅広い層から支持を得ているのが特徴です。
501は、リーバイスの象徴的なストレートフィットモデルとして、1873年の誕生以来、マイナーチェンジを重ねながらも基本的なデザインを守り続けています。プレミアムラインの501は、通常版と同じストレートシルエットを保ちながら、より高品質なデニム生地と丁寧な縫製が特徴的です。
📊 501プレミアムの特徴
特徴 | 詳細 |
---|---|
シルエット | クラシックなストレート |
生地 | セルビッジデニム使用 |
縫製 | 伝統的な技法 |
パッチ | 本革パッチが多い |
特に「501XX」や「501 VINTAGE CLOTHING」といったモデルは、ヴィンテージの特徴を忠実に再現したプレミアム版として、デニム愛好家から絶大な人気を集めています。これらのモデルは、単なる現代的な解釈ではなく、歴史的な製法や素材を可能な限り再現しようとする姿勢が評価されているのです。
一方、711は女性向けのスキニーフィットモデルとして知られています。プレミアムラインの711は、ストレッチ性に優れた高品質デニムを使用しており、履き心地の良さと美しいシルエットを両立しています。調査によると、クラッシュ加工やヴィンテージ加工を施したバリエーションも展開されており、カジュアルからドレスアップまで幅広いスタイルに対応できる汎用性の高さが特徴です。
その他にも、デニムジャケット(Gジャン)やスタプレスト(黒タグ)などのノンデニムパンツもプレミアムラインで展開されています。特に「TRUCKER JACKET」と呼ばれるGジャンのプレミアム版は、クラシックなデザインと現代的な要素を組み合わせた人気モデルとして位置づけられています。
プレミアムラインの各モデルは基本的に定番デザインをベースとしながらも、素材や製法にこだわりを持たせることで、一般ラインとの差別化を図っています。この戦略により、デニム愛好家だけでなく、品質にこだわる一般消費者からも支持を得ているのが現状です。
生産国によるプレミアムモデルの価値の違い
リーバイス プレミアムの製品は複数の国で生産されており、生産国によって特徴や評価が大きく異なるのが実情です。かつてはアメリカ製が主流でしたが、現在では日本、中国、パキスタン、バングラデシュなど様々な国で製造されています。
特に注目されているのが日本製のモデルです。「MADE IN JAPAN™」と表記されたモデルは、生地の製造から縫製、加工に至るまですべての工程を日本国内で行っています。これらの製品は主にカイハラデニムの生地と、SAABと呼ばれる加工・縫製会社の技術によって作られており、その品質の高さから世界中のデニム愛好家に評価されています。
🌍 生産国別の特徴と評価
生産国 | 特徴 | 市場評価 |
---|---|---|
日本 | 最高品質の生地と縫製 | 極めて高い |
旧アメリカ | 希少価値が高い(2003年まで) | 非常に高い |
中国 | 品質管理基準に従った製造 | 中程度 |
パキスタン | コストパフォーマンス重視 | 普通 |
アメリカ製のリーバイスについては、2003年に米国工場が一斉閉鎖されたため、それ以前に製造されたものは希少価値が高まっています。特に**バレンシア工場(555工場)**で製造されたモデルは、古着市場でも特別な人気を誇っているのが特徴的です。
中国製やパキスタン製のプレミアムモデルについては、品質に関して様々な意見があるのが現状です。知恵袋の情報によれば、リーバイス プレミアム501の生産国としてパキスタンが挙げられていました。これらの国で製造されるモデルも、リーバイスの品質管理基準に従って作られていますが、ディテールや使用素材において日本製や旧アメリカ製と比較されることがあります。
生産国は製品のタグやパッチに「MADE IN ○○」と記載されているため、購入前に確認することが可能です。なお、生産国が必ずしも品質の絶対的な指標ではありませんが、特に日本製やアメリカ製の古いモデルは、コレクターズアイテムとしての価値も持ち合わせています。
日本製デニムを使いながらも縫製は他国で行う「MADE OF JAPAN™」というカテゴリーも存在し、これらも高品質なモデルとして知られています。生産国の多様化は、おそらくグローバル化する製造業の流れを反映しているものと考えられます。
パッチとタグから読み取る製品情報の見方
リーバイスのジーンズを正確に識別する際、プレミアムタグとブランドパッチの違いを理解することが極めて重要です。両者は異なる情報を示し、ジーンズの特徴や年代を判断する上で重要な手がかりとなります。
