ニューバランスの人気モデル1400が廃盤になったという噂が広がっています。1985年に企画された1400は、当時の最新テクノロジーを結集したモデルでしたが、発売までには紆余曲折がありました。開発段階で40,000円を超える価格設定が必要となり、一時は生産中止に追い込まれたのです。
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この状況を打開したのが、ニューバランスジャパンの尽力でした。材料調達や企画を日本側が担当し、生産のみをアメリカで行うことでコストを抑え、1994年についに商品化にこぎつけました。その後、日本市場を中心に展開され、2018年には一度生産を終了。2021年には復刻版も発売され、現在も根強い人気を誇っています。
この記事のポイント！
- ニューバランス1400の開発経緯と生産中止から復活までの流れ
- 日本市場特有のモデルとして展開された背景
- 価格設定の問題と、それを解決するために行われた工夫
- 現在の入手方法と価格相場の実態
ニューバランス1400が廃盤になった背景とその詳細
- M1400の開発経緯と生産中止の理由
- ニューバランスジャパンが果たした重要な役割
- 日本市場限定モデルとしての特殊性
- 1500との関係性と発売順序の真相
- 40,000円超の価格設定が招いた結果
- 生産コスト削減への取り組みと素材変更
M1400の開発経緯と生産中止の理由
ニューバランス1400は、1985年に1300の後継モデルとして企画されました。1000シリーズの第2弾として期待された本モデルでしたが、当初から開発には大きな課題がありました。
最大の問題は製造コストでした。開発段階でのサンプル製作時点で、利益を確保するためには40,000円を超える価格設定が必要となることが判明。当時としては非常に高額な価格設定となってしまいました。
さらに、画期的なソール構造を採用していたため、当時の技術では大量生産が困難でした。これらの要因が重なり、一時は商品化を断念。生産中止となってしまいます。
この間に、後継として予定されていた1500の開発が進み、結果として1500が先に市場投入されることになりました。1500は1989年に発売され、その5年後の1994年になってようやく1400が日の目を見ることになったのです。
この経緯から、1000番台シリーズは1300、1500、1400、1600、1700という順序で市場に投入されることになりました。実は1400と1600は同じ1994年に発売されており、開発順序と発売順序が異なる珍しいケースとなっています。
ニューバランスジャパンが果たした重要な役割
ニューバランス1400の復活の立役者となったのが、ニューバランスジャパンでした。日本の担当者がアメリカのニューバランス工場で生産中止となっていた1400のサンプルを発見したことが、その始まりでした。
完成度の高いサンプルに魅了された日本側は、コスト削減の方法を模索。材料の調達と企画を日本側が担当し、生産のみをアメリカで行うという新しいビジネスモデルを提案しました。
この取り組みにより、製造コストを大幅に抑えることに成功。当初予定していた高価なヌバックレザーをスウェード素材に変更するなど、様々な工夫を重ねて商品化にこぎつけました。
なお、2018年には当初の構想を実現した特別モデルとして、ヌバックレザーを使用した1400も限定で発売されています。これは開発当初のコンセプトを忠実に再現したモデルとして注目を集めました。
このように、ニューバランスジャパンの熱意と創意工夫により、幻となるはずだった1400は実現。その後の日本市場での成功につながっていきました。
日本市場限定モデルとしての特殊性
ニューバランス1400は、他のニューバランスのモデルとは異なる特殊な立ち位置を持っています。最大の特徴は、日本市場を中心に展開されたという点です。
実際、ニューバランスの本国アメリカでは、公式サイトでの1400の取り扱いは確認されていません。アメリカのスポーツブランドでありながら、日本市場特有のモデルとして展開されるという珍しい状況が続いていました。
一時期、アメリカのアパレルブランド「J.CREW」が別注モデルを展開し、海外でも注目を集めました。この影響で日本でも人気が再燃し、品薄状態が続く時期もありました。
しかし、グローバル企業として成長するニューバランスにとって、一つの市場に特化したモデルを維持することは次第に難しくなっていきました。この状況が、後の生産終了の一因となったと考えられています。
2018年、ついに1400の定番カラーは生産終了となりました。その後2021年には限定的な復刻版が発売されましたが、以前のような幅広い展開はされていません。
