リーバイス 557 復刻 見分け方について詳しく知りたい方も多いのではないでしょうか。リーバイスの3rdモデルとして知られる557は、1962年から1967年という短期間しか製造されなかったため、現在ではヴィンテージ品の価格が高騰し、復刻版が数多く流通している状況です。
しかし、復刻版にも様々な種類があり、日本製の71557や70557、アメリカ製のLVCなど、それぞれ特徴が大きく異なります。また、一般的には復刻版より高価とされるヴィンテージとの見分け方を知ることで、適正価格での購入や、コレクションとしての価値判断が可能になります。この記事では、徹底的な調査をもとに、どこよりもわかりやすく557復刻の見分け方をまとめ、独自の考察も交えてお伝えします。
この記事のポイント |
---|
✓ リーバイス557復刻とヴィンテージの確実な見分け方がわかる |
✓ 日本製復刻版71557と70557の品質差と特徴を理解できる |
✓ パッチ・赤タブ・ボタン裏刻印による年代判別法を習得できる |
✓ 復刻版購入時の注意点と適正価格の判断基準を把握できる |
リーバイス557復刻とヴィンテージの見分け方の基礎知識
- リーバイス557復刻とヴィンテージの見分け方は赤タブとボタン裏刻印をチェックすること
- 日本製復刻版71557と70557の違いは素材と再現度にある
- ヴィンテージ557XXの特徴はギャラ入りパッチと均等Vの赤タブ
- 復刻版とヴィンテージの価格差は年々拡大している
- サードモデル557の製造期間は1962年〜1967年と短期間
- 復刻版557の品質は製造時期により大きく異なる
リーバイス557復刻とヴィンテージの見分け方は赤タブとボタン裏刻印をチェックすること
**リーバイス557の復刻とヴィンテージを見分ける最も確実な方法は、赤タブとボタン裏刻印の確認です。**この2つのポイントを抑えることで、一般的には99%の確率で判別が可能とされています。
ヴィンテージの557では、赤タブは必ず**「均等V」のビッグE**となっています。均等Vとは「LEVI’S」の「V」の字が左右対称の太さで刺繍されているもので、1953年〜1960年代後半頃まで使用されていました。一方、復刻版では時期によって様々なパターンが存在し、不均等Vが使われることもあります。
🔍 ヴィンテージ557の赤タブ特徴
項目 | 特徴 |
---|---|
文字サイズ | ビッグE(大文字のE) |
Vの形状 | 均等V(左右対称) |
製造年代 | 1962〜1967年 |
位置 | 胸ポケット脇 |
ボタン裏刻印については、ヴィンテージ557ではアルファベット1文字(特にDが多い)または数字の17(ギャラ入りモデル)が一般的です。復刻版では「J」から始まるアルファベット+数字の組み合わせ(例:J22)や、4桁の数字が多く見られます。
さらに、内タグの確認も重要なポイントです。復刻版には日本語の表記や電話番号が記載されていることが多く、これはヴィンテージには存在しない特徴です。ただし、内タグは経年劣化や意図的な除去により確認できない場合もあるため、赤タブとボタン裏刻印の組み合わせで判断することが推奨されます。
日本製復刻版71557と70557の違いは素材と再現度にある
日本製の復刻版には主に71557と70557の2つの品番が存在し、これらの品質差は非常に大きいことが知られています。この違いを理解することは、復刻版選びにおいて極めて重要です。
70557は2000年代半ば頃にリーバイスジャパンから発売された高品質復刻版で、ヴィンテージのオリジナルにかなり準拠した仕様となっています。縫製糸には綿糸を使用し、赤タブもレーヨン製でヴィンテージと同様の材質を採用しています。
📊 71557と70557の比較表
項目 | 71557 | 70557 |
---|---|---|
発売時期 | 2000年代前期 | 2000年代半ば |
縫製糸 | ポリエステル | 綿糸 |
赤タブ素材 | ナイロン(推測) | レーヨン |
再現度 | 低い | 高い |
市場評価 | 低価格帯 | 高価格帯 |
生産数 | 多い | 少ない |