リーバイス プレミアム タグは、主に腰部分の内側に「LEVI’S PREMIUM」という刺繍で付けられており、そのジーンズがプレミアムラインであることを示します。このタグは比較的新しいモデルに付けられる傾向があり、特に現行のプレミアムモデルの識別マーカーとして機能しています。
一方、**ブランドパッチ(またはレザーパッチ)**は、リーバイスジーンズの右後ろ腰部分に取り付けられる革や紙でできたラベルです。このパッチには通常、リーバイスの商標である二頭の馬が引っ張るデザイン(トゥーホースパッチ)と、モデルナンバー、サイズ情報などが記載されています。
🏷️ パッチとタグの情報読み取り方法
項目 | プレミアムタグ | ブランドパッチ |
---|---|---|
位置 | 腰部分内側 | 右後ろ腰部分 |
情報 | プレミアムライン識別 | モデル・サイズ・年代 |
素材 | 刺繍 | 革または紙 |
役割 | 品質ランク表示 | 製品詳細情報 |
プレミアムモデルのパッチは、通常モデルと比較して素材や印刷の質が高い傾向があります。特に日本製モデルなど高級ラインでは、本革パッチが使用されることが多く、プレミアムタグと組み合わさることで、そのジーンズが高品質ラインであることを明確に示しています。
ヴィンテージモデルや年代判別の際には、パッチのデザインや素材が重要な手がかりとなります。1957年頃までは主に革パッチが使用され、その後紙パッチに変更されました。また、パッチに印字されている情報(「XX」の有無や「Every Garment Guaranteed」の文字など)によって製造年代を特定することができます。
パッチに表示されるモデルナンバー(501、711など)と、プレミアムタグの有無を組み合わせることで、そのジーンズの正確な種類と位置づけを判断することができます。例えば「501」の表記とプレミアムタグがあれば、それはリーバイスの象徴的なストレートモデルのプレミアムバージョンであることが確実にわかります。
リーバイス プレミアム タグから読み解く歴史と価値判断
- 赤タブの歴史は1936年から始まった重要な識別マーカー
- ビッグEから小文字eへの変化がヴィンテージ価値を決める
- 革パッチから紙パッチへの変遷で年代判別が可能
- ヴィンテージモデル4種類の独自特徴と価値
- 黒タブはスタプレストモデルを示す特別な印
- プレミアムモデルの価格相場は年代とコンディションで決まる
- まとめ:リーバイス プレミアム タグが示す品質と歴史的価値
赤タブの歴史は1936年から始まった重要な識別マーカー
リーバイスの象徴的な**赤タブ(レッドタブ)**は、1936年に初めて導入された歴史ある識別システムです。この小さな布タブは、バックポケットの付け根に付けられ、リーバイスのジーンズであることを遠くからでも識別できるようにするという明確な目的で生まれました。
初期の赤タブは、片面のみに「LEVI’S」の文字が織り込まれていました。これは1936年から1950年代中頃まで続いた特徴で、現在では「片面タブ」と呼ばれています。当時はレジスターマーク(®)も付いておらず、非常にシンプルなデザインだったことが特徴的です。
1953年頃になると、赤タブのデザインが大幅に変更され、両面に「LEVI’S」の文字が織り込まれるようになりました。このモデルは「両面タブ 均等V」と呼ばれ、「LEVI’S」の「V」の部分が左右対称のデザインになっていたのが特徴です。また、この時期からレジスターマーク(®)も加わりました。
🏷️ 赤タブの変遷年表
年代 | タブの特徴 | 呼び名 |
---|---|---|
1936-1950年代中頃 | 片面のみ「LEVI’S」 | 片面タブ |
1953-1966年頃 | 両面「LEVI’S」均等V | 両面タブ 均等V |
1966-1974年頃 | 両面「LEVI’S」不均等V | 両面タブ 不均等V |
1974年以降 | 両面「Levi’s」小文字e | スモールe |
1966年頃には、「V」の形状が現在のような非対称なデザインに変更され、「両面タブ 不均等V」と呼ばれるようになりました。右側の「V」が細字になったこのデザインは、現代のリーバイスにも継承されています。
大きな転換点となったのは1974年頃で、それまで大文字だった「E」が小文字の「e」に変更されました。「LEVI’S」から「Levi’s」へのこの変化は、ヴィンテージ市場で非常に重要視されており、大文字「E」のモデル(通称「ビッグE」)は極めて高い価値を持つようになっています。
