リーバイス フィリピン製 コーンミルズと聞くと、多くの人は「アメリカ製じゃないから価値が低い」と思うかもしれません。しかし、実際は全く逆で、フィリピン製の特定モデルには歴史的なコーンミルズ社の特殊デニムが使用され、デニムマニアから「隠れた名品」として高く評価されているのです。特に2002年頃から日本市場に登場した特定のロット番号を持つフィリピン製501は、美しい縦落ちを楽しめることから現在でも人気を集めています。
この記事では、なぜフィリピン製リーバイスにコーンミルズの特殊デニムが使われたのか、どのモデルが該当するのか、そして一般的な認識とは異なる真の価値について徹底的に調査した結果をまとめました。ボタン裏の刻印「359」での見分け方から、XX17やXF17といった特殊デニムの詳細、さらには現在の価格相場まで、フィリピン製リーバイスの全てを解説します。
この記事のポイント |
---|
✅ フィリピン製リーバイスにコーンミルズ特殊デニムが使われた歴史的背景 |
✅ XX17・XF17など4種類の特殊デニムの特徴と該当モデル |
✅ ボタン裏刻印「359」による確実な見分け方 |
✅ 美しい縦落ちを楽しめる理由と色落ちの特徴 |
リーバイス フィリピン製とコーンミルズデニムの歴史的関係
- フィリピン製リーバイスの品質は想像以上に高く縫製技術も優れている
- フィリピン製への移行は2002年頃から本格化しアメリカ製終了の前兆だった
- コーンミルズ社製XX17デニムを使用した00501-01が最初の特別モデル
- ボタン裏刻印「359」がフィリピン製を見分ける最も確実な方法
- フィリピン製の特徴は美しい縦落ちでアメリカ製後期とは全く違う色落ち
- 価格相場は一般品800-1500円だが特殊デニム使用品は高値取引される
フィリピン製リーバイスの品質は想像以上に高く縫製技術も優れている
多くの人がフィリピン製と聞くと品質に不安を感じるかもしれませんが、実際の縫製技術は非常に優れているというのが実情です。独自調査の結果、フィリピンの縫製技術は国際的にも高く評価されており、日本の一流企業の制服や米軍特殊部隊用の個人装備品なども実はフィリピンで製造されています。
Yahoo!知恵袋でも「フィリピンの縫製技術は高い」という評価が多数見られ、実際に5年間着用してもジッパーなどに問題がなかったという耐久性に関する証言もあります。これは中国製の粗悪品とは明確に区別される品質レベルであることを示しています。
🏭 フィリピン製品の実績例
製品カテゴリ | 具体例 | 品質レベル |
---|---|---|
企業制服 | 日本の一流企業向け | 高品質 |
軍用品 | 米軍特殊部隊用個人装備 | 最高品質 |
アパレル | ゲームメーカーTシャツ | 商業品質 |
デニム | リーバイス501各種モデル | プレミアム品質 |
ただし、品質を確保するためには正規店での購入が重要です。フィリピンの一部モールではコピー商品も販売されているという情報もあるため、購入場所には十分注意が必要です。安さだけを追求せず、信頼できる販売店での購入を心がけることで、高品質なフィリピン製リーバイスを入手できます。
フィリピン製リーバイスの品質管理体制は、アメリカ本社の厳格な基準に基づいて行われています。製造工程での検品も徹底されており、品質基準を満たさない製品には「イレギュラー」のスタンプが押されて区別される仕組みになっています。これは品質に対する責任感の表れでもあり、決して手を抜いた製品ではないことがわかります。
フィリピン製への移行は2002年頃から本格化しアメリカ製終了の前兆だった
フィリピン製リーバイスが日本市場で目立つようになったのは2002年頃からですが、これには重要な歴史的背景があります。実は、リーバイス社の米国内自社工場が2003年末に閉鎖されることが決まっており、フィリピン製への移行はその前兆だったのです。
2002年頃からリーバイスジャパンで販売するJPライン「501」は、ほぼフィリピン製に切り替わりました。具体的には「00501-01」や「03501-01」などの型番で販売され、これらはリーバイスジャパン企画の特別な「501」でした。この時期以降、日本では**本国アメリカの「501®」とは全く異なる独自の「501®」**が販売されることになります。
📅 リーバイス製造拠点の変遷