一方、71557は再現度が非常に低く、ヴィンテージ愛好者からは厳しい評価を受けています。縫製糸がすべてポリエステルで、赤タブもおそらくナイロン製と推測されており、「ヴィンテージ愛好者を小馬鹿にしたような非常に残念なディテール」という厳しい意見も見られます。
現在リサイクル系の古着屋などで二束三文で販売されているリーバイスジャパンのサードモデル復刻は、ほとんどが71557であることも特徴的です。これは71557の生産数が多く、また品質に対する評価が低いことが影響していると考えられます。
70557は生産数が非常に少なく、古着屋で見かけることはほとんどありません。そのため、もしリーバイスジャパンのサードモデル復刻を検討している場合は、品質の観点から70557の方が圧倒的に推奨されます。
ヴィンテージ557XXの特徴はギャラ入りパッチと均等Vの赤タブ
ヴィンテージ557XXの最大の特徴は「ギャラ入り」パッチの存在です。ギャラ入りとは、パッチに「EVERY GARMENT GUARANTEED」と表記されている製品を指し、1950年代後半から1962年頃の製品に使用されました。
557XXは1962年にサードモデルが市場に登場した直後から製造が開始されたため、ギャラ入り表記があるものは最初期のサードモデルということになります。1962年にサード登場後、比較的すぐにパッチ表記がギャラ入りからギャラ無しに移行したため、ギャラ入りの557XXは特に希少性が高いとされています。
⭐ ギャラ入り557XXの特別な特徴
- 507XXと共通のステッチディテール: カフス部と前立てのウエストバンド部に、507XX(セカンド)と同じ折り返しステッチを装備
- フラップ裏ライトオンスデニム: ファーストやセカンドと同様に、ポケットフラップの裏面にライトオンスデニムを使用
- 独特の生地感: より古い年代のリーバイスデニム特有の色味と風合いを持つ
ディテール項目 | ギャラ入り557XX | 通常の557 |
---|---|---|
パッチ表記 | EVERY GARMENT GUARANTEED有り | 表記なし |
フラップ裏 | ライトオンスデニム | 表面と同じ生地 |
ボタン裏刻印 | 17が多い | D、A、Oが多い |
ステッチワーク | 507XX風の折り返し有り | 標準仕様 |
ギャラ入りの557XXは、パッチ表記とディテール以外にも、生地そのものに特徴があります。一般的にギャラ入りとギャラ無しでは生地の色味や風合いが異なり、一部のギャラ入りでは古い年代のリーバイスのデニム製品に時折見られる黒みがかった色をしているものもあります。
また、ギャラ入りの生地は織りが荒々しい印象があり、ギャラ無しの方は織りが整っているように見えるという違いも指摘されています。これらの違いは、年代が新しくなるほど品質管理や工程が改善されていることの現れと考えられています。
復刻版とヴィンテージの価格差は年々拡大している
**リーバイス557の復刻版とヴィンテージの価格差は、近年急速に拡大しています。**2017年頃と2025年現在を比較すると、ヴィンテージの価格上昇は驚くべき水準に達しています。
特にサードモデル(557XX/557)の価格高騰は顕著で、3年前と比較して約3倍に値上がりしているケースも報告されています。557XX(前期・ギャラ入り)で濃色が残っているものは20万円以上、557(後期)でも10万円前後が相場となっています。
💰 557価格推移比較表(推定)
モデル | 2017年頃 | 2025年現在 | 上昇率 |
---|---|---|---|
557XX濃色 | 7-8万円 | 20万円以上 | 約3倍 |
557後期 | 3-4万円 | 10万円前後 | 約3倍 |
復刻版70557 | 2-3万円 | 3-5万円 | 約1.5倍 |
復刻版71557 | 1-2万円 | 1-3万円 | ほぼ横ばい |
一方、復刻版の価格上昇は比較的緩やかです。高品質な70557でも3-5万円程度で入手可能であり、ヴィンテージとの価格差は4-5倍程度まで拡大しています。
この価格高騰の背景には、ヴィンテージデニムブームの継続や、実物の個体数が年々減少していることが挙げられます。また、投資的な視点でヴィンテージGジャンを見る人も増えており、市場の需給バランスが崩れている状況と考えられます。