1982年頃からは、それまで刺繍で作られていた赤タブが、プリント方式に変更されました。これにより、文字の立体感が薄れ、糸の光沢も失われるという変化が生じました。この変更は、おそらくコスト削減と大量生産への対応が背景にあったと推測されます。
赤タブはリーバイスの基本的な識別マーカーですが、オレンジタブ(1960-70年代の廉価ライン)、白タブ(デニム以外の素材)、黒タブ(混紡素材・スタプレスト)など、素材や用途によって色が変わるバリエーションも存在します。これらのタブの色と形状を知ることで、そのジーンズの種類や年代をより正確に判断することが可能になります。
ビッグEから小文字eへの変化がヴィンテージ価値を決める
リーバイスの赤タブに刻まれた「LEVI’S」の「E」の表記は、1974年を境に大文字から小文字へと変更されました。この変更は一見些細なようですが、ヴィンテージデニム市場では極めて重要な価値判断のポイントとなっています。
大文字「E」を持つモデル(通称「ビッグE」)は、1974年以前に製造されたものであることを示します。特に1960年代後半から1973年までの「ビッグEモデル」は、デニム愛好家の間で最高レベルの評価を受けています。これは単に古いというだけでなく、当時のデニム生地の質や織り方、染色方法が現代のものとは根本的に異なり、独特の風合いと経年変化を楽しめるためです。
💎 ビッグEモデルの価値要因
- 1974年以前の希少性
- 生地品質の高さ
- 独特のエイジング特性
- 歴史的な製法の再現困難性
「ビッグE」タブの特徴としては、「LEVI’S」という表記で「E」が大文字である点のほか、左右非対称の「V」(右側が細い)という特徴もあります。また、この時代のバックポケットのアーキュエイトステッチ(弓形ステッチ)の色も、それまでのイエローから金茶色に変更されるなど、細部の変化も見られました。
一方、1974年以降の小文字「e」モデル(「スモールe」)は比較的新しく、生産数も多いため、一般的には「ビッグE」ほどの希少価値はありません。ただし、1970年代後半から1980年代前半にかけての「スモールe」モデルも、現行モデルと比較すると生地や製法に違いがあり、ヴィンテージとしての価値を持っています。
興味深いのは、このEの表記変更が意図的なブランド戦略だったという点です。リーバイスは1970年代にブランドイメージの刷新を図り、ロゴやパッケージデザインを含む様々な変更を行いました。小文字「e」へのシフトもその一環だったと考えられています。
📊 ビッグEとスモールeの市場価値比較
特徴 | ビッグE(1974年以前) | スモールe(1974年以降) |
---|---|---|
希少性 | 極めて高い | 中程度 |
市場価値 | 5-50万円程度 | 1-10万円程度 |
生地品質 | 最高級 | 高品質 |
収集価値 | 最高レベル | 中程度 |
プレミアムラインの中にも、ヴィンテージを復刻したモデルでは意図的に「ビッグE」タブを採用しているものがあります。このように、タブのデザインは単なる識別マークを超えて、リーバイスの歴史とブランド価値を体現する重要な要素となっているのです。この知識は、リーバイス プレミアム タグの価値を正しく理解する上で不可欠と言えるでしょう。
革パッチから紙パッチへの変遷で年代判別が可能
リーバイスジーンズの右後ろ腰部分に取り付けられるパッチ(ラベル)は、その素材や印字内容の変化によって年代判別の重要な手がかりとなります。特に1950年代後半に起きた革パッチから紙パッチへの移行は、デニム史上の大きな転換点として知られています。
1957年頃まで、リーバイスのパッチは主に鹿革などの本革が使用されていました。これらの革パッチには、「Every Garment Guaranteed」(すべての商品を保証する)という文言と、型番の後に「XX」(例:501XX)という表記が特徴的でした。この「XX」は当初は「エクストラ エクストラ ヘビー」(非常に厚手)という意味でしたが、後に「エクストラ エクシード」(最高ランクの染料)という意味に変わったとされています。
しかし、革パッチは経年劣化しやすく、特に洗濯や摩擦によって印字が消えてしまうという実用上の問題がありました。そのため、1955年頃から紙パッチへの移行が始まりました。初期の紙パッチは革パッチと同じデザインを保持しており、「XX」表記や「Every Garment Guaranteed」の文言が継続して使用されていました。
📅 パッチの変遷年表
年代 | パッチ素材 | 主な特徴 |
