リーバイスのデニムには長い歴史があり、特に501XXは多くのファンを魅了してきました。しかし、オリジナルと復刻版の見分け方に悩む方も少なくありません。トップボタンの裏刻印、赤タブのデザイン、パッチの素材など、細かなディテールの違いを理解することで、本物のヴィンテージと復刻版を判別することができます。
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501XXの特徴として、バックポケットの隠しリベットや赤耳デニムの使用、アーキュエットステッチなど、時代によって異なる仕様があります。この記事では、リーバイス501XXのオリジナルと復刻版の違いを、実際の写真や具体的な特徴とともに詳しく解説していきます。
この記事のポイント！
- トップボタン裏の刻印番号による年代判別方法
- 赤タブのデザインとフォントによる真贋確認の手順
- パッチの素材と印字から見分けるポイント
- 内タグやセルビッジなど、細部の特徴による判別方法
リーバイス501XXの真贋を見極めるポイント
- バックポケットのステッチで見分けるポイント
- 赤タブのフォントと位置で判別する方法
- パッチの素材と文字から年代を特定
- トップボタン裏の刻印番号の重要性
- 内タグの特徴と製造年の確認方法
- セルビッジ(赤耳)の確認ポイント
バックポケットのステッチで見分けるポイント
バックポケットに施されたアーキュエットステッチは、リーバイスの重要な特徴です。1943年に商標権を獲得しており、他社との差別化を図る重要な要素となっています。
第二次世界大戦中は物資統制の影響で、ステッチの代わりにペンキで描かれることもありました。このステンシルペイントは洗濯で消えやすく、現存するヴィンテージの多くは無地の状態となっています。
1977年頃を境に、バックポケット裏のステッチがシングルステッチからチェーンステッチへと変更されました。このステッチの違いは、年代を判別する重要な手がかりとなっています。
オリジナルのアーキュエットステッチは、中央で交差する部分にダイヤモンドポイントと呼ばれる特徴があります。
復刻版では、このステッチのディテールが完全には再現されていないことがあり、見分けるポイントの一つとなっています。
赤タブのフォントと位置で判別する方法
赤タブは1930年代に導入され、模倣品との区別を図るために考案されました。初期のモデルは片面のみに「LEVI’S」の刺繍が入っている「片面タブ」でした。
1953年からは両面に刺繍が入る「両面タブ」となり、1966年頃からは「V」の字体が左右非対称になるという特徴が現れました。
1974年に「LEVI’S」の「E」が小文字の「e」に変更されるまでの期間は「ビッグE」と呼ばれ、この時期の特徴を持つものが高い評価を受けています。
復刻版の場合、これらの歴史的変遷を完全に再現していないことがあり、年代との整合性を確認することで真贋判別の手がかりとなります。
タブのサイズも重要で、縦約1.7cm、横7mmというサイズが一つの基準となっています。
パッチの素材と文字から年代を特定
パッチには革製と紙製があり、1957年頃を境に革パッチから紙パッチへと移行しました。革パッチ時代は「Every Garment Guaranteed」の文字が特徴的です。
1970年代以降のパッチには「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」という表記が現れ、初期は黒字のスタンプ、後に印刷へと変わっていきました。
パッチには2頭の馬がジーンズを引っ張る「ツーホースマーク」が描かれており、これは耐久性の象徴として今日まで継承されています。
501XXの表記がある時期は1890年から1966年頃までで、その後単純な「501」表記へと変更されました。
復刻版のパッチは、これらの歴史的な特徴を完全には再現できていないことがあり、年代との整合性を確認することが重要です。
トップボタン裏の刻印番号の重要性
トップボタン裏の刻印は製造工場を示す重要な識別情報です。50-60年代はアルファベットや1桁の数字が一般的でした。
70年代には「1」「2」「4」「5」「6」「7」「8」「16」「52」などの数字が使用され、特に16番工場は50年代初期から70年代中期まで稼働し、特徴的な製品を生産していました。
80年代以降は3桁の数字となり、2000年以降は4桁の数字や英文字と数字の組み合わせへと変化しています。
555はバレンシア工場を示す番号で、1996年から2003年まで稼働していました。このバレンシアの製品は、アメリカ最後の製造拠点として高い評価を受けています。
復刻版では、これらの刻印の歴史的変遷が完全には再現されていないことがあり、年代との整合性を確認することが重要です。
内タグの特徴と製造年の確認方法
内タグは1974年以降に導入され、製造年月や工場番号などの情報が記載されています。70年代から80年代前半の内タグでは、製造工場番号と製造年月が同じ行に記載されています。
80年代後半になると内タグのデザインが変更され、製造年月の表記位置が変わりました。この時期の内タグは、右下に製造年月が記載される特徴があります。
90年代前半の内タグは、下から2行目に製造年月が記載される形式に変更されました。90年代後半以降は、一番下の行に製造年月が記載されるようになりました。
内タグに記載される収縮率も重要な情報で、66モデルでは8%、後継モデルでは10%と変化しています。
復刻版の内タグは、これらの歴史的変遷を完全には再現していない場合があり、年代との整合性を確認することが重要です。
セルビッジ(赤耳)の確認ポイント
セルビッジは生地の端のほつれ止めで、特に白地に赤い糸で施されたものは「赤耳」と呼ばれています。この赤耳は旧式の力織機で織られた証であり、職人による手作業の証でもあります。
セルビッジデニムは1980年代以前のモデルに限られ、1983年から1986年頃が最終期とされています。現存する赤耳の個体は、年代を特定する重要な手がかりとなります。
復刻版でも赤耳は再現されていますが、オリジナルとは織り方や色合いが異なることがあります。
裾の裏のセルビッジステッチは、薄いピンク色が特徴的です。このステッチの色合いも真贋判別の参考になります。