コストパフォーマンスを重視する場合、高品質な復刻版である70557や、アメリカ製のLVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)も選択肢として考慮する価値があります。特にLVCは本家リーバイスが製造する復刻版として、ヴィンテージに近い着心地と経年変化を楽しむことができます。
サードモデル557の製造期間は1962年〜1967年と短期間
リーバイス557(サードモデル)の製造期間は1962年から1967年までのわずか5年間という短期間でした。この短い製造期間こそが、現在の557の希少性と価格高騰の主要な要因の一つとなっています。
557は、1952年頃から製造されていたセカンドモデル507XXの後継として登場しました。それまでの大きな特徴だった前立てのプリーツを廃止し、両胸のアウトポケットを内側から縫い付ける仕様から埋め込み型に変更するなど、大幅なデザイン変更が行われました。
📅 リーバイスGジャンの変遷タイムライン
期間 | モデル | 品番 | 主な特徴 |
---|---|---|---|
戦前〜1952年 | ファースト | 506XX | 1ポケット、プリーツ |
1952〜1962年 | セカンド | 507XX | 2ポケット、プリーツ継続 |
1962〜1967年 | サード | 557XX/557 | V字ステッチ、プリーツ廃止 |
1967年〜 | フォース | 70505 | 着丈延長、デザイン継承 |
最も特徴的なのは、両胸ポケットから裾にかけてのV字状のステッチデザインです。このV字ステッチは現在のGジャンデザインの原型となっており、557が「ジージャンの完成形」と呼ばれる所以でもあります。
着丈はセカンドと同様に短いままでしたが、アームホールが大きくなり、現代のジージャンにかなり近い印象になりました。しかし、その完成度の高いデザインゆえに、**1967年以降は基本デザインを踏襲した70505(フォース)**へと移行することになります。
557の短い製造期間は、デニムの歴史において非常に重要な意味を持っています。この5年間で、ワークウェアからファッションアイテムへの転換点を迎え、現在まで続くGジャンのデザイン言語が確立されたのです。
復刻版557の品質は製造時期により大きく異なる
**復刻版557の品質は、製造された時期によって大きく異なります。**これは製造工場の変更、材料調達先の変化、品質管理基準の変更などが影響しているためです。
特に顕著なのが、アメリカ製とアジア製の品質差です。1990年代後半から2002年まで製造されたバレンシア工場製(ボタン裏刻印555)のLVCは、「初期の復刻モデル」「最後のアメリカ製」として高い評価を受けています。
🏭 製造工場別の特徴比較
製造場所 | 時期 | ボタン裏刻印 | 特徴 |
---|---|---|---|
バレンシア工場 | 1996〜2002年 | 555 | 高品質、アメリカ製最後期 |
カイハラ社生地 | 2000年代〜 | 各種 | 高品質生地、製造は欧州・アジア |
日本企画 | 1990年代〜 | J+数字 | 品質にばらつき |
中国・その他 | 2000年代〜 | 4桁数字等 | コストパフォーマンス重視 |
現行のLVC(リーバイス・ヴィンテージ・クロージング)では、日本のカイハラ社の生地を採用しており、製造は欧州やアジア圏で行われています。カイハラ社は世界的に評価の高いデニム生地メーカーであり、多くの有名ブランドに生地を供給しています。
ただし、同じLVCブランドでも製造時期により仕様が異なることがあります。例えば、初期のLVCは革パッチを使用していましたが、現在は紙パッチが主流となっています。また、ステッチの色味や糸の太さなども微妙に変更されていることがあります。
復刻版を購入する際の品質チェックポイントとしては、生地の質感、ステッチワークの精度、ボタンの仕上がり、全体的な縫製の丁寧さなどを確認することが重要です。特に71557のような低品質復刻版では、これらの部分に明らかな差が現れることが多いです。
リーバイス557復刻の見分け方を詳しく解説
- パッチの表記で復刻とヴィンテージを判別する方法
- ボタン裏刻印による年代と製造場所の特定法
- 縫製糸の素材が復刻版判別の重要なポイント
- 赤タブのVの形状で時代を見分ける技術