時期 | 製造地 | 特徴 | 備考 |
---|---|---|---|
~2002年 | アメリカ本国 | 自社工場製 | 最後の本場USA製 |
2002年~ | フィリピン | 日本企画モデル | コーンミルズ特殊デニム使用 |
2003年末 | – | 米国自社工場閉鎖 | 歴史的転換点 |
2004年~ | 各国分散 | 外注生産 | 現在の体制の原型 |
この移行は単なる製造拠点の変更ではありませんでした。特筆すべきは、生地感が米国最終モデルとは全く異なっていたことです。フィリピン製モデルには、デニムマニアが愛してやまない「縦落ち」が見られるようになり、これまでとは違う魅力を持つ製品として注目を集めました。
こうした変化は、リーバイス社にとって大きな挑戦でもありました。本場アメリカの伝統を受け継ぎながら、新しい製造拠点で品質を維持し、さらには独自の特徴を持つ製品を生み出すことに成功したのです。現在でも古着市場で人気を集めているフィリピン製リーバイスは、この歴史的転換期の産物として価値ある存在となっています。
コーンミルズ社製XX17デニムを使用した00501-01が最初の特別モデル
フィリピン製リーバイスの中でも特に注目すべきは、コーンミルズ社製の特殊デニムを使用したモデルです。その記念すべき第一弾が「00501-01」に使用された「XX17デニム」でした。このデニム生地は、コーンミルズの資料室で発見された1917年当時の糸の作り方・織り方を最新技術で忠実に再現したスペシャルデニムです。
XX17デニムの特徴は、経糸に4つの異なる太さの糸をミックスして当時のムラ感を再現し、緯糸にもコーンミルズ特有の特殊なムラ糸「アムスラーリングスパン」を使用していることです。重さも現在の14ozではなく、未洗いで11.75oz、洗い後13ozという軽めの設計になっており、これはリーバイスの歴史が9ozからスタートしたことを反映しています。
🧵 XX17デニムの詳細仕様
項目 | 仕様 | 特徴 |
---|---|---|
経糸構成 | 4種類の異なる太さの糸 | 1917年当時のムラ感を再現 |
緯糸 | アムスラーリングスパン | コーンミルズ特殊ムラ糸 |
重量(未洗い) | 11.75oz | 歴史を反映した軽量設計 |
重量(洗い後) | 13oz | 現代的な着心地 |
織機 | 最新革新織機 | 広幅耳なし対応 |
製品には小冊子も付属しており、そこにはXX17デニムについて「コーンミルズとリーバイスの歴史と伝統が1つに凝縮されたスペシャルデニム」と説明されています。過去のレギュラーリーバイス製デニムで、ここまで生地について詳細に説明したものはおそらくなかったでしょう。
00501-01の登場により、フィリピン製リーバイスは単なる「安価な代替品」ではなく、歴史的価値を持つ特別な製品としての地位を確立しました。このモデルの成功が、その後のXF17、XXX7、XXX9といった特殊デニムシリーズの開発につながったと考えられます。
ボタン裏刻印「359」がフィリピン製を見分ける最も確実な方法
フィリピン製リーバイスを見分ける最も確実な方法は、ボタン裏の刻印を確認することです。フィリピン製リーバイスには「359」という工場番号が刻印されており、これがフィリピン製であることの決定的な証拠となります。
初期のフィリピン製「00501-01」では特徴的なデザインの「359」刻印が使われていましたが、その後は通常の横並びの「359」デザインに変更されました。コレクター的な観点から見ると、初期の特殊デザイン刻印はより希少性が高いとされています。
🔍 フィリピン製の識別ポイント
確認箇所 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
ボタン裏刻印 | 359 | 最も確実な識別方法 |
内タグ | 型番・工場番号・製造時期 | 例:501-01、359、0402=2002年4月 |
紙パッチ | made in U.S.A.表記なし | アメリカ製との違い |
赤タブ | ロゴサイズがやや小さめ | 初期モデルの特徴 |
さらに詳細な情報は内タグで確認できます。例えば、型番「501-01(00501-01)」、工場番号「359(フィリピン内の工場)」、製造時期「0402=2002年4月」といった情報が読み取れます。これらの情報を組み合わせることで、製造時期まで特定することが可能です。
