リーバイスの生産国一覧！工場番号から見分ける完全ガイドと希少価値の秘密｜HAUTE-LINEUP(オートラインナップ)：エルメス・ヴィトン・ハイブランド

リーバイス生産国一覧を調べているあなたは、手持ちのジーンズがどこで作られたのか、その価値はどれくらいなのかを知りたいのではないでしょうか。リーバイスは創業から150年以上にわたって世界各国で生産されており、その歴史と共に生産拠点も大きく変化してきました。

この記事では、リーバイスの工場番号（ボタン裏刻印）を手がかりに、どの国で製造されたかを判別する方法を徹底解説します。さらに、年代による生産拠点の変遷、希少価値の高い工場番号、各生産国の特徴まで、どこよりも詳しくまとめました。あなたのリーバイスの真の価値を見極めるための完全ガイドとして活用してください。

この記事のポイント
✅ ボタン裏刻印から生産国を特定する具体的方法がわかる
✅ 年代別の工場番号変遷と各国の特徴を網羅的に理解できる
✅ 希少価値の高い工場番号とその理由を把握できる
✅ 現在入手可能な生産国とその品質の違いを知ることができる

リーバイス生産国一覧の基本知識と工場番号の見方

リーバイスの生産国は工場番号で簡単に判別できる
工場番号の桁数で製造年代がおおよそ特定可能
1950年代から現在まで生産拠点は大きく変化している
アメリカ製は2003年に一度終了し現在は限定復活
希少価値が高いのは特定の工場番号を持つモデル
現在の主要生産国は中国、メキシコ、トルコ、ブルガリアなど

リーバイスの生産国は工場番号で簡単に判別できる

リーバイスのジーンズやジャケットのトップボタン（一番上のボタン）の裏側を見ると、数字やアルファベットが刻印されているのを確認できます。この刻印こそが工場番号と呼ばれるもので、その製品がどこの工場で製造されたかを示す重要な識別情報です。

工場番号は1950年代初頭からリーバイス社が採用しているシステムで、当初は隠しリベット裏に刻印されていましたが、現在ではトップボタンの裏側が主流となっています。この小さな刻印から、製造国はもちろん、具体的な工場の所在地、製造年代、さらには希少性まで読み取ることが可能です。

例えば、「555」という刻印があれば、それはサンフランシスコのバレンシア工場製を意味し、「524」ならテキサス州エルパソのサイプレス工場製であることがわかります。このように、工場番号は単なる製造場所の識別だけでなく、その製品の品質や特徴、時には特別な仕様を示す指標にもなっています。

特にヴィンテージリーバイスのコレクターにとって、この工場番号は製品の真贋判定や価値評価の重要な要素となっています。同じモデルでも、どの工場で作られたかによって市場価値が大きく異なることも珍しくありません。

🏭 主要な工場番号と生産国の対応表

工場番号	生産国	工場所在地	稼働期間
555	アメリカ	サンフランシスコ（バレンシア工場）	1906-2002
524	アメリカ	テキサス州エルパソ（サイプレス工場）	1947-1999
359	フィリピン	マカティ	1972-2009
273	ポーランド	プロツク	–
647	メキシコ	–	–

工場番号の桁数で製造年代がおおよそ特定可能

リーバイスの工場番号は時代とともに変化しており、その桁数を見るだけで製造年代をおおよそ特定することができます。これは、リーバイス社の事業拡大や生産体制の変化が反映されているためです。

1950年代～1960年代前半は「1桁の数字」が使用されていました。「1」「2」「4」「5」「6」「7」「8」などがこの時代の代表的な工場番号で、すべてアメリカ国内の伝統的な工場を示しています。この時代の製品は現在では高い価値を持つヴィンテージアイテムとして認識されています。

1960年代の短期間には「アルファベット」が使用されました。「A」「D」「E」「F」「J」「K」「L」「O」「S」「W」などがこれにあたり、使用期間が短かったため比較的希少価値があるとされています。

1960年代後半～1970年代は「1桁または2桁数字」の時代で、「10」「12」「14」「16」「17」「20」などが使用されました。特に「16」の工場番号は1950年代初期から1970年代中期頃まで長期にわたって稼働していた特別な工場として知られています。

