リーバイス702は、1990年代後半に日本で特別に企画・生産された興味深いジーンズモデルです。1930年代の501をモチーフにしながらも、当時はまだ501の名前を冠したレプリカ生産には厳しい規制があり、702という独自の品番で展開されました。
ポチップ
このモデルは、シンチバックベルトや打ち抜きの表リベット、赤耳セルビッジデニムなど、こだわりのディテールを備えています。1996年から1998年にかけて、10’sモデルと20’sモデル、そしてNEW20’sモデルという3つのバリエーションが展開され、それぞれに特徴的な違いがありました。
この記事のポイント！
- リーバイス702の開発背景と歴史的な位置づけ
- 3つのモデルの具体的な違いとディテールの特徴
- 各モデルの生地やパーツの詳細な比較
- 当時の価格帯と市場での評価
リーバイス702の特徴と歴史的な価値を徹底解説
- 90年代に誕生したリーバイス702の歴史的背景
- 3つの異なるモデル展開で見る702の進化
- リーバイス702の細部にこだわった復刻デザイン
- バックポケットとシンチベルトの特徴的なディテール
- セルビッジデニムの違いと各モデルの特徴
- リーバイス702の価格推移と当時の市場価値
90年代に誕生したリーバイス702の歴史的背景
リーバイス702は、1990年代の終わり頃、日本でのヴィンテージブームの先駆けとなった時期に登場しました。リーバイスの日本法人が独自に企画したモデルで、1930年代の501がモチーフとなっています。
当時、501の名前を冠したモデルのレプリカ生産には厳しい規制があり、日本法人であっても「501」の名前を使用することができませんでした。そのため、702という独自の品番が与えられることになりました。
発売当時、米国製のレギュラーライン501が上野アメ横で6,000円程度だった中、この702は復刻版プレミアムとして12,000円程度で販売されていました。これは当時としては高価格帯の位置づけでした。
市場での評価について、知恵袋などの情報によると、人気のあるモデルではあったものの、レアやプレミアムといった特別な価値を持つものではなかったようです。
しかし、このモデルは後のリーバイスジャパン製501の登場へとつながる重要な位置づけとなり、日本のジーンズ史において興味深い存在となっています。
3つの異なるモデル展開で見る702の進化
リーバイス702には、大きく分けて3つのモデルが存在します。通称10’sモデル、20’sモデル、そしてNEW20’sモデルです。
10’sモデルは1996年初めに限定発売され、店頭では人気サイズが即日完売するほどの反響がありました。このモデルは特に高い人気を誇りました。
20’sモデルは1996年末に最初のバージョンが発売され、その後1998年末に大幅な変更を加えた新バージョン（NEW20’s）が登場しました。
NEW20’sモデルでは、生地からパッチまで大きな変更が加えられ、リーバイス初の縮むパッチや702専用に織られた生地を採用するなど、当時のリーバイスジャパンの意欲的な姿勢が見られました。
各モデルの進化を見ると、単なるデザインの変更だけでなく、素材や製法にまで及ぶ本格的な改良が行われていたことがわかります。
リーバイス702の細部にこだわった復刻デザイン
702の特徴的なディテールとして、まず革製のパッチが挙げられます。10’sと20’sモデルでは縮まないタイプ、NEW20’sでは縮むタイプが採用されました。
フロントには、ドーナツタイプのボタンが使用され、古さを演出しています。特にNEW20’sモデルではさび加工が施されたドーナツボタンが採用されました。
バックポケットには赤タブが付いていません。これは1936年9月1日以前の501を忠実に再現した結果です。また、打ち抜きの表リベットが使用され、アーキュエットステッチも特徴的な形状となっています。
シンチバックはベルトループ下にリベット止めされており、これは当時のオリジナルモデルを忠実に再現しようとした証と言えます。
縫製面では、バックポケット裏のステッチやVステッチなど、細部まで当時の仕様を意識した作りとなっています。
バックポケットとシンチベルトの特徴的なディテール
バックポケットの特徴を詳しく見ていくと、各モデルで興味深い違いが確認できます。10’sモデルはアーキュエットステッチの角度が他の2モデルより浅く設計されています。