セルビッジの存在は品質の高さを示す指標の一つとされ、高価な製品として知られています。
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リーバイス501XXの細部で見分ける復刻との違い
- ボタンフライの構造と配置の特徴
- リベットの種類と配置で判断する
- ベルトループの位置と幅の違い
- ジッパーの種類と製造元の確認
- 生地の質感と織りの特徴
- まとめ：リーバイス501XXと復刻の決定的な違いと見分け方
ボタンフライの構造と配置の特徴
フロントのボタンフライは、リーバイス501の伝統的な特徴の一つです。生デニムを使用する501では、洗濯時の縮みに対応するため、ジッパーではなくボタンフライを採用しています。
ボタンの数はウエストサイズによって異なり、29インチ以下で3つ、30インチ以上で4つ、さらに大きなサイズでは5つのボタンが使用されています。
戦時中は物資統制の影響で、月桂樹の刻印がないボタンや、ドーナツ型の既製ボタンが使用されることがありました。これらは当時の特異なディテールとして知られています。
フロントボタンには「LEVI STRAUSS & CO.」の刻印があり、1950年代中頃から1960年代後半にかけては、Rの足が長い「足長R」と呼ばれる特徴的なデザインが使用されていました。
復刻版では、これらの歴史的な特徴を完全には再現できていないことがあり、ボタンのデザインや刻印を確認することが重要です。
リベットの種類と配置で判断する
リーバイスのジーンズには、1937年から1966年にかけて「隠しリベット」と呼ばれる特徴的な仕様がありました。バックポケットの表側からはリベットが見えず、内側から確認できる構造となっています。
コインポケットのリベットは、第二次世界大戦中の物資統制により省略されることがありました。これは大戦モデルにのみ見られる特徴的な仕様です。
リベットの素材は1963年頃を境に、鉄の銅メッキからアルミへと変更されています。この素材の違いは、年代を判別する重要な手がかりとなっています。
バックポケットのリベットが丸みを帯びているかどうかも、年代判別の参考になります。復刻版では、これらのリベットの特徴が完全には再現されていないことがあります。
リベットの仕様変更は、多くの場合パッチの仕様変更と時期が重なっており、両者を照らし合わせることで、より正確な年代判別が可能となります。
ベルトループの位置と幅の違い
1950年代後半から1964年頃までの501XXには、「オフセットベルトループ」と呼ばれる特徴的な仕様がありました。後ろの中心部のベルトループが、中心から左側にずれて配置されているのが特徴です。
このオフセット配置は、当時の技術的な制約によるものでした。中心部に重ねてしまうとデニム地が層をなしすぎて縫い付けが困難になるため、この対策として採用されました。
ベルトループの位置は、501XXの真贋を判別する重要なポイントの一つとなっています。特に、後ろセンターのループがセンターに配置されているか、オフセットになっているかを確認することが重要です。
復刻版では、この製造技術に起因する特徴を完全には再現できていないことがあり、ベルトループの配置を確認することで年代との整合性を判断できます。
オフセットベルトループの仕様は、その後の技術革新により解決され、1964年以降は中心配置へと変更されています。
ジッパーの種類と製造元の確認
60年代製のジーンズには、グリッパー（GRIPPER）やコンマー（CONMAR）のジッパーが使用されています。505の前身とされる551ZXXなどで、この仕様を確認することができます。
70年代になるとタロン（TALON）やスコービル（SCOVILL）のジッパーが主流となり、年代を判別する重要な指標となっています。
80年代初期から中期にかけては、Levi’s刻印のYKKジッパーが使用され始めました。この時期には稀にLevi’s刻印のtalon製42ジップも存在しています。
ジッパー仕様の501ZXXは、東海岸の顧客向けに開発された短期間のモデルです。洗濯時の縮みによるジッパーへの負担が指摘され、後に防縮加工の502へと移行しました。
ジッパー仕様のモデルは生産数が少なく、現在では希少価値が高いとされています。
生地の質感と織りの特徴
リーバイスのヴィンテージデニムは、現代の工場生産とは異なる独特の風合いを持っています。穿き込むことで独特の色落ちが生まれ、上下に白っぽい線が現れる特徴があります。
色落ちの状態は個体差や保存管理の方法によって異なりますが、濃紺の色落ちがはっきりと楽しめるものは特に価値が高いとされています。
66モデルは前期と後期で色落ちの特徴が異なります。前期は縦落ちがはっきりとする傾向があり、後期はまだらな色落ちが特徴となっています。
生地の製造元は、1915年以降はコーンミルズ社が担当し、リーバイスにのみ独占的に供給されていました。この生地は高い品質で知られ、ヴィンテージの価値を高める要素となっています。
古い時代のデニムは旧式の力織機で織られており、職人の手作業による製造の証としてセルビッジが付けられています。
まとめ：リーバイス501XXと復刻の決定的な違いと見分け方
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最後に記事のポイントをまとめます。
- トップボタン裏の刻印は年代によって1桁、2桁、3桁と変化した
- 赤タブは1930年代に導入され、片面から両面へと進化している
- パッチは1957年頃を境に革製から紙製へ移行した
- 1974年以降、内タグが導入され製造年月の表記が可能になった
- セルビッジは1980年代以前のモデルの特徴である
- バックポケットステッチは1977年頃にシングルからチェーンへ変更された
- ベルトループは1964年頃までオフセット配置だった
- 1963年頃にリベットの素材が銅メッキからアルミに変更された
- ジッパーの製造元は60年代、70年代、80年代で異なる
- 66モデルは前期と後期で色落ちの特徴が異なる
- 1943年にアーキュエットステッチの商標権を獲得している
- バレンシア工場（555）は1996年から2003年まで稼働していた
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