1980年代～2000年代初期は「3桁数字」が主流となりました。この時期、リーバイス社は北米だけでも63もの製造工場を有していましたが、1990年代後半からの業績低迷により工場閉鎖が進み、2003年には米国内の全工場が閉鎖されました。

1950年代から現在まで生産拠点は大きく変化している

リーバイスの生産拠点は創業から現在まで、時代の変遷とともに大きく変化してきました。この変化は、単なる事業拡大だけでなく、経済情勢やコスト削減の必要性、そして品質管理の考え方の変化を反映しています。

創業期から1980年代までは、アメリカ国内での生産が中心でした。カリフォルニア州のサンフランシスコ・バレンシア工場を筆頭に、テキサス州、テネシー州、ジョージア州などに多数の工場を構えていました。この時代の製品は「Made in USA」の品質の高さで知られ、現在でも高い評価を受けています。

1970年代頃から海外進出が本格化し、フィリピンのマカティ工場（1972年操業開始）をはじめ、カナダ、メキシコ、ヨーロッパ各国に生産拠点を拡大していきました。これは、労働コストの削減と世界市場への供給体制強化が目的でした。

1990年代後半から2003年にかけては、リーバイス社にとって大きな転換点となりました。業績低迷により北米内の工場が次々と閉鎖され、2003年には米国内の最後の工場（バレンシア工場）が閉鎖されました。この結果、生産は完全に海外へと移りました。

2003年以降現在までは、中国、メキシコ、トルコ、ブルガリア、ベトナムなど世界各国での生産が中心となっています。ただし、プレミアムラインであるLVC（リーバイス・ヴィンテージ・クロージング）の一部では、限定的にアメリカ製も復活しています。

📊 生産拠点変遷の概要

時代	主要生産国	特徴
1950年代～1980年代	アメリカ	高品質、ヴィンテージ価値あり
1970年代～1990年代	アメリカ＋海外展開	品質維持しつつコスト削減
1990年代後半～2003年	海外移転期	アメリカ工場順次閉鎖
2003年～現在	世界各国	多様な生産拠点、品質差あり

アメリカ製は2003年に一度終了し現在は限定復活

2003年のバレンシア工場閉鎖により、リーバイスのアメリカ製は一度完全に終了しました。これは、リーバイス社にとって創業以来130年間続いた「Made in USA」の歴史に終止符を打つ象徴的な出来事でした。しかし、その後アメリカ製への需要の高まりを受けて、限定的な復活を遂げています。

2003年の工場閉鎖の背景には、1990年代後半からの業績低迷がありました。競合他社との価格競争が激化する中で、高い労働コストを抱えるアメリカ国内での生産継続が困難になったのです。特に1996年をピークとした売上減少により、コスト削減は避けられない課題となっていました。

現在のアメリカ製復活は、主にプレミアムラインを中心としています。LVC（リーバイス・ヴィンテージ・クロージング）の一部モデルや、「Made in the USA」シリーズなどが限定的に生産されています。これらの製品は、かつてのバレンシア工場の品質を受け継ぎつつ、現代の技術も取り入れた高品質な仕上がりとなっています。

しかし、2017年末にはコーンミルズ社のホワイトオーク工場が閉鎖されました。この工場は、伝統的なセルビッジ（赤耳）デニムを製造していた最後のアメリカの工場でした。この閉鎖により、正統なアメリカ製デニム生地の歴史は一つの終焉を迎えることとなりました。

現在のアメリカ製リーバイスは、主にテキサス州エルパソの工場で限定生産されていますが、生地については日本のカイハラ製など海外製を使用することも増えています。それでも、「Made in USA」の刻印は多くのファンにとって特別な意味を持ち続けています。

希少価値が高いのは特定の工場番号を持つモデル

リーバイスの工場番号の中には、その希少性や特別な製造方法、高品質などの理由から、コレクターの間で特に高い価値を持つものが存在します。これらの「レアナンバー」を持つ製品は、市場でプレミア価格で取引されることも珍しくありません。

最も希少価値が高いとされる工場番号の筆頭は「2」刻印です。これはサンノゼ工場（カリフォルニア州）の製品で、比較的生産数が少なかったとされています。同じく1桁工場番号の中でも「6」（後の524エルパソ工場）や「8」（ノックスビル工場）なども高い評価を受けています。