20’sモデルとNEW20’sモデルを比較すると、アーキュエートステッチの位置がNEW20’sの方が下に移動しています。また、ポケット上部のステッチは10’s、20’sが1本であるのに対し、NEW20’sは2本となっています。
シンチベルトについても、10’sと20’sモデルは真ん中が繋がらないデザインを採用していますが、NEW20’sモデルは繋がっているタイプを使用しています。
シンチベルトの寸法も各モデルで異なり、NEW20’sモデルは他の2モデルと比べて短く太めの設計となっています。具体的な寸法は、10’s、20’sが長さ14.5cm、NEW20’sが14cmとなっています。
このように、一見同じように見えるディテールでも、モデルごとに細かな違いが存在しています。
セルビッジデニムの違いと各モデルの特徴
セルビッジについて、10’sと20’sモデルは平織りの赤耳を採用し、幅はそれぞれ2.5mmと2.4mmでした。一方、NEW20’sモデルは綾織で幅1.9mmのピンクラインとなっています。
生地の特徴として、NEW20’sモデルだけが綾織のセルビッジを採用しており、これは色落ちの表情に影響を与える重要な違いとなっています。
シルエットについても各モデルで微妙な違いがあり、特に裾幅において変化が見られます。10’sモデルが22.8cm、20’sモデルが23.3cm、NEW20’sモデルが23.5cmと、徐々にワイドになっていく傾向が確認できます。
前ポケット裏の印刷は全モデルで同じ内容となっていますが、NEW20’sモデルだけは生地が綾織りになっているという特徴があります。
これらの違いは、各モデルの個性を作り出す重要な要素となっています。
リーバイス702の価格推移と当時の市場価値
リーバイス702は、発売当時12,000円程度で販売されていました。これは当時の501の価格（6,000円程度）と比較すると、約2倍の価格設定でした。
市場での評価について、初期の10’sモデルは特に人気が高く、店頭では即完売になるほどでした。一方、20’sモデルは10’sの2番煎じ的な扱いを受け、爆発的な人気には至りませんでした。
NEW20’sモデルは発売当初から501XXの影に隠れた存在でしたが、縮むパッチや専用生地の採用など、リーバイスジャパンの意欲的な姿勢が見られる製品でした。
現在では90年代のヴィンテージ品として、状態の良いものは中古市場でも価値が保たれています。特に色の濃いものや状態の良いものは、グッドサイズであれば高値で取引される傾向にあります。
このモデルは、日本のジーンズ史における重要な位置づけを持つ製品として評価されています。
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知っておきたいリーバイス702の特徴と見分け方
- 本物の見分け方とディテールチェックポイント
- レザーパッチの年代別特徴と違い
- リベットとステッチの細かな違いを比較
- 各モデルのシルエットとサイズ感の特徴
- 現在の中古市場での価値と需要
- まとめ：リーバイス702の特徴と魅力を振り返る
本物の見分け方とディテールチェックポイント
リーバイス702の重要なチェックポイントとして、まずレザーパッチの特徴があります。パッチには型押しの番号が刻印されており、10’sと20’sモデルにはJS-619、NEW20’sモデルにはJS-734という異なる番号が確認できます。
フラッシャーの特徴も重要な見分けポイントです。10’sと20’sモデルは同じ形態と印刷を採用しており、ミニブックの内容も同一です。違いは表に貼られているシールだけとなっています。
コインポケット裏には赤耳が確認できます。10’sと20’sモデルは平織りの耳付き、NEW20’sモデルは綾織の耳付きという特徴があり、ポケットの幅はすべてのモデルで8.8cmと同一です。
前ポケット裏の印刷内容は全モデルで同じですが、NEW20’sモデルだけは生地が綾織になっているという特徴があります。
また、バックポケットには赤タブが付いていない点も重要な特徴で、これは1936年以前のデザインを忠実に再現した結果となっています。
レザーパッチの年代別特徴と違い
レザーパッチについて、10’sと20’sモデルは縮まない革製パッチを採用し、細い印字が特徴です。型押しも同じJS-619番が確認できます。