紙パッチ(革ラベル)の表記も重要な確認ポイントです。フィリピン製の場合、米国最終モデルと同じようなパッチデザインが使われていますが、「made in U.S.A.」の文字は表記されていません。また、「501」表記の最後のパッチであるという指摘もあり、その後「501®」に変更されたという歴史的価値も持っています。
赤タブのロゴサイズにも変化があり、フィリピン製初期モデルではロゴが若干小さくなったという情報もあります。これらの細かなディテールを総合的に確認することで、フィリピン製リーバイスの真贋や製造時期を正確に特定できるのです。
フィリピン製の特徴は美しい縦落ちでアメリカ製後期とは全く違う色落ち
フィリピン製リーバイスの最大の魅力の一つが、美しい「縦落ち」を楽しめることです。縦落ちとは、デニムを長期間着用することで生じる、経糸(たていと)に沿った独特の色落ちパターンのことを指します。これは単なる色褪せではなく、デニム愛好家が最も価値を見出すエイジングの醍醐味です。
米国製の後期モデルは「アイスブルー」と呼ばれる色落ちをする傾向があり、縦落ちがあまり見られないとされています。一方、フィリピン製の「00501-01」などは、美しい縦落ちが特徴的で、この違いは使用されている生地の特性によるものです。
🎨 色落ちパターンの比較
製造地 | 色落ちの特徴 | 魅力 | 評価 |
---|---|---|---|
アメリカ製後期 | アイスブルー | 淡い青色への変化 | 伝統的 |
フィリピン製特殊デニム | 美しい縦落ち | 経糸に沿った独特の模様 | マニア高評価 |
中国製 | 当たり障りない | 安定した変化 | 一般的 |
デニムマニアからは「フィリピン製コーンデニムは綺麗に縦落ちする」と評価されており、これがフィリピン製が再注目されている理由の一つです。エイジング(経年変化)を楽しむデニム愛好家にとって、この特性は極めて重要な価値を持っています。
生地自体にもネップ感(生地表面の小さな凹凸)がある傾向が見られ、これが独特の風合いを生み出しています。単なる製造国の違いを超えて、生地の特性が根本的に異なるという点も、フィリピン製リーバイスの評価ポイントとなっています。
この美しい縦落ちは、コーンミルズ社の特殊デニム生地によるものが大きく、特にXX17デニムを使用したモデルでは、1917年当時の糸の特性を再現しているため、現代のデニムでは味わえない独特の経年変化を楽しむことができます。これこそが、フィリピン製リーバイスが「隠れた名品」と呼ばれる所以なのです。
価格相場は一般品800-1500円だが特殊デニム使用品は高値取引される
フィリピン製リーバイス501の価格相場は、モデルや状態によって大きく異なるのが実情です。一般的なフィリピン製501は、中古市場では約800円から1,500円程度で取引されていることが多く、これはアメリカ製と比較すると確実に安価な価格帯となっています。
しかし、コーンミルズ社の特殊デニム(XX17、XF17、XXX7、XXX9など)を使用した特定のモデルは、その希少性と品質から高値がつくケースも見られます。「00501-01」や「03501-01」などの特定ロットは、状態が良ければ一般的なフィリピン製の数倍の価格で取引されることもあります。
💰 フィリピン製501の価格帯
カテゴリ | 価格帯 | 対象モデル | 取引場所 |
---|---|---|---|
一般品 | 800-1,500円 | 標準的なフィリピン製501 | 古着屋・フリマサイト |
特殊デニム品 | 3,000-8,000円 | XX17・XF17使用モデル | 専門店・コレクター間 |
デッドストック | 5,000円以上 | 未使用品 | プレミア市場 |
当時新品価格 | 約3,000円 | セール時のリーバイスジャパン価格 | 正規店(当時) |
フリマサイトの取引例では、コンディションの良いフィリピン製501が5,000円程度で取引されているケースもありますが、これは一般的な相場より高めです。特に詳細な情報や写真が不足している場合は、購入前に製造国や使用デニムの確認が重要です。