「16」刻印も特別な位置を占める工場番号です。これは長期間稼働していた委託工場（Lucky Star Industries, Inc.）の製品で、「16ボタン」モデルと呼ばれ独特の特徴を持っています。通常のラインには見られない変わった素材やディテールが使用されることがあり、その独特さから高い人気を誇ています。

「555」刻印のバレンシア工場製品も非常に人気があります。特に1996年から工場閉鎖の2002年までに製造された製品は最高品質とされ、赤耳モデルやXX（ダブルエックス）復刻モデルなどが高く評価されています。

1960年代のアルファベット刻印（「A」「D」「E」「F」「J」「K」「L」「O」「S」「W」）も希少価値があります。使用期間が短期間だったため、現存する数が少なく、コレクターの間では貴重なアイテムとして扱われています。

🏆 希少価値の高い工場番号ランキング

順位	工場番号	所在地	希少性の理由
1位	2	サンノゼ工場（カリフォルニア州）	生産数が少ない
2位	A,D,E,F等	各地	1960年代短期間使用
3位	16	ボールドウィン（ミシシッピ州）	委託工場の特殊仕様
4位	555	バレンシア工場（サンフランシスコ）	最高品質の代名詞
5位	6,8	エルパソ、ノックスビル	伝統的1桁工場番号

現在の主要生産国は中国、メキシコ、トルコ、ブルガリアなど

2003年のアメリカ国内工場閉鎖以降、リーバイスの生産は世界各国に分散されています。現在の主要な生産国とその特徴を理解することで、購入時の参考にすることができます。

中国製は現在最も多く流通している生産国の一つです。アウトレットでよく見かける現行の501などは多くが中国製となっています。品質については以前に比べて大きく向上しており、生地感やシルエットともに当たり障りのない仕上がりとなっています。ただし、ヴィンテージファンの中には、現行モデルが501本来のワイドなシルエットより細めになっていることを指摘する声もあります。

メキシコ製は2000年代から継続して生産されており、特に2008年頃のモデルは生地を過去のモデル（ホームスパン）に戻していたため、USA末期や同時期のヨーロッパ製リーバイスより人気が高かったとされています。現在でもメキシコ製は一定の評価を得ており、中国製や東南アジア諸国製と比較して品質が良いとする声も聞かれます。

トルコ製は主にLVC（リーバイス・ヴィンテージ・クロージング）の加工モデルやMADE THE CRAFTEDシリーズで使用されています。トルコ製のLVCは完全にトルコ製と言っていいほど多く、品質はアメリカ製に劣らないとの評価もあります。ただし、モデルによってはオリジナルとは大きく異なるサイズ感のものもあるため注意が必要です。

ブルガリア製は比較的新しい生産拠点で、LVCの一部で使用されています。生産数が少ないため、一部ではレアものとして扱われることもあります。

フィリピン製は1972年から2009年まで長期間稼働していたマカティ工場での生産が有名でした。現在は生産終了していますが、当時の製品は「極東リーバイス」と呼ばれ、生地感の良さで評価されています。

🌍 現在の主要生産国と特徴

生産国	主な工場番号	特徴	品質評価
中国	4桁数字	大量生産、安定品質	標準的
メキシコ	647,989等	ホームスパン生地使用歴あり	良好
トルコ	4桁数字	LVC加工モデル中心	高品質
ブルガリア	4桁数字	LVC限定、少数生産	高品質
ベトナム	4桁数字	近年増加中	標準的

リーバイス生産国一覧から見る年代判別と価値評価のコツ

1980年代以前のアメリカ製は確実にヴィンテージ価値がある
3桁工場番号の法則を知れば生産国の特定が簡単になる
内タグの情報と工場番号を組み合わせれば正確な年代判別が可能
フィリピン製359工場は隠れた良品として評価されている
現行4桁工場番号は具体的工場の特定が困難になっている
日本製LVCとカイハラ生地の関係性を理解する必要がある
まとめ：リーバイス生産国一覧を活用した賢い選び方

1980年代以前のアメリカ製は確実にヴィンテージ価値がある

1980年代以前に製造されたアメリカ製リーバイスは、製造から40年以上が経過しており、確実にヴィンテージとしての価値を持っています。この時代の製品は、現在では入手困難な伝統的な製法や素材が使用されており、コレクターや古着愛好家から高い評価を受けています。