---|---|---|
-1957年頃 | 革パッチ | 「XX」表記、「Every Garment Guaranteed」 |
1955-1962年頃 | 初期紙パッチ | 革パッチと同デザイン |
1962-1966年頃 | 紙パッチ | 「Made in U.S.A.」追加 |
1966年以降 | 紙パッチ | 「XX」表記消滅 |
1962年頃になると、「Every Garment Guaranteed」の文言が消え、代わりに小さな文字で中央に「Made in U.S.A.」が記載されるようになりました。その後、同じ行に「100% COTTON Made in U.S.A. WPL 423」という表記に変更されています。
1966年頃には大きな変更があり、「XX」表記が完全に消滅しました。この時期には混乱を避けるため、旧型番が小さく印字されるという「ダブルネーム」と呼ばれる特徴的なパッチも登場しました。これは過渡期特有の現象として、ヴィンテージ愛好家の間で注目されています。
1967年から1969年頃には、型番の横に「A」「S」「F」「I」などのアルファベットが印字される「タイプ物」と呼ばれるパッチが使用されました。これらのアルファベットの意味は明確ではありませんが、ランクや出荷先を示していたという説があります。
1970年代以降は、パッチに「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」(手入れ方法は衣類内側に記載)という文言が加わり、内側に洗濯表示タグが付くようになりました。この表記は当初は黒字でしたが、1980年代中期頃から赤字に変わっています。
これらのパッチの変遷を知ることで、手持ちのリーバイスジーンズがいつ頃製造されたものか、おおよその年代を推測することができます。特にヴィンテージモデルの真贋判定や価値評価においては、パッチの特徴を確認することが極めて重要な要素となっています。
ヴィンテージモデル4種類の独自特徴と価値
リーバイスの歴史の中で特に注目される4つのヴィンテージモデルは、それぞれ独自の特徴を持ち、デニム愛好家から最高レベルの評価を受けています。これらのモデルは時代背景や製造環境の変化を反映しており、リーバイスの進化の歴史を物語る貴重な存在です。
1. 大戦モデル(S501XX)
第二次世界大戦中の1942年〜1946年に製造されたモデルで、物資統制の影響を強く受けています。特徴としては、月桂樹刻印ボタンや無地のドーナツ型ボタンの使用、通常より少ないボタン数のフライフロント、軍用生地で代用されたポケット裏地などが挙げられます。
🏭 大戦モデルの特殊仕様
- コインポケットのリベット省略
- バックポケットのアーキュエイトステッチがペイント表現
- 品番頭の「S」(Simplified)表記
- 物資節約による独特な簡素化
2. XXモデル(501XX)
1946年〜1966年頃までの「501XX」は、多くのデニム愛好家から「501の完成形」と称されています。大戦後に物資統制が解除されたことで、本来のリーバイスの品質が完全に復活しました。特徴としては、トップボタン脇のV字ステッチ、バックポケット中央でステッチが交差するダイヤモンドポイント、隠しリベットなどが挙げられます。
3. ビッグEモデル
1960年代後半〜1973年までのモデルで、「XX」表記が消え、単に「501」と表記されるようになりました。最大の特徴は赤タブの「LEVI’S」表記が**大文字「E」(ビッグE)**であることです。また、トップボタン脇のV字ステッチが2本の平行ステッチに変更され、バックポケットのアーキュエイトステッチの色がイエローから金茶色に変更されました。
4. 66モデル
1973年〜1980年頃の通称「66(ロクロク)モデル」は、バックポケットに付けられていたフラッシャー(紙ラベル)に記載された「©1966」の表示に由来しています。特徴としては紙パッチの上部に「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」のスタンプがあること、トップボタン裏に「6」と刻印されていることなどが挙げられます。
💰 ヴィンテージモデル価値比較
モデル名 | 製造年代 | 希少度 | 市場価格帯 |
---|---|---|---|
大戦モデル | 1942-1946 | 極めて希少 | 数十万〜 |
XXモデル | 1946-1966 | 非常に希少 | 10-50万円 |
ビッグEモデル | 1967-1973 | 希少 | 5-20万円 |