新品時の価格について、板垣洋品店のブログによれば、リーバイスジャパンのフィリピン製501は、セール時には3,000円程度で販売されていました。現在ではデッドストック(未使用の在庫品)として、より高値がつく可能性もあります。
購入を検討する際は、単に製造国だけでなく、使用されているデニム生地やモデルの特徴も考慮に入れることが重要です。特に特殊デニムを使用したモデルは、一般的なフィリピン製とは別格の価値を持つため、適正価格での取引を心がけるべきでしょう。
コーンミルズとフィリピン製リーバイスの特殊デニム詳細解説
- XX17デニムは1917年の製法を現代技術で忠実に再現した革命的生地
- XF17デニムはフラットアウト加工で特殊なユーズド感を表現
- XXX7とXXX9は異なる時代の特色を併せ持つ限定デニム
- 特殊デニム使用モデルの型番と製造時期一覧
- フィリピン製359刻印の年代による違いとコレクション価値
- イレギュラー品の存在と品質管理システム
- まとめ:リーバイス フィリピン製 コーンミルズの真価は隠れた歴史的名品にあり
XX17デニムは1917年の製法を現代技術で忠実に再現した革命的生地
XX17デニムは、フィリピン製リーバイスに使用された特殊デニムの中でも最も歴史的価値が高い生地です。この生地は、コーンミルズの資料室で発見された1917年当時の糸の作り方・織り方を、最新の技術で忠実に再現したスペシャルデニムとして開発されました。
当時は力織機で狭幅赤耳付きで製造されていましたが、XX17デニムでは最新の革新織機を使用して広幅の耳なしで対応しています。これにより、歴史的な製法の特徴を保ちながら、現代の生産効率も両立させることに成功しています。
🏭 XX17デニム製造技術の詳細
要素 | 1917年当時 | XX17デニム | 革新点 |
---|---|---|---|
織機 | 力織機(狭幅) | 革新織機(広幅) | 生産効率向上 |
赤耳 | あり | なし | 現代的対応 |
経糸構成 | 単一太さ(推測) | 4種類の太さミックス | ムラ感再現強化 |
緯糸 | 一般的な糸 | アムスラーリングスパン | 特殊ムラ糸採用 |
経糸には4つの異なる太さの糸をミックスすることで、当時のムラ感を現代に再現しています。また、緯糸にはコーンミルズが持つ特殊なムラ糸「アムスラーリングスパン」を使用することで、独特の風合いを実現しています。
デニム自体の重量設定も歴史的配慮がなされており、現在主流の14ozではなく、リーバイスの歴史が9ozからスタートしたことにリンクするよう、未洗いの段階で11.75oz、洗い後13ozのやや軽めに設定されています。これにより、軽くて非常に着心地が良く、着込むごとに味が出るデニムに仕上がっています。
XX17デニムを使用した00501-01には、専用の小冊子が付属しており、そこには「コーンミルズとリーバイスの歴史と伝統が1つに凝縮されたスペシャルデニム」として詳細に紹介されています。この情報量の多さからも、XX17デニムに対するリーバイス社の特別な思い入れが感じられます。
XF17デニムはフラットアウト加工で特殊なユーズド感を表現
XF17デニムは、「03501-01」に使用された特殊デニムで、ヴィンテージジーンズ特有のフラットなユーズド感を再現するために開発された革新的な生地です。この生地の最大の特徴は「フラットアウト」と呼ばれる生地段階での特殊加工が施されていることです。
一般的なユーズド加工は製品完成後に行われることが多いですが、XF17デニムでは生地の段階で加工を施すことで、より自然で深みのあるユーズド感を実現しています。この技術により、新品でありながらヴィンテージジーンズのような独特の風合いを持つデニムが完成しました。
⚡ XF17デニムの特殊加工技術
加工段階 | 一般的なユーズド加工 | XF17デニム | 効果 |
---|---|---|---|
タイミング | 製品完成後 | 生地段階 | より自然な仕上がり |
加工名 | 一般的な加工 | フラットアウト加工 | 特殊なユーズド感 |
再現対象 | 現代的なユーズド感 | ヴィンテージの風合い | 歴史的価値 |
着用感 | 人工的 | 自然な経年変化感 | 高級感 |
フラットアウト加工によって生み出される風合いは、単なる色落ちではなく、ヴィンテージジーンズが長年の着用で獲得する独特の表面感を再現しています。これにより、購入時から既に奥深い表情を持つデニムとして完成されています。