1950年代～1960年代前半の1桁工場番号時代の製品は、最高級のヴィンテージアイテムとして位置づけられています。V字ステッチ、隠しリベット、赤耳デニムの使用など、現在のリーバイスには見られない伝統的な特徴を持っています。特に501XXモデルなど初期のモデルにおいて、状態の良いものは数十万円以上の価値を持つこともあります。

1960年代のアルファベット刻印時代も非常に希少価値が高く、短期間しか使用されなかったため現存数が少ないのが特徴です。「E」や「S」などのアルファベットが刻印されている製品を見つけた場合は、1960年代前半の貴重な製品である可能性が高いです。

1970年代の1桁～2桁工場番号時代になると、ビッグEからスモールeへの移行や、パッチデザインの変更などが見られます。この時代の製品も十分にヴィンテージ価値があり、特に「16」工場の製品は独特の特徴から高い人気を誇っています。

これらの年代の製品を見分ける際は、工場番号だけでなく、パッチの形状やステッチの特徴、リベットの有無なども総合的に確認することが重要です。また、製品の状態（色落ちの具合、ダメージの有無、サイズなど）も価値に大きく影響するため、コレクションとしての価値だけでなく、実際に着用することも考慮に入れると良いでしょう。

🕰️ 年代別ヴィンテージ価値の目安

年代	工場番号	ヴィンテージ価値	市場価格帯（目安）
1950年代～1960年代前半	1桁数字	最高級	10万円～50万円以上
1960年代前半	アルファベット	超希少	5万円～30万円
1960年代後半～1970年代	1桁～2桁数字	高価値	3万円～15万円
1980年代	3桁数字（初期）	中程度	1万円～5万円

3桁工場番号の法則を知れば生産国の特定が簡単になる

1980年代から2000年代初期にかけて使用された3桁工場番号には、一定の法則性があります。この法則を理解することで、工場番号を見ただけで生産国をある程度特定することが可能になります。

「5」から始まる3桁番号は、リーバイス社の米国内工場を示しています。「501」（アルバカーキ工場）、「513」（ブルーリッジ工場）、「524」（エルパソ・サイプレス工場）、「555」（バレンシア工場）などがこれにあたります。これらの工場で製造された製品は、現在では貴重な「Made in USA」として高い価値を持っています。

「6」から始まる3桁番号は、社外の委託工場を表しています。「653」（ボールドウィン・Lucky Star社）などがこれにあたり、リーバイス社が製造を委託した別会社での生産を示しています。これらの工場では、独自性のある製品が作られることもありました。

「3」から始まる3桁番号は、米国以外の工場を示すことが多いです。「359」（フィリピン・マカティ工場）がその代表例で、1972年から2009年まで長期間稼働していました。この工場の製品は「極東リーバイス」として一定の評価を得ています。

「2」から始まる3桁番号は、主にカナダの工場を示しています。「212」「216」「217」などがカナダ製を表し、特に216と217はエドモントンまたはストーニークリークの工場で2004年まで稼働していました。

その他の番号については、「273」（ポーランド・プロツク）、「292」「295」（スペイン）、「647」「989」（メキシコ）など、各国の工場に割り当てられています。

🌐 3桁工場番号の生産国別分類

開始数字	生産国・地域	代表的工場番号	特徴
5	アメリカ（リーバイス直営）	501,513,524,555	高品質、現在は希少
6	アメリカ（委託工場）	653	独特の仕様あり
3	アジア諸国	359（フィリピン）	長期間安定生産
2	カナダ	212,216,217	北米生産の一翼
その他	ヨーロッパ・中南米	273,292,647	地域別生産拠点

内タグの情報と工場番号を組み合わせれば正確な年代判別が可能

リーバイスの正確な年代判別を行うには、ボタン裏の工場番号だけでなく、内タグの情報も併せて確認することが重要です。内タグには製造年月や工場の詳細情報が記載されており、工場番号と組み合わせることでより精密な年代特定が可能になります。