66モデル | 1973-1980 | やや希少 | 1-5万円 |
これらのヴィンテージモデルは、単なる古いジーンズではなく、時代ごとの製造方法や材料の違いを反映した歴史的資料としての価値も持っています。現代のリーバイス プレミアムラインには、これらのヴィンテージモデルの特徴を部分的に取り入れたものも多く、過去の遺産を現代に継承する重要な役割を果たしています。
これらの知識は、リーバイス プレミアム タグ付きのモデルがヴィンテージの復刻である場合に、その価値を正しく評価するために不可欠です。各時代の特徴を理解することで、プレミアムラインの中でも特に価値の高いモデルを見分けることができるようになります。
黒タブはスタプレストモデルを示す特別な印
リーバイスのタブは通常赤色(レッドタブ)ですが、**黒色のタグ(ブラックタブ)**が付いているモデルもあります。この黒タブは特定の製品ラインを示す重要なマーカーで、主に「STA-PREST(スタプレスト)」と呼ばれるモデルに使用されています。
スタプレストとは、「stay pressed(プレスが持続する)」の意味で、折り目がついたまま保持されるノンデニムパンツのラインです。混紡素材(ポリエステルと綿の混合など)を使用し、皺になりにくい特性を持っています。このラインは1960年代に導入され、特にビジネスカジュアルやセミフォーマルな場面で人気を博しました。
黒タブのスタプレストは、デニム特有の色落ち加工は施されませんが、多彩なカラーバリエーションが展開されている点が特徴です。例えば、ボルドー(エンジ)、ネイビー、グレーなど、通常のデニムでは見られない豊富な色展開があります。
🎨 リーバイスタブの色分類システム
タブ色 | 対象製品 | 特徴 |
---|---|---|
赤タブ | デニム製品 | 標準的なジーンズ |
黒タブ | スタプレスト | 混紡素材、皺になりにくい |
白タブ | 非デニム | コーデュロイなど |
オレンジタブ | 廉価ライン | 1960-70年代の価格重視版 |
リーバイス プレミアムラインでも黒タブのスタプレストモデルが展開されており、「LEVI’S PREMIUM WATERLESS STA-PREST」などの表記が見られます。これらのモデルはストレッチ性のある素材を使用し、より現代的な履き心地を実現しています。
調査によれば、黒タブのスタプレストモデルの構成素材は、**ポリエステル64%、綿34%、ポリウレタン2%**などの混紡素材が使用されることが多いようです。これにより、通常のデニムより軽量で、シワになりにくく、伸縮性に優れているという特徴があります。
プレミアムラインの黒タブモデルは、通常のスタプレストよりも高品質な素材や製法が用いられており、よりスタイリッシュなデザインが特徴です。ノンデニムながらも、リーバイスのクラフトマンシップが生かされた製品といえるでしょう。
この知識により、リーバイス プレミアム タグと黒タブが組み合わされた製品は、デニムではない高品質なカジュアルパンツであることが判断できます。デニム愛好家の中には、コレクションの一部として黒タブモデルも収集する人がいるため、プレミアムラインの黒タブは一定の価値を持っていると考えられます。
プレミアムモデルの価格相場は年代とコンディションで決まる
リーバイス プレミアムの価格相場は、モデル、年代、コンディション、希少性などの要素によって大幅に変動します。新品の現行モデルから、数十年前のヴィンテージモデルまで、極めて幅広い価格帯が存在しています。
現行のリーバイス プレミアムラインの新品価格は、通常モデルと比較して2割から5割程度高く設定されています。例えば、711 SKINNYのプレミアムモデルは定価で21,000円前後、501のプレミアムモデルは20,000円前後からという価格帯が一般的です。セールやアウトレットでは30〜50%オフで購入できることもあります。
一方、ヴィンテージモデルの価格は年代やコンディションによって劇的な差があります。特に希少性の高い「大戦モデル」や「XXモデル」、「ビッグEモデル」などは、良好なコンディションであれば数十万円〜100万円以上の高値がつくこともあります。
💰 古着市場での価格目安
モデル分類 | 年代 | 価格帯 | 備考 |
---|---|---|---|
大戦モデル | 1942-1946年 | 数十万円〜 | 極めて希少 |
XXモデル | 1946-1966年 | 10-50万円程度 | 良好な状態必須 |
ビッグEモデル | 1967-1973年 | 5-20万円程度 | 人気が高い |