1500との関係性と発売順序の真相
ニューバランス1400と1500の関係は、数字の順序からは想像できない独特なものでした。1500は1989年に発売され、1400は1994年の発売となっています。
この逆転現象が起きた理由は、1400の開発段階での生産中止にありました。当初の計画では1300の後継として1400を発売する予定でしたが、コストの問題で実現できず、その間に開発が進んでいた1500が先に市場投入されることになったのです。
興味深いのは、1994年には1400だけでなく、1500の後継機である1600も同時に発売されている点です。このため、1400は発売時点ですでに、前後の世代のモデルが存在するという珍しい状況でした。
1500はイギリスで生産されており、1400のアメリカ生産とは異なる特徴を持っています。また、1500はグローバルに展開される一方、1400は日本市場中心という違いもありました。
両モデルはそれぞれの特徴を活かしながら、ニューバランスの1000番台シリーズを代表するモデルとして支持を集めていきました。
40,000円超の価格設定が招いた結果
ニューバランス1400の開発段階での最大の課題は、その価格設定でした。サンプル製作の時点で、利益を確保するためには40,000円を超える価格設定が必要という計算が出ていました。
この価格設定は、当時としては非常に高額でした。比較対象として、1985年に発売された1300は130ドルという、当時としては驚くべき高価格で話題となっていましたが、それをさらに上回る価格となってしまいました。
このような高額な価格設定は、大量生産を前提としたスニーカービジネスにおいて大きなリスクとなります。市場での受け入れが難しいと判断され、一時的に開発が中止されることになりました。
後に実現した1994年の発売時には、材料や製造方法の見直しにより、価格を抑えることに成功。しかし、2018年の生産終了直前には、定価が33,000円となっていました。
現在では、プレミア価格が付いており、新品の場合定価以上の価格で取引されることも少なくありません。特に人気カラーや限定モデルは高値で取引される傾向にあります。
生産コスト削減への取り組みと素材変更
当初の1400は、高級なヌバックレザーを使用する計画でした。しかし、コスト削減のため、最終的にはスウェード素材を採用することになりました。
材料の調達を日本側が担当し、生産をアメリカで行うという方式を採用したことで、製造コストを大幅に抑えることに成功。これにより、商品化が実現可能となりました。
足を包み込むような履き心地を実現するため、「袋縫い製法」が採用されました。インソールを剥がすと中央に縫い目があるこの製法により、独特のフィット感を実現しています。
ソール部分には、1300で使用されていた「ENCAP（エンキャップ）」に「C-CAP」を組み合わせることで、クッション性と持続力を向上させました。アウトソールにはソリッドラバーを採用し、耐久性も確保しています。
これらの工夫により、高級感を保ちながらも、製造コストを抑えることに成功したのです。
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ニューバランス1400の現在と将来
- 2018年の生産終了から現在までの動き
- 定番カラーと人気色の変遷
- 入手方法と価格相場の実態
- 後継モデルの可能性と類似モデル
- 復刻版の特徴と違い
- まとめ：ニューバランス1400が廃盤になった理由と今後の展望
2018年の生産終了から現在までの動き
ニューバランス1400は2018年に一度生産が終了しました。この時、大きなアナウンスはなく、公式サイトから定番カラーが徐々に姿を消していきました。
多くのファンからの要望に応える形で、2021年1月にオンラインショップ限定で復活を果たしています。しかし、すぐに完売となり、入手は困難な状況が続いています。
1400の特徴的な点は、米国産という点です。生産箇所が限られており、人気はあるものの、廃盤前には在庫を抱えるショップも見られ、販売量としては決して多くありませんでした。
現在は、定期的に限定モデルや復刻版が発売されていますが、かつてのように常時入手できる状況ではありません。2021年以降も、限定的な販売は継続されています。
また、日本を除くと販売する場所が限られているという特徴は、現在も変わっていません。グローバル展開を進めるニューバランスにとって、一つの市場に特化したモデルを維持することは難しい状況が続いています。
定番カラーと人気色の変遷
ニューバランス1400の人気カラーとして特に支持を集めているのが「スティールブルー」です。グレーに近い色味でありながら、より涼やかな印象を与えるカラーとして知られています。