- フラップ裏の生地で前期後期を判断する方法
- 復刻版購入時に注意すべきポイントとは
- まとめ:リーバイス557復刻の見分け方
パッチの表記で復刻とヴィンテージを判別する方法
パッチ(後ろ身頃の襟元に縫い付けられているラベル)の表記は、復刻とヴィンテージを判別する最も重要な手がかりの一つです。パッチには品番、サイズ、取り扱い表示などが記載されており、これらの情報から製造年代や真贋を判断することができます。
ヴィンテージ557の場合、パッチは革パッチから紙パッチへの移行期にあたります。1957年前後から紙パッチへの変更が始まったため、557XX(1962年〜)の時代には基本的に紙パッチが使用されています。
🏷️ パッチによる年代判別表
パッチタイプ | 使用期間 | 表記内容 | 特徴 |
---|---|---|---|
革パッチ | 〜1957年頃 | 557XX表記は稀 | 革製、多くが欠損 |
紙パッチ(XX有り) | 1957〜1966年 | 557XX | 正四角形、ギャラ入り/なし |
紙パッチ(XX無し) | 1966年〜 | 557 | 正四角形、XX表記削除 |
復刻版パッチ | 1990年代〜 | 70557、71557等 | 日本語表記混在 |
ギャラ入りパッチの特別な意味も理解しておく必要があります。パッチに「EVERY GARMENT GUARANTEED」と表記されているものは、1950年代後半から1962年頃までの製品に限定されます。557XXでギャラ入りが存在するということは、サードモデルの最初期型であることを意味し、コレクターズアイテムとしての価値が非常に高くなります。
復刻版のパッチには、ヴィンテージにはない特徴があります。最も分かりやすいのは日本語の表記や電話番号です。「日本リーバイス株式会社」「取扱説明書をお読みください」などの日本語表記があれば、確実に復刻版と判断できます。
パッチが欠損している場合の判断方法も重要です。パッチが縫い付けられていた部分にはステッチ跡が残っているため、その形状から元のパッチの形状を推測できます。正四角形のステッチ跡であれば紙パッチ、長方形であれば革パッチの可能性が高くなります。
ただし、パッチは意図的に取り外されることもあるため、パッチだけでなく他のディテールとの総合判断が必要です。特に高額なヴィンテージとして販売されている場合は、複数の判別ポイントを慎重に確認することが推奨されます。
ボタン裏刻印による年代と製造場所の特定法
ボタン裏の刻印は、リーバイス製品の年代特定と製造場所の判別において最も信頼性の高い方法です。この刻印システムは長年にわたって体系的に管理されており、刻印の内容から非常に詳細な情報を読み取ることができます。
ヴィンテージ557のボタン裏刻印には、明確なパターンがあります。アルファベット1文字のD、A、Oが最も一般的で、特にDが多く見られます。また、ギャラ入りの初期557XXでは数字の17が刻印されているケースもあります。
🔢 ボタン裏刻印による判別システム
刻印パターン | 時代 | 特徴 | 例 |
---|---|---|---|
アルファベット1文字 | 1950〜70年代 | ヴィンテージ全般 | D、A、O、S、W |
数字1〜3桁 | 1950〜80年代 | ヴィンテージ、工場特定可能 | 6、16、524 |
アルファベット+数字 | 1990年代〜 | 復刻・現行 | J22、J30 |
4桁数字 | 2000年代〜 | 復刻・現行 | 4420 |
復刻版の場合、ボタン裏刻印は製造国や企画会社を示す重要な手がかりとなります。「J」から始まる刻印(例:J22、J30)は日本企画のモデルを示し、リーバイスジャパンが関与している製品であることがわかります。
特別な意味を持つ刻印番号も存在します:
- 555: バレンシア工場製(1996〜2002年)、LVC初期の高品質復刻版
- 524、525: エルパソ工場製、1970年代後期〜1980年代のヴィンテージ
- 520〜529: エルパソ工場系列の各種刻印
バレンシア工場製の「555」は例外的な扱いとなります。3桁の数字でありながら復刻モデルの番号であり、「初期の復刻モデル」「最後のアメリカ製」として人気が高く、ヴィンテージに近い価値を持つとされています。