1970年代～1980年代前半の内タグでは、工場番号が記載されている行が製造年月を示しています。例えば、ボタン裏に「8」の刻印があり、内タグの8番の行に「8 77 11」と記載されていれば、8番工場で1977年11月に製造されたことがわかります。ただし、1970年代製造の中では製造年が1桁で表記される場合もあり、その場合は1970年代の該当年を示しています。

1980年代後半になると、内タグのレイアウトが変更され、製造工場番号とは別の場所に製造年月が記載されるようになりました。例えば、右下に「107」とあれば、製造年「7」（1987年）、製造月「10」（10月）を意味します。この時期のタグは製造番号の表記場所と製造年月の場所が異なるため注意が必要です。

1990年代前半では、製造工場番号の横に製造年月が記載される形式に戻りました。下から2行目に「081」とあれば、1991年8月製造ということがわかります。この時期のタグは比較的わかりやすいレイアウトとなっています。

1990年代後半～2000年代初期では、一番下の行に4桁で製造年月が記載されています。「1000」であれば2000年01月製造を示しています。この形式は現在でも基本的に継続されています。

内タグの情報を正しく読み取ることで、同じ工場番号でも製造時期による違いを把握でき、より正確な価値評価が可能になります。特にヴィンテージモデルでは、製造年月によって使用されている生地や仕様が微妙に異なることがあるため、詳細な年代判別は重要な意味を持ちます。

📅 年代別内タグの読み方

年代	記載方式	読み方の例	注意点
1970年代～1980年代前半	工場番号行に記載	「8 77 11」= 8工場1977年11月	1桁年表記もあり
1980年代後半	別場所に記載	「107」= 1987年10月	場所が変更されている
1990年代前半	工場番号横に記載	「081」= 1991年8月	わかりやすい形式
1990年代後半～	4桁で記載	「1000」= 2000年01月	現在も継続

フィリピン製359工場は隠れた良品として評価されている

フィリピンのマカティにあった359工場は、1972年から2009年まで37年間という長期にわたって稼働していた重要な生産拠点でした。この工場で製造されたリーバイス製品は、アメリカ製ほどの希少価値や高価格はつかないものの、品質の良さから「隠れた良品」として一部のファンから高い評価を受けています。

359工場の特徴として、比較的初期の海外工場であったため、一定の品質管理がなされていたことが挙げられます。リーバイスの生産拠点がアジアへと移行し始めた時期に開設された工場の一つで、アメリカ国内向けやアジア市場向けなど、様々な市場に供給していました。

生地の特徴については、日本製と同様にネップ感のある生地を使用している傾向が多いとされています。現在もリサイクルショップなどで「良さそうな生地感だな」と手に取ると、フィリピン製のリーバイスであることが多いという声も聞かれます。色の濃さよりも、生地の質感に特徴があるとの評価が一般的です。

市場での評価について、USA製リーバイスほどの希少価値や価格はつかないものの、2000年代初頭のUSA製工場閉鎖後は、アジア諸国での生産が中心となったため、359工場製品は一定の評価を得ています。特に品質を重視する愛好家の間では、適切な価格帯で購入すれば日常使いに適した選択肢として認識されています。

工場の歴史を振り返ると、359工場は「3」から始まる工場番号ですが、これはリーバイス社の工場番号体系において、米国以外の工場を示すパターンです。特に「3」から始まる番号は、アジアの工場を示すことが多いとされており、359工場はその代表例と言えるでしょう。

2009年の閉鎖後は、後期の製品では「H07」などの新しい工場番号に変更された例も見られるため、359刻印の製品を見つけた際は、内タグの製造年も確認することで、より正確な製造時期を特定することができます。

🏭 359工場（フィリピン・マカティ）の概要

項目	詳細
稼働期間	1972年〜2009年（37年間）
所在地	フィリピン・マカティ
主な特徴	ネップ感のある生地、安定した品質
市場評価	隠れた良品、日常使いに適している
希少性	中程度（USA製ほどではない）

現行4桁工場番号は具体的工場の特定が困難になっている

2000年代以降、リーバイスの工場番号は4桁の数字や、アルファベットと数字の組み合わせへと変化しました。しかし、これらの現行4桁工場番号は、かつての3桁番号のように具体的な工場の所在地を特定することが困難になっています。これは、グローバル化に伴う生産拠点の多様化と、生産管理システムの変更が主な要因と考えられます。