66モデル | 1973-1980年 | 1-5万円程度 | 比較的入手しやすい |
1980年代以降 | 1980年〜 | 数千円-2万円程度 | コンディション重視 |
また、アメリカ製のモデル(2003年以前)は、工場閉鎖後に希少価値が高まっており、特に**バレンシア工場(555工場)**製のものは古着市場でも特別な人気があります。日本製のプレミアムモデルも、その品質の高さから中古市場でも安定した人気を維持しています。
価格に影響する要素としては、以下のようなポイントが挙げられます:
🔍 価格決定要因
- サイズ:特に小さいサイズや非常に大きいサイズは希少
- コンディション:破れや修理の有無が大きく影響
- 色落ち具合:自然な経年変化が価値を高める
- 各部のディテール:特定年代の特徴を正確に持っているか
- 付属品:オリジナルのフラッシャーやタグの有無
購入する際の重要な注意点として、リーバイスの偽物や、後から「ビッグE」に改変されたものなど、本来の価値を持たない商品も市場に出回っているため、信頼できる販売者から購入することを強くお勧めします。また、特にヴィンテージモデルは現代のサイズ感と異なる場合があるため、実測サイズを必ず確認することも重要です。
この価格情報は、リーバイス プレミアム タグ付きのモデルの適正価値を判断する際に極めて有用です。タグの存在だけでなく、年代や製造背景を総合的に評価することで、正確な価値判断が可能になります。
まとめ:リーバイス プレミアム タグが示す品質と歴史的価値
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイス プレミアム タグは通常の製品より高品質な素材と製造工程を示すマーカーである
- プレミアムタグは主に腰部分の内側に「LEVI’S PREMIUM」の刺繍で表示される
- リーバイス プレミアムラインは上質なセルビッジデニムを使用したモデルが多い
- 日本製デニムを使用したMADE IN JAPAN™ COLLECTIONは特に品質が高い
- プレミアムラインの主要モデルには501や711などがあり、それぞれ独自の特徴がある
- 生産国は複数あり、日本製やアメリカ製(2003年以前)は特に価値が高い
- 赤タブ(レッドタブ)は1936年に導入され、「E」の表記は1974年に大文字から小文字に変更された
- ヴィンテージモデルは「大戦モデル」「XXモデル」「ビッグEモデル」「66モデル」の4種類が代表的である
- ブラックタブはスタプレスト(ノンデニム)モデルを示し、混紡素材が使われている
- ジーンズの年代判別にはタグやパッチ、ボタン裏刻印などの複数の要素を確認する必要がある
- パッチの素材は1957年頃を境に革から紙に変わり、印字内容も時代とともに変化した
- リーバイス プレミアムの価格は新品で通常より2割〜5割高く、ヴィンテージは年代により大きく異なる
- 高品質なセルビッジデニムは経年変化による色落ちや風合いの変化を楽しめる
- ヴィンテージモデルは単なる古着ではなく、デニムの歴史を体現した文化的価値も持つ
- プレミアムタグと各種パッチの組み合わせにより、製品の正確な種類と位置づけが判断できる
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://levi-fun.com/levis-premium-tag/
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13291399663
- https://levi.jp/pages/made-in-japan
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11318844751
- https://www.valeriegarrettinteriordesign.com/special/403188952.phtml
- https://draillard.net/product/10616970
- https://draillard.net/product/1479080
- https://www.grupoasis.com/7812230
- https://blog.joiasnagalli.com.br/82299227099
- https://gowest.id/?_g=3716740
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