ボタン裏刻印を確認する際の注意点として、すべてのボタンで同じ刻印であることを確認する必要があります。修理の際に異なる刻印のボタンが使用されている場合があるためです。また、刻印が薄くなって判読困難な場合は、光の角度を変えたり、軽く汚れを拭き取ったりすることで確認できる場合があります。
縫製糸の素材が復刻版判別の重要なポイント
縫製に使用されている糸の素材は、復刻版の品質レベルを判断する重要な指標です。ヴィンテージリーバイスでは基本的に綿糸が使用されており、この点が現代の復刻版との大きな違いとなっています。
前述の日本製復刻版の比較でも触れましたが、71557は全ての縫製糸がポリエステル、70557は綿糸を使用という決定的な違いがあります。この差は単なる素材の違いではなく、ヴィンテージへの再現度と品質に対する姿勢を表していると考えられます。
🧵 縫製糸による品質判別表
糸の素材 | 使用製品 | 特徴 | 評価 |
---|---|---|---|
綿糸 | ヴィンテージ、高級復刻版 | 自然な風合い、経年変化あり | 高品質 |
ポリエステル糸 | 低級復刻版 | 光沢あり、経年変化少ない | 低品質 |
混紡糸 | 一部現行モデル | 実用性重視 | 中品質 |
綿糸とポリエステル糸の見分け方は、光沢と触感で判断できます。ポリエステル糸は人工的な光沢があり、触るとツルツルとした感触があります。一方、綿糸は自然な質感で、光沢も控えめです。
特に重要なのは、ステッチワークの経年変化です。綿糸を使用したヴィンテージや高級復刻版では、着用と洗濯を重ねることで糸が自然に馴染み、生地との一体感が増していきます。ポリエステル糸の場合、この自然な変化が起こりにくく、長期間使用しても新品のような状態を保つことが多いです。
色褪せの傾向も異なります。綿糸は紫外線や洗濯により徐々に色が褪せていきますが、ポリエステル糸は色持ちが良く、不自然に鮮やかな色を保ち続けることがあります。これにより、全体的な経年変化の調和が取れないという問題が生じることもあります。
復刻版を購入する際は、価格だけでなく縫製糸の素材も確認することをお勧めします。特に長期間愛用したい場合や、ヴィンテージらしい経年変化を楽しみたい場合は、綿糸を使用したモデルを選ぶことが重要です。
赤タブの素材も同様に重要で、ヴィンテージや高級復刻版ではレーヨン製、低級復刻版ではナイロン製が使用されることが多いです。レーヨンは自然な光沢と柔らかな質感が特徴で、ナイロンは硬く人工的な印象があります。
赤タブのVの形状で時代を見分ける技術
赤タブの「V」の字形状は、リーバイス製品の年代を特定する最も精密な方法の一つです。この微細なディテールの変化を理解することで、製造時期をかなり正確に絞り込むことができます。
ヴィンテージ557では、必ず「均等V」のパターンが使用されています。均等Vとは「LEVI’S」の「V」の字が左右対称の太さで刺繍されているもので、1953年〜1960年代後半頃まで使用されていました。
📐 赤タブVの形状変遷表
V の形状 | 使用期間 | 対象モデル | 特徴 |
---|---|---|---|
均等V | 1953〜1960年代後半 | 557XX全般、507XX等 | 左右対称の太さ |
不均等V | 1960年代後半〜1973年 | 70505ビッグE等 | 右側が細い |
均等V(復活) | 1973年〜 | スモールe以降 | 左右対称、小文字e |
不均等Vは1960年代後半〜1973年まで使用されたパターンで、「V」の左側が太く、右側が細くなっているのが特徴です。このパターンは主に70505(フォース)のビッグEモデルで見ることができます。
557の製造期間(1962〜1967年)は、ちょうど均等Vの期間と一致しています。つまり、557で不均等Vの赤タブは存在しないということになり、もし不均等Vの赤タブが付いた557があれば、それは後から付け替えられたか、復刻版の可能性が高いということになります。
復刻版における赤タブVの形状は、製造時期や品質レベルによって様々です:
- 高品質復刻版(LVC等): 当時の仕様に準拠した均等V
- 日本製復刻版70557: 均等V、レーヨン製
- 日本製復刻版71557: 均等Vだが、ナイロン製の可能性