現行4桁工場番号の特徴として、以前の3桁番号と比べて文字が詰まって見える傾向があります。「4420」や「4170」などの4桁番号が現在よく見られますが、これらの番号が示す具体的な工場については、公開されている情報が限られています。一部の情報によれば、「4114」や「4420」などはアメリカのエルパソ工場に関連している可能性がありますが、確実な情報ではない点に注意が必要です。

日本向け企画モデルでは、「J」から始まるアルファベットと数字の組み合わせが使われることがあります。これは日本市場向けに特別に製造された製品であることを示していますが、これもリーバイス社が日本に工場を持っていたことを意味するわけではなく、日本向けに海外で製造された製品であることを表しています。

情報公開の制限により、現行モデルの工場番号からは、製造年月を判別する手がかりにはなりますが、ヴィンテージモデルのように工場の所在地や特性を直接示すものではなくなっています。そのため、現行モデルの評価においては、工場番号よりもむしろ使用されている生地（例：コーンミルズ社のデニム、カイハラのデニムなど）や製造国、モデルの特徴などが重視される傾向にあります。

現行モデルの価値判断を行う際は、工場番号だけでなく、内タグの情報や製造年月、使用されている生地の特徴などを総合的に考慮することが重要です。特に2017年までのUSA製モデルでは、コーンミルズ社のホワイトオークデニムが使用されていましたが、同社の閉鎖に伴い、現在ではこの生地を使ったモデルは市場に残っているもののみとなっています。

🔢 現行4桁工場番号の特徴

特徴	詳細	対策
具体的工場特定困難	所在地不明なものが多い	製造国タグで判断
情報公開制限	詳細情報が少ない	生地品質で評価
日本企画「J」番号	日本向け特別製造	内タグで確認
年代判別のみ可能	製造時期は特定可能	総合的な価値判断

日本製LVCとカイハラ生地の関係性を理解する必要がある

リーバイス・ヴィンテージ・クロージング（LVC）における日本との関係は複雑で、製造国、生地の産地、企画の違いなどを理解することが重要です。特に2017年のコーンミルズ社ホワイトオーク工場閉鎖後は、日本のカイハラ製デニムとの関係性が注目されています。

LVCの歴史的変遷を見ると、初期は日本企画・日本製として始まり、その後アメリカ製に移行、そして現在はトルコ製・ブルガリア製などの海外製が中心となっています。この変遷の中で、生地についても大きな変化がありました。従来のUSA製LVCでは、コーンミルズ社のホワイトオーク工場製の伝統的な赤耳デニムが使用されていました。

2017年のホワイトオーク工場閉鎖は、LVCにとって大きな転換点となりました。伝統的なアメリカ製セルビッジデニムの供給が終了したため、代替の生地メーカーを探す必要が生じたのです。この際に注目されたのが、日本の老舗デニムメーカーであるカイハラでした。

カイハラ製デニムの特徴について、同社は日本最大級のデニム生産メーカーであり、世界中の有名ブランドに生地を供給している実績があります。LVCでの使用が本格化した場合、品質面では決して劣るものではないと考えられています。しかし、LVCファンの中には「ホワイトオークでなければ意味がない」という意見も根強く存在します。

日本製LVCの評価については、過去に日本で製造されていた時期のLVCは、アメリカ製に移行した際に風合いや再現度が落ちたという評価もありました。しかし、技術的には様々な実験を重ね、ヴィンテージのような色落ちや質感を実現する能力を持っていたことは確かです。

現在の状況として、LVCの一部モデルでカイハラ製デニムが使用される可能性が高まっていますが、これをどう評価するかは個人の価値観による部分が大きいでしょう。品質面では十分なレベルが期待できる一方で、伝統的なアメリカ製デニムの歴史的価値を重視する層には複雑な感情もあるようです。

🏯 日本製LVC・カイハラ生地の変遷

時期	製造国	生地	特徴	評価
1980年代後半〜	日本	日本製	復刻初期、技術実験期	歴史的価値あり
2000年代〜2017年	アメリカ	ホワイトオーク	伝統的USA製	最高評価
2017年〜	トルコ・ブルガリア	カイハラ等	新時代の高品質	評価分かれる