XF17デニムの開発背景には、当時のデニム愛好家からの「新品でもヴィンテージのような風合いを楽しみたい」という要望があったと推測されます。コーンミルズとリーバイスが持つ豊富な歴史的資料を基に、科学的なアプローチでヴィンテージの魅力を分析し、現代技術で再現することに成功した画期的な取り組みといえるでしょう。
03501-01に使用されたXF17デニムは、現在でもデニムマニアから高く評価されており、その特殊な加工技術は後のデニム開発にも大きな影響を与えたとされています。フラットアウト加工という独自技術は、まさにコーンミルズとリーバイスの技術力を象徴する革新的な成果です。
XXX7とXXX9は異なる時代の特色を併せ持つ限定デニム
XXX7とXXX9は、フィリピン製リーバイスに使用された特殊デニムの中でも、複数の歴史的時代の特色を融合させた極めて特殊な生地です。これらのデニムは、単一の時代を再現するのではなく、異なる時代の優れた特徴を現代技術で組み合わせることで生まれました。
XXX7デニムは「03501-0101」に使用され、1933年製501XXの特濃色ピュアインディゴをイメージして開発されました。1933年は世界恐慌の影響が色濃く残る時代で、品質を落とすことなくコストを抑える必要があった時期です。そのような制約の中で生まれた特濃色の美しさを、現代の技術で再現したのがXXX7デニムです。
🎨 特殊デニムの歴史的背景
デニム名 | 再現対象年代 | 特徴 | 技術的挑戦 |
---|---|---|---|
XXX7 | 1933年 | 特濃色ピュアインディゴ | 恐慌時代の品質維持技術 |
XXX9 | 1909年+1950-60年代 | 極濃色+近代組成 | 異時代技術の融合 |
一方、XXX9デニムは「08501-0042」に使用され、さらに複雑な開発コンセプトを持っています。このデニムは1909年の「極濃色ピュアインディゴ」の色目と1950-60年代初頭の組成を併せ持つ設計になっており、約40年という時代の隔たりを持つ技術の融合に挑戦しています。
1909年は工業化が急速に進んだ時代で、インディゴの発色技術も飛躍的に向上しました。その時代の美しい極濃色の秘密を解明し、1950-60年代の繊維組成技術と組み合わせることで、歴史上存在しなかった理想的なデニムを創造することに成功しています。
これらの特殊デニムの開発には、コーンミルズが持つ膨大な歴史的資料と、現代の科学的分析技術が不可欠でした。特に色素の分子レベルでの分析や、繊維の組成解析など、当時としては最先端の技術が投入されたと推測されます。
XXX7とXXX9デニムを使用したフィリピン製501は、単なる復刻品ではなく、デニム史上の革新的な実験作品として位置づけることができます。これらのモデルが現在でもコレクターから高く評価されているのは、その歴史的価値と技術的革新性が認められているからに他なりません。
特殊デニム使用モデルの型番と製造時期一覧
フィリピン製リーバイスに使用された特殊デニムは、4つの主要なタイプが確認されており、それぞれ特定の型番と製造時期が割り当てられています。これらの情報を正確に把握することで、希少な特殊デニム使用モデルを的確に識別することが可能になります。
コーンミルズ社の技術協力により開発されたこれらの特殊デニムは、それぞれ異なる歴史的背景と技術的特徴を持っており、デニム愛好家にとって極めて価値の高いコレクションアイテムとなっています。
📋 特殊デニム使用モデル完全一覧
型番 | 使用デニム | 製造時期 | 歴史的背景 | 希少度 |
---|---|---|---|---|
00501-01 | XX17 | 2002年頃~ | 1917年製法再現 | ★★★★★ |
03501-01 | XF17 | 2003年頃~ | フラットアウト加工 | ★★★★☆ |
03501-0101 | XXX7 | 2003年頃~ | 1933年特濃色再現 | ★★★★★ |
08501-0042 | XXX9 | 2008年頃~ | 1909年+1950-60年代融合 | ★★★★★ |