NEW20’sモデルは、それまでのモデルと大きく異なり、縮むパッチを採用しています。印字も太くなり、型押しの凹凸がより顕著になっているのが特徴です。
パッチの型押し番号もJS-734と変更され、より深い凹凸が確認できるようになりました。これはリーバイス初の試みだったとされています。
10’sと20’sモデルのパッチは、やわらかい革製で、XXの表記がない点も特徴的です。これらのパッチは見た目がほぼ同じで、実際に同じものが使用されていたと考えられます。
NEW20’sモデルのパッチは、より本格的なヴィンテージ感を追求した仕様となっており、型押しの質感も大きく異なっています。
リベットとステッチの細かな違いを比較
リベットについて、各モデルとも打ち抜きの表リベットを採用しています。股リベットには「L.S＆CO-S.F」の刻印が確認できますが、NEW20’sモデルは他と比べて刻印が小さく浅いのが特徴です。
ステッチの特徴として、10’sと20’sモデルはバックポケット上部が1本ステッチ、バックポケット裏も1本のシングルステッチを採用しています。
対してNEW20’sモデルは、バックポケット上部が2本ステッチ、バックポケット裏は2本のチェーンステッチという異なる仕様になっています。
腰裏のステッチは、各モデルともシングルステッチを再現しています。ただし、10’sモデルはベルトループが無いため、他の2モデルに見られるベルトループの縫い目は確認できません。
ボタン横のVステッチは、各モデルとも同じ角度で施されており、この部分については統一された仕様となっています。
各モデルのシルエットとサイズ感の特徴
シルエットの特徴として、股上は深めで太めのパイプドストレートを採用しています。具体的な寸法を見ていきましょう。
ヒップ周りは10’sと20’sモデルが34cm、NEW20’sモデルが35.5cmとなっています。ひざ幅は全モデルで25.5cmと同一です。
裾幅については、10’sモデルが22.8cm、20’sモデルが23.3cm、NEW20’sモデルが23.5cmと、わずかながら違いが確認できます。
バックポケットのサイズは、10’sと20’sモデルで幅17.3cm、深さ17cm。NEW20’sモデルは幅17.5cm、深さ16.8cmとなっています。
コインポケットの幅は、全モデルで8.8cmと同一の寸法を採用しています。
現在の中古市場での価値と需要
中古市場では、特に色の濃いものや状態の良い物件が高値で取引される傾向にあります。グッドサイズの場合、その傾向はより顕著になります。
10’sモデルは、特に初期モデルということもあり、コレクターからの需要が確認されています。発売当時は即完売になるほどの人気モデルでした。
20’sモデルは、10’sの2番煎じという印象から、当初は爆発的な人気には至りませんでした。しかし、サスペンダーを好まないユーザーからは一定の支持を得ていました。
NEW20’sモデルは、発売当初こそ501XXの影に隠れた存在でしたが、専用生地の採用など、リーバイスジャパンの意欲的な姿勢が評価されています。
現在では90年代のヴィンテージ品として、とりわけ状態の良いものは価値が保たれています。
まとめ：リーバイス702の特徴と魅力を振り返る
ポチップ
最後に記事のポイントをまとめます。
- 1990年代後半に日本限定で企画・生産された特別モデルである
- 1930年代の501をモチーフに開発された日本独自の復刻版である
- 10’s、20’s、NEW20’sの3つのモデルが存在する
- シンチバックベルトと打ち抜き表リベットが特徴的なディテールである
- レザーパッチは10’s/20’sが縮まないタイプ、NEW20’sが縮むタイプを採用
- セルビッジは10’s/20’sが平織り、NEW20’sが綾織という違いがある
- バックポケットには赤タブが付いていない1936年以前のデザインを採用
- 発売当時の価格は約12,000円で、通常の501の2倍程度だった
- 10’sモデルは即完売の人気、20’sは賛否両論、NEW20’sは徐々に評価を得た
- 現在では90年代ヴィンテージとして、良品は高値で取引されている
- 各モデルで裾幅が微妙に異なり、徐々にワイド化している
- リーバイスジャパン製501への布石となった歴史的モデルである
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