「ネイビー」も定番カラーとして高い支持を得ています。オールスエードバージョンのネイビーは特に人気が高く、多くのファンを魅了してきました。
「グレー」もニューバランスの象徴的なカラーの一つとして、長年支持されてきました。上品なカラーリングで、どんな服装にも合わせやすい特徴を持っています。
しかし、オールスエードモデルには注意点もあります。白いステッチにより、補色ができず、ライトグレーに変色してしまうケースが報告されています。
ニューバランスが豚のスエードから牛のスエードに素材を変更したのも、このような顔料の問題が関係していた可能性があります。「最高級のピッグスキンレザー」という謳い文句がありましたが、豚革は本来高級素材とは言えないものでした。
入手方法と価格相場の実態
2023年現在、ニューバランス1400の定価は33,000円（税込）となっています。しかし、実際の市場価格は定価を大きく上回ることが多くなっています。
現在の主な入手方法は、オンラインショップでの購入です。Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの大手通販サイトで取り扱いが確認できますが、定価以上の価格設定が一般的となっています。
実店舗では、ABCマートやシュープラザなどの大手チェーン店での取り扱いは現在確認できていません。公式オンラインストアでも常時販売はされていない状況です。
復刻版が発売される際は、オンラインショップ限定での販売や抽選販売となることが多く、入手にはタイミングと運が必要です。
中古市場での取引も活発ですが、人気カラーや限定モデルは新品以上の価格で取引されることもあり、注意が必要です。
後継モデルの可能性と類似モデル
ニューバランス1400の直接の後継モデルとして、2005年頃に1450が発売されました。しかし、このモデルは継続的な販売には至らず、すぐに生産が終了しています。
現在、1400に近い特徴を持つモデルとして、「M576」と「M670」があります。これらのモデルは1400と同様にクラシカルなデザインと優れた履き心地を特徴としています。
さらに、「990シリーズ」も1400の代替として注目されています。最新の技術を取り入れながらも、クラシックなデザインを維持しているのが特徴です。
M576は特に、1400と似た履き心地で定評があり、定番モデルとして長く愛されています。シルエットや履き心地が1400に近いと言われています。
990v5は、1400ファンからも高い評価を受けており、デザインと機能性の両面で優れた特徴を持っています。
復刻版の特徴と違い
2021年に復活した1400は、オンラインショップ限定でリリースされました。発売直後から全サイズが完売し、その人気の高さを示しています。
復刻版では、オリジナルの特徴である「ENCAP」と「C-CAP」を組み合わせたミッドソール構造が忠実に再現されています。また、スエードとメッシュを組み合わせたアッパーデザインも継承されています。
履き心地に関しては、ローテクスニーカーの中でも高い評価を得ています。特に、幅広めのラストを使用している点は、日本人の足型に合わせた特徴として継承されています。
一方で、2018年のヌバック素材を使用した特別モデルは、開発当初のコンセプトを忠実に再現した特別なモデルとして注目を集めました。
復刻版の入手は困難を極めますが、今後も不定期に限定モデルとして復活する可能性は残されています。
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まとめ：ニューバランス1400が廃盤になった理由と今後の展望
最後に記事のポイントをまとめます。
- 1400は1985年に企画されたが、高コストにより一時生産中止となった
- 製造コストの問題で40,000円超の価格設定が必要だった
- ニューバランスジャパンの尽力により1994年に商品化が実現
- 材料調達と企画を日本側が担当し、生産のみアメリカで行うことでコスト削減に成功
- 当初予定のヌバックレザーからスウェード素材への変更で価格を抑制
- 日本市場限定のモデルとして独自の地位を確立
- 2018年に一度生産終了となるも、2021年に復刻版を発売
- 定価は33,000円だが、現在は定価以上での取引が一般的
- 直接の後継機1450は短期で生産終了
- M576やM670が近似モデルとして支持を獲得
- オンラインショップ限定での販売が中心となっている
- グローバル展開を進める中で、日本限定モデルの維持が困難に
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