- 現行モデル: 様々なパターンが混在
赤タブのVの形状を確認する際は、単体で判断せず、他のディテールとの整合性も確認することが重要です。例えば、均等VのビッグEタブが付いていても、ボタン裏刻印が「J22」のような復刻版パターンであれば、全体として復刻版と判断するべきです。
また、赤タブそのものが後から付け替えられている可能性も考慮する必要があります。古着市場では、価値を高めるために別のモデルから赤タブを移植するケースも報告されており、赤タブ周辺の縫製跡や糸の色合いなども注意深く観察することが推奨されます。
フラップ裏の生地で前期後期を判断する方法
胸ポケットのフラップ(蓋)の裏面に使用されている生地は、557の前期と後期を判別する決定的なポイントです。このディテールは比較的知られていない判別法ですが、専門家の間では非常に重視される要素となっています。
557XXの前期モデル(ギャラ入り含む)では、フラップ裏にライトオンスデニムが使用されています。これは1stモデル506XXや2ndモデル507XXから継承された仕様で、手が直接触れるフラップ部分により柔らかな触感を提供するためのワーカー向けの配慮と考えられています。
👔 フラップ裏生地による判別法
モデル | フラップ裏生地 | 年代 | 特徴 |
---|---|---|---|
557XX前期 | ライトオンスデニム | 1962〜1965年頃 | 薄手、柔らか |
557後期 | 表面と同じ生地 | 1965〜1967年頃 | 統一感重視 |
506XX | ライトオンスデニム | 戦前〜1952年 | ワーク仕様 |
507XX | ライトオンスデニム | 1952〜1962年 | 継承仕様 |
一方、557の後期モデル(XX表記なし)では、フラップ裏も表面と同じ生地が使用されています。これは製造工程の簡略化や、ファッションアイテムとしての統一感を重視した結果と推測されます。
この変化は、リーバイス製品がワークウェアからファッションウェアへと転換していく過程を象徴的に示しているディテールともいえます。実用性を重視したライトオンス仕様から、見た目の統一感を重視した同一生地仕様への変更は、当時の市場ニーズの変化を反映していると考えられます。
復刻版におけるフラップ裏仕様は、品質レベルによって異なります:
- 高級復刻版: 当時の仕様を忠実に再現(前期=ライトオンス、後期=同一生地)
- 一般的な復刻版: 簡略化のため同一生地で統一
- 低級復刻版: 細部への配慮なし、同一生地使用
フラップ裏の生地を確認する際は、ポケット内部を軽く押し上げてフラップ裏を見やすくする必要があります。ライトオンスデニムの場合、明らかに薄手で色合いも表面の生地とは異なることが確認できます。
ただし、経年劣化や洗濯による色落ちにより、元々異なる生地であっても似たような色合いになっている場合があります。そのような場合は、生地の厚みや織り目の細かさで判断することが重要です。
復刻版購入時に注意すべきポイントとは
復刻版557を購入する際は、価格、品質、真贋、将来性など多角的な検討が必要です。特に近年のヴィンテージ価格高騰により、復刻版を選択する購入者が増えているため、適切な選び方を理解することが重要です。
まず予算とのバランスを考慮する必要があります。高品質な復刻版(LVCや70557)でも、ヴィンテージの1/4〜1/5程度の価格で入手可能です。一方、低品質な復刻版(71557等)は安価ですが、長期使用や経年変化を楽しむには適さない場合があります。
🛒 復刻版選択時のチェックリスト
確認項目 | 重要度 | チェック方法 |
---|---|---|
ボタン裏刻印 | ★★★ | 真贋判別の基本 |
縫製糸素材 | ★★★ | 綿糸かポリエステル糸か |
赤タブ素材・形状 | ★★☆ | レーヨン製の均等Vが理想 |
全体的縫製品質 | ★★★ | ステッチの精度、生地の質感 |
付属品・パッチ | ★☆☆ | 完品状態の確認 |
購入先の信頼性 | ★★★ | 専門知識のある店舗選択 |
製造時期による品質差も重要な考慮事項です。同じ品番でも製造時期により仕様が変更されている場合があり、特にLVCでは初期のバレンシア工場製(555刻印)が高く評価されています。