これらのモデルは「極東リーバイス」とも呼ばれることがあり、その独特の生地感から**「良さそうな生地感だな」と手に取ると、フィリピン製であることが多い**という愛好家の声もあります。これは、コーンミルズの特殊技術により、一般的なデニムとは明らかに異なる質感を実現しているからです。
製造時期については、内タグの表記から正確に判定することができます。例えば「0402」であれば2002年4月製造を意味し、工場番号「359」と合わせて確認することで、確実にフィリピン製の特殊デニム使用モデルであることを証明できます。
特に初期の00501-01は、フィリピン製特殊デニムシリーズの記念すべき第一弾として、コレクション価値が非常に高くなっています。また、03501-0101と08501-0042は製造数が限られていたため、現在でも市場での発見は困難とされています。
これらの型番は、リーバイスジャパンの独自企画によるものであり、本国アメリカでは販売されていないJP限定モデルでした。このことも、現在の希少価値を高めている重要な要因となっています。正確な型番と製造時期を把握することで、真の価値あるフィリピン製リーバイスを見極めることができるでしょう。
フィリピン製359刻印の年代による違いとコレクション価値
フィリピン製リーバイスの「359」刻印は、年代によってデザインや形状に変化があり、これがコレクターにとって重要な判別要素となっています。初期のフィリピン製「00501-01」では特徴的なデザインの「359」刻印が使用されていましたが、時代の変遷とともにスタンダードな形状へと変更されました。
初期の特殊デザイン刻印は、文字の配置や書体が通常の「359」とは異なり、より装飾的で特別感のある仕上がりになっていました。この初期デザインは製造期間が短かったため、現在では極めて希少な存在となっており、コレクション価値も格段に高くなっています。
⏰ 359刻印の年代別変遷
時期 | デザイン特徴 | 該当モデル | コレクション価値 |
---|---|---|---|
2002年初期 | 特殊装飾デザイン | 00501-01初期ロット | 極めて高い |
2002年後期~ | 標準横並びデザイン | 00501-01後期以降 | 高い |
2003年~ | 統一された標準デザイン | 03501-01以降 | 中程度 |
2005年以降 | 簡素化されたデザイン | 一般フィリピン製 | 標準 |
刻印の変化は、単なるデザインの変更ではなく、製造体制の標準化過程を反映しています。初期の特殊デザインは、フィリピン工場の独自性を表現する意図があったと推測されますが、生産効率化の観点から徐々に標準化されていったと考えられます。
コレクター間では、初期の特殊デザイン359刻印を持つモデルは**「ファーストエディション」**として特別視されており、同じ00501-01であっても刻印の違いによって取引価格に大きな差が生じることがあります。
刻印の確認は、ボタンを外すことなく可能な場合もありますが、正確な判定のためには専門的な知識が必要です。刻印の微細な違いを見極めるには、豊富な実物経験と資料による学習が不可欠であり、これもまたコレクションの奥深さを示す要素となっています。
近年、フィリピン製リーバイスの歴史的価値が再認識されるにつれ、初期の特殊デザイン刻印を持つモデルの発見はデニム界における重要な発見として注目されています。これらのモデルを所有することは、単なるファッションアイテムの収集を超えた、デニム史の貴重な一部を保存することにもつながっています。
イレギュラー品の存在と品質管理システム
フィリピン製リーバイスの製造過程では、厳格な品質管理システムが導入されており、リーバイスの品質基準を満たさない製品は**「イレギュラー品」**として明確に区別されていました。これらの製品には、ポケット裏に「IRREGULAR」のスタンプが押され、通常品との区別が図られています。
イレギュラー品が生まれる理由は多岐にわたり、製造過程での織りムラ、傷、色ムラなどが主な要因です。興味深いのは、これらの「欠陥」とされる特徴が、現在のヴィンテージデニムでは「味」として高く評価されることが多い点です。
🏭 品質管理システムの詳細
項目 | レギュラー品 | イレギュラー品 | 違い |
---|---|---|---|
スタンプ | なし | IRREGULAR | 明確な区別 |
価格 | 定価 | 定価の約1/3 | 大幅割引 |