購入先の選択も重要です。古着専門店や信頼できるヴィンテージショップでは、専門知識を持つスタッフによる年代判別や品質チェックが期待できます。一方、個人間取引(ヤフオク、メルカリ等)では価格面でのメリットはあるものの、専門知識が必要となります。
サイズ選択の注意点として、ヴィンテージ557は現代の標準的なサイズ感とは大きく異なります:
- 着丈が短い: 現代のMサイズ相当でも着丈が不足する場合あり
- 身幅にゆとりあり: オーバーサイズ気味のシルエット
- 袖が長い: アームホール設計の違いによる
将来の資産価値を考慮する場合、高品質な復刻版(特にバレンシア工場製LVC)は一定の価値保持が期待できますが、ヴィンテージのような急激な価格上昇は期待できません。純粋にファッションアイテムとして楽しむことを主目的とすることが推奨されます。
最後に、偽物への注意も必要です。特に人気の高いLVCモデルでは偽物も存在するため、正規販売店での購入や、複数の判別ポイントを総合的に確認することが重要です。
まとめ:リーバイス557復刻の見分け方
最後に記事のポイントをまとめます。
- リーバイス557復刻とヴィンテージの見分け方は赤タブの「均等V」とボタン裏刻印の組み合わせで判別する
- 日本製復刻版は71557(低品質)と70557(高品質)で品質差が極めて大きい
- ヴィンテージ557XXのギャラ入りパッチは1950年代後半〜1962年頃の最初期モデルの証拠である
- 復刻版とヴィンテージの価格差は年々拡大し、現在は4〜5倍の開きがある
- サードモデル557の製造期間は1962〜1967年のわずか5年間で希少性が高い
- 復刻版557の品質は製造時期により大きく異なり、バレンシア工場製が最高品質とされる
- パッチの表記から復刻版は日本語表記の有無で容易に判別できる
- ボタン裏刻印「555」はバレンシア工場製の復刻版で例外的に高評価を得ている
- 縫製糸の素材は品質判別の重要指標で、綿糸使用が高品質の証である
- 赤タブのV形状は均等V(1960年代後半まで)と不均等V(1960年代後半〜1973年)で年代特定可能
- フラップ裏の生地で557の前期(ライトオンス)と後期(同一生地)を判別できる
- 復刻版購入時は価格・品質・サイズ感・将来性を総合的に検討する必要がある
- 71557は縫製糸がポリエステル製でヴィンテージ愛好家から低評価を受けている
- 現在のヴィンテージ557XX濃色品は20万円以上の高値で取引されている
- LVCは本家リーバイスの復刻ブランドとして信頼性が高い
調査にあたり一部参考にさせて頂いたサイト
- https://kodawari-style.com/levis557/
- https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14145705589
- https://lifeonline.jp/how-to-identify-levis-vintage
- https://www.longhorn-imports.com/557xx-guaranteed-features/
- https://levi-fun.com/levis-g-jan-vintage-miwakekata/
- https://masagonia.com/archives/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%B9557%EF%BC%883rd%EF%BC%89%E3%81%A870505%EF%BC%884th%EF%BC%89%E3%81%AE%E9%81%95%E3%81%84.html
- https://hurugiblog.com/levis-replica-or-vintage
- https://archipelago.mayuhama.com/entry/2021/05/21/181357
- https://kurono9620.com/post-10038/
- https://www.pinterest.com/pin/lvc501-557xx70505–461196818101468464/
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