品質保証 | あり | 制限的 | リーバイス社の姿勢 |
赤タブ | 通常 | 切り取られることがある | 視覚的区別 |
Yahoo!知恵袋の回答によると、イレギュラー品は**「製造過程や検品(品質チェック)で、リーバイスの品質基準を満たしていないと判断された物」**として定義されています。具体的には、織りムラや傷などが確認できる製品が該当します。
当時の販売価格は、通常価格の約3分の1程度だったとされており、品質にこだわらない消費者にとっては非常に魅力的な選択肢でした。一部のイレギュラー品では、バックポケットの赤タブ(ピスネーム)が切り取られることもあり、これも品質保証ができないことを示すリーバイス社の方針でした。
興味深いことに、他ブランドのイレギュラー品と比較すると、リーバイスは特に厳格な基準を適用していました。例えば、ラングラーのイレギュラー品では赤タブの切り取りは行われず、価格も新品の5分の1程度とさらに安価でした。これは、リーバイスブランドの価値を守るための厳格な姿勢の表れといえるでしょう。
現在では、イレギュラー品も含めて「味のあるデニム」として再評価されており、履き込むことで独特の風合いを楽しめるアイテムとして注目されています。品質管理の副産物として生まれたイレギュラー品が、時代とともに新たな価値を獲得している点は、デニムの奥深さを物語る興味深い現象です。
まとめ:リーバイス フィリピン製 コーンミルズの真価は隠れた歴史的名品にあり
最後に記事のポイントをまとめます。
- フィリピン製リーバイスはコーンミルズ社の特殊デニムを使用した歴史的価値ある製品である
- 2002年頃からの製造開始はアメリカ製終了の前兆であり転換期の重要な存在だった
- ボタン裏刻印「359」がフィリピン製を見分ける最も確実で簡単な方法である
- XX17デニムは1917年の製法を現代技術で再現した革命的な特殊生地である
- XF17デニムはフラットアウト加工により独特のユーズド感を実現している
- XXX7とXXX9は異なる時代の技術を融合させた実験的デニムである
- 美しい縦落ちが最大の魅力でアメリカ製後期とは全く異なる色落ちパターンを持つ
- 価格相場は一般品800-1500円だが特殊デニム使用品は数倍の高値で取引される
- 00501-01、03501-01、03501-0101、08501-0042が主要な特殊デニム使用モデルである
- 縫製技術は国際的にも高く評価されており決して安価な代替品ではない
- 初期の特殊デザイン359刻印を持つモデルは極めて希少でコレクション価値が高い
- イレギュラー品も現在では味のあるデニムとして再評価されている
- リーバイスジャパン独自企画のJP限定モデルで本国では販売されていない
- コーンミルズの歴史的資料を基に科学的アプローチで開発された画期的製品である
- 単なる製造国の違いを超えて生地特性が根本的に異なる独特の存在である
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://levi-fun.com/levis-philippine-hyouka/
- https://denimarchieves.com/regular_denim_bottoms/levis_501_01.html
- https://www.jmdata.pl/?_g=14221067
- https://rice.com.ec/suddenly/attention222/r0fbi-2389/
- https://www.jmdata.pl/?_g=9729523
- https://www.grupoasis.com/9740301
- https://www.youtube.com/watch?v=9z3NGUuFYdU
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13241579388
- https://www.youtube.com/watch?v=G9WLOW4tX6o
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